41才の中学二年生(改訂版)

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第2章

文化祭

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もうすぐ文化祭だ。

学級委員長の龍也に、副長のオレと泰彦が中心になって、どんな催し物をやるのか、教室で会議をしていた。


『やっぱり劇だろ』

『いや、それじゃありきたりだろ』

『じゃあ、ブラスバンドか?』

『何でもいいよ、早く決めようぜ』


中々決まらない。




「皆はどんなのがいいの?」


どんなのがいいって、言われてもなぁ…


「やっぱり劇なんじゃないかなぁ」

謙司の言う通り、劇が1番無難だ。


「でも劇なんて、他のクラスでもやるだろ?もっと違う事をやろうよ」

チャッピーの言う事も解らんでもない。


「じゃあ、何がいいんだよ?」

「泰彦、お前は何がいいんだよ?」

「んー…漫才とか、コントなんてどうだろう?」


お笑いか…悪くはないよな。


「龍也!お前なら何がいい?」

ここはリーダーの龍也に決めてもらおう。


「オレか?オレだったら、バンドやりたいなぁ」


バンドかぁ…

でも、今から楽器用意して覚えなきゃならないし、時間的にも難しい。


「山本は何がいいんだよ?」


「オレ?」


オレにフルなよ、龍也!


「えっと…オレなら、やっぱりジャッキーチェンみたいなアクションの芝居かなぁ」


思いつきで言ったけど、まず無理だしなぁ。


【キーンコーン、カーンコーン】


「じゃあ、また明日放課後に考えましょう!それと、学級委員の3人はいくつかの候補をまとめておいてね!」


「えーっ!これから残るのかよ?」


「帰りてぇよ!」


「マジ、だりぃ!」


「そんな事言わないの!3人はクラスの中心なんだから!」

学級委員って、都合の良い役割じゃないか!





オレたち3人は放課後、教室に残りって、いくつかの候補を考えいた。


「バンドやりてぇよな」

龍也はバンド。

「オレは漫才とかコント」

泰彦はお笑い。

「オレはアクション劇」

オレはアクションの芝居。




「これじゃ、まとまらないよなぁ」

「うん」

どうしようか…


「やるからには、皆があっと驚くような事をしたいよな」

うん、龍也の言う通りだ。




「じゃあ、まずはバンドから。龍也、やるならどんなバンドにするんだよ?」


泰彦が聞いた。

「ブルーハーツやりたいな」

「おぉ、ブルーハーツ!」

「ボーカルとギター、ベースにドラムの4人か。誰か楽器出来るヤツいるか?」


「…オレ、少しだけならギター弾けるけど」

「泰彦、お前ギター弾けるのかよ?」

知らなかった…泰彦にそんな特技があったとは…

「じゃあ、後はボーカルとベースとドラムか」


「龍也、お前楽器出来るか?」

まさかコイツ、ボーカルやるなんて言うんじゃないだろうな?

「…いや、オレボーカルやろうと思って」

やっぱり!

「じゃあ、ボーカルとギターは決まった。後はベースとドラムだ。智、お前楽器は?」

「出来ないよ!そもそも、そんなもん持ってないし、今からメンバー集めて練習しても、間に合うか?」


「…」


バンドは難しいな。



「じゃあ、バンドはボツか」

龍也は、黒板に書いたバンドの文字を消した。


「じゃあ、次はお笑いだ」

泰彦が選んだお笑いはどうだ。


「まず、誰がやるかだよな」


「泰彦、お前どんなのがいいんだよ?」

泰彦は腕を組んで考えている。

「んー…ダウンタウンみたいな漫才か、とんねるずとか、ウンナンみたいなコント…」

人選をどうするかだよな。

「誰を選んで、どんなネタをやるつもりだよ?」

「いや、そこまでは考えてないけど」

うーん…お笑いも難しいなぁ。


「お笑いもボツかな」

泰彦は黒板に書いたお笑いの文字を消した。


「じゃあ、次は山本が選んだアクション劇」

オレか。

「やるなら、ジャッキーチェンみたいなアクションだよな」

「そんな運動神経良いヤツいるかよ、このクラスに?」


龍也の言う通りだ。

「それに、アクションとなれば、格闘技が出来て、バク転もこなすようなヤツじゃないと。そんなヤツいないだろ」

うん、いない。


「あぁ~っ!何だったらいいんだ、一体!」

龍也は大声で机をバンバン叩いた。


「となると、無難に普通の劇しかないよな」

「ありきたりだけど、それしかないか」

結局、行き着くのは劇か…


劇…そうか!思い出した!


「やっぱり、劇にしよう!」

「わかったよ!劇にすればいいんだろ」

「智のアクション劇は無理だぜ」


バカヤローっ、そんなんじゃないっ!

「うってつけのヤツがいるじゃないか、ウチにクラスに!」

「誰だよ?」

鈍いな、2人とも!

「ウチには、プロの役者がいるだろ!」

「あっ!!」

ようやく解ったかよ…


そう、オレは子役だった片野を中心に、劇をやろうと考えた。
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