1 / 10
序章
おっさん、末期癌宣告を受ける
しおりを挟む
「末期の肺癌ですね、余命は一年です。手術や抗がん剤治療を希望なさるなら…」
どこか冷たい印象の医者が淡々と吐いた言葉に目の前が真っ白になった、医者が何か言っているようだが何も聞こえない。金が勿体無いからと、法律で義務付けられている筈の定期健康診断すらしない…違法しまくりクソブラック会社に勤めて早十年。
近頃咳と血混じりの痰が止まらんから、個人で金払って健康診断受けた結果がこれだよ。
“なんで俺が”とか“まだ死にたくない”とか取り乱して喚く事すら出来ない。現実感が無さ過ぎて、頭が混乱していて現実を受け止められないのだ。それよりも手術、抗がん剤だとか言っていたな…
「いや、治療はいいです。」
「自宅療養をご希望ですね、それではお大事に。」
俺は治療も入院も断った。何故かって?治療したって助からないのにわざわざ苦しい思いなんてしたくないだろ?俺は独身、不幸中の幸いだが悲しむ家族なんぞおらん。なら最後くらい好きにしたって罰は当たらん筈だ。
「これからどうすっかなぁ…。」
病院を出て空を見上げると、イラッとくる程青い空だった。少しずつだが現実が呑み込めてきた、まずはあの腹立つクソブラック会社に退職届を叩き付けてやろう。そんな事しても向こうからすりゃ屁でもないだろうが、少しは腹の虫もおさまるだろう。
労働基準監督署に通報も考えたが、あの会社で働いていて急に無職になると困る家庭持ちの奴らだっている。会社には恨みはあるが、そこで働いている同僚達は俺と同じ被害者であって恨んじゃいない。同僚達の将来を考えると、本当は今すぐ通報した方が良いのかもしれんが…次の職場が見つからなかったら食っていけんからな。
ここは退職届だけ出しておくのが無難だろう。いや、最後にあのパワハラクソハゲ課長のヅラを叩いて被ってジャンケンポンしてやろうか…一年後に死ぬ俺にはもう怖いものなどない。
よし、明日やってやろう。
どこか冷たい印象の医者が淡々と吐いた言葉に目の前が真っ白になった、医者が何か言っているようだが何も聞こえない。金が勿体無いからと、法律で義務付けられている筈の定期健康診断すらしない…違法しまくりクソブラック会社に勤めて早十年。
近頃咳と血混じりの痰が止まらんから、個人で金払って健康診断受けた結果がこれだよ。
“なんで俺が”とか“まだ死にたくない”とか取り乱して喚く事すら出来ない。現実感が無さ過ぎて、頭が混乱していて現実を受け止められないのだ。それよりも手術、抗がん剤だとか言っていたな…
「いや、治療はいいです。」
「自宅療養をご希望ですね、それではお大事に。」
俺は治療も入院も断った。何故かって?治療したって助からないのにわざわざ苦しい思いなんてしたくないだろ?俺は独身、不幸中の幸いだが悲しむ家族なんぞおらん。なら最後くらい好きにしたって罰は当たらん筈だ。
「これからどうすっかなぁ…。」
病院を出て空を見上げると、イラッとくる程青い空だった。少しずつだが現実が呑み込めてきた、まずはあの腹立つクソブラック会社に退職届を叩き付けてやろう。そんな事しても向こうからすりゃ屁でもないだろうが、少しは腹の虫もおさまるだろう。
労働基準監督署に通報も考えたが、あの会社で働いていて急に無職になると困る家庭持ちの奴らだっている。会社には恨みはあるが、そこで働いている同僚達は俺と同じ被害者であって恨んじゃいない。同僚達の将来を考えると、本当は今すぐ通報した方が良いのかもしれんが…次の職場が見つからなかったら食っていけんからな。
ここは退職届だけ出しておくのが無難だろう。いや、最後にあのパワハラクソハゲ課長のヅラを叩いて被ってジャンケンポンしてやろうか…一年後に死ぬ俺にはもう怖いものなどない。
よし、明日やってやろう。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる