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2.危険でリスキーなお尋ね者を探しに行きます
いつヒロインが現れるのか皆目見当もつかないのに、それまで美男子から受ける過剰な愛情をやり過ごせというのか。
今一度言うが、俊の恋愛対象は女性である。
残念ながら付き合った経験は皆無だが。
いろいろな意味で頭を垂れていた俊の耳に慌ただしい女性達の声が聞こえてきた。
「グラスが足りないわよ」
「倉庫から何箱か持ってきてー」
俊は廊下の反対側に目を向けた。
装飾がこれでもかと施された俊の部屋の扉とは異質の、実用一点張りと言った粗末なドアから一人の侍女が出て行った。
彼女は俊には気がつかなかったようで足早に反対方向へ走りさった。
今日は食事会だか夜会だかあると俊の部屋付きらしい警備兵のおじいちゃんが言っていた。
戻ってまた王子様に鉢合わせすると厄介だ。
興味を引かれたのもあり、開きっぱなしになっている扉から中を窺った。
「えーっと大臣が七人、公爵家からの貴賓が三十八人、それ以外の招待客が八十二人だからえーっと……」
ドアのほど近くに少女の面影を残す背の低い侍女がナイフ片手に真四角のケーキとにらめっこしていた。
俊と同じ黒髪だが、顔つきは南米由来の彫りの深い美人だ。
定規をそばに置いているところを見ると、人数分に切り分ける任務を負っているらしい。
「貴賓の分は料理長が手直しするらしいから、今あるやつは全部招待客用に切って良いって」
端の方から彼女より少し年かさの女性が声を張り上げた。
彼女はそれに応え、改めてケーキに向き直った。定規の目盛り曰くケーキの一辺は四十センチのようで、それが十九台置かれている。
悩ましげな表情の侍女が助けを求めて周りを見るが、皆自身の仕事に追われている。
「……9.2センチ」
「え?」
女性のみならず周りに居た侍女達の丸くなった目が一斉にこちらを向いている。
計算結果を呟いただけのつもりだったがなかなか大きな声だったらしい。
「えーっと、そのケーキ、9.2か3センチくらいに切れば丁度良いと思うよ」
こうなっては仕方ない。
一度ごまかしの咳をしてナイフを持った侍女に伝える。
彼女はぽかんと口を開けつつも、俊が念を押すとこくりと頷いた。
「じゃ、そういうことで」
何故こんなところに王子が。
皆の頭上に疑問符が浮かんでいる間に俊は一目散にそこから逃げた。
こんなに走ったのは昨年の体育大会の教師対抗借り物競走以来だ。
半日後に酷い筋肉痛が来た。
――は? 算数オタクとかキモいんだけど。
俊は自室のベッドに倒れ込み、大きな溜め息を吐いた。
目を瞑り嫌な記憶を押し返す。
つい口が滑ってしまった。
暗算、数学オタクであることは墓まで持っていこうと思っていたのに。
ふと視線を感じ、俊は顔を上げた。ボルドーの壁紙に飾られている一枚の絵画、そこに描かれている大きな獣がこちらを見ていた。
彼が踏み荒らしただろう不毛の大地で農民達が貧困に喘ぎ、蝶の意匠が入った甲と鎧を纏った騎士が彼に金に輝く剣を向けている。
蝶はこの国の象徴、古めかしい甲冑の男は王立騎士団の一員だろう。
彼に相対する者として明らかな悪に描かれた銀色の毛並みの獣は鋭い牙を剥きだし、今にも咆吼を上げんとしている。
こちらを見ていると思ったのだが、彼はしっかりと自らを滅ぼそうとする騎士を見据えていた。
文句なく素晴らしい絵だ。
だが俊なら絶対に寝室には飾らない。
心洗われるような綺麗なお花畑や、動物でも猫の絵にする。
見ていたくなくて枕を抱き、うつ伏せになった。
それにしても。
「ヒロインが現れてくれるまで待ったとして、それからどうしよう……」
世界観はキャラの服装や建造物の外観から考えて中世・近世ヨーロッパを意識したと思われる。
それは良い。
剣と魔法の世界っぽくて良い。
俊は今度は仰向けに転がると腰に携えた短剣を手に取り、眼前に掲げた。
刀身三十センチほどしかないそれの鞘は恐らく真鍮でできている。
銀のようなもので装飾が施され、思いのほかずっしりとした感触を手に伝えてくる。
柄にはこの世界になくてはならない貴石、魔光石が埋め込まれ、ゲームの舞台であるここ蝶国のシンボルである蝶が羽を広げた意匠。
そしてその下には二十一の数字が刻印されていた。
転生した先は二十一番目の王子様。
そう、第三でも無い、第五でも無い。
天変地異が起こって上位の二十人が全部死んでしまわない限り最初から全くもって王位につくことが想定されていない二十一番目!!
