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しおりを挟む「………ねえ、あれって……」
「そうよ! あの二人よ……!」
「もうデートしてるのかしら! 早いわ~」
二人が訓練場に向かおうと宮中を歩いていると、女中……メイドたちの目がルベルに刺さる。
「う、うぅ、なんだこのアウェー感は……視線が痛いぞ」
主に女性からの目線は痛いルベルはこそこそと歩く。
「こら、ルベル。君は私の騎士なのだから、私を守ってくれないと」
「い、いやぁ、どちらかというか、俺をこの視線から守ってほしいっていうか……」
ルベルは、それにアンタは俺より強いんだし、警護はいらんだろ! という言葉をぐっと飲みこんだ。
「それともあれか? 私の横を歩くのは嫌なのか?」
ぷくーっと頬を膨らますスカーレット。
(なんだか駄々っ子みたいだ……)
次々に発覚する第七王女の新たな一面にめまいにも似た感覚を感じたルベル。
「嫌では無いよそりゃ、こんな美人と一緒に歩けるんだから、喜びこそすれ、嫌がる男はいないさ」
「………優しいのだな、ルベルは」
そう言って彼女は少し悲しそうに、でも、嬉しそうに笑った。
「ッ⁉」
(そんな顔反則でしょうよ⁉)
ルベルは慌てて顔をそらす。その破壊力は、ルベルの頬を赤く染め、心臓を跳ね上げた。
「む、着いてしまったな」
少し残念そうにスカーレットが言う。
ここは、近衛や騎士たちが使う訓練場。かなりの広さがあり、数名がちらほら修練に励んでいる。
「あっ、だ、第七王女様⁉」
さっそくスカーレットに気がついた兵士達が木刀を慌てて横に置き、敬礼をした。
「楽にしてくれ、今回はただ『兵士』としてここに赴いてきたに過ぎないのだから。三番の演習場は空いているか?」
「は、はいっ! 空いています!」
「そうか、ご苦労。すまなかったな、訓練の邪魔をして。ほら、行くぞルベル」
兵士にねぎらいの言葉をかけ、第三演習場に足を運ぶ。
「ふむ、人もいないし、ここなら大丈夫だな」
周囲を見渡し、誰もいないことを確認する。
「ん? 誰かいたらダメなのか?」
「それは、まあ、一応機密だからなこれは」
そう言って剣をコンコンと叩く。
「さあ、実演だ。なにせ私も何度かしか試していないからな」
ジャキッ、剣を右手に持ち、構える。
(凄い……なんて自然な構えなんだ……。スキが無い……)
同じ剣の道を歩む者として、ルベルは改めてスカーレットの強さを肌で感じ取った。
「トリガーロック解除。セーフティ問題なし、弾薬装填完了。……行くぞっ!」
彼女はシッ! と腰の捻りを加えた鋭い突きを披露する。すると――
バァン!
何かが弾けた音がして、スカーレットから数メートル離れた試し切り用のカカシが砕け散った。
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