102 / 108
こりゃ筋金入りだ
声が枯れても
しおりを挟む
「うわぁ…何今の?!1回転して倒れたよ!大丈夫なの?」
日本人レスラーが外国人レスラーの繰り出すラリアットをモロに食らい、1回転してマットに倒れた。
スゲー試合だ!
観客も盛り上がっている!
「高橋さん、今のラリアットは技を出したレスラーより、技を受けたレスラーを誉めるべきです!ああいう派手な受け方をするから、技が見映えするんです!」
プロレスってのは、相手の技も受けなきゃならないって事なんだが、他の格闘技じゃあり得ない事だな。
ボクシングだったら、相手のパンチをモロに受けたら、そのままKO敗けだ。
試合はどう見ても日本人レスラーが劣勢だ。
あの体格差は反則だ。
「いけー、休むな休むな!ガンガン攻めろ~っ!」
彩音は今まで聞いた事ない程の大きな声で声援を送る。
「ちょっと、酒井さん…熱くなりすぎてんじゃ…」
沙織も驚いている。
ジキルとハイドみたいな豹変だ…
【ワァーッ!】
「何、今の!何が起こったの?」
沙織は目をまん丸く見開き、ただ茫然としてた。
「フランケンシュタイナーですね!」
「何、フランケンシュタイン?えっ、何なの?」
外国人レスラーが突進したところを、日本人レスラーがジャンプして相手の両肩に飛び乗り、そのまま後ろに回転して外国人レスラーをひっくり返した。
【ワン、ツー、…】
「カウント2.99!休むな、攻め続けろ~っ!」
外国人レスラーはスリーカウントギリギリで跳ねのけた。
【ドンドンドンドンドン!】
「えっ、何!この地鳴りみたいなのは?何なの、もぅ~?」
「高橋さん、これが重低音ストンピングです!」
「え…重低音?ストン…えっ?」
ファンが興奮して足をバタバタ鳴らしている。
これが重低音ストンピングというらしい。
ボクシングでは滅多に起こらない現象だ。
試合は外国人レスラーが体格を生かしたパワーで追い詰める。
しかし、日本人レスラーは腕を掴み、そのまま飛び付き、回転して腕ひしぎ逆十字固めに捕らえた。
「よし、飛び付き腕十字!これで決まったか?」
どっから声出してんだ、彩音は?
だが、観てると確かに興奮する。
凄い熱気だ。
割れんばかりのコールで、隣にいても会話が出来ない程だ。
「そのまま締め上げろ!ロープなんかに逃げるな!あぁ~…何やってんだよ、ったく!そこで極めちゃえよ!」
「仲村くん…酒井さん恐いんだけど…」
彩音の豹変ぶりに沙織は恐れ慄く。
こんな形相、見たことないぞ!
【カンカンカンカンカンカン】
「あぁー、フルタイムドローか!」
結局、外国人レスラーがガンガン攻めたが、時間切れの引き分けに終わった。
「いいぞーっ、ナイスセールだったぞ~っ!」
「セールって何?」
「セールとは、相手の技を受ける事です。セールが上手いと技が映えるんです!」
受けが上手いと技がキレイに見えるんだ。
奥が深いな、プロレスは…
「後、何試合あるのかしら?これじゃ身体がもたないゎ…」
沙織はグロッキー状態だ。
ここはまるで異次元の世界に迷いこんだ空間のようだ。
「高橋さん、仲村さん!プロレスとは、エンターテイメントな要素を含んでいるんです!だからダイナミックでスリルな展開がいっぱいあるんです!」
「…酒井さん、声枯れてるけど、大丈夫?」
声を張り上げ過ぎたのか、ガラガラな声になってる。
キャンディボイスの彩音が大声を張り上げガラガラなハスキーボイスになっちゃうなんて…
その後も彩音は絶叫し、沙織は目を白黒させ、オレは会場の熱気に圧倒された。
そしてメインの試合が始まった。
もう、彩音はほとんど声が出ていない。
「あ、あの何なの?サーカスみたいな曲芸みたいな技は?」
「あ"れ"ば、ラ・ゲブラータです…」
ヒデー声だ。
「酒井さん…声がガラガラだよ。あんまり声だすと喉がおかしくなるから、ね?」
「大丈夫でず…最後ま"で頑張りま"ず…」
…今にも死にそうな感じだぞ、彩音!
何がキミをそこまでさせるんだ?
プロレス観戦にそこまで命懸けることはないだろ!
「高橋さん、酒井さんかなりヤバくないすかね?」
「もう、無理!脚はパンパンだし、酒井さんはあんなんだし…」
沙織は疲労困憊だ。
何でこんなに疲れるんだ?
「ヘソだ、ヘソー!バックドロップはヘソで投げろ~っ!」
もう無理!色々と無理!
ここにいるのは彩音の格好したオッサンだ!
あの可愛い彩音はどこいったんだ?
