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こりゃ筋金入りだ
後楽園ホールへ
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次の週の土曜日、オレたちは後楽園ホールへ向かった。
「今日はタイトルマッチの前哨戦がありますからね。この結果次第で試合がどうなるかがポイントですね!」
彩音が電車の中で熱っぽく語っている。
土曜日とはいえ、車内はチラホラと乗車している人もいて、彩音の早口なマシンガントークで一斉にコチラを見る。
「あ、あの酒井さん…ちょっと声が…他の人もいるし」
恥ずかしくなってきた。
こんなにまで熱くなるのか。
でも、そこまで夢中になれるってある意味羨ましい。
車内で注目を浴びつつ、ようやく後楽園ホールに着いた。
2階のバルコニーの立ち見席だ。
「ここです、ここ!ホントのプロレス好きなら、ここで観戦するのが1番なんです!」
立ちっぱなしで観戦するの?疲れないのかな。
「え~っ、こんなんじゃ、ヒールの高い靴履いてくるんじゃなかった!」
沙織の靴はヒールが高めだ。
これだと立ちっぱなしはツラい。
「もうすぐ第一試合が始まりますよ!」
彩音はバルコニーに身を乗り出し、選手の入場を待ちわびている。
「高橋さんも仲村さんもそんな後ろにいないで前に来て観ましょうよ」
ほとんどの観客はバルコニーで身を乗り出している。
凄い熱気だ。
以前は弾丸の試合で来たけど、ボクシングとは雰囲気がかなり違う。
熱気の質がボクシングの時とは別だ。
異様な盛り上がりで観客が一体となってる。
バルコニーからだと選手の動きがよく見える。
だから彩音はこの場所を選んだのか。
彩音は食い入るように試合を観戦している。
こんな表情、仕事では見た事ない。
「そう言えば小学生の頃、プロレスって何でロープに振られてワザワザ戻ってくるんだ?って、あれインチキじゃないか、なんて言ってたヤツがいたっけなぁ」
「あぁ、ワタシのクラスでも男子がそんな事言ってたような」
「必ずそういう話題になりますよね。八百長じゃないか、とか」
すると彩音は顔を蒸気させながら反論した。
「違います!あれは相手の技を受けるためなんです!プロレスっていうのは、ただ攻撃するだけじゃダメなんです!相手の技も受けるのがプロレスなんです!」
この必死さにオレと沙織は呆気にとられていた。
シンプルだと思ってたプロレスが複雑に見えてくるなぁ。
「これじゃ、単純に観て楽しめないわね…」
隣で沙織がボソッと言った。
確かに。
彩音の解説を聞いてると、あまり楽しめないような。
会場は盛り上がり、前座の試合が終わって休憩に入った。
この後、主力の選手達の試合になるみたいだ。
「喉乾いちゃった。何か買ってくるわね。2人は何がいい?」
「あ、すいません…ビールでも飲もうかな」
「ワタシは大丈夫です!これを持ってきましたから!」
彩音は保冷性に優れた水筒を取り出した。
「あ、そう…用意周到なのね…」
沙織は苦笑いを浮かべながら売店へと向かった。
「しかし、こうやって観るとプロレスも面白いもんだね」
会場の熱気に圧倒されっぱなしだ。
コアなファンがこのバルコニー席で観戦するのがわかるような気がする。
これだと、リング全体が見えてレスラーの動きもわかりやすい。
「いえ、ワタシはちょっと不満ですね!」
「え、何で…どうして?」
「先程の前座の試合です!前座の試合で大技の連発は感心しません!前座というのは、技よりも気迫なんですよ!もっとバチバチ感を出さないと!」
…そうですか…気迫が一番とはね。
「いやぁ、売店混んでて大変!はい、仲村くんビール」
「あ、ありがとうございます」
ビールを受け取りグイっと飲んだ。
あぁ、美味いなぁ…
「もうすぐ試合がはじまりますよ」
いよいよ主力レスラー達の試合が始まる。
「メインより、この試合が注目ですね、ワタシ的には」
外国人レスラーと日本人レスラーの試合か。
