仲村慶彦の憂鬱な日々 社会人編

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こりゃ筋金入りだ

プ女子のプロレス観戦

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翌日彩音は食堂でいつものマシンガントークを炸裂していた。

「打撃系と組み技系、どっちと言われたら、断然組み技系ですね!関節極めてタップさせる方が勝ったって気しますし!」


今日も絶好調だ…


「何だか複雑でよくわからないわね。これなら、ボクシングとかプロレスの方がシンプルでわかりやすいかなぁ」

沙織がプロレスという単語を使った。

これに乗っかって聞いてみよう。


「そう言えば、酒井さんてどこのプロレス団体が好きなの?」


プロレスという言葉に食い気味に答えた。


「ワタシは断然、国内最大の帝国プロレスですね!あの団体はナンバーワンだけあって、基礎がしっかりした選手が多いんです!」


「帝国プロレスって、ドームとか国技館でやってるよね?」


「いいえ、仲村さん!ドームや国技館なんかより、後楽園ホールの方がいいんですよ!特に2階のバルコニーから観戦するのがサイコーなんです!」

帝国プロレスの後楽園ホール大会と…

このチケット手に入らないかなぁ?


「ワタシもプロレスなら観に行きたいわね。何かワクワクしてきちゃった」

沙織様…アンタは今回お呼びでない。


オレは彩音と二人きりでプロレスデートをするんだ。


アンタの入る隙間は無い。


帝国プロレスのホームページから見ればわかるだろう。

後楽園ホールの大会はいつ開催するのやら。

「さて、仕事しましょうかね!ほら行くわよ!」


ここで時間切れとなった。



帰ってから調べてみよう。



今日は定時上がり。

オレは帰りの支度をしていた。


「仲村くん。この後、一杯どう?」


…また沙織か。オレの邪魔をするんじゃない!


「酒井さんもどう?あまりお酒が飲めないなら、食事をすればいいじゃない?」

彩音も誘うのか?



「そうですね。ワタシも行きます」


それならオレも参加せねば。


「この前の居酒屋でいいですかね?」


「そうね。あの店に行きましょう」


結局、オレらはいつもの居酒屋に入った。

「じゃあ、お疲れ様。カンパーイ!」

「カンパーイ」

「お疲れ様です」

オレと沙織はビール、彩音はレモンサワーを飲んでいた。


「酒井さんレモンサワーばかり飲んでるわよね?レモンサワー好きなの?」

「好きって程ではないんですが、飲めるお酒ってこれしかないんです」

彩音が飲むのはレモンサワーのみ。

この情報は覚えておこう。


「ねえねえ、昼間の話だけどさぁ…みんなでプロレス観に行かない?」

3人でプロレス観戦だと?


オレと彩音の二人だけにさせてくれよ!

アンタはバッティングセンターで1人淋しくバット振ってろ。

「はい、行きましょう!仲村さん、仲村さんも行きますよね?」

「はい…」

「じゃあ、今調べますね」


彩音がスマホで調べ始めた。


2人
っきりのプロレスデートは無しかよ?



何だかなぁ。

結局3人かよ…

行く気が失せた。

「あ、ありました!帝国プロレスの後楽園ホール大会!」


「えっ、いつやるの?」


「え~っと…来週の土曜日だから!ちょうどいいんじゃないですか?」


「でも!帝国プロレスって人気あるんでしょ?チケット取れるのかなぁ」


「あっ、そうですね…難しいかなぁ、3人分は」

3人分は無理となれば、沙織はお引き取り願おう。


2人っきりで楽しくプロレス観戦してこよう!


「あ、大丈夫ですね。チケット3人分取れました!良かったですね、3人でプロレス観ましょう!」

…何だよ、3人分取れたのかよ。

つまらん観戦になりそうだな。


「仲村さん、楽しみですね、来週は!」

「う、うん…そうだね」

「よーっし、プロレス観てスカッとしようっと」

沙織…頼むから、空気読んで行くのを止めるとかは頭に無いの?



いつになったら2人きりで…


2人きりになるのは長い道のりの様な気がしてならない。


とは言え、プロレス観るのって小学生の時以来だ。


有名な悪役レスラーが場外で暴れまくって凄かったなぁ。

ワクワクドキドキしながら観戦したし、楽しかった記憶がある。


オレもプロレス好きだし、当日は楽しもう!
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