仲村慶彦の憂鬱な日々 社会人編

どうやったら卒業できるか

お前は何もんだ？

翌朝会社に着くと、真っ先に野村のとろへ行き、酩酊した事を詫びた。

「あ、おはようございます、野村さん。あの…その、この前はすみませんでした！
それと、ご馳走様でした！」

野村はオレを見るなりヘッドロックに捕らえ、

「お前、飲み過ぎだっつーの！しかし、ユキちゃんと知り合いだったとはなぁ。
あの娘、ケッコー人気あるんだぞ。帰りにヤラなかったのか、おいっ！」


痛いっ、加減を知らないのか、パワハラだぞ！

「痛いっす！マジで何もやってないすよ。それに姉の方は同級生だったんすよ！」

いくら巨乳好きなオレでも、さすがに唯には手を出せない。

何せ、赤ん坊だった頃から知ってる間柄だ。

「マジか？お前それで童貞って、どんな女だったらいいんだよ？」

「野村さん、声デカイっす！童貞と言うのはマジ勘弁してくだしゃい～」


コイツがところ構わず「童貞、童貞w」と言うもんだから、社内でオレはまだ童貞だと知れ渡っている。


25過ぎて童貞って、生き恥晒してるようなもんだろ…


それでも出社拒否をしないオレを褒めて欲しい。






何だかんだで、本日の業務は終了。

「お疲れっした～」


会社に長居は禁物。

足早に退社した。

いつものようにコンビニに寄り、ビール(という名の発泡酒)を買って部屋に着いた。

腹へったな。

とりあえず、料理してみるかな。

卵とハムがあって、豆腐はさっき買ったし、確か味噌もあったような。

よし、ハムエッグと豆腐の味噌汁にしよう！


簡単な調理だが、心配性なオレは動画でハムエッグと味噌汁の作り方を見よう見まねでトライした。

初心者にしては中々の出来だ！


ちょっと品が少ないが、これを晩飯にしよう！



やれば出来るじゃん、オレ！


飯を食いながらビール(くどいが発泡酒)を飲んだ。

自炊すれば節約になるかな…

少しずつレパートリーを増やして…


そして、料理男子になって彼女作ろう！


風呂に入り、妄想しながらニヤけていた。


…！

そうだ、メイファから返信きてるかな？

いや、それはないかも。


もしかして、反論のメールがきてるかも？


風呂から上がり、PCを開いた。


やっぱりメールがきてる！

美花【メイファ】だ！


【何を書こうが自由だから私は思った事を書いているだけです。あなたも書くのは自由と言ってますが、それは単に言葉を履き違えてんじゃないでしょうか？】


履き違え？何だ、このヤロー！


あぁ～、論破してぇ！


ぐうの音も出ないぐらい、激詰してぇ！



よし、書いてやろう！


【何がメイファだ、みかでいいだろ！お前は何人だ？日本人じゃないのか？不法滞在だな、キサマ！入国監理局にバラすぞこのヤロー！
悔しかったら、とっとと祖国へ帰れ！】


…反論になってねぇな。


誹謗中傷で出禁にならないか不安だ。


とは言え、削除するのもなんだし。


気分転換に同士とチャットでもすっかな。