いくらなんでも、体格差がありすぎるだろ
外国人レスラーの方が一回りもデカい。
日本人レスラーは見るからに小柄だけど、胸板が分厚い。
日頃の鍛錬の賜物だろうな。
「今日はタイトルマッチの前哨戦がありますからね。この結果次第で試合がどうなるかがポイントですね!」
彩音が電車の中で熱っぽく語っている。
土曜日とはいえ、車内はチラホラと乗車している人もいて、彩音の早口なマシンガントークで一斉にコチラを見る。
「あ、あの酒井さん…ちょっと声が…他の人もいるし」
恥ずかしくなってきた。
こんなにまで熱くなるのか。
でも、そこまで夢中になれるってある意味羨ましい。
車内で注目を浴びつつ、ようやく後楽園ホールに着いた。
2階のバルコニーの立ち見席だ。
「ここです、ここ!ホントのプロレス好きなら、ここで観戦するのが1番なんです!」
立ちっぱなしで観戦するの?疲れないのかな。
「え~っ、こんなんじゃ、ヒールの高い靴履いてくるんじゃなかった!」
沙織の靴はヒールが高めだ。
これだと立ちっぱなしはツラい。
「もうすぐ第一試合が始まりますよ!」
彩音はバルコニーに身を乗り出し、選手の入場を待ちわびている。
「高橋さんも仲村さんもそんな後ろにいないで前に来て観ましょうよ」
ほとんどの観客はバルコニーで身を乗り出している。
凄い熱気だ。
以前は弾丸の試合で来たけど、ボクシングとは雰囲気がかなり違う。
熱気の質がボクシングの時とは別だ。
異様な盛り上がりで観客が一体となってる。
バルコニーからだと選手の動きがよく見える。
だから彩音はこの場所を選んだのか。
彩音は食い入るように試合を観戦している。
こんな表情、仕事では見た事ない。
「そう言えば小学生の頃、プロレスって何でロープに振られてワザワザ戻ってくるんだ?って、あれインチキじゃないか、なんて言ってたヤツがいたっけなぁ」
「あぁ、ワタシのクラスでも男子がそんな事言ってたような」
「必ずそういう話題になりますよね。八百長じゃないか、とか」
すると彩音は顔を蒸気させながら反論した。
「違います!あれは相手の技を受けるためなんです!プロレスっていうのは、ただ攻撃するだけじゃダメなんです!相手の技も受けるのがプロレスなんです!」
この必死さにオレと沙織は呆気にとられていた。
シンプルだと思ってたプロレスが複雑に見えてくるなぁ。
「これじゃ、単純に観て楽しめないわね…」
隣で沙織がボソッと言った。
確かに。
彩音の解説を聞いてると、あまり楽しめないような。
会場は盛り上がり、前座の試合が終わって休憩に入った。
この後、主力の選手達の試合になるみたいだ。
「喉乾いちゃった。何か買ってくるわね。2人は何がいい?」
「あ、すいません…ビールでも飲もうかな」
「ワタシは大丈夫です!これを持ってきましたから!」
彩音は保冷性に優れた水筒を取り出した。
「あ、そう…用意周到なのね…」
沙織は苦笑いを浮かべながら売店へと向かった。
「しかし、こうやって観るとプロレスも面白いもんだね」
会場の熱気に圧倒されっぱなしだ。
コアなファンがこのバルコニー席で観戦するのがわかるような気がする。
これだと、リング全体が見えてレスラーの動きもわかりやすい。
「いえ、ワタシはちょっと不満ですね!」
「え、何で…どうして?」
「先程の前座の試合です!前座の試合で大技の連発は感心しません!前座というのは、技よりも気迫なんですよ!もっとバチバチ感を出さないと!」
…そうですか…気迫が一番とはね。
「いやぁ、売店混んでて大変!はい、仲村くんビール」
「あ、ありがとうございます」
ビールを受け取りグイっと飲んだ。
あぁ、美味いなぁ…
「もうすぐ試合がはじまりますよ」
いよいよ主力レスラー達の試合が始まる。
「メインより、この試合が注目ですね、ワタシ的には」
外国人レスラーと日本人レスラーの試合か。
いくらなんでも、体格差がありすぎるだろ
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