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レンタルボーイ、金持ちの玩具
不安による再発
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身分不相応なマンションに住み、何もせずにダラダラとした日々を過ごした。
仕事は、オーナーの逆鱗に触れ、干されていた。
どうせまた指名がかかるだろう、とタカをくくっていたが、二週間、三週間と経っていくうち不安になり、オレは干されたんだ、と思うようになり、流石にヤバいと思った。
そこで思いついたのは、オーナーを通さず、連絡先を交換した顧客に直接売り込もうとした。
だが、オーナーはそれを見越していたようで、オレから連絡がきても、無視して欲しいという通達があったらしい。
申し訳ないが、相手にすることは出来ないと言われた。
オーナーに先手を打たれて、オレは為す術もない。
手持ちの金は残り僅か。
このままじゃ家賃はおろか、母の治療費すら払える事が出来ない。
今更普通の仕事には戻れない。
仮に戻ったとしても、家賃や母の治療費を払える給料は得られない。
残された道は、頭を下げてオーナーに謝るか…
そうしたいのはやまやまだが、オレは意固地になって中々踏み出せない。
今ならまだ間に合う。
だが、それを許さないもう一人の自分がいた。
葛藤しているうちに、不安になり、また過呼吸が再発した。
一人、部屋でもがき苦しんでいた。
異常なまでの速い鼓動に、呼吸が出来ず、ハァ、ハァとゆっくり呼吸をしてみるが、中々治まらない。
一旦は楽になるが、すぐまた過呼吸になり、その繰り返しだった。
この負のスパイラルから抜け出せずに、気が狂いそうだった。
そして、オレは何て愚かな考えをしてたのだろう、と苦しみながら後悔した。
そもそもこの仕事を始めたのは母の治療費を稼ぐ為だった。
それが、いつしか大金を手にし、贅沢三昧の日々を送り、気の緩みからか、客の要求をことごとく突っぱねた。
今にしてみりゃ、何故あんな事をしたのか…
オレは自分を攻めた。そしてまた、過呼吸に悩まされた。
以前のオレなら、もう死んでもいいや、と思った。
だが、母の治療費を稼がなきゃならない。
オレが母にしてやれる事は、治療費を捻出する事以外にない。
こんな、高い家賃のマンションでもがき苦しんでいる場合では無い。
答えは既に出ている…
オーナーに頭を下げてまた仕事を貰うしかない。
だが、その一歩が踏み出せずに足掻いていた。
このままじゃ、オレはマンションを追い出されて住所不定のホームレス同然になってしまう。
治療費が払えなくなれば、母は灰人のまま死んでいってしまう。
どうする…また呼吸が苦しくなる。
母を取るか、ホームレスになるか?
…母を見捨てるワケにはいかない。
恥も外見もなく、オーナーに連絡した。
【はい…】
「あ、あの…はぁはぁ、も、申し訳…ぁ、ありませんでした…ハァハァハァ…」
【随分と息が荒いわね。自分のしたことがどういう事か分かってるわね?】
「…は、はい、ハァハァハァ…」
【…アナタずっと苦しんでるのね?】
「…ハァハァハァ…苦しい…」
【そうやって一生苦しんでなさい】
「ま、待って…ください、ハァハァ…も、もう一度、ぉ、おねがいします!ハァハァ…」
【…】
「とにかく…オレは、ハァハァ、オフクロを…助けなきゃ、ハァハァハァ…」
【ならば、どうしろと言うの?】
「また…お願いします!今度はちゃんと仕事します…ハァ、苦しい…」
上手く呼吸出来ないから話すら満足に出来ない。
【…暫くの間、取り分は8:2でアナタは二割。それがペナルティよ。それと、お客様から貰ったお小遣いの半分はこっちに渡すこと。それが条件よ!】
二割…一週間レンタルされても、たったの14万…しかも客から貰う小遣いの半分は取られるのか…
…やむを得ない、その条件を飲むしかない。
「ゎ、分かりました…す、すいませんでした…」
【じゃあ、明日からまた一週間、レンタルしてもらうわ。その条件でね。分かったわね?】
「…ハァハァハァ、はい…分かりました…」
【とにかく、明日はこっちにいらっしゃい。今度こそ真面目にやってもらわないと、アナタを消すつもりでいるから、それをよーく肝に命じておきなさい】
そう言うと、電話を切った。
自業自得とはいえ、取り分が8:2だと、かなり生活がキツい。
だが、オレにはこの仕事しかないんだ…
オーナーに謝罪できたせいか、少しずつ呼吸が楽になってきた。
明日はオーナーのとこへ行って、土下座でも何でして許しを乞うしかない。
オレは呼吸が治まり、その疲れからか、すぐに寝てしまった。
仕事は、オーナーの逆鱗に触れ、干されていた。
どうせまた指名がかかるだろう、とタカをくくっていたが、二週間、三週間と経っていくうち不安になり、オレは干されたんだ、と思うようになり、流石にヤバいと思った。
そこで思いついたのは、オーナーを通さず、連絡先を交換した顧客に直接売り込もうとした。
だが、オーナーはそれを見越していたようで、オレから連絡がきても、無視して欲しいという通達があったらしい。
申し訳ないが、相手にすることは出来ないと言われた。
オーナーに先手を打たれて、オレは為す術もない。
手持ちの金は残り僅か。
このままじゃ家賃はおろか、母の治療費すら払える事が出来ない。
今更普通の仕事には戻れない。
仮に戻ったとしても、家賃や母の治療費を払える給料は得られない。
残された道は、頭を下げてオーナーに謝るか…
そうしたいのはやまやまだが、オレは意固地になって中々踏み出せない。
今ならまだ間に合う。
だが、それを許さないもう一人の自分がいた。
葛藤しているうちに、不安になり、また過呼吸が再発した。
一人、部屋でもがき苦しんでいた。
異常なまでの速い鼓動に、呼吸が出来ず、ハァ、ハァとゆっくり呼吸をしてみるが、中々治まらない。
一旦は楽になるが、すぐまた過呼吸になり、その繰り返しだった。
この負のスパイラルから抜け出せずに、気が狂いそうだった。
そして、オレは何て愚かな考えをしてたのだろう、と苦しみながら後悔した。
そもそもこの仕事を始めたのは母の治療費を稼ぐ為だった。
それが、いつしか大金を手にし、贅沢三昧の日々を送り、気の緩みからか、客の要求をことごとく突っぱねた。
今にしてみりゃ、何故あんな事をしたのか…
オレは自分を攻めた。そしてまた、過呼吸に悩まされた。
以前のオレなら、もう死んでもいいや、と思った。
だが、母の治療費を稼がなきゃならない。
オレが母にしてやれる事は、治療費を捻出する事以外にない。
こんな、高い家賃のマンションでもがき苦しんでいる場合では無い。
答えは既に出ている…
オーナーに頭を下げてまた仕事を貰うしかない。
だが、その一歩が踏み出せずに足掻いていた。
このままじゃ、オレはマンションを追い出されて住所不定のホームレス同然になってしまう。
治療費が払えなくなれば、母は灰人のまま死んでいってしまう。
どうする…また呼吸が苦しくなる。
母を取るか、ホームレスになるか?
…母を見捨てるワケにはいかない。
恥も外見もなく、オーナーに連絡した。
【はい…】
「あ、あの…はぁはぁ、も、申し訳…ぁ、ありませんでした…ハァハァハァ…」
【随分と息が荒いわね。自分のしたことがどういう事か分かってるわね?】
「…は、はい、ハァハァハァ…」
【…アナタずっと苦しんでるのね?】
「…ハァハァハァ…苦しい…」
【そうやって一生苦しんでなさい】
「ま、待って…ください、ハァハァ…も、もう一度、ぉ、おねがいします!ハァハァ…」
【…】
「とにかく…オレは、ハァハァ、オフクロを…助けなきゃ、ハァハァハァ…」
【ならば、どうしろと言うの?】
「また…お願いします!今度はちゃんと仕事します…ハァ、苦しい…」
上手く呼吸出来ないから話すら満足に出来ない。
【…暫くの間、取り分は8:2でアナタは二割。それがペナルティよ。それと、お客様から貰ったお小遣いの半分はこっちに渡すこと。それが条件よ!】
二割…一週間レンタルされても、たったの14万…しかも客から貰う小遣いの半分は取られるのか…
…やむを得ない、その条件を飲むしかない。
「ゎ、分かりました…す、すいませんでした…」
【じゃあ、明日からまた一週間、レンタルしてもらうわ。その条件でね。分かったわね?】
「…ハァハァハァ、はい…分かりました…」
【とにかく、明日はこっちにいらっしゃい。今度こそ真面目にやってもらわないと、アナタを消すつもりでいるから、それをよーく肝に命じておきなさい】
そう言うと、電話を切った。
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だが、オレにはこの仕事しかないんだ…
オーナーに謝罪できたせいか、少しずつ呼吸が楽になってきた。
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