陰キャからリア充へ

sky-high

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どうやったら卒業できるか

やっぱ童貞バンザイwww

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泡沫は怒って店を出た。

オレは二人に謝った。

「申し訳ない!オレはアイツの態度といい、言い方が気にくわなかった。ホントに悪かった!」


「しょうがねぇよ、オレも何か違うなぁと思ったもん、アイツは」

「気にせず、残った我々で楽しみましょう」

「ありがとう!ホントに悪かった」

オレは何度も頭を下げた。

「しかしさぁ、アイツ何才だったんだろ、実際」

「皆さんと同じような年齢じゃないですかね」

二人とも気にはなってたらしい。

「それにしても…あの服のセンスは何だww」

「なぁーっwwあのメジャーのキャップ、センス悪っww」

「しかも、シャツインしてましたね」

ストライカーの言葉で大爆笑した。

「ww」


泡沫の悪口を散々言ってやったぜ、ザマーみろww



オレたちは楽しいひと時を過ごし、居酒屋を出て夜の街を歩いた。

「そう言えば、皆仕事は何してんの?」

唐突に弾丸が聞いてきた。

「オレは、中小企業の印刷会社に勤務だよ。ガッコー出て今のところに3年勤めてるよ」

オレはそこで発注の部署に配属している。

「そっか…オレはフツーのサラリーマンだよ。高校出て今の所は転職で入った」

弾丸はオレより年齢は下だけど、社会人としてはヤツの方が長い。

「私は自営でして。町工場ですが」

ストライカーは自営か。

皆、明日になれば朝から働くワケか。


ガッコーの頃のようにはいかないよな、やっぱり。

「オレさぁ、実はキャバクラって行ったことないんだけど、行ったことある?」

弾丸がキャバクラの話をし始めた。

「何だ弾丸。キャバクラ行きたいのか?」

…実を言うとオレも行きたい!

しかし、オレは女の前ではコミュ障になるという弱点がっ…

「いや、私もないですね。酒は飲みますが、ああいったとこでは…」

「何か気が進まねえけど、弾丸行きたい?」

弾丸が行ってみたいと言うなら行ってみよう。

コミュ障バンザイだ、こうなりゃ!

「いや、いいよ。ただ、どんなもんだろうなぁって」

「お酒飲まない人にはつまらない場所かもしれないですね」

そうか、弾丸はアルコール苦手とか言ってたっけ。

「んじゃさ、どっかラーメン食いに行かない?オレあんまりラーメン詳しくないけど、いい店あったら入ろうよ」

オレはキャバクラなんかより、ラーメン食ってた方がいいんじゃないかと思った。

「いいですね。飲んだ後のラーメン最高ですよ。確か、この辺りにいい店あったはずですよ」

「へぇ、ストライカーはラーメンに詳しいんだ」

「いやいや、他にやることないからですよ」

確かに、ラーメン通って言ったらそう見える感じがするもんな、ストライカーは。

「じゃあ、ストライカーお薦めの店行こーっ!」

「いいね、行こ行こーっ!」

「すぐ近くにありますよ」

オレたちは、ストライカーお薦めのラーメン店に入り、ラーメンを食った。

「いや~、マジ美味かったあの店!もっと早くストライカーと知り合いになれば良かったよ」

「ホントだよ、まだ他にも知ってそうな感じだし」

「いやー、美味いと言ってくれて良かったです」

ストライカーも満更でもない顔してらw

「またさぁ、近々会おうよ。こっから離れてないんでしょ二人は?」

弾丸はこの三人で集まるのが気に入ったらしい。

オレもそうだな。三人で飲んで食って話すのがいいや。

「私はこの駅から3つ目のところで降りますから、いつでも大丈夫ですよ」

「えー、ストライカーこっから近いんだ。オレは反対方向だけど、この駅から5つ目の駅で降りたとこだよ」

オレはストライカーとは反対方向か。


「みんな近いじゃん!オレ、こっから少し離れたとこだけど、時間は大してかからないから、いつでも会えるよ。っていうか、次の予定組んじゃわない?」

弾丸張り切ってんなぁw

「オレは来月の頭なら大丈夫」

ホントはいつでもいいんだけど、とりあえず予定ある風に見せた。

「私は自営だから皆さんに合わせられます」

ストライカーも大丈夫そうだ。

「となると、来月か…んじゃさ、来月また会おうよ」

「オケー、また改札口で待ち合わせだな」

「そうですね。そうしましょう」

オレたちは再開を約束して、解散した。


どうせ帰ったらソッコーでSNS見るんだろうし、会話は出来るけどね。

なんて言うか…何か、童貞にこだわる理由がなくなってきた気がする。

何だろ…上手く言えないけど、今日こうやって集まって話をしてるうちに、童貞だ何だと話をするより、会ってバカ話出来た方が面白いに決まってる。


何よりも、我、友を得んとした。

そうそう!友を得た事が一番の収穫だ!

アハハハハ!

そう思ったら、童貞バンザイだww


さてさて、帰って明日の為に寝るかな。

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