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1.性愛の種
俺に食えねぇ物はねぇ
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奥に進んで行くとさっきまでの自分と同じような状態の人達がいっぱいいた。そこで気になった事があった。
「何故‥‥女性だけしかいないのかな」
『俺に聞くなよ、分かるわけないだろ。とりあえず、さっきみたいな奴1人を捕まえて聞いてみようぜ』
白衣の6人を殺したが、こんな大きな施設だ。もっと人はいるはずだ、見つけ次第捕らえるしかない。私の事を適合者と呼んでいた、という事はここの人達も私と同じ実験体なのだろうか。
すると突然大きなベルの音と共に赤いランプがチカチカと光りだした。
《緊急事態発生!緊急事態発生!96番が脱走、総員は直ちに捕獲せよ繰り返すーーー》
96番‥‥。どうやら私の事らしい、バレてしまったようだ。どの道、来てくれるなら探さずに済むという事、こちらこそ捕まえたいので一石二鳥だ。
『主人、どうするよ?』
「人の入った水槽を傷つけずに敵を殺して」
『こりゃ難題だな、合点承知』
次々と襲ってくる人達をシトはどんどん倒していく。襲ってくる人は白衣じゃない人達だったがそんな事は関係ない。どうやらシトは人間を殺しているのではなく、食べているのだ。シト本体が襲う事もあれば、先程みたいに動きを封じ込めた人を遠隔で食らいついていた。刃物や銃等も色々試して来たが、シトにはそんなもの関係なく何にでも食らいついて食べていく。
『俺は食物性愛の悪魔、シトだ!俺に食えねぇ物はねぇ!!』
そう叫びながら四方八方の攻撃を防ぎながら、敵を倒していく。素早い動きで翻弄しつつ、隙を見て殺していった。そして最後の1人をシトは両手、両腕を食い自由を奪った。
「ば、バケモノめぇ‥‥!!!」
『悪かったなバケモノで。さて主人、質問タイムだ』
そう言うと女性は身動きが取れなくなった人の前に立ち、そしてしゃがんだ。
「手荒な真似して‥‥ごめんなさい、聞きたい事があるの。ここはどこ?私達にこんな事をして何が目的なの?」
「い、言えるわけねぇだろ!」
「そう。シト、お願い」
『合点承知』
シトは言われると、ゆっくりと口を大きく開いた。食われるという恐怖がこんなにも恐ろしいのを改めて知った。今にも死にそうな顔をした男性は小さな声で呟いた。
「ここはバンショー・ハトの実験倉庫だ、人の性を研究してる変わった人。目的は知らねぇよホントだ。ここの警備隊に‥‥。研究秘密を教えられるわけないだろぉ」
バンショー・ハト。聞いても思い当たる節がない、知らない人だ。その人が私にこの怪物、シトを宿したのかな。
「何故実験に使われてるのが女性だけなの?」
「知らねぇって‥‥。男性より女性の方が‥‥馴染むんじゃねぇの?知りたいなら管理資料室に行けよ。その方が‥‥早い」
管理資料室、そんな物もあるのね。きっとそこに情報がある。私のことも、この実験の目的も。
「どこにあるの?」
「この先‥‥に、あるはずだ」
息を切らして、辛そうにしている男性。出血多量で死にかけているのだろう。少し可哀想になってきた。
『同情はするなよ主人。やらなきゃやられてたんだぜ?当然の報い、そうだろ』
「そうだね。教えてくれてありがとう」
そう言うと96番は奥へ進んで行った。その後をついて行くシトを「待ってくれ」と男性は止めた。
「俺を殺してくれ‥‥!楽に‥‥なりたいんだ」
そう言われたシトはつまらなそうな顔をして振り向いた。その目はまるでゴミを見るかのような、冷たい目線が男性を更に震えさせた。