アランという血気盛んな王様が収めるこの国には正妃の他に二十人の側室がいた。
忙しい執務をこなしていれば普通なら手が回らないだろうその数の妃達に、好色な王様は満遍なく愛を注いでいる。
結果、授かった王子は二十一人、王女は十人。
氷の魔術を武器に王立騎士団の一番隊を弱冠三十歳で率いている第一王子セオドアだったり、土の魔術の使い手で魔物討伐で軍功をあげている第四王子アリスタだったり、取りあえず皆が皆、男らしく勇ましく胸板お化けみたいな王子様がわんさかいる。
その中で二十一番目王子はぜんそく持ちで「病弱」の「薄幸」の「美少年」枠なのだ。
しかも転生したと言うのに外見も中身も俊そのままのため、美少年設定は露と消えてしまっている。
病弱設定が無いのは有り難い。
だがつまり今現在俊こと二十一番目王子は権力もない特色も無いただの健康なその辺にいる青年に成り果てていた。
「王の器なんか皆無だし童貞だしモブキャラなのは分かってるけど、せめて十二番目くらいが良かった……」
唸るように言って、俊は昔のブラウン管テレビほどの分厚い枕に顔を埋めて腕を回しごろごろとベッドの上を転げ回った。
一度目の人生でビルゲーツやジャスティンヒーバーのような華々しい人生を送る人だって居るだろう。
二度目のくせに何の進歩も見られないとは何事か。
徳か? 徳の積み方が足りなかったと言うのか??
「でもまぁ王族には違いないし……そんなに悪くも……」
しばらく経って、俊は良い匂いのする枕の中からくぐもった声を出した。
そうだ。
前世は平々凡々とした平民だったのだからそれに比べれば断然良いではないか。
今朝食べたお洒落な朝食を思い出し、今転がっているベッドの大きさやシーツの肌触りのよさを実感するにつれ、段々と気持ちが浮上してきた。
それに確か二十一番目王子のルートは、のどかな田舎に一軒家を買いヒロインと二人幸せに暮らす牧歌的でほんわかするようなハッピーエンドだった――――。
「……いや、ちょっと待てよ……」
何か大切なことを忘れている気がする。
俊は枕から上げた頭を叱咤し記憶を掘り返した。
この末子の名を他の王子ルートでも見た。確か最後の方で……。
「うそだろおおおおおおお!?」
勢いよく起き上がり発したのは漫画のような大げさな叫びだった。
誰かに聞かれたかもだとかそんなこと構っていられない。
ベッドから転げるように飛び降り、仕組みの分からない王子様服を転けそうになりながらなんとか脱ぎ捨て、動きやすい服装に着替えると俊は部屋を飛び出した。
確か東塔に城からの抜け道があった筈だ。
広大な城の中で何度か迷いつつも東塔の一階から二階へ上る踊り場に辿り着いた。
ここの壁に隠し扉があり城外へ繋がっているのだ。
ゲームの記憶をたぐり寄せコンコン、コンコンと壁を叩く。
音色が変わった場所で俊は足を止めた。
「これ実際に言うの恥ずかしいな……」
コホン、と誰もいないのにごまかしの咳払いをしてタダの壁にしか見えないそこに手を置いた。
「我、汝の創造者なり。汝の真実を示せ……ひ、ひらけゴみゃ……ゴマ!」
最後しどろもどろになった言葉の後、シンとあたりは静かになった。
何も起こらない。
羞恥心に押しつぶされそうだ。
第一王子がやったときはパァ! と格好良い青だか白だかの光に包まれて扉が現れたではないか。
もう一度恥ずかしい馬鹿みたいな呪文を言わなければならないのかと項垂れていると扉がのっそりと現れ、錆びた音とともに扉が開いた。
「……心臓に悪いからもったいぶらないで欲しい」
無機物に文句を垂れる己が情けなくなりつつも、暗い階段をランタン片手に降りていくと二手に分かれていた。
一つは上へ、もう一方は下へ続いていたので後者を選ぶ。
合っていたようで王族と貴族が住む一番街から二番街へと続く門のほど近くの茂みに出た。
灼熱の瞳に囚われるこのゲームの舞台である蝶国では、国のほぼ中心地に王宮を囲む王区があり、そこを起点として一番街から五番街までが円上に広がっている。
一番街は上級貴族、二番街は下級貴族や平民の中でも金持ちの豪商や豪農、三番街と四番街はごく普通の平民、五番街はその他の平民が住んでいる。
つまり数字が増えていくほど地価が安くなり、ともなって治安も悪くなっていく。
五番街とその外はいわばスラム街だ。
二番街から一番街へ入る際の規制は厳しいが、逆は緩い。
俊は衛兵に驚かれながらも一言かけるだけで荘厳な城門を出ることができた。
王区から五番街の手前へ真っ直ぐ伸びる道にそって中央市場がつくられている。
まず俊はそこへ足を運んだ。市場自体は他にもあるが、中央と名の付くここが蝶国最大の市場であり、多くの人々が他には無い品物を求めてやってくる。
収穫時期を迎えた穀物や華やかな装飾品や丁度品が溢れ、活気ついている市場は財布の紐を思わず緩ませるが今はショッピングを楽しんでいる場合ではない。
記憶を辿り花屋と衣料品店の間にある細い路地を駆け抜け中央市場を出ると、何度も角を曲がり迷いながらも日が暮れる前に目的地に到着した。
先ほどまで溢れていた和気藹々とした掛け合いは成りを顰め、居丈高な商人は煙草をふかし、買い物客はどこかよそよそしく顔を隠しながら歩いている。
やたら高そうな反物や得体の知れない素材でできた鎧に値段は無く、また奥まった場所には製造者を示す印の無い銃や刺々しい針が刺さった斧などの武器、いかにも毒々しい色をした毒薬がガラスケースに並んで売られている。
いわゆる闇市だった。
俊は息を切らせながら辺りを見回した。
別に怪しげなものが欲しかったわけではない。
ここに出没するある男に会わなければならないのだ。
プラチナブロンドの髪と目の覚めるような金色の瞳を持つ青年。
クレイグ・サーウルフ。
年は俊より二つ下の二十六歳。
百八十を超える長身と鍛えられた体躯、長い足、少女漫画のヒーローも真っ青の眉目秀麗な美形の上、国で一、二を争うほどの魔力と剣技を兼ね備えている憎たらしいほどの男だ。
目もくらむような盛りすぎスペックから分かるように攻略対象であるが、この国の王子様ではない、少し異質の存在だ。
怪しげな商品を怪しげな人々が買う光景の中、美形はどこにも見えない。
歩き回った方が良いかここで待っていた方が良いか。
右往左往していると俊の気持ち嘲笑するかのように目的の人物の名前と全く似ていない似顔絵が印刷された張り紙が目に入った。
DEAD OR ALIVEの文字が躍るそれは分かりやすくその人物の属性を教えてくれる。
そう、サーウルフ氏は王子様どころかお尋ね者である。
ゲームの攻略対象は十人。
そのうち俊を含め七人が王子様、有能な国お抱えの魔術師兼占い師が一人、若くして蝶国の軍隊を率いる勇猛果敢な将軍が一人、そして残る一人がこのハイスペックお尋ね者と言う盛りだくさんな内容だ。
他がそこまでアンダーグラウンド属性を持ち合わせていないことを考えると、彼一人で『危険でリスキー』を背負わされている気がしないでもない。
ともかく、俊は彼に会わなければならない。
二度目の人生の明るい老後のために――――。
勢い勇んで走り出したまでは良かったが、よくここに出現するらしいという曖昧な情報のみで都合よく見つけられるはずもなかった。
何度も闇市を行ったり来たりしたせいで俊は数多のいぶかし気な目に見とがめられていた。
しかも動きやすい服装とはいえ、絹や肌触りの良い毛織物の服は明らかにここに居る誰よりも上等で、凄まじい場違い感により目立っていた。
もう通りは薄い闇が支配し始め、商人たちが橙色の灯り――この世界では魔光石を動力として使っている――を店先に灯し始めている。
ぶるっと温度からくるものではない寒気を感じ、身を震わせた。
目つきも身なりも悪い図体の大きい男たちが数人、俊を見てヒソヒソ何事かを言い合っている。
懐からチラリと黒光りする銃身のようなものが見えた。
「か、帰ろうかな……」
もともと及び腰ではあったが、声に出して呟くと途端に恐怖に襲われた。
捜索は明日にして今日は美味しいご飯を食べてほかぽかおふろに入ってあったかい布団で眠ろう。
そうしよう。
ここへ辿り着いたとき以上の全力疾走で出口へと急いだところで誰かにぶつかった。
拍子によろめいた俊は逞しい腕にもたれることになった。
「大丈夫?」
俊を支えたのはこの場に全くふさわしくない爽やかな雰囲気の青年だった。
少し長めの金髪に整った目鼻立ち、心配そうにこちらを見る晴天のような碧眼は人の良さを物語っていた。
こんな場所に現れる攻略対象がクレイグ以外にいただろうかと一瞬呆気にとられた。
だが見覚えはない。
すみませんと口にして彼にもたれていた体を離す。
そのまま帰ろうと足を踏み出したところで動きを止めた。
「あの、この人に会いたいんですけど居場所知りませんか?」
俊は全く似ていない似顔絵を指差した。
出直したところで明日収穫が得られる見込みはない。
RPGなどでは町で折良く出会った長老などが欲しい情報を持っている。
攻略対象並みに容姿がすぐれているのならそれなりの役を与えられているだろうし、人相も良く悪人には見えない。
どうせ帰るだけなら話しかけるくらいしてみようと思ったのだ。
「あの、別に懸賞金が欲しいとかではなく、保安隊のスパイとかでもなくて」
保安隊とは俊の世界で言う警察だ。
説得力皆無だと思いながらも彼に仇なす者ではないと付け足す。
ちらりと上を窺うとイケメン好青年は一度大きく瞬いた数秒後、にっこり笑った。
そして身を屈め、内緒話のように俊の耳元で囁いた。
「知ってるよ。ついておいで。でもこっそりね」
真夏の四ツ屋サイダーのCMもかくやというほど爽やかウィンクを受け、よし、と胸中でガッツポーズをして、俊は彼の後を付いていった。
何故か俊の手を引きながら好青年はスタスタと横道へ逸れていく。
店が少なくなり、外灯も乏しくなっていく。
いかにもな雰囲気にこの先に根城があるのか、と気は逸った。
しかし軽快に前を行く男性の足音を聞きながら事が上手く運びすぎな気もしてきた。
RPGのノリで通行人Aに付いてきてしまったが、普通お尋ね者の居場所をそんな簡単に教えて良いものだろうか。
一抹の不安を抱えたままなおも歩くと人通りが極端に少なくなり、両端を高い塀に囲まれた細い路地へ辿り着いた。
そして、ドン、と聞き慣れてしまった音が俊の耳に響いた。俊の背中はいつの間にか路地の石壁に追い込まれていた。
言うまでもなく「ドン」は青年が壁に手をついた音である。
「君がそんな目で僕を見るから僕はおかしくなってしまったんだ……!」
ブルータスお前もか。
イケメンに苦悶の表情で訴えられてもチベットスナキツネ顔になるしかない。
頭痛がしてきた。
取りあえずこの世界でイケメンに分類される男性は皆、ヒロイン――暫定で俊――に心乱され狂わされる設定になっているようだ。
「人違いですから。家に帰って美味しいご飯でも食べてぽかぽかお風呂に入ればすぐ俺の事なんて忘れますし、離して」
俊は噛んで含めるように言った。青年の目がすっと細められた。
「勘違いなんてなんてつれないことを言うね。あんな無頼漢より僕の方がずっと良くしてあげられるよ?」
「いや、えっと……?」
爽やかだった声のトーンが一オクターブほど下がり、機嫌の急降下が知れた。
雲行きが怪しくなってきた。
壁ドンの腕を振りほどこうと掴むが微動だにしない。
青空みたいだった碧眼は暗く濁って闇市にいた荒くれ者と大差がなくなり、壁に押しつけられている肩にひどい痛みが走る。
反射的に辺りを見回すもすっかり日の落ちた細い通りは、二人の側の粗末な外灯以外暗闇ばかりで人気は無い。
「おい、止めろよ」
強気で言い返しつつもさーっと血の気が引いていく。
これ駄目なやつでは?
壁ドン攻撃に辟易していたが今までは相手が王子様だったり本当の好青年だったりしたお陰で、ギャグと思えないこともなかった。
だが今回は違う。
「良いねその顔。ますますそそる」
備え付けられていた外灯がチカチカ瞬きしながら橙の光を放っている。
その下で男はギラついた目を眇め、俊の襟元に手をかけた。
恐怖で息を飲んだ俊に笑いながらもう一方の手で体に触ろうとしてきた時、何か大きな物体が元イケメン好青年の頭上に降ってきた。
ぐえ、だかぐが、だか不格好なうめき声を上げて、男は俊に伸ばされた手ごと地面に伏した。
「人のシマで下衆なことしてんじゃねぇ」
適度に低く甘さのある声が、不機嫌そうに吐き捨てた。
突然の事態に瞑っていた俊の目が開かれる。
「あ……!」
人を指差してはいけません。
目の前に現れ、名も知らぬ男の首根っこを締め上げている人物のせいで幼稚園の先生の教えは吹っ飛んだ。
「クレイグ・サーウルフ!!」
漆黒の外套がマントのように風に翻った。
月光を映しとったかのような薄い金髪に琥珀に光る切れ長の瞳が現れる。
色の濃いズボンにブーツを履き、詰め襟に膝上までのチュニックのようなものを腰元のベルトで留め、そこに剣と銃を携えている。
武器以外今の俊やその他大勢と同じような格好をしている彼はまさしく俊の尋ね人だった。
あの元イケメンは俊を導く用の通行人Aではなく、ヒロインの窮地を助けに出てくる攻略対象を演出するための重要な役割を担っていたのだ。
今一度言うが、俊の恋愛対象は女性である。
残念ながら付き合った経験は皆無だが。
いろいろな意味で頭を垂れていた俊の耳に慌ただしい女性達の声が聞こえてきた。
「グラスが足りないわよ」
「倉庫から何箱か持ってきてー」
俊は廊下の反対側に目を向けた。
装飾がこれでもかと施された俊の部屋の扉とは異質の、実用一点張りと言った粗末なドアから一人の侍女が出て行った。
彼女は俊には気がつかなかったようで足早に反対方向へ走りさった。
今日は食事会だか夜会だかあると俊の部屋付きらしい警備兵のおじいちゃんが言っていた。
戻ってまた王子様に鉢合わせすると厄介だ。
興味を引かれたのもあり、開きっぱなしになっている扉から中を窺った。
「えーっと大臣が七人、公爵家からの貴賓が三十八人、それ以外の招待客が八十二人だからえーっと……」
ドアのほど近くに少女の面影を残す背の低い侍女がナイフ片手に真四角のケーキとにらめっこしていた。
俊と同じ黒髪だが、顔つきは南米由来の彫りの深い美人だ。
定規をそばに置いているところを見ると、人数分に切り分ける任務を負っているらしい。
「貴賓の分は料理長が手直しするらしいから、今あるやつは全部招待客用に切って良いって」
端の方から彼女より少し年かさの女性が声を張り上げた。
彼女はそれに応え、改めてケーキに向き直った。定規の目盛り曰くケーキの一辺は四十センチのようで、それが十九台置かれている。
悩ましげな表情の侍女が助けを求めて周りを見るが、皆自身の仕事に追われている。
「……9.2センチ」
「え?」
女性のみならず周りに居た侍女達の丸くなった目が一斉にこちらを向いている。
計算結果を呟いただけのつもりだったがなかなか大きな声だったらしい。
「えーっと、そのケーキ、9.2か3センチくらいに切れば丁度良いと思うよ」
こうなっては仕方ない。
一度ごまかしの咳をしてナイフを持った侍女に伝える。
彼女はぽかんと口を開けつつも、俊が念を押すとこくりと頷いた。
「じゃ、そういうことで」
何故こんなところに王子が。
皆の頭上に疑問符が浮かんでいる間に俊は一目散にそこから逃げた。
こんなに走ったのは昨年の体育大会の教師対抗借り物競走以来だ。
半日後に酷い筋肉痛が来た。
――は? 算数オタクとかキモいんだけど。
俊は自室のベッドに倒れ込み、大きな溜め息を吐いた。
目を瞑り嫌な記憶を押し返す。
つい口が滑ってしまった。
暗算、数学オタクであることは墓まで持っていこうと思っていたのに。
ふと視線を感じ、俊は顔を上げた。ボルドーの壁紙に飾られている一枚の絵画、そこに描かれている大きな獣がこちらを見ていた。
彼が踏み荒らしただろう不毛の大地で農民達が貧困に喘ぎ、蝶の意匠が入った甲と鎧を纏った騎士が彼に金に輝く剣を向けている。
蝶はこの国の象徴、古めかしい甲冑の男は王立騎士団の一員だろう。
彼に相対する者として明らかな悪に描かれた銀色の毛並みの獣は鋭い牙を剥きだし、今にも咆吼を上げんとしている。
こちらを見ていると思ったのだが、彼はしっかりと自らを滅ぼそうとする騎士を見据えていた。
文句なく素晴らしい絵だ。
だが俊なら絶対に寝室には飾らない。
心洗われるような綺麗なお花畑や、動物でも猫の絵にする。
見ていたくなくて枕を抱き、うつ伏せになった。
それにしても。
「ヒロインが現れてくれるまで待ったとして、それからどうしよう……」
世界観はキャラの服装や建造物の外観から考えて中世・近世ヨーロッパを意識したと思われる。
それは良い。
剣と魔法の世界っぽくて良い。
俊は今度は仰向けに転がると腰に携えた短剣を手に取り、眼前に掲げた。
刀身三十センチほどしかないそれの鞘は恐らく真鍮でできている。
銀のようなもので装飾が施され、思いのほかずっしりとした感触を手に伝えてくる。
柄にはこの世界になくてはならない貴石、魔光石が埋め込まれ、ゲームの舞台であるここ蝶国のシンボルである蝶が羽を広げた意匠。
そしてその下には二十一の数字が刻印されていた。
転生した先は二十一番目の王子様。
そう、第三でも無い、第五でも無い。
天変地異が起こって上位の二十人が全部死んでしまわない限り最初から全くもって王位につくことが想定されていない二十一番目!!
アランという血気盛んな王様が収めるこの国には正妃の他に二十人の側室がいた。
忙しい執務をこなしていれば普通なら手が回らないだろうその数の妃達に、好色な王様は満遍なく愛を注いでいる。
結果、授かった王子は二十一人、王女は十人。
氷の魔術を武器に王立騎士団の一番隊を弱冠三十歳で率いている第一王子セオドアだったり、土の魔術の使い手で魔物討伐で軍功をあげている第四王子アリスタだったり、取りあえず皆が皆、男らしく勇ましく胸板お化けみたいな王子様がわんさかいる。
その中で二十一番目王子はぜんそく持ちで「病弱」の「薄幸」の「美少年」枠なのだ。
しかも転生したと言うのに外見も中身も俊そのままのため、美少年設定は露と消えてしまっている。
病弱設定が無いのは有り難い。
だがつまり今現在俊こと二十一番目王子は権力もない特色も無いただの健康なその辺にいる青年に成り果てていた。
「王の器なんか皆無だし童貞だしモブキャラなのは分かってるけど、せめて十二番目くらいが良かった……」
唸るように言って、俊は昔のブラウン管テレビほどの分厚い枕に顔を埋めて腕を回しごろごろとベッドの上を転げ回った。
一度目の人生でビルゲーツやジャスティンヒーバーのような華々しい人生を送る人だって居るだろう。
二度目のくせに何の進歩も見られないとは何事か。
徳か? 徳の積み方が足りなかったと言うのか??
