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第八話
しおりを挟む外の雨はまだ土砂降りだ、
依然稲光のあとの雷鳴も聞こえる。
「外部との連絡が今も出来ないのだったら試したい事があるわ。倒れた男性が持っていた携帯、私が今持っているけれど衛星とつながるはずよ。洋館の外に止めていたアンテナ付きの車のエンジンをかければ。
それとこの洋館に居た他の人もどういう人が知りたいわ、ソウ」
美鶴は吉川の耳元で囁いた。
美鶴からは、あまり名前で呼んでもらえないが、二人だけのときは吉川五月の名前がソウゲツだから、呼び捨てでソウと呼ばれる。
吉川は美鶴から、携帯電話を受け取ると滝の顔に向かって突き出し提案した。
「外部とコンタクトできるアイデアと美鶴が衛星携帯かも知れない物を持っています。
洋館の外は雨がまだ止んではいませんが、アンテナ付きの車がありました。
それと、女流棋士やアマ将棋の女子選手、髭の男性についても教えて頂けませんか。まさかと思いますが外部と接触したくない大人がいるかも知れません。
滝さんはそうではないと思います。
雨の中申し訳ないですが、あの洋館の外のアンテナ付きの車のエンジンをかけてきてもらえませんか」
滝は携帯電話を見ながら外の雨脚を確認している。
「洋館に下にいるおとなは三人で、校長の兄の知り合いじゃ。
ロングヘアの女流棋士は、女流棋士タイトルの赤龍戦で優勝した八流田さんだ。八流田乙子、ヤルタオツコさん。二十九歳じゃ」
滝が少し口ごもり顔を赤らめてに続けて話す。
「その友人で、ショートカットねアマチュアの女子で将棋が強いのが小野丞さん、小野丞莉月、オノスケリツキさん二十歳じゃ。元々は、兄が将棋の関係で小野丞莉月さんを洋館に誘ったら、女流ともう一人男がついてきたのじゃ」
滝が続ける。
「最後に髭を生やした人相の良くない男性は、小野丞莉月さんの義兄と言っていたな。よく知らないが埋蔵金やお宝を探して雑文にしているイ雑誌に売り込んでいるライターらしい。自称トレジャーハンターの宇曽口史郎だと。ウソグチシロウじゃ。
この洋館の近くの山頂に何かお宝があると言う噂を兄の校長とあまり仲の良くない教育委員会の知り合いから聞きつけたらしい。兄は散々山頂のお宝を否定していたが、宇曽口は勝手に女性二人を連れて洋館の近くの山に入り、何やら古い箱を見つけたと自慢げに話していたのじゃ。但し箱は開けたが中は空だったと言っていた。兄に宝をどこに隠したと詰問していたなあ。ちょうど宇曽口がこの洋館に来た次の夜のことじゃ。
その時、兄は真っ青な顔をしていたから、宇曽口はますます何か兄が隠したと思っているはずじゃ。
洋館の近くの丘のような山も洋館も兄が所有している私有地なんじゃが」
美鶴と吉川は顔を見合わせた。
吉川は滝に再度携帯を見せた。
「急がないと。滝さん、車のエンジンお願いします」
少し雨が小ぶりになってきたように見えた。
渋々、滝はズボンのポケットから車のキーを取り出すと、「エンジンかけてすぐに戻ってくるからな」
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