『死にかけの人間殺して興奮するわけねぇだろ、そのまま苦しんで死ねよ。悪ぃな、俺は主人ほど優しくねぇ』
そう言い放つと、シトはあとを追いかけた。
「何故‥‥女性だけしかいないのかな」
『俺に聞くなよ、分かるわけないだろ。とりあえず、さっきみたいな奴1人を捕まえて聞いてみようぜ』
白衣の6人を殺したが、こんな大きな施設だ。もっと人はいるはずだ、見つけ次第捕らえるしかない。私の事を適合者と呼んでいた、という事はここの人達も私と同じ実験体なのだろうか。
すると突然大きなベルの音と共に赤いランプがチカチカと光りだした。
《緊急事態発生!緊急事態発生!96番が脱走、総員は直ちに捕獲せよ繰り返すーーー》
96番‥‥。どうやら私の事らしい、バレてしまったようだ。どの道、来てくれるなら探さずに済むという事、こちらこそ捕まえたいので一石二鳥だ。
『主人、どうするよ?』
「人の入った水槽を傷つけずに敵を殺して」
『こりゃ難題だな、合点承知』
次々と襲ってくる人達をシトはどんどん倒していく。襲ってくる人は白衣じゃない人達だったがそんな事は関係ない。どうやらシトは人間を殺しているのではなく、食べているのだ。シト本体が襲う事もあれば、先程みたいに動きを封じ込めた人を遠隔で食らいついていた。刃物や銃等も色々試して来たが、シトにはそんなもの関係なく何にでも食らいついて食べていく。
『俺は食物性愛の悪魔、シトだ!俺に食えねぇ物はねぇ!!』
そう叫びながら四方八方の攻撃を防ぎながら、敵を倒していく。素早い動きで翻弄しつつ、隙を見て殺していった。そして最後の1人をシトは両手、両腕を食い自由を奪った。
「ば、バケモノめぇ‥‥!!!」
『悪かったなバケモノで。さて主人、質問タイムだ』
そう言うと女性は身動きが取れなくなった人の前に立ち、そしてしゃがんだ。
「手荒な真似して‥‥ごめんなさい、聞きたい事があるの。ここはどこ?私達にこんな事をして何が目的なの?」
「い、言えるわけねぇだろ!」
「そう。シト、お願い」
『合点承知』
シトは言われると、ゆっくりと口を大きく開いた。食われるという恐怖がこんなにも恐ろしいのを改めて知った。今にも死にそうな顔をした男性は小さな声で呟いた。
「ここはバンショー・ハトの実験倉庫だ、人の性を研究してる変わった人。目的は知らねぇよホントだ。ここの警備隊に‥‥。研究秘密を教えられるわけないだろぉ」
バンショー・ハト。聞いても思い当たる節がない、知らない人だ。その人が私にこの怪物、シトを宿したのかな。
「何故実験に使われてるのが女性だけなの?」
「知らねぇって‥‥。男性より女性の方が‥‥馴染むんじゃねぇの?知りたいなら管理資料室に行けよ。その方が‥‥早い」
管理資料室、そんな物もあるのね。きっとそこに情報がある。私のことも、この実験の目的も。
「どこにあるの?」
「この先‥‥に、あるはずだ」
息を切らして、辛そうにしている男性。出血多量で死にかけているのだろう。少し可哀想になってきた。
『同情はするなよ主人。やらなきゃやられてたんだぜ?当然の報い、そうだろ』
「そうだね。教えてくれてありがとう」
そう言うと96番は奥へ進んで行った。その後をついて行くシトを「待ってくれ」と男性は止めた。
「俺を殺してくれ‥‥!楽に‥‥なりたいんだ」
そう言われたシトはつまらなそうな顔をして振り向いた。その目はまるでゴミを見るかのような、冷たい目線が男性を更に震えさせた。
『死にかけの人間殺して興奮するわけねぇだろ、そのまま苦しんで死ねよ。悪ぃな、俺は主人ほど優しくねぇ』
そう言い放つと、シトはあとを追いかけた。
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