Baseball Love 主砲の一振り

sky-high

文字の大きさ
42 / 134
理想のラインナップ

点が取れない

しおりを挟む
球界で1、2を争う強力打線を誇るピストルズでも、毎回打線が爆発するわけではない。

打線は水物。3割を越えれば一流打者と言われる。

しかし逆に考えれば残りの7割は凡退するのだ。

打つより凡退する率が圧倒的に高いのだ。

故にどのチームもまずは投手ありきなのだ。


ドラフトでも上位に指名されるのはほとんどが投手だ。

投手陣を充実させ、守備に力を入れる。

守りの野球を掲げるチームは少なくない。

ならばどうやって点を取るか。

1回から9回までの間に得点できるチャンスというのは数少ない。

数少ないチャンスを打者が繋いで得点に結びつける。

その為には、送りバント、進塁打、犠牲フライやヒットエンドラン等という作戦で数少ないチャンスをモノに出来るチームが勝利する。

ましてはホームランやヒット等は毎回打てるものではない。

いかに点を取るか。野球に限らず集団競技というのは最終的にはチームワークが重要であろう。


試合は中盤に入り、ドルフィンズが犠牲フライで先取点を取り、スコアは0対1となった。

榊はこれまで被安打3  奪三振4  無四球という素晴らしい内容だが、打線が沈黙。

いいピッチングをしても味方が点を取らないと勝てない。
投手というのは、報われない事も多々ある。

しかし、それが野球なのだから。

榊はベンチで声を上げた。
「テメーら、いつまであんなヒョロヒョロ球に手こずってんだ!早く点取れってんだバカヤロー!」

不甲斐ない味方打線に痺れを切らせた。

「おい、マコト!テメーただ座ってオレの球受けてるだけなのか、おいっ!」
榊が隣にいた室田を怒鳴りつける。

「何でオレがサイン出して投げてんのかわかんねーのかって聞いてんだよっ!」

「すいません…」

「テメーもキャッチャーなら配球読んで打席に入ってみろ!あんなヘロヘロな球打てねぇでどうするっ!」

榊は榊なりに、室田にピッチングとはこういうものだ、というのを投げながら教えてるつもりだ。

オレの球を受けて、配球の組み立てを勉強しろと言わんばかりに。

(シンカーは捨ててストレート一本に絞ろう)

灘は決め球のシンカーを投げる。
ならばその前にストレートを叩いてやろうと。

「わかりました、榊さん打ってきます!」

室田はそう告げて打席にはいった。
(初球ストレート。これを叩く!)

灘が第一球を投げた。
浮き上がる軌道、その浮き上がる前、つまりバッターボックスの最前列に立ち、前でボールを捌く。

カァーン、という音はレフト頭上越えたツーベースヒットで出塁した。

「やりゃ出来んじゃねぇかあいつ」

そして打席に榊が立つ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...