20 / 83
全寮制高校での3年間
個人的には関わりたくない
しおりを挟む
夕方になり、オレたちは食堂へと向かった。
「失礼します」
食堂の扉を開け、入り口で点呼を取ってる寮長に挨拶し、宇棚に関する事を聞こうとしていた。
幸い宇棚は食堂には居なかった。
学校が終わっても寮には戻った気配は無い。
寮には門限があるというのに、相変わらず好き勝手にやってやがる…
でもちょうどいい機会だから寮長に聞ける。
オレたちは寮長が生徒全員(宇棚を除く)の点呼を確認した後、各テーブルに着き
「皆集まったな?それじゃいただきます」
【いただきます】
今日の夕飯はカレーだった。
そしてヒロトは相変わらず大盛りだ。
コイツもよく食うよな…だから痩せないんだろうな。
オレたち3人は食堂の一番前で夕飯を食べている寮長の側に座りカレーを食べた。
寮長は今朝の件があったせいか、バツ悪そうな表情でカレーを食べていた。
「ところで寮長、今朝の話なんですけど」
寮長の隣に座っているヒロトが話を切り出した。
オレは寮長の向かいに座り、カズはオレの隣に座って姿勢よくカレーを食べていた。
「ん?今朝の事か…お前たちには申し訳ないとは思ってる…だがな、これはもう決まった事なんだ。だから何とかしてアイツと上手くやってくれないだろうか?」
いつもなら坊主頭に強面の寮長が珍しく弱気になってる。
「上手くやってくれって、じゃあもし寮長だったらどう上手くやるつもりなんですか?」
オレはカレーを食べながら寮長の様子を伺っていた。
カズは食事の時も教科書を肌身離さず持ち歩き、カレーを食べながら教科書を読んでいる。
マンガや雑誌ならば怒られて没収されるが、教科書ならその心配は無い。
何せあのヤローのせいで今日一日は睡魔との戦いで授業をまともに受けられなかった。
「うーん、もっとこうコミュニケーションをとったりしてどうにか上手くやってくしかないだろ?」
寮長の言葉にヒロトはすかさず反論した。
「あの人がコミュニケーション取れるか取れないかなんて事、寮長が一番知ってるんじゃないすか?
だったら彼が帰って来たときにそのお手本を見せてくれませんかね?」
寮長も宇棚には手を焼いている。
「まぁ、そのまだそれほど月日は経ってないだろ?そのうちアイツも慣れてくるだろうしな」
「ですからヒロトの言うとおり上手くコミュニケーション取れるんですか?ヒロトは寮長に聞いてるんですよ?
寮長だったらどうやってコミュニケーション取れますか?って」
オレもヒロトの言う事に追い打ちをかけるように寮長に聞いた。
「…確かにお前らの言うとおり、あの男は何を考えてるのかサッパリ解らない。規則は破るし、まともに会話すら出来ない…さっきはコミュニケーションって言ったが…これは寮長としてではなく、オレ個人の意見なんだが…ハッキリ言えば関わりたくない。考えても見ろ、ずーっと一年生やっててこの棟に住み着いて今年で四年目だぞ?
オレだってアイツには手を焼いているんだ。悪気が無い事は解るんだが、それだけに余計厄介で困るんだ…だからアイツとコミュニケーションを取りなくなければ取らなくていい、ただ部屋割りだけは出来ないんだ、もしどうしても寝れないようなら、耳栓をしたりアイマスクをしてみたらどうだ…」
「んなもん、とっくにしてますよ!でも全く効果無いんすよ。どうすりゃいいんすか、それじゃ?」
オレは寮長の言葉を遮るように反論した。
寮長は食べる手を止め、かなり困り果てた表情をしている。
「…そりゃ寮長も大変だけど、あの、その…今まで一緒に部屋で生活してた、その…上級生って、どうしてたんですか?」
今まで教科書を見ながらカレーを食べていたカズは教科書をテーブルに置き、寮長の方を見て本題に切り出した。
「今まで一緒に生活してた上級生か…まぁ確かに今のお前たちみたいにオレに苦情を言ってきたっけな…」
そりゃそうだろ、誰がどう見てもアイツと一緒に生活なんて出来やしない。
ただ寮長さえも黙認するって事は…
「寮長」
オレは思いきって聞いてみた。
「ん、どうした?」
オレたちは自然とカレーを食べる手を止めて話ばかりしていた。
他の生徒たちはとっくに食事を済ませ、各部屋に戻っていて、気がつけば食堂にはオレたちを含む数人しかいなくなっていた。
「あの宇棚って男、何か特別な事情があるんですか?
寮長さえも何も言えないって事はこの学校の関係者の息子とかそんな立場の人間なんじゃ…?」
寮長ははぁーっとため息をつき、こう言った。
「そうだ、この学校の関係者というか、特別な扱いだ。
悪いがそれ以上の事は言えない」
やっぱりそうか、校長や理事長のバカ息子ってとこか。
「じゃあ、一緒に生活してた上級生の名前だけでも教えてくれませんか?」
どんな上級生なんだろう?ヒロトが聞いてみた。
「…何せアイツと生活してたのは何人かいたから…そうだ、三年生の川田ってのがよくアイツと話をしていたな…」
三年生の川田…
「その人は何組にいるんですか?」
「寮長、教えてください」
オレもヒロトも寮長に頼み込んだ。
「…確かE組だったはず…そうだE組だ。名前は川田春彦(かわだはるひこ)アイツは一年の時、よく宇棚と話をしていたのをよく見ていたから、アイツならどうやって上手く付き合っていたのか聞いてみるといい」
そう言うと寮長は半分残したカレーの皿を返却の棚に置いて食堂から出ていった。
三年E組の川田春彦。
しかしどうやってコミュニケーション取ってたんだろ…
食堂にはオレたち3人だけになってしまい、急いで残りのカレーを食べて部屋に戻った。
「失礼します」
食堂の扉を開け、入り口で点呼を取ってる寮長に挨拶し、宇棚に関する事を聞こうとしていた。
幸い宇棚は食堂には居なかった。
学校が終わっても寮には戻った気配は無い。
寮には門限があるというのに、相変わらず好き勝手にやってやがる…
でもちょうどいい機会だから寮長に聞ける。
オレたちは寮長が生徒全員(宇棚を除く)の点呼を確認した後、各テーブルに着き
「皆集まったな?それじゃいただきます」
【いただきます】
今日の夕飯はカレーだった。
そしてヒロトは相変わらず大盛りだ。
コイツもよく食うよな…だから痩せないんだろうな。
オレたち3人は食堂の一番前で夕飯を食べている寮長の側に座りカレーを食べた。
寮長は今朝の件があったせいか、バツ悪そうな表情でカレーを食べていた。
「ところで寮長、今朝の話なんですけど」
寮長の隣に座っているヒロトが話を切り出した。
オレは寮長の向かいに座り、カズはオレの隣に座って姿勢よくカレーを食べていた。
「ん?今朝の事か…お前たちには申し訳ないとは思ってる…だがな、これはもう決まった事なんだ。だから何とかしてアイツと上手くやってくれないだろうか?」
いつもなら坊主頭に強面の寮長が珍しく弱気になってる。
「上手くやってくれって、じゃあもし寮長だったらどう上手くやるつもりなんですか?」
オレはカレーを食べながら寮長の様子を伺っていた。
カズは食事の時も教科書を肌身離さず持ち歩き、カレーを食べながら教科書を読んでいる。
マンガや雑誌ならば怒られて没収されるが、教科書ならその心配は無い。
何せあのヤローのせいで今日一日は睡魔との戦いで授業をまともに受けられなかった。
「うーん、もっとこうコミュニケーションをとったりしてどうにか上手くやってくしかないだろ?」
寮長の言葉にヒロトはすかさず反論した。
「あの人がコミュニケーション取れるか取れないかなんて事、寮長が一番知ってるんじゃないすか?
