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1・来てしまった……
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俺は、魔法学校「アストラル・アカデミー」の正門の前に立っていた。
正直、気が重い。
制服を着ているせいで、通りかかる学生たちが俺をちらちらと見てくる。
驚いたような目、あからさまな警戒心、好奇の視線。
反応はさまざまだ。
無理もない。
――まさか獣人の俺が、魔法を使えるなんて誰が思うだろう。
俺は今、BLゲーム『星降る夜に魔法を君に』に登場する、闇堕ちモブキャラ「ルシェル・シルバーバイト」になっている。
しかも、ホワイトタイガーの獣人だ。
このゲームのストーリーは、よくある設定ではある。
平民出身の主人公が、魔法学校・アストラル・アカデミーに入学する。
そこで不可思議な事件が次々と起こり、主人公が恋愛対象たちとともに事件の謎を追いながら攻略していくというものだ。
その黒幕として登場するのが、攻略対象の一人「ローウェル・グレイ」の護衛兵であり、モブキャラである「ルシェル・シルバーバイト」だった。
この世界では、獣人は魔法が使えない代わりに、武術に秀でている。
そのため、王族や貴族の護衛兵として雇われることが多い。
……そんなルシェルが、実は闇魔法使いだったのだ。
初めてその設定を知ったときは、俺も思わず「えっ」と声が出た。
ゲーム内のルシェルは、いくつもの事件を裏で起こし、最後には主人公たちに倒されて終わる。
――つまり、どう足掻いても死ぬ運命のキャラだ。
だからこそ、前世の記憶が戻ったこのタイミングは、ある意味で運がよかったと思っている。
記憶さえあれば、無理にストーリー通りに動く必要なんてない。
そう思っていたはずなのに――
俺は、結局この世界でそのまま過ごしている。
だから、気が重いのだ。
よりにもよって、闇魔法じゃなくて「光魔法」が発現してしまったのだから。
しかも――光の精霊付きだ。
この世界では通常、神殿の加護を受けると、火・水・風・土の「妖精が」一体ついてくる。
闇や光の妖精はとても珍しく、それ以上に貴重なのが「精霊」だ。
精霊は、生まれつき魔力の強い者にしか宿らない。
さらに妖精と違って、精霊は気まぐれで、簡単には誰にもつかない存在とされている。
それなのに、魔力があるはずもない獣人の俺に「光の精霊」がついてしまった。
「……はぁ」
深くため息をつきながら、俺はとりあえず、主人公たちや攻略対象たちがいるはずの魔法学科一年の講義室へと向かった。
正直、気が重い。
制服を着ているせいで、通りかかる学生たちが俺をちらちらと見てくる。
驚いたような目、あからさまな警戒心、好奇の視線。
反応はさまざまだ。
無理もない。
――まさか獣人の俺が、魔法を使えるなんて誰が思うだろう。
俺は今、BLゲーム『星降る夜に魔法を君に』に登場する、闇堕ちモブキャラ「ルシェル・シルバーバイト」になっている。
しかも、ホワイトタイガーの獣人だ。
このゲームのストーリーは、よくある設定ではある。
平民出身の主人公が、魔法学校・アストラル・アカデミーに入学する。
そこで不可思議な事件が次々と起こり、主人公が恋愛対象たちとともに事件の謎を追いながら攻略していくというものだ。
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そのため、王族や貴族の護衛兵として雇われることが多い。
……そんなルシェルが、実は闇魔法使いだったのだ。
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――つまり、どう足掻いても死ぬ運命のキャラだ。
だからこそ、前世の記憶が戻ったこのタイミングは、ある意味で運がよかったと思っている。
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そう思っていたはずなのに――
俺は、結局この世界でそのまま過ごしている。
だから、気が重いのだ。
よりにもよって、闇魔法じゃなくて「光魔法」が発現してしまったのだから。
しかも――光の精霊付きだ。
この世界では通常、神殿の加護を受けると、火・水・風・土の「妖精が」一体ついてくる。
闇や光の妖精はとても珍しく、それ以上に貴重なのが「精霊」だ。
精霊は、生まれつき魔力の強い者にしか宿らない。
さらに妖精と違って、精霊は気まぐれで、簡単には誰にもつかない存在とされている。
それなのに、魔力があるはずもない獣人の俺に「光の精霊」がついてしまった。
「……はぁ」
深くため息をつきながら、俺はとりあえず、主人公たちや攻略対象たちがいるはずの魔法学科一年の講義室へと向かった。
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