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かわいくてずるい
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次の日、ちょっと早めに家を出ようとしたところ・・・お母さんがいつのまにか帰っていた。
「コウくん、これお弁当。昨日のアクアパッツアのお礼。おいしかったわ。じゃあお母さん寝るねー。」そういって2階へ消えていった。
僕が昨日寝たのが2時頃。その時はまだ帰ってなかったはずだから・・・おそらくそれ以降に帰ってきて、僕のために弁当を作ってくれたのだろう。ちょっと味見をしてみる。はぐっ。
「しょっぱ!!・・・・・でもおいしい。」
ほっこりとした感じになれる。さすがだなぁと思いつつ、2階で熟睡しているであろうお母さんに
「ありがとー、お母さん。ゆっくり寝てねー。」と声をかける。
「いってきます。」
何かお母さんに勇気づけられた気がした。
「失礼します。1年1組の塚村孔太です。上条先輩はいらっしゃいますか?」
ここは2-1の教室前。時刻は8時頃。この学校では、最も多くの生徒が登校してくる時間だ。ノックをして、声をかける。すると・・・
「おはよーー後輩クン!!遅いなーもう。ボクはいい返事が返ってくるか心配で7時前から学校にいたんだからねっ!」
と楓牧先輩が飛び出してくる。
「そんな早かったんですか。もう少し早かった方が良かったですね。すいません。」
「あれ?後輩クンにしては珍しく殊勝な態度だなー・・・じゃなくて、返事は!?」
「ごめんなさい。やっぱり入らないことにしました。」
そう言ってみると、先輩は
「え?嘘・・・」
とこの世の終わりのような顔をして呆然としている。そのあまりの顔に思わず吹き出してしまう。
「嘘ですよ。やっぱり楓牧先輩って、驚くととってもかわいいですよね。」
笑いながら入部届けを手渡す。
状況を読み込めない楓牧先輩。視線が僕の顔と入部届けを往復している。そんな姿はまるで猫のよう。かわいい。ちょっとドキドキしながら状況を説明する。
「だから、僕が入部しないってのは嘘です。塚村孔太は物理班に入部しますよ。」
「それは分かってる。」
・・・え?じゃ、なんでおろおろしていたんだろう?
「コウはやっぱりずるいよ。」
また何か呟いたようだった。
「そういえば、結構思ってたんですけど、楓牧先輩って独り言多いですよね。」
ぱしっ。先輩がグーで僕の肩を殴った。やめたとはいえ、つい1ヶ月前までばりばり鍛えていた体。先輩の方が痛かったらしい。
「うぅぅ。痛い・・・。ボクの全力パンチが通用しないとはどういうことだよー、後輩クン。」
勝手に殴ってきて、勝手にすねた。そろそろ引き頃か・・・と思って、
「すいません。楽しかったのでつい。」
と謝ると先輩が急に笑い出した。なにか楽しくなってきて、僕も声を出して笑った。久しぶりに声を出して笑った気がする。通りすがりの先輩たちがへんな目でこっちを見ているが、そんなこともどうでも良くなるくらいに楽しかった。この人の横に居ることができるのは幸せかもしれない。そう思ってると予鈴が鳴った。
「後輩クン、ジュースおごりね!じゃ、また放課後。」
といって教室へ戻っていった。やれやれと思いつつ、僕もウキウキしながらHRへと走り出した。
物理。霧峰東高校では、1年の間は縁のない教科である。
1年では化学基礎と生物基礎、2年では化学と物理基礎。3年では化学必修+物理or生物の選択・・・となっている。そのため、僕が物理実験室に足を踏み込むのは初めてだ。
楓牧先輩には、中で待っている・・・とに昼休み言われた。ピアノを弾く前のように、一つ深呼吸をして、ドアノブに手をかける。ちょっと驚かせようと、大きな声を出す準備をして、ドアを一気に開く。
声を出そうとしてドア越しに伝わる変な感触に気づく。同時に
「ふぎゅう。」
というこれまた変な声。部屋に入ってみると、先輩がドアの裏側でのびていた。
「何がしたかったんですか。先輩。」
「後輩クンの足音が聞こえてきたから驚かせてあげようと思って・・・」
「じゃ、リテイクしましょっか。」
といって部屋から出る。
木製のきれいな床をわざと音が出るように歩く。ドアの前で立ち止まり今度は普通にドアを開ける。すると
「うー!にゃあ。」
と、手を猫のように曲げて、ドアの裏から飛び出してきた。
目が合う。さすがに驚かされると知っていた人間にするのは楓牧先輩といえど恥ずかしかったらしく、少し頬を赤く染めている。僕もあまりのかわいさに思わず目を逸らしてしまう。
「せ、先輩ほんとにこんなのするつもりだったんですか?1発目くらってたらヤバかったかもしれないです。」
「にゃは、後輩クンはネコがお好き・・・にゃんてねー。」
昨日も猫のようだと思ったが、やはり上条楓牧という人間は、すばらしく猫が似合うようだ。
「物理班に入って良かった!そして、部員がいなくて良かった!」
いつものお返しで、楓牧先輩には絶対聞こえない声で、でもなにか言ってるように見えるように顔をあげて呟いてみる。楓牧先輩の顔が一瞬真剣になる。してやったり!と思った次の瞬間
「ほーら!やっぱり入って良かったでしょ?ボクは部員が多い方がうれしいけどにゃー。」
「なんで何言ったか分かったんですか?」
異常に耳がいいのか・・・と思ったら
「ボクは読唇術できるからねー。あ、心じゃなくて唇ね。」
してやられました。はい。
「後輩クンも入部を後悔してないみたいだし、実験といこうじゃないですか!」
「楓牧先輩、ちょっと待って下さい。お願いします。今日1日さっきの口調でお願いしますっ!」
「にゃは?おやおや、後輩クンは猫フェチなのかにゃ?」
なんと言われようがこの機会を無駄にするわけにはいかない。もう一押し!
「先輩がものすごくかわいかったもので・・・」
「うぅ仕方ないなぁ。その代わり、ジュースをハーゲンダッツに変更だよ?」
「先輩、ダメですよ、その口調じゃあ。」
「は、ハーゲンダッツをお願いしますにゃ・・・」
これでいい?という感じに上目遣いで僕を見る楓牧先輩。心の中でガッツポーズ!心の方じゃなくて良かったと瞬間的に思った。
「はい、喜んで。」
テンションが上がりまくりです。最高です。はい。
結局この日は時間がなくて、準備だけで終わってしまった。それでも最高の1日になった事は言うまでもない。
自分の変化に少し驚きながらも、世界が広がっていくような気がした。
紅く染まる空を見上げ、幸せを噛み締めながらゆっくり家へと足を向ける。
「コウくん、これお弁当。昨日のアクアパッツアのお礼。おいしかったわ。じゃあお母さん寝るねー。」そういって2階へ消えていった。
僕が昨日寝たのが2時頃。その時はまだ帰ってなかったはずだから・・・おそらくそれ以降に帰ってきて、僕のために弁当を作ってくれたのだろう。ちょっと味見をしてみる。はぐっ。
「しょっぱ!!・・・・・でもおいしい。」
ほっこりとした感じになれる。さすがだなぁと思いつつ、2階で熟睡しているであろうお母さんに
「ありがとー、お母さん。ゆっくり寝てねー。」と声をかける。
「いってきます。」
何かお母さんに勇気づけられた気がした。
「失礼します。1年1組の塚村孔太です。上条先輩はいらっしゃいますか?」
ここは2-1の教室前。時刻は8時頃。この学校では、最も多くの生徒が登校してくる時間だ。ノックをして、声をかける。すると・・・
「おはよーー後輩クン!!遅いなーもう。ボクはいい返事が返ってくるか心配で7時前から学校にいたんだからねっ!」
と楓牧先輩が飛び出してくる。
「そんな早かったんですか。もう少し早かった方が良かったですね。すいません。」
「あれ?後輩クンにしては珍しく殊勝な態度だなー・・・じゃなくて、返事は!?」
「ごめんなさい。やっぱり入らないことにしました。」
そう言ってみると、先輩は
「え?嘘・・・」
とこの世の終わりのような顔をして呆然としている。そのあまりの顔に思わず吹き出してしまう。
「嘘ですよ。やっぱり楓牧先輩って、驚くととってもかわいいですよね。」
笑いながら入部届けを手渡す。
状況を読み込めない楓牧先輩。視線が僕の顔と入部届けを往復している。そんな姿はまるで猫のよう。かわいい。ちょっとドキドキしながら状況を説明する。
「だから、僕が入部しないってのは嘘です。塚村孔太は物理班に入部しますよ。」
「それは分かってる。」
・・・え?じゃ、なんでおろおろしていたんだろう?
「コウはやっぱりずるいよ。」
また何か呟いたようだった。
「そういえば、結構思ってたんですけど、楓牧先輩って独り言多いですよね。」
ぱしっ。先輩がグーで僕の肩を殴った。やめたとはいえ、つい1ヶ月前までばりばり鍛えていた体。先輩の方が痛かったらしい。
「うぅぅ。痛い・・・。ボクの全力パンチが通用しないとはどういうことだよー、後輩クン。」
勝手に殴ってきて、勝手にすねた。そろそろ引き頃か・・・と思って、
「すいません。楽しかったのでつい。」
と謝ると先輩が急に笑い出した。なにか楽しくなってきて、僕も声を出して笑った。久しぶりに声を出して笑った気がする。通りすがりの先輩たちがへんな目でこっちを見ているが、そんなこともどうでも良くなるくらいに楽しかった。この人の横に居ることができるのは幸せかもしれない。そう思ってると予鈴が鳴った。
「後輩クン、ジュースおごりね!じゃ、また放課後。」
といって教室へ戻っていった。やれやれと思いつつ、僕もウキウキしながらHRへと走り出した。
物理。霧峰東高校では、1年の間は縁のない教科である。
1年では化学基礎と生物基礎、2年では化学と物理基礎。3年では化学必修+物理or生物の選択・・・となっている。そのため、僕が物理実験室に足を踏み込むのは初めてだ。
楓牧先輩には、中で待っている・・・とに昼休み言われた。ピアノを弾く前のように、一つ深呼吸をして、ドアノブに手をかける。ちょっと驚かせようと、大きな声を出す準備をして、ドアを一気に開く。
声を出そうとしてドア越しに伝わる変な感触に気づく。同時に
「ふぎゅう。」
というこれまた変な声。部屋に入ってみると、先輩がドアの裏側でのびていた。
「何がしたかったんですか。先輩。」
「後輩クンの足音が聞こえてきたから驚かせてあげようと思って・・・」
「じゃ、リテイクしましょっか。」
といって部屋から出る。
木製のきれいな床をわざと音が出るように歩く。ドアの前で立ち止まり今度は普通にドアを開ける。すると
「うー!にゃあ。」
と、手を猫のように曲げて、ドアの裏から飛び出してきた。
目が合う。さすがに驚かされると知っていた人間にするのは楓牧先輩といえど恥ずかしかったらしく、少し頬を赤く染めている。僕もあまりのかわいさに思わず目を逸らしてしまう。
「せ、先輩ほんとにこんなのするつもりだったんですか?1発目くらってたらヤバかったかもしれないです。」
「にゃは、後輩クンはネコがお好き・・・にゃんてねー。」
昨日も猫のようだと思ったが、やはり上条楓牧という人間は、すばらしく猫が似合うようだ。
「物理班に入って良かった!そして、部員がいなくて良かった!」
いつものお返しで、楓牧先輩には絶対聞こえない声で、でもなにか言ってるように見えるように顔をあげて呟いてみる。楓牧先輩の顔が一瞬真剣になる。してやったり!と思った次の瞬間
「ほーら!やっぱり入って良かったでしょ?ボクは部員が多い方がうれしいけどにゃー。」
「なんで何言ったか分かったんですか?」
異常に耳がいいのか・・・と思ったら
「ボクは読唇術できるからねー。あ、心じゃなくて唇ね。」
してやられました。はい。
「後輩クンも入部を後悔してないみたいだし、実験といこうじゃないですか!」
「楓牧先輩、ちょっと待って下さい。お願いします。今日1日さっきの口調でお願いしますっ!」
「にゃは?おやおや、後輩クンは猫フェチなのかにゃ?」
なんと言われようがこの機会を無駄にするわけにはいかない。もう一押し!
「先輩がものすごくかわいかったもので・・・」
「うぅ仕方ないなぁ。その代わり、ジュースをハーゲンダッツに変更だよ?」
「先輩、ダメですよ、その口調じゃあ。」
「は、ハーゲンダッツをお願いしますにゃ・・・」
これでいい?という感じに上目遣いで僕を見る楓牧先輩。心の中でガッツポーズ!心の方じゃなくて良かったと瞬間的に思った。
「はい、喜んで。」
テンションが上がりまくりです。最高です。はい。
結局この日は時間がなくて、準備だけで終わってしまった。それでも最高の1日になった事は言うまでもない。
自分の変化に少し驚きながらも、世界が広がっていくような気がした。
紅く染まる空を見上げ、幸せを噛み締めながらゆっくり家へと足を向ける。
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