プロレス観戦って、エネルギーの消費量がハンパじゃない…
日本人レスラーが外国人レスラーの繰り出すラリアットをモロに食らい、1回転してマットに倒れた。
スゲー試合だ!
観客も盛り上がっている!
「高橋さん、今のラリアットは技を出したレスラーより、技を受けたレスラーを誉めるべきです!ああいう派手な受け方をするから、技が見映えするんです!」
プロレスってのは、相手の技も受けなきゃならないって事なんだが、他の格闘技じゃあり得ない事だな。
ボクシングだったら、相手のパンチをモロに受けたら、そのままKO敗けだ。
試合はどう見ても日本人レスラーが劣勢だ。
あの体格差は反則だ。
「いけー、休むな休むな!ガンガン攻めろ~っ!」
彩音は今まで聞いた事ない程の大きな声で声援を送る。
「ちょっと、酒井さん…熱くなりすぎてんじゃ…」
沙織も驚いている。
ジキルとハイドみたいな豹変だ…
【ワァーッ!】
「何、今の!何が起こったの?」
沙織は目をまん丸く見開き、ただ茫然としてた。
「フランケンシュタイナーですね!」
「何、フランケンシュタイン?えっ、何なの?」
外国人レスラーが突進したところを、日本人レスラーがジャンプして相手の両肩に飛び乗り、そのまま後ろに回転して外国人レスラーをひっくり返した。
【ワン、ツー、…】
「カウント2.99!休むな、攻め続けろ~っ!」
外国人レスラーはスリーカウントギリギリで跳ねのけた。
【ドンドンドンドンドン!】
「えっ、何!この地鳴りみたいなのは?何なの、もぅ~?」
「高橋さん、これが重低音ストンピングです!」
「え…重低音?ストン…えっ?」
ファンが興奮して足をバタバタ鳴らしている。
これが重低音ストンピングというらしい。
ボクシングでは滅多に起こらない現象だ。
試合は外国人レスラーが体格を生かしたパワーで追い詰める。
しかし、日本人レスラーは腕を掴み、そのまま飛び付き、回転して腕ひしぎ逆十字固めに捕らえた。
「よし、飛び付き腕十字!これで決まったか?」
どっから声出してんだ、彩音は?
だが、観てると確かに興奮する。
凄い熱気だ。
割れんばかりのコールで、隣にいても会話が出来ない程だ。
「そのまま締め上げろ!ロープなんかに逃げるな!あぁ~…何やってんだよ、ったく!そこで極めちゃえよ!」
「仲村くん…酒井さん恐いんだけど…」
彩音の豹変ぶりに沙織は恐れ慄く。
こんな形相、見たことないぞ!
【カンカンカンカンカンカン】
「あぁー、フルタイムドローか!」
結局、外国人レスラーがガンガン攻めたが、時間切れの引き分けに終わった。
「いいぞーっ、ナイスセールだったぞ~っ!」
「セールって何?」
「セールとは、相手の技を受ける事です。セールが上手いと技が映えるんです!」
受けが上手いと技がキレイに見えるんだ。
奥が深いな、プロレスは…
「後、何試合あるのかしら?これじゃ身体がもたないゎ…」
沙織はグロッキー状態だ。
ここはまるで異次元の世界に迷いこんだ空間のようだ。
「高橋さん、仲村さん!プロレスとは、エンターテイメントな要素を含んでいるんです!だからダイナミックでスリルな展開がいっぱいあるんです!」
「…酒井さん、声枯れてるけど、大丈夫?」
声を張り上げ過ぎたのか、ガラガラな声になってる。
キャンディボイスの彩音が大声を張り上げガラガラなハスキーボイスになっちゃうなんて…
その後も彩音は絶叫し、沙織は目を白黒させ、オレは会場の熱気に圧倒された。
そしてメインの試合が始まった。
もう、彩音はほとんど声が出ていない。
「あ、あの何なの?サーカスみたいな曲芸みたいな技は?」
「あ"れ"ば、ラ・ゲブラータです…」
ヒデー声だ。
「酒井さん…声がガラガラだよ。あんまり声だすと喉がおかしくなるから、ね?」
「大丈夫でず…最後ま"で頑張りま"ず…」
…今にも死にそうな感じだぞ、彩音!
何がキミをそこまでさせるんだ?
プロレス観戦にそこまで命懸けることはないだろ!
「高橋さん、酒井さんかなりヤバくないすかね?」
「もう、無理!脚はパンパンだし、酒井さんはあんなんだし…」
沙織は疲労困憊だ。
何でこんなに疲れるんだ?
「ヘソだ、ヘソー!バックドロップはヘソで投げろ~っ!」
もう無理!色々と無理!
ここにいるのは彩音の格好したオッサンだ!
あの可愛い彩音はどこいったんだ?
プロレス観戦って、エネルギーの消費量がハンパじゃない…
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる