(快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体)アナザーストーリー

sky-high

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全寮制高校での3年間

個人的には関わりたくない

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夕方になり、オレたちは食堂へと向かった。

「失礼します」

食堂の扉を開け、入り口で点呼を取ってる寮長に挨拶し、宇棚に関する事を聞こうとしていた。

幸い宇棚は食堂には居なかった。

学校が終わっても寮には戻った気配は無い。

寮には門限があるというのに、相変わらず好き勝手にやってやがる…

でもちょうどいい機会だから寮長に聞ける。
オレたちは寮長が生徒全員(宇棚を除く)の点呼を確認した後、各テーブルに着き

「皆集まったな?それじゃいただきます」

【いただきます】



今日の夕飯はカレーだった。

そしてヒロトは相変わらず大盛りだ。
コイツもよく食うよな…だから痩せないんだろうな。


オレたち3人は食堂の一番前で夕飯を食べている寮長の側に座りカレーを食べた。

寮長は今朝の件があったせいか、バツ悪そうな表情でカレーを食べていた。

「ところで寮長、今朝の話なんですけど」

寮長の隣に座っているヒロトが話を切り出した。
オレは寮長の向かいに座り、カズはオレの隣に座って姿勢よくカレーを食べていた。

「ん?今朝の事か…お前たちには申し訳ないとは思ってる…だがな、これはもう決まった事なんだ。だから何とかしてアイツと上手くやってくれないだろうか?」

いつもなら坊主頭に強面の寮長が珍しく弱気になってる。

「上手くやってくれって、じゃあもし寮長だったらどう上手くやるつもりなんですか?」

オレはカレーを食べながら寮長の様子を伺っていた。

カズは食事の時も教科書を肌身離さず持ち歩き、カレーを食べながら教科書を読んでいる。

マンガや雑誌ならば怒られて没収されるが、教科書ならその心配は無い。

何せあのヤローのせいで今日一日は睡魔との戦いで授業をまともに受けられなかった。

「うーん、もっとこうコミュニケーションをとったりしてどうにか上手くやってくしかないだろ?」

寮長の言葉にヒロトはすかさず反論した。

「あの人がコミュニケーション取れるか取れないかなんて事、寮長が一番知ってるんじゃないすか?
だったら彼が帰って来たときにそのお手本を見せてくれませんかね?」

寮長も宇棚には手を焼いている。

「まぁ、そのまだそれほど月日は経ってないだろ?そのうちアイツも慣れてくるだろうしな」

「ですからヒロトの言うとおり上手くコミュニケーション取れるんですか?ヒロトは寮長に聞いてるんですよ?
寮長だったらどうやってコミュニケーション取れますか?って」

オレもヒロトの言う事に追い打ちをかけるように寮長に聞いた。

「…確かにお前らの言うとおり、あの男は何を考えてるのかサッパリ解らない。規則は破るし、まともに会話すら出来ない…さっきはコミュニケーションって言ったが…これは寮長としてではなく、オレ個人の意見なんだが…ハッキリ言えば関わりたくない。考えても見ろ、ずーっと一年生やっててこの棟に住み着いて今年で四年目だぞ?
オレだってアイツには手を焼いているんだ。悪気が無い事は解るんだが、それだけに余計厄介で困るんだ…だからアイツとコミュニケーションを取りなくなければ取らなくていい、ただ部屋割りだけは出来ないんだ、もしどうしても寝れないようなら、耳栓をしたりアイマスクをしてみたらどうだ…」

「んなもん、とっくにしてますよ!でも全く効果無いんすよ。どうすりゃいいんすか、それじゃ?」

オレは寮長の言葉を遮るように反論した。

寮長は食べる手を止め、かなり困り果てた表情をしている。

「…そりゃ寮長も大変だけど、あの、その…今まで一緒に部屋で生活してた、その…上級生って、どうしてたんですか?」

今まで教科書を見ながらカレーを食べていたカズは教科書をテーブルに置き、寮長の方を見て本題に切り出した。

「今まで一緒に生活してた上級生か…まぁ確かに今のお前たちみたいにオレに苦情を言ってきたっけな…」

そりゃそうだろ、誰がどう見てもアイツと一緒に生活なんて出来やしない。

ただ寮長さえも黙認するって事は…

「寮長」

オレは思いきって聞いてみた。

「ん、どうした?」

オレたちは自然とカレーを食べる手を止めて話ばかりしていた。

他の生徒たちはとっくに食事を済ませ、各部屋に戻っていて、気がつけば食堂にはオレたちを含む数人しかいなくなっていた。

「あの宇棚って男、何か特別な事情があるんですか?
寮長さえも何も言えないって事はこの学校の関係者の息子とかそんな立場の人間なんじゃ…?」

寮長ははぁーっとため息をつき、こう言った。

「そうだ、この学校の関係者というか、特別な扱いだ。
悪いがそれ以上の事は言えない」

やっぱりそうか、校長や理事長のバカ息子ってとこか。

「じゃあ、一緒に生活してた上級生の名前だけでも教えてくれませんか?」

どんな上級生なんだろう?ヒロトが聞いてみた。

「…何せアイツと生活してたのは何人かいたから…そうだ、三年生の川田ってのがよくアイツと話をしていたな…」

三年生の川田…

「その人は何組にいるんですか?」

「寮長、教えてください」

オレもヒロトも寮長に頼み込んだ。

「…確かE組だったはず…そうだE組だ。名前は川田春彦(かわだはるひこ)アイツは一年の時、よく宇棚と話をしていたのをよく見ていたから、アイツならどうやって上手く付き合っていたのか聞いてみるといい」

そう言うと寮長は半分残したカレーの皿を返却の棚に置いて食堂から出ていった。

三年E組の川田春彦。

しかしどうやってコミュニケーション取ってたんだろ…

食堂にはオレたち3人だけになってしまい、急いで残りのカレーを食べて部屋に戻った。
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