41才の中学二年生(改訂版)

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梅が教師

これがホントの神頼み

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オレはポメ夫に梅の今後の事を聞いてみた。

「ポメ夫、佐伯が戻ってきたら、梅はどうなるんだ?」

相変わらず、オレのベッドで大の字になって寝ている。

「起きろ、バカ犬!犬の分際で人様のベッドでエラソーに寝やがって!」

コイツを見てると、何故か忍者ハットリくんの獅子丸を思い出す。


「何で毎回寝るのをジャマするんだポメ」

寝すぎだっつーの!

「そんな事よりも、梅を教師として残るようにしてくれないか、頼む!」

全く、何でオレが犬に頭を下げなきゃならないんだ!


「彼女には短期間だけだと伝えたポメ。佐伯先生が退院したら役目は終わりだポメ」

「それじゃ、またお前の下で働くのかよ?」

「そういう事になるポメ。もういいだろ、あちきは寝るポメ」

「そこを何とか、お前の力でどうにかならないのかよ?」

「無理だポメ。上からそう言われたら、従わなきゃならないんだポメ」

上ってのは、上司の事か?

「じゃあ、上の者に会わせろ!オレが直接頼んでみるから」

すると、ポメ夫はベッドから起きて、部屋中を駆けずり回った。

「何バカな事言ってるポメ。上の者とは、神様だポメ」

「だったら、神様に会わせろよ!オレがガツーンと言ってやるから」

「お前はバカなのかポメ?人間ごときが神様に会うなんて、言語道断だポメ」

お前こそ、犬のクセに何が神様だ!

こんなのが神の使いとは、片腹痛いわぃ!


「何だよ、そんな時こそ神様が助けてくれるんじゃないのかよ?」

神頼みというヤツだ。


「それは、お前達人間が勝手に神様のイメージを都合良くしているだけだポメ」

「何でだよ?困った時の神頼みってことわざがあるじゃないか!」

「困ったの時の神頼みだと?」

「だって、全知全能の神なんだろ?」

こんなバカ犬を部下にしてるって事は、神様も大した事ないんだろう。


「神様は必ずしも、進むべき道を導いてるとは限らないポメ」


んじゃ神様の存在って、一体何なんだ?


「何だよ、どんなに頑張っても、神はなにもしてくれないのかよ?」


「だから、それは人間が勝手に作り上げた存在だと何遍も…」

「やかましいっ!そんな神なんぞ必要ない!」


「神様はホントに困った人の前じゃなきゃ、現れないんだポメ」
    

何言ってやがる。


「アイツは佐伯が戻ってきたら、また見習いとしてお前の下で働くんだろ…」


見習い…そうだ、この手があった!


「おい、いい事思いついた!佐伯が戻ってきたら、梅を教師見習いとして学校に残るってのはどうだ?神様だって、見習いなら、教師を続けてもいいと思うんじゃないか?」


「見習いだと?」

「正式な教師だけど、正式な教師じゃない。アイツをウチのクラスの副担任という形にするんだよ。それならどうだろうか?」


「うむ、お前のアイデアにしては上出来だポメ」


「それなら、神様に対しての大義名分はあるだろ?」


「でも、何で彼女にこだわるんだポメ?他にも良い教師はいっぱいいるぞポメ」


「アイツが教師でいる間、クラスの連中がヤル気になってるんだ。おまけに今度のテストで90点以上取るってスゲー勉強してるんだよ」

「にゃるほど、だから彼女に教師を続けて欲しいというワケかポメ」

「そういう事」

するとポメ夫はまた部屋中を駆け回った。

「おい、部屋でドタバタすんなって、何度言えばいいんだよ!」

「あちきは今、神様と交信をしてるんだポメ」

暴れ回ってるだけだろ!


ひとしきり駆け回った後、ポメ夫は再びベッドで横になった。


「何がしたいんだお前は!」

「今、神様にお前の要望を伝えたポメ」

あれでホントに伝わったのかよ!


「で、神様は何だって?」


「随分と邪な考えで勉強してるな、と言ってたポメ」

やっぱりダメなのか…


「ただし、クラスの過半数が90点以上取ったら、その要件を叶えてやろうと言ってたポメ」


「ホントか?」


「神様はウソを言わないポメ。そういう事だから、後は猛勉強しろポメ。あちきは眠いから寝るポメ」そう言うと、イビキをかきて爆睡した。


ホントに大丈夫なんだろうか…まぁ、とにかくテストまで後1週間、必死に勉強するしかない。
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