だったら彼が帰って来たときにそのお手本を見せてくれませんかね?」
寮長も宇棚には手を焼いている。
「まぁ、そのまだそれほど月日は経ってないだろ?そのうちアイツも慣れてくるだろうしな」
「ですからヒロトの言うとおり上手くコミュニケーション取れるんですか?ヒロトは寮長に聞いてるんですよ?
寮長だったらどうやってコミュニケーション取れますか?って」
オレもヒロトの言う事に追い打ちをかけるように寮長に聞いた。
「…確かにお前らの言うとおり、あの男は何を考えてるのかサッパリ解らない。規則は破るし、まともに会話すら出来ない…さっきはコミュニケーションって言ったが…これは寮長としてではなく、オレ個人の意見なんだが…ハッキリ言えば関わりたくない。考えても見ろ、ずーっと一年生やっててこの棟に住み着いて今年で四年目だぞ?
オレだってアイツには手を焼いているんだ。悪気が無い事は解るんだが、それだけに余計厄介で困るんだ…だからアイツとコミュニケーションを取りなくなければ取らなくていい、ただ部屋割りだけは出来ないんだ、もしどうしても寝れないようなら、耳栓をしたりアイマスクをしてみたらどうだ…」
「んなもん、とっくにしてますよ!でも全く効果無いんすよ。どうすりゃいいんすか、それじゃ?」
オレは寮長の言葉を遮るように反論した。
寮長は食べる手を止め、かなり困り果てた表情をしている。
「…そりゃ寮長も大変だけど、あの、その…今まで一緒に部屋で生活してた、その…上級生って、どうしてたんですか?」
今まで教科書を見ながらカレーを食べていたカズは教科書をテーブルに置き、寮長の方を見て本題に切り出した。
「今まで一緒に生活してた上級生か…まぁ確かに今のお前たちみたいにオレに苦情を言ってきたっけな…」
そりゃそうだろ、誰がどう見てもアイツと一緒に生活なんて出来やしない。
ただ寮長さえも黙認するって事は…
「寮長」
オレは思いきって聞いてみた。
「ん、どうした?」
オレたちは自然とカレーを食べる手を止めて話ばかりしていた。
他の生徒たちはとっくに食事を済ませ、各部屋に戻っていて、気がつけば食堂にはオレたちを含む数人しかいなくなっていた。
「あの宇棚って男、何か特別な事情があるんですか?
寮長さえも何も言えないって事はこの学校の関係者の息子とかそんな立場の人間なんじゃ…?」
寮長ははぁーっとため息をつき、こう言った。
「そうだ、この学校の関係者というか、特別な扱いだ。
悪いがそれ以上の事は言えない」
やっぱりそうか、校長や理事長のバカ息子ってとこか。
「じゃあ、一緒に生活してた上級生の名前だけでも教えてくれませんか?」
どんな上級生なんだろう?ヒロトが聞いてみた。
「…何せアイツと生活してたのは何人かいたから…そうだ、三年生の川田ってのがよくアイツと話をしていたな…」
三年生の川田…
「その人は何組にいるんですか?」
「寮長、教えてください」
オレもヒロトも寮長に頼み込んだ。
「…確かE組だったはず…そうだE組だ。名前は川田春彦(かわだはるひこ)アイツは一年の時、よく宇棚と話をしていたのをよく見ていたから、アイツならどうやって上手く付き合っていたのか聞いてみるといい」
そう言うと寮長は半分残したカレーの皿を返却の棚に置いて食堂から出ていった。
三年E組の川田春彦。
しかしどうやってコミュニケーション取ってたんだろ…
食堂にはオレたち3人だけになってしまい、急いで残りのカレーを食べて部屋に戻った。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる