Baseball Love 主砲の一振り

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一抹の不安

天才櫻井のバッティング

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櫻井が構える。力みのない理想な構えだ。

「ボール!」

初球は外角に外れる直球だ。
櫻井は微動だにしない。

構えからして、スラッガーの雰囲気だ。

トーマスJr.は感じ取った。

「ストライク!」

2球目は、インコースやや高めにストレートを放った。

一向にバットを出す気配がない。

3球目、外角に逃げるスライダー。ぴくりとも動かず。
「ストライク2!」

次は一球外すか。それとも、一気に決めるか。

サインに頷き、4球目を投げた。

アウトローギリギリの真っ直ぐ。見逃せば三振。バットを出しても、レフトフライだ。

その瞬間、鋭いバットスイングで球を捕らえた。快音を響かせた打球はライトに伸びる!

スタンド上段に運ぶ、見事なホームランだ。

あのピッチャーが投げた球が悪いんじゃない。むしろ、最高にキレのあるアウトローだ。
あんな自信満々の投球は、打てるもんなら打ってみな、とでも言いたげな、それほど見事なキレのある直球だった。

ヤツは天才だ。メジャーが注目するのも無理はねぇ。

普通なら手が出ないコースだ。

打ってもレフト方向、それにファールになるような打球だ。

何てムダのないスイングだ。

間違いなく、メジャーでも通用する。

トーマスJr.は櫻井のバッティングに魅せられてしまった。

相手のピッチャーは、左腕の山崎 慧(やまざき さとし)

北陸の石川県金沢を本拠地とする球団 北陸ホワイトソックスのエースだ。

北陸ホワイトソックスは、エースの山崎を中心に投手力が充実した球団だ。

入団6年目の28才。

エース山崎は、昨シーズン11の完投勝利をかざる、先発完投型のタイプだ。

強靭な足腰から投げるストレートは伸びがあり、打者にはホップして見える程の威力だ。

初速と終速の差があまりないストレートは、打者目線から見ると浮き上がってくるような、伸びのある球だ。

山崎は昨シーズン 15勝6敗
防御率は2.37 奪三振274
15勝のうち11勝は完投による勝利だ。

MAX148㎞の直球を武器に、スライダー カーブ スクリューボールを駆使して、三振の山を築く。

野手で注目する選手は、キャッチャーで入団12年目になるベテラン香坂 航(こうさか わたる)33才。

巧みなキャッチングと強肩、抜群のリードで投手陣を支えるホワイトソックスの頭脳的存在だ。

バッティングに関しては、長打はあまりないものの、状況に応じ、バントや、流し打ちなど器用にこなす。

昨シーズンは打率 287 ホームラン11 打点64 そして盗塁阻止率が 657という驚異的な数字を誇り、モンスターズの大和を何度も盗塁で刺した。

クイックスローの技術にも長けている。

オーナーは北陸を中心とした鉄道会社の社長で 騎乗 位久夫(きじょう いくお)
昨年Bクラスに甘んじたが、巻き返しを狙うチームである。


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