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7-11・喧嘩を売られたが、どういうわけか……
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俺たちは、セドリックの放つ大型風魔法「テンペスタス・マグナ」に圧倒されていた。
彼の周囲には複数の竜巻が生まれ、ものすごい速度で俺たちに迫ってくる。
俺たちはそれを切り裂き、吹き飛ばされないように動き回る。
しかも、セドリックはテンペスタス・マグナを維持したまま、フルグル・トニトルス(雷鳴の槍)まで唱えてきた。
稲妻が槍となって飛んでくるのを、俺は剣で弾きながら前へ進む。
アレクサンダーとダミアンが先頭に立ち、魔力の消耗を抑えながらも道を切り開いてくれていた。
二人が竜巻や雷を次々と斬り払っていく中、少しずつセドリックの元へと距離を詰めていく。
そして――
アレクサンダーとダミアンがセドリックに斬り込んだ瞬間、セドリックの姿がふっと消えた。
「くっ!?……ミラヴェントか(蜃気楼)!」
それは風魔法の一種、ミラヴェント。
そこにあるようで、実際には存在しない。
まるで本物の蜃気楼のような幻影だ。
だが、俺はマルセルからこの魔法を学んでいた。
だからこそ、耳を澄ませ、風の流れから“本物”のセドリックがいる位置を探り、そこへ踏み込む。
「……悪いな……」
「ッ!?」
まさか俺に見破られるとは思っていなかったらしい。
俺はセドリックめがけて、剣を思い切り振りかぶった。
もちろん刃ではなく、剣の面(峰)で叩きつけるように。
「「へぶしぃ!?」」
「あ……しまった……!」
勢い余ってセドリックの顔面を直撃。
彼は盛大に吹っ飛んだが、幸い生徒会の部員がクッションになってくれたおかげで、大事には至らなかった。
俺は胸をなでおろす。
「勝負あり」
どこからともなく現れたのはマーリン校長。
「セドリックを保健室へ」
「はい!」
生徒会の部員たちが慌ててセドリックを運んでいく。
「ほほぅ……よくあのセドリックを止めたのぅ」
「はい……」
「マルセル殿のおかげです」
「マルセル様には後でお礼を言いに行くつもりです」
「それはマルセルも喜ぶだろう」
呑気に笑うマーリン校長。
「いや、それ“自分のこと”だろ……」と心の中で思い切りツッコむ俺。
「お前たちも保健室に行くといい」
「わかりました」
そう言うと、校長は煙のように姿を消した。
「大丈夫なのだろうか?」
「そうだよな……同じタイミングで行くのは……」
「そう言うなルシェル、とりあえず行ってみよう」
俺は黙って頷き、保健室へと向かう。
そこで目にした光景に、俺たちは思わず息をのんだ。
そこには、エミールたちと、怪我して寝ているセドリックの隣で目を覚ました生徒会長、ルシアン・エヴァハートの姿。
彼は「しー」と口元に指を当てていた。
その傍らには、闇魔法に操られていたジョセフが気まずそうに立っている。
「エミール」
俺が名前を呼ぶと、エミールはびくりと肩を上げ、気まずそうに苦笑いを浮かべた。
――これは、何かあるな。
そう確信した俺たちは、その夜、アレクサンダーの部屋で集まることにした。
彼の周囲には複数の竜巻が生まれ、ものすごい速度で俺たちに迫ってくる。
俺たちはそれを切り裂き、吹き飛ばされないように動き回る。
しかも、セドリックはテンペスタス・マグナを維持したまま、フルグル・トニトルス(雷鳴の槍)まで唱えてきた。
稲妻が槍となって飛んでくるのを、俺は剣で弾きながら前へ進む。
アレクサンダーとダミアンが先頭に立ち、魔力の消耗を抑えながらも道を切り開いてくれていた。
二人が竜巻や雷を次々と斬り払っていく中、少しずつセドリックの元へと距離を詰めていく。
そして――
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そこにあるようで、実際には存在しない。
まるで本物の蜃気楼のような幻影だ。
だが、俺はマルセルからこの魔法を学んでいた。
だからこそ、耳を澄ませ、風の流れから“本物”のセドリックがいる位置を探り、そこへ踏み込む。
「……悪いな……」
「ッ!?」
まさか俺に見破られるとは思っていなかったらしい。
俺はセドリックめがけて、剣を思い切り振りかぶった。
もちろん刃ではなく、剣の面(峰)で叩きつけるように。
「「へぶしぃ!?」」
「あ……しまった……!」
勢い余ってセドリックの顔面を直撃。
彼は盛大に吹っ飛んだが、幸い生徒会の部員がクッションになってくれたおかげで、大事には至らなかった。
俺は胸をなでおろす。
「勝負あり」
どこからともなく現れたのはマーリン校長。
「セドリックを保健室へ」
「はい!」
生徒会の部員たちが慌ててセドリックを運んでいく。
「ほほぅ……よくあのセドリックを止めたのぅ」
「はい……」
「マルセル殿のおかげです」
「マルセル様には後でお礼を言いに行くつもりです」
「それはマルセルも喜ぶだろう」
呑気に笑うマーリン校長。
「いや、それ“自分のこと”だろ……」と心の中で思い切りツッコむ俺。
「お前たちも保健室に行くといい」
「わかりました」
そう言うと、校長は煙のように姿を消した。
「大丈夫なのだろうか?」
「そうだよな……同じタイミングで行くのは……」
「そう言うなルシェル、とりあえず行ってみよう」
俺は黙って頷き、保健室へと向かう。
そこで目にした光景に、俺たちは思わず息をのんだ。
そこには、エミールたちと、怪我して寝ているセドリックの隣で目を覚ました生徒会長、ルシアン・エヴァハートの姿。
彼は「しー」と口元に指を当てていた。
その傍らには、闇魔法に操られていたジョセフが気まずそうに立っている。
「エミール」
俺が名前を呼ぶと、エミールはびくりと肩を上げ、気まずそうに苦笑いを浮かべた。
――これは、何かあるな。
そう確信した俺たちは、その夜、アレクサンダーの部屋で集まることにした。
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