Baseball Love 主砲の一振り

sky-high

文字の大きさ
13 / 134
一抹の不安

天才櫻井のバッティング

しおりを挟む
櫻井が構える。力みのない理想な構えだ。

「ボール!」

初球は外角に外れる直球だ。
櫻井は微動だにしない。

構えからして、スラッガーの雰囲気だ。

トーマスJr.は感じ取った。

「ストライク!」

2球目は、インコースやや高めにストレートを放った。

一向にバットを出す気配がない。

3球目、外角に逃げるスライダー。ぴくりとも動かず。
「ストライク2!」

次は一球外すか。それとも、一気に決めるか。

サインに頷き、4球目を投げた。

アウトローギリギリの真っ直ぐ。見逃せば三振。バットを出しても、レフトフライだ。

その瞬間、鋭いバットスイングで球を捕らえた。快音を響かせた打球はライトに伸びる!

スタンド上段に運ぶ、見事なホームランだ。

あのピッチャーが投げた球が悪いんじゃない。むしろ、最高にキレのあるアウトローだ。
あんな自信満々の投球は、打てるもんなら打ってみな、とでも言いたげな、それほど見事なキレのある直球だった。

ヤツは天才だ。メジャーが注目するのも無理はねぇ。

普通なら手が出ないコースだ。

打ってもレフト方向、それにファールになるような打球だ。

何てムダのないスイングだ。

間違いなく、メジャーでも通用する。

トーマスJr.は櫻井のバッティングに魅せられてしまった。

相手のピッチャーは、左腕の山崎 慧(やまざき さとし)

北陸の石川県金沢を本拠地とする球団 北陸ホワイトソックスのエースだ。

北陸ホワイトソックスは、エースの山崎を中心に投手力が充実した球団だ。

入団6年目の28才。

エース山崎は、昨シーズン11の完投勝利をかざる、先発完投型のタイプだ。

強靭な足腰から投げるストレートは伸びがあり、打者にはホップして見える程の威力だ。

初速と終速の差があまりないストレートは、打者目線から見ると浮き上がってくるような、伸びのある球だ。

山崎は昨シーズン 15勝6敗
防御率は2.37 奪三振274
15勝のうち11勝は完投による勝利だ。

MAX148㎞の直球を武器に、スライダー カーブ スクリューボールを駆使して、三振の山を築く。

野手で注目する選手は、キャッチャーで入団12年目になるベテラン香坂 航(こうさか わたる)33才。

巧みなキャッチングと強肩、抜群のリードで投手陣を支えるホワイトソックスの頭脳的存在だ。

バッティングに関しては、長打はあまりないものの、状況に応じ、バントや、流し打ちなど器用にこなす。

昨シーズンは打率 287 ホームラン11 打点64 そして盗塁阻止率が 657という驚異的な数字を誇り、モンスターズの大和を何度も盗塁で刺した。

クイックスローの技術にも長けている。

オーナーは北陸を中心とした鉄道会社の社長で 騎乗 位久夫(きじょう いくお)
昨年Bクラスに甘んじたが、巻き返しを狙うチームである。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...