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愛しさにサヨナラ
初夢とアイドルの死
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この年の初夢は実に奇妙な夢だった。
もう30年以上経っているのだが、この年に見た初夢だけは今でも記憶に残っている。
それは僕と当時人気絶頂のアイドル歌手、岡田有希子がお揃いの体育着で校舎の裏に隠れながらタバコを吸っているという、摩訶不思議な内容だった。
その初夢から僅か数ヶ月で岡田有希子は自らの命を絶った。
1986年4月8日
僕は2年に進級したばかりで、その日は新入生の入学式で休みだった。
お昼に【笑っていいとも】を観て、ニュース速報が流れ、テロップで【アイドル歌手の岡田有希子さんが飛び降り自殺】というを見てショックを受けた。
この日のニュースはその件で持ちきりになり、現場では生々しく血痕がアスファルトに滲んでいた。
あまりにもショッキングな最期に彼女の後を追うように命を絶った若者が多く、【ユッコシンドローム】とまで呼ばれ、ニュース番組ではキャスターが後追い自殺を止めるよう勧告した程である。
あれは一体何だったのだろうか?
僕は高校1年の時、彼女レコードを持っていた。
【サマービーチ】というシングルのレコードだ。
初夢に出てきた有名人が桜が満開の頃に命を絶つなんて、あれは何を意味していたのだろうか?
僕は霊感だとかの類いには全く無縁の人間だ。
だが、あの初夢だけは30年以上経った今も何を意味していたのか…
それにしても、あの死はかなり衝撃的で、その現場を載せた写真週刊誌にプレミア並みの値段が付いた程だ。
もし、今も存命ならば50を過ぎた辺りだと思う。
順風にアイドルとして活動し、適齢期になり結婚して子供にも授かった生活を送っていたと思う。
しかし、18才という若さでこの世を去ったのはあまりにも早すぎた。
桜が舞う季節になると思い出す出来事だ。
と同時に、芸能界という所は色んな闇を抱えている、そんな事も垣間見えた光と影、スポットライトを浴びてる裏側ではキナ臭い出来事が多かったのだろう。
イヤな部分を露呈した事件だ。
当時は様々な憶測が飛び交っていたが、どれが本当なのか解らないぐらい色々な事が明るみになった。
真相なんて分からない。
当の本人は既にこの世を去っている。
華やかな世界に憧れ、トップアイドルとして君臨した短い期間、何があってあんな事が起きたのか?
ただ僕の中に芽生えたのは、何があろうとも自らの手で命を絶つだなんて事をしてはいけない。
何があっても。
例えどんなに辛くて生きていくのでさえイヤになり、何もかもが絶望的になっても死んではいけない。
僕は毎年桜が満開になる頃、この事件を思いだし、また次の年も桜を見よう、天命を全うするまで毎年桜を見るんだと誓った。
もう30年以上経っているのだが、この年に見た初夢だけは今でも記憶に残っている。
それは僕と当時人気絶頂のアイドル歌手、岡田有希子がお揃いの体育着で校舎の裏に隠れながらタバコを吸っているという、摩訶不思議な内容だった。
その初夢から僅か数ヶ月で岡田有希子は自らの命を絶った。
1986年4月8日
僕は2年に進級したばかりで、その日は新入生の入学式で休みだった。
お昼に【笑っていいとも】を観て、ニュース速報が流れ、テロップで【アイドル歌手の岡田有希子さんが飛び降り自殺】というを見てショックを受けた。
この日のニュースはその件で持ちきりになり、現場では生々しく血痕がアスファルトに滲んでいた。
あまりにもショッキングな最期に彼女の後を追うように命を絶った若者が多く、【ユッコシンドローム】とまで呼ばれ、ニュース番組ではキャスターが後追い自殺を止めるよう勧告した程である。
あれは一体何だったのだろうか?
僕は高校1年の時、彼女レコードを持っていた。
【サマービーチ】というシングルのレコードだ。
初夢に出てきた有名人が桜が満開の頃に命を絶つなんて、あれは何を意味していたのだろうか?
僕は霊感だとかの類いには全く無縁の人間だ。
だが、あの初夢だけは30年以上経った今も何を意味していたのか…
それにしても、あの死はかなり衝撃的で、その現場を載せた写真週刊誌にプレミア並みの値段が付いた程だ。
もし、今も存命ならば50を過ぎた辺りだと思う。
順風にアイドルとして活動し、適齢期になり結婚して子供にも授かった生活を送っていたと思う。
しかし、18才という若さでこの世を去ったのはあまりにも早すぎた。
桜が舞う季節になると思い出す出来事だ。
と同時に、芸能界という所は色んな闇を抱えている、そんな事も垣間見えた光と影、スポットライトを浴びてる裏側ではキナ臭い出来事が多かったのだろう。
イヤな部分を露呈した事件だ。
当時は様々な憶測が飛び交っていたが、どれが本当なのか解らないぐらい色々な事が明るみになった。
真相なんて分からない。
当の本人は既にこの世を去っている。
華やかな世界に憧れ、トップアイドルとして君臨した短い期間、何があってあんな事が起きたのか?
ただ僕の中に芽生えたのは、何があろうとも自らの手で命を絶つだなんて事をしてはいけない。
何があっても。
例えどんなに辛くて生きていくのでさえイヤになり、何もかもが絶望的になっても死んではいけない。
僕は毎年桜が満開になる頃、この事件を思いだし、また次の年も桜を見よう、天命を全うするまで毎年桜を見るんだと誓った。
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