異世界、肺だけ生活

魔万寿

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第2ピース目

肺ターン【2-5】呪う女

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プハ~……
酒がうめぇ~……

「ママ~、ボクも飲む~」

ちょっとだけだぞ……

「コラッ! 子供に飲ませないでください」

カワイイメリーちゃんに怒られたから、
今度こっそりな……

「ニャ…… 分かった…… 」

「もぅ…… あんまり飲み過ぎると知りませんからね」

おぅ、任せろ!

タマ…… 明日ここから離れるけど……
友達ができたのにゴメンな……

「ニャ? ボクはママとメリーが居てくれたら、さびしくないよ」

「タマちゃんは強い子ですね」

タマはエライ子だ……
けどな、我慢はするなよ……
楽しい時は笑って、悲しい時は泣いていいからな。

「ウン」

……

頭痛い……

「昨日飲み過ぎたからですよ」

よし、出発するか……

「ニャ~、みんな~バイバイ! アソんでくれてあるがとう! 」

『タマ! これを…… みんなで作ったんだ』

「ニャ! すごい、鹿のツノのネックレスだ」

『バステト神様の分と、これから出来るタマの大切な人の分もあるよ』

タマ、俺の首輪に結んでくれよ。

「ニャ…… 結んだよ」

大事にしような。

『また遊ぼうな~』
『ずっと友達だからな…… いつでも待ってるぞ』

「ニャ~、ありがとう…… ずっとタイセツにするね」

……

「こんな優しい子供達に酷い事をする魔王は許せません!」

そうだな……
必ず、この大地も守ってみせる。

「ママ…… サヨナラって…… イタイね…… 」

タマ…… それが悲しいってことだ……
我慢するな……

「グスン…… ニャ~ン…… ニャニャ~ン…… 」

泣くのは恥ずかしい事じゃないからな……
思いっきり泣いていいぞ……
俺の毛皮で全部吸ってやるからな……

 「ママ~…… プーンジュルジュルジュル」

タマ、俺に乗れ!

「ニャ~」

行くぞ~……
ビューン!

「ママ、速~い…… 楽し~ 」

「肺灰さん、そんなに走ったら…… お花畑が」

ウップス…… 忘れてた……
おぇ~キラキラキラキラ……

「すごいです! サボテンの花が満開です」
「ママ、キレイ」

「タマちゃん、お酒を飲み過ぎるとこんなにカッコ悪くなるから気をつけてね」

「ニャ、わかった」

反面教師を演じるのも辛いな…… ウップス…… 

……

「あれが廃村みたいです」

…… 誰かいますか~?

「ニャ~、ダレかいますか~?」

「私に何か用?…… 男は…… いないようね」

出た! ホラー……

「何よホラーって!」

あれ?
もしかして聞こえてます?

「猫がしゃべった!…… カ…… カ…… カワイイ」

そんなにスリスリされると……
あ~……

「肺灰さんのスケベスイッチが…… あなたは、転生者ですか?」

「妖精! …… カ…… カ…… カワイイ」

「ママをハナセ~」

「小さい猫の獣人!…… カ…… カ…… カワイイ」

ちょっとストップ……
話をしようか……

「失礼…… 取り乱したわ…… 私は転生者よ、あなた達も?」

俺…… じゃない…… 私はストレスで真っ白になって摘出された肺だけで転生してきて、今は猫やってます…… お好きに呼んでください。

「肺だけ!? 大変ね…… 毛も真っ白だから、
マシロって呼ばせてもらうわ…… 私はハルよ」

こっちのカワイイ獣人は、現実世界の保健所にいる猫のタマだ……

「ハルお姉ちゃん、よろしくね」

「キュン!…… よろしくね…… 保健所って、危ない状況よね?」

そうなんだ…… タマを助けるために魔王を倒す。

「なるほどね」

そして、サポートしてくれている妖精のメリーだ。

「よろしくお願いしますね…… ハルさん」

「マシロ…… タマ…… メリー…… 覚えたわ…… 
でも、私は協力できそうにないわね」

ここに転生しているってことは、みんな何か抱えているからな…… 今まで出会った仲間はみんな問題を抱えていたよ……

「その問題を抱えていた子達はどうなったの?」

別の大地にいた魔王を協力して倒して、
願いを叶えて助けることができたよ……

「どうしてマシロはここにいるのよ?」

他の大地にいる魔王も倒さないと、
本当の平和は訪れないって知ったからな……

「あなたすごいわね」

俺…… じゃない…… 私はすごくないよ……
一人では何も出来なかった……
仲間がいたから願いを叶えることができた。

できることなら、ハルを助ける手伝いをさせてくれないか?

「お人好しね…… 話聞いたら、絶対引くと思うわよ」

頼む、聞かせてくれ……

続く……
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