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4・銀の葉商団の伯爵家、ローウェル・グレイという男は
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いよいよ、学園生活が始まった。
学生寮を出て、これから始まる講義のために魔術講義室へと向かう。
講義室には、人間が7割、エルフが4割ほどを占めていた。
ん? ちょっと待て。
割合がおかしい。
まあいい。
とにかく、獣人の俺がここにいるのは、なんだか浮いている気がする。
自分で言うのもなんだけど。
そんなことを考えていると、少し離れた場所で、アストレリス国の第一王子「アレクサンダー・ヴァルモント」と、魔法騎士の家系で侯爵の「ダミアン・ラルフ」が仲良く話していた。
この2人は昔から親しい仲だ。
いずれダミアンはアレクサンダーの近衛騎士として仕える予定なのだから、こうして一緒にいるのも当然だろう。
そんな中、まだ姿を見せていなかったエミールが、俺を見つけてまっすぐに歩み寄ってきた。
「おはよう、ルシェル」
「おはよう」
俺の隣に腰かけたエミールは、どこかワクワクしたような様子だった。
「初めての魔法の勉強だね」
「ああ。エミールは、どんな魔法が使えるんだ?」
「私は4つ使えるよ」
「!?それはすごいな」
やっぱり、ゲーム設定通りだった。
火・水・風・土の四属性が使えるのは知っていたけど、こうして現実として見せられると、やっぱりすごいと思う。
「それは本当かい?」
突然、後ろから声が聞こえてきて振り返ると――
いつの間にか、銀の葉商団の伯爵家の長男、「ローウェル・グレイ」が立っていた。
一言で言えば、中性的で謎めいた癒し系のキャラ。
髪は肩まであるゆるやかなウェーブで、光の加減によっては緑がかって見える銀髪。
瞳は琥珀色から深いグリーンに揺れていて、優しくとろけるような目元をしている。
人懐っこく見えて、どこか浮世離れしているその雰囲気は、「実は精霊の血を引いているのでは?」と思わせるほどの美形だ。
「は、はい……」
「それはすごいね。あっ、僕はローウェル。よろしくね」
「エミールです」
「そう、君はシルバーバイト家のルシェルだろう?」
「はい、よくご存じで」
ふふっと妖艶な笑みを浮かべるローウェル。
「ゲームの中じゃ、あんたの護衛兵だったんだけどな」なんて、心の中で軽くツッコミを入れる。
「君は特例で魔法を得たって聞いてるよ」
「そうですか。まさかローウェル様の耳に入っているとは思ってもみませんでした」
「僕の父と、あなたの父ヴァルティエ様とは仲がいいからね。まさか、知らないとは言わないよね?」
「知ってますよ」
にこやかに笑ったつもりでも、少し引きつってしまった。
ローウェルの父と俺の父が昔から親しかったのは知っているが、ローウェルとは今まで関わりがなかった。
いや、正直言えば、避けていたところもある。
「ルシェルは、何の魔法が使えるの?」
「俺は……光魔法が使えるんだ」
別に隠すつもりはなかった。
どうせ魔法学科にいれば、そのうちバレることだ。
そう思って正直に言うと、エミールもローウェルも目を丸くした。
「すごい! 光魔法が使えるの?!」
「しーっ、声を落としてエミール」
エミールが思わず大声を出したせいで、周囲からの注目を浴びてしまった。
「ご、ごめん……」
「大丈夫」
「へぇ……光魔法、か……」
ローウェルも平静を装っているが、内心は驚いている様子だった。
自分の話ばかりになるのも気まずいので、俺は話題を振り返す。
「ローウェル様は、何の魔法を?」
「僕は土魔法が得意だよ」
「そうなんですね」
ニコニコと微笑んではいるが、どこか目が笑っていない。
ローウェルは、人懐っこいようでいて、実はとても謎めいたキャラだ。
“ローウェルルート”をプレイしたことがあるが、彼の内面には深い闇があり、それをエミールが受け止めてやっとゴールインできた。
けっこう好感度を上げるのが大変なキャラだったのを、俺は覚えている。
そんなことを考えているうちに、チャイムが鳴り響いた。
いよいよ、魔術講義の始まりだ。
学生寮を出て、これから始まる講義のために魔術講義室へと向かう。
講義室には、人間が7割、エルフが4割ほどを占めていた。
ん? ちょっと待て。
割合がおかしい。
まあいい。
とにかく、獣人の俺がここにいるのは、なんだか浮いている気がする。
自分で言うのもなんだけど。
そんなことを考えていると、少し離れた場所で、アストレリス国の第一王子「アレクサンダー・ヴァルモント」と、魔法騎士の家系で侯爵の「ダミアン・ラルフ」が仲良く話していた。
この2人は昔から親しい仲だ。
いずれダミアンはアレクサンダーの近衛騎士として仕える予定なのだから、こうして一緒にいるのも当然だろう。
そんな中、まだ姿を見せていなかったエミールが、俺を見つけてまっすぐに歩み寄ってきた。
「おはよう、ルシェル」
「おはよう」
俺の隣に腰かけたエミールは、どこかワクワクしたような様子だった。
「初めての魔法の勉強だね」
「ああ。エミールは、どんな魔法が使えるんだ?」
「私は4つ使えるよ」
「!?それはすごいな」
やっぱり、ゲーム設定通りだった。
火・水・風・土の四属性が使えるのは知っていたけど、こうして現実として見せられると、やっぱりすごいと思う。
「それは本当かい?」
突然、後ろから声が聞こえてきて振り返ると――
いつの間にか、銀の葉商団の伯爵家の長男、「ローウェル・グレイ」が立っていた。
一言で言えば、中性的で謎めいた癒し系のキャラ。
髪は肩まであるゆるやかなウェーブで、光の加減によっては緑がかって見える銀髪。
瞳は琥珀色から深いグリーンに揺れていて、優しくとろけるような目元をしている。
人懐っこく見えて、どこか浮世離れしているその雰囲気は、「実は精霊の血を引いているのでは?」と思わせるほどの美形だ。
「は、はい……」
「それはすごいね。あっ、僕はローウェル。よろしくね」
「エミールです」
「そう、君はシルバーバイト家のルシェルだろう?」
「はい、よくご存じで」
ふふっと妖艶な笑みを浮かべるローウェル。
「ゲームの中じゃ、あんたの護衛兵だったんだけどな」なんて、心の中で軽くツッコミを入れる。
「君は特例で魔法を得たって聞いてるよ」
「そうですか。まさかローウェル様の耳に入っているとは思ってもみませんでした」
「僕の父と、あなたの父ヴァルティエ様とは仲がいいからね。まさか、知らないとは言わないよね?」
「知ってますよ」
にこやかに笑ったつもりでも、少し引きつってしまった。
ローウェルの父と俺の父が昔から親しかったのは知っているが、ローウェルとは今まで関わりがなかった。
いや、正直言えば、避けていたところもある。
「ルシェルは、何の魔法が使えるの?」
「俺は……光魔法が使えるんだ」
別に隠すつもりはなかった。
どうせ魔法学科にいれば、そのうちバレることだ。
そう思って正直に言うと、エミールもローウェルも目を丸くした。
「すごい! 光魔法が使えるの?!」
「しーっ、声を落としてエミール」
エミールが思わず大声を出したせいで、周囲からの注目を浴びてしまった。
「ご、ごめん……」
「大丈夫」
「へぇ……光魔法、か……」
ローウェルも平静を装っているが、内心は驚いている様子だった。
自分の話ばかりになるのも気まずいので、俺は話題を振り返す。
「ローウェル様は、何の魔法を?」
「僕は土魔法が得意だよ」
「そうなんですね」
ニコニコと微笑んではいるが、どこか目が笑っていない。
ローウェルは、人懐っこいようでいて、実はとても謎めいたキャラだ。
“ローウェルルート”をプレイしたことがあるが、彼の内面には深い闇があり、それをエミールが受け止めてやっとゴールインできた。
けっこう好感度を上げるのが大変なキャラだったのを、俺は覚えている。
そんなことを考えているうちに、チャイムが鳴り響いた。
いよいよ、魔術講義の始まりだ。
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