最後の涙

水雲 寿々

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逃げ出して見上げた青空

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ダメだ……ダメだよ。

家のことからも、学校のことからも逃げ出したい。
そんなの、私の甘えなんだから…まだ頑張れるんだから……。


でも。
一旦歩きだしたら止まらない。

もう嫌だ。終わらせたい。
自由になりたい。


今までのことを思い出すと、辛くて。


蝉が喧しく鳴く小道をひたすら進んだ。


私は、弱虫で。怖がりで。臆病で。不器用で。
なんにもできない、逃げることしか出来ない小さな人間。

でも辛かったんだ。周りから見ればなんてことないかもしれない。
でも限界だったんだ。

誰にもわかってもらえないかもしれないけど、これは私が死にものぐるいで頑張った結果なんだ。


『もっと出来るでしょ?』

『昔はあんなに出来たのに』

『なんでそんなふうになっちゃったの?』

『これじゃまるで……』


「出来損ないじゃない……」


その言葉を口に出してしまったら、もう涙が止まらなかった。
苦しさをごまかすようにでたらめに走った。
どうせよく知った町。迷うことなんてない。

走って、疲れて、ようやく足を止めたのは何キロも先のコンビニの前。
走りすぎて胸が痛いし足も震えて立っていられない。
思わずしゃがみこんで頭を抱えていると、店から出てきた人の視線が刺さった。

これはこれで、なかなか辛い。

まだうまく歩けそうにはなかったけれど、とにかく移動しなくちゃと立ち上がる。
目の前には森。小さい頃よく遊びに行った。

今では比べられてばかりの、優秀な兄と一緒に歩き回った。
今にも崩れそうな地面。昔はあんなに立派に見えたのに。木も、岩も、全部が大きく見えた。
今ではもう立ち入り禁止。

私は、人が途切れたときを見計らって森の中に足を踏み入れた。
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