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2・入学
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魔法科の講義室に入ると、俺はクラスメイトたちから奇妙な目を向けられた。
無理もないけど、正直うんざりする。
とりあえず席に着いて、ぼんやりと黒板を見つめる。
絶対に、主人公や攻略対象たちとかかわらない。
かかわったら、死ぬ未来しかない。
モブはモブらしく、自分の人生をまっとうするのがいちばんだ。
また、ため息が出た。
「なんで魔法なんて得てしまったのか……」
「私はすごいと思うよ?」
聞き覚えのある声に、嫌な予感がして振り向く。
――やっぱりいた。
隣に座っていたのは、主人公の「エミール・フィルマン」だった。
声には出さなかったが、心の中で思わず「げっ」と呟いた。
ただ、エミールはよくある可愛い系じゃない、クール系だ。
大人びた整った顔立ちは、王子のようでもあり、騎士のようでもある。
いいとこ取りの顔だな、とつくづく思う。
実のところ、俺がこのゲームを始めた理由は、このエミールのビジュアルが俺のド・ストライクだったからだ。
「私はエミール」
「……ルシェルだ」
「よろしくね、ルシェル」
落ち着いた、すっきりしたテノールボイスが耳に心地よい。
そう思っていた矢先、突然「キャー!」という歓声が上がった。
――とうとう、ストーリーが動き出した。
講義室の扉が開き、攻略対象たちが入ってくる。
・アストレリス国の第一王子、アレクサンダー・ヴァルモント
・その執事、セバスチャン・ラヴァリエール
・魔法騎士の家系に生まれた侯爵子息、ダミアン・ラルフ
・隣国フィリナオのエルフ王子、セリオン・アストリッド
・銀の葉商団を擁する伯爵家の長男、ローウェル・グレイ
・アーケイン・インスティテュート魔法研究の直系、ロイ・フォン・シュタイン
6人そろってのご登場だ。
離れているのに、この存在感。
オーラがすごい。
そして……かっこいい。
でも! でも!! でもー!!!
絶対に関わりたくない!!
俺はモブとして生きるんだー!!
そう心に決めて、エミールから一席でも距離を取ろうとした――が。
なぜか、エミールは黙って俺の隣に座ったままだった。
「……なぜ、俺の隣に?」
「だめ?」
クールな雰囲気からは想像できないほど、まるで捨てられた子猫みたいな目をしてくる。
困る。
ため息をついて、「構わない」と答えるしかなかった。
これをお人よしと言うんだろうな、俺……。
そんなこんなで、恋愛対象たちからはだいぶ離れた席になり、俺はひとまずほっと一息ついた。
「学校生活、楽しみだな」
「……そっか」
黒板を見たまま、にこやかに言うエミール。
そりゃあな、主人公だもんな。
恋愛対象との学園生活なんて、楽しいに決まってる。
――と、喉まで出かかった言葉をなんとか飲み込む。
そうしているうちに、「ボンッ」という音とともに煙が上がり、教壇に現れたのは、校長のマーリンだった。
「新入生諸君、ようこそアストラル・アカデミーへ。本校は、長きにわたり数多の魔導士を育て、世界の均衡を支えてきた由緒ある学び舎である――」
そこから校長マーリンの長い挨拶が始まり、
いよいよ俺の、そしてこの世界の――学園生活が始まった。
無理もないけど、正直うんざりする。
とりあえず席に着いて、ぼんやりと黒板を見つめる。
絶対に、主人公や攻略対象たちとかかわらない。
かかわったら、死ぬ未来しかない。
モブはモブらしく、自分の人生をまっとうするのがいちばんだ。
また、ため息が出た。
「なんで魔法なんて得てしまったのか……」
「私はすごいと思うよ?」
聞き覚えのある声に、嫌な予感がして振り向く。
――やっぱりいた。
隣に座っていたのは、主人公の「エミール・フィルマン」だった。
声には出さなかったが、心の中で思わず「げっ」と呟いた。
ただ、エミールはよくある可愛い系じゃない、クール系だ。
大人びた整った顔立ちは、王子のようでもあり、騎士のようでもある。
いいとこ取りの顔だな、とつくづく思う。
実のところ、俺がこのゲームを始めた理由は、このエミールのビジュアルが俺のド・ストライクだったからだ。
「私はエミール」
「……ルシェルだ」
「よろしくね、ルシェル」
落ち着いた、すっきりしたテノールボイスが耳に心地よい。
そう思っていた矢先、突然「キャー!」という歓声が上がった。
――とうとう、ストーリーが動き出した。
講義室の扉が開き、攻略対象たちが入ってくる。
・アストレリス国の第一王子、アレクサンダー・ヴァルモント
・その執事、セバスチャン・ラヴァリエール
・魔法騎士の家系に生まれた侯爵子息、ダミアン・ラルフ
・隣国フィリナオのエルフ王子、セリオン・アストリッド
・銀の葉商団を擁する伯爵家の長男、ローウェル・グレイ
・アーケイン・インスティテュート魔法研究の直系、ロイ・フォン・シュタイン
6人そろってのご登場だ。
離れているのに、この存在感。
オーラがすごい。
そして……かっこいい。
でも! でも!! でもー!!!
絶対に関わりたくない!!
俺はモブとして生きるんだー!!
そう心に決めて、エミールから一席でも距離を取ろうとした――が。
なぜか、エミールは黙って俺の隣に座ったままだった。
「……なぜ、俺の隣に?」
「だめ?」
クールな雰囲気からは想像できないほど、まるで捨てられた子猫みたいな目をしてくる。
困る。
ため息をついて、「構わない」と答えるしかなかった。
これをお人よしと言うんだろうな、俺……。
そんなこんなで、恋愛対象たちからはだいぶ離れた席になり、俺はひとまずほっと一息ついた。
「学校生活、楽しみだな」
「……そっか」
黒板を見たまま、にこやかに言うエミール。
そりゃあな、主人公だもんな。
恋愛対象との学園生活なんて、楽しいに決まってる。
――と、喉まで出かかった言葉をなんとか飲み込む。
そうしているうちに、「ボンッ」という音とともに煙が上がり、教壇に現れたのは、校長のマーリンだった。
「新入生諸君、ようこそアストラル・アカデミーへ。本校は、長きにわたり数多の魔導士を育て、世界の均衡を支えてきた由緒ある学び舎である――」
そこから校長マーリンの長い挨拶が始まり、
いよいよ俺の、そしてこの世界の――学園生活が始まった。
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