仲村慶彦の憂鬱な日々 社会人編

sky-high

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こりゃ筋金入りだ

前屈みになる

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帰りは3人共フラフラな状態で電車に乗り込んだ。

「いや、疲れた…こんなにも疲れるとは」

「試合終わったら一杯でも飲もうかなと思ったけど…これじゃあ無理よね…」

「わだじ大丈夫でずがら…」

ハスキーを通り越してデスボイスみたいになってる!

「酒井さん…明日は日曜だからいいけど、月曜日ちゃんと会社に来れる?」

「問題ないでず…」

…周りの乗客が引いてる!

彩音はバッグからのど飴を取り出して舐めた。

まだ顔が赤く、髪もボサボサ。

色々とボロボロな状態になってる。

観客はあんなに大声出して平気なのだろうか。

余程疲れたのか、沙織と彩音は電車に揺られ寝ていた。



彩音とプロレスデートなんて軽く考えていたけど、これじゃ毎回ボロボロになってしまう。


プロレスってのは、やる方も観る方も命懸けだ。


「次で降りますよ、起きてください」

沙織と彩音を起こした。


沙織はすぐに起きたが、彩音がなかなか起きない。

「酒井さん、次で降りるわよ」

「降りるよ、次の駅で!」

爆睡モードに入ってる。

全く起きない!

「仲村くん…悪いけど、酒井さんおぶってくれる?」

「それしかないですね」

「じゃあ、起こすから仲村くんおぶってね」

沙織が彩音を起こした。


そしてオレの背中に乗せるような感じで身体を預けた。

【ムニュ】

…っ!!この感触は?

…巨乳だっ!

何て柔らかいんだ!


オレは今、背中で巨乳を感じている!

あっ…ヤバい、勃つかも。

でも次で降りないと…

バレないよう、前屈みで彩音を背負って行こう。

「ちょっと、仲村くん大丈夫?」

「あ、はい…大丈夫すっよ、はい」

ヒジョーにマズい状況だ!

彩音を背負って、勃ってるのがバレたら…

あぁ…背中に感じる巨乳が愛しくて憎い!

「ほら、仲村くん着いたわよ!」


クソッ、もうどうにでもなれ!

オレは彩音を背負い、改札口まで歩いた。

バレてないだろうな?

勃ってるのバレてないよな?



何か、周りの人はオレを見てるような…

どうして?

まさか、勃ってるのバレた?



「何やってんの仲村くん!早く改札口に行かないと」

あぁ…バレてないのか?



ならばと、思う存分、彩音の巨乳を背中で感じて改札口に向かった。

「酒井さん、もういい加減に起きなさい。改札口だからPASMO出して」

「ふぁ、ふぁ~い…」


寝ぼけながら彩音はPASMOを取り出した。

「酒井さん、もう歩けるわよね?」

「はい、大丈夫れす…」

「ところで…仲村くんは何で前屈みになってるの?お腹の調子悪いの?」


そんな事聞かれても、答えられないっ!


…こうしてプロレス観戦は終わった。

「もう無理!今度プロレス観に行くならアタシはパス…」

沙織はあまりの疲労で、観るのはテレビで十分と言った。


彩音はしばらくガラガラな声だったが、すぐに元に戻り、またプロレスに観に行きましょう、とテンション高めでオレらを誘ってきた。


オレもプロレス観戦はパスっ!
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