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第八話
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次に吉川は毎朝新聞社の桂編集部長を呼び出した。
ツインテールの美少女は部屋に居ない。
先ほど本部長とのやりとりを思い出した。
「本部長、あの女流棋士が私と一緒に取調室にいるのですがいいのですか」
「あの子は制服姿が映えるから、『交通安全でだけではなく県警の採用のPRのため、刑事部とか色々な所で写真を撮ってもいい』と確かに言ったよ。
彼女、吉川君の許嫁なのだって。
だから、吉川君が県警の色んな所を案内するから、刑事部も含めてよろしくと言っておいたよ」
許嫁になってはいませんがと言おうとしたが口から出てきたのは、
「一緒に取り調べ室で取り調べをしても良いなんてことは言ってはいませんよね」
だった。
「言っていないよ。
ただ棋士は非常に頭の回転が速いと聞くし、棋界は一般の社会と違って特殊な世界かも知れないから将棋関係の事件だとしたら参考に意見を聞いてもいいじゃないか。未来の伴侶もそう言っていたよ。
今後のこともあるから、吉川といっしょによろしく頼むとあの子には言っておいたよ」
お調子者の本部長と、良い所取りの解釈する女流棋士が噛み合わない会話をしていたようだ。
取りあえず、女流棋士の三島には控え室で待っておくように命じた。
「赤龍戦は良かったですが、そのあと大変でしたね。早速ですが、この写真に見覚えは有りますか」
吉川は取調室に入ってきた毎朝新聞の桂編集部長に対し、最初に川田直久の写真を見せた。
「見覚えは無いと思う」
「そうですか。こちらはいかがですか」
次に大内義長の写真を見せた。
「確か赤龍戦のときに主催の南場社長や協賛の塚本社長に挨拶をしていなかったかな。
塚本社長が、経営コンサルタントの大内さんは山口の出身だと話していたよ。
対局が始まったら姿を観なかったような気がするが」
「そういえばあの時は大変でしたね。娘さんは落ち着きましたか。」
桂の娘は数年前に自殺未遂をしたはずだった。
桂は上を向いて、
「もう終わった話だ。他に何かあるのか」
「ギャンブルはしていますか。
借金で困っているという噂を聞いたものですから。」
「答える必要はないと思う」
「ありがとうございました。
写真について何か想い出したらご連絡ください」
昼前に、女性をターゲットに業績を伸ばしているショッピングアプリ会社とネット銀行を経営している南場社長を呼び出した。
吉川は川田直久の写真を見せた。
「見覚えは有りますか」
「ありません」
南場は不機嫌そうだった。
次に大内義長の写真を見せた。
南場は少し考えている感じで、
「塚本さんの知り合いで、経営コンサルタントをされているということでした。大内さんとは赤龍戦の時に世間話をした記憶があります。
大内さんは昔全日本将棋連盟にちょっと関係していたと話をされていました。昔話で少し盛り上がりました」
「行方不明の林田さんが優勝されましたが、今回赤龍戦の主催者になられたのは将棋がお好きなのですか」
「将棋はほとんど知らないのですが、前から女性の地位向上や社会進出を応援して事業を伸ばしたいと思っていました。昨年金海さんと対談しましましたし、ネットで話題が広がっている将棋の女流戦を応援することで女性の地位向上にお役に立てるのではと思いました」
「今や、南場さんは女性経営者の代表ですよ。
南場さんは愛媛の由緒ある神社にも関係する旧家のご出身ですが、最先端のインターネット事業の起業家として注目されていますから。
女性がアプリのターゲットと聞いていたのですが、結構将棋でレアなものも品揃えされていて私もマーケットアプリで購入したこともあります」
「ありがとうございます。
最近赤龍戦のスポンサーもしておりますのでその辺りの品揃えも注力しています」
南場は唇を舐めながら続きを話した。
「賞金も男性中心の棋戦を上回るもので女性の地位向上に寄与できればと思っています。
林田さんも早く無事に戻ってきてほしいと思います。
他になければ予定がありまして」
「大内さんは山口県の出身で山口の将棋の天才と小さな時に噂になっていたようですが、愛媛とは海隣りでもあり山口の天才というのは聞いたことが無かったですか」
「大内さんの昔のことは知りません。」
「ありがとうございました。以上です。写真について何か想い出したらご連絡ください」
ツインテールの美少女は部屋に居ない。
先ほど本部長とのやりとりを思い出した。
「本部長、あの女流棋士が私と一緒に取調室にいるのですがいいのですか」
「あの子は制服姿が映えるから、『交通安全でだけではなく県警の採用のPRのため、刑事部とか色々な所で写真を撮ってもいい』と確かに言ったよ。
彼女、吉川君の許嫁なのだって。
だから、吉川君が県警の色んな所を案内するから、刑事部も含めてよろしくと言っておいたよ」
許嫁になってはいませんがと言おうとしたが口から出てきたのは、
「一緒に取り調べ室で取り調べをしても良いなんてことは言ってはいませんよね」
だった。
「言っていないよ。
ただ棋士は非常に頭の回転が速いと聞くし、棋界は一般の社会と違って特殊な世界かも知れないから将棋関係の事件だとしたら参考に意見を聞いてもいいじゃないか。未来の伴侶もそう言っていたよ。
今後のこともあるから、吉川といっしょによろしく頼むとあの子には言っておいたよ」
お調子者の本部長と、良い所取りの解釈する女流棋士が噛み合わない会話をしていたようだ。
取りあえず、女流棋士の三島には控え室で待っておくように命じた。
「赤龍戦は良かったですが、そのあと大変でしたね。早速ですが、この写真に見覚えは有りますか」
吉川は取調室に入ってきた毎朝新聞の桂編集部長に対し、最初に川田直久の写真を見せた。
「見覚えは無いと思う」
「そうですか。こちらはいかがですか」
次に大内義長の写真を見せた。
「確か赤龍戦のときに主催の南場社長や協賛の塚本社長に挨拶をしていなかったかな。
塚本社長が、経営コンサルタントの大内さんは山口の出身だと話していたよ。
対局が始まったら姿を観なかったような気がするが」
「そういえばあの時は大変でしたね。娘さんは落ち着きましたか。」
桂の娘は数年前に自殺未遂をしたはずだった。
桂は上を向いて、
「もう終わった話だ。他に何かあるのか」
「ギャンブルはしていますか。
借金で困っているという噂を聞いたものですから。」
「答える必要はないと思う」
「ありがとうございました。
写真について何か想い出したらご連絡ください」
昼前に、女性をターゲットに業績を伸ばしているショッピングアプリ会社とネット銀行を経営している南場社長を呼び出した。
吉川は川田直久の写真を見せた。
「見覚えは有りますか」
「ありません」
南場は不機嫌そうだった。
次に大内義長の写真を見せた。
南場は少し考えている感じで、
「塚本さんの知り合いで、経営コンサルタントをされているということでした。大内さんとは赤龍戦の時に世間話をした記憶があります。
大内さんは昔全日本将棋連盟にちょっと関係していたと話をされていました。昔話で少し盛り上がりました」
「行方不明の林田さんが優勝されましたが、今回赤龍戦の主催者になられたのは将棋がお好きなのですか」
「将棋はほとんど知らないのですが、前から女性の地位向上や社会進出を応援して事業を伸ばしたいと思っていました。昨年金海さんと対談しましましたし、ネットで話題が広がっている将棋の女流戦を応援することで女性の地位向上にお役に立てるのではと思いました」
「今や、南場さんは女性経営者の代表ですよ。
南場さんは愛媛の由緒ある神社にも関係する旧家のご出身ですが、最先端のインターネット事業の起業家として注目されていますから。
女性がアプリのターゲットと聞いていたのですが、結構将棋でレアなものも品揃えされていて私もマーケットアプリで購入したこともあります」
「ありがとうございます。
最近赤龍戦のスポンサーもしておりますのでその辺りの品揃えも注力しています」
南場は唇を舐めながら続きを話した。
「賞金も男性中心の棋戦を上回るもので女性の地位向上に寄与できればと思っています。
林田さんも早く無事に戻ってきてほしいと思います。
他になければ予定がありまして」
「大内さんは山口県の出身で山口の将棋の天才と小さな時に噂になっていたようですが、愛媛とは海隣りでもあり山口の天才というのは聞いたことが無かったですか」
「大内さんの昔のことは知りません。」
「ありがとうございました。以上です。写真について何か想い出したらご連絡ください」
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