「でもまぁ王族には違いないし……そんなに悪くも……」
しばらく経って、俊は良い匂いのする枕の中からくぐもった声を出した。
そうだ。
前世は平々凡々とした平民だったのだからそれに比べれば断然良いではないか。
今朝食べたお洒落な朝食を思い出し、今転がっているベッドの大きさやシーツの肌触りのよさを実感するにつれ、段々と気持ちが浮上してきた。
それに確か二十一番目王子のルートは、のどかな田舎に一軒家を買いヒロインと二人幸せに暮らす牧歌的でほんわかするようなハッピーエンドだった――――。
「……いや、ちょっと待てよ……」
何か大切なことを忘れている気がする。
俊は枕から上げた頭を叱咤し記憶を掘り返した。
この末子の名を他の王子ルートでも見た。確か最後の方で……。
「うそだろおおおおおおお!?」
勢いよく起き上がり発したのは漫画のような大げさな叫びだった。
誰かに聞かれたかもだとかそんなこと構っていられない。
ベッドから転げるように飛び降り、仕組みの分からない王子様服を転けそうになりながらなんとか脱ぎ捨て、動きやすい服装に着替えると俊は部屋を飛び出した。
確か東塔に城からの抜け道があった筈だ。
広大な城の中で何度か迷いつつも東塔の一階から二階へ上る踊り場に辿り着いた。
ここの壁に隠し扉があり城外へ繋がっているのだ。
ゲームの記憶をたぐり寄せコンコン、コンコンと壁を叩く。
音色が変わった場所で俊は足を止めた。
「これ実際に言うの恥ずかしいな……」
コホン、と誰もいないのにごまかしの咳払いをしてタダの壁にしか見えないそこに手を置いた。
「我、汝の創造者なり。汝の真実を示せ……ひ、ひらけゴみゃ……ゴマ!」
最後しどろもどろになった言葉の後、シンとあたりは静かになった。
何も起こらない。
羞恥心に押しつぶされそうだ。
第一王子がやったときはパァ! と格好良い青だか白だかの光に包まれて扉が現れたではないか。
もう一度恥ずかしい馬鹿みたいな呪文を言わなければならないのかと項垂れていると扉がのっそりと現れ、錆びた音とともに扉が開いた。
「……心臓に悪いからもったいぶらないで欲しい」
無機物に文句を垂れる己が情けなくなりつつも、暗い階段をランタン片手に降りていくと二手に分かれていた。
一つは上へ、もう一方は下へ続いていたので後者を選ぶ。
合っていたようで王族と貴族が住む一番街から二番街へと続く門のほど近くの茂みに出た。
灼熱の瞳に囚われるこのゲームの舞台である蝶国では、国のほぼ中心地に王宮を囲む王区があり、そこを起点として一番街から五番街までが円上に広がっている。
一番街は上級貴族、二番街は下級貴族や平民の中でも金持ちの豪商や豪農、三番街と四番街はごく普通の平民、五番街はその他の平民が住んでいる。
つまり数字が増えていくほど地価が安くなり、ともなって治安も悪くなっていく。
五番街とその外はいわばスラム街だ。
二番街から一番街へ入る際の規制は厳しいが、逆は緩い。
俊は衛兵に驚かれながらも一言かけるだけで荘厳な城門を出ることができた。
王区から五番街の手前へ真っ直ぐ伸びる道にそって中央市場がつくられている。
まず俊はそこへ足を運んだ。市場自体は他にもあるが、中央と名の付くここが蝶国最大の市場であり、多くの人々が他には無い品物を求めてやってくる。
収穫時期を迎えた穀物や華やかな装飾品や丁度品が溢れ、活気ついている市場は財布の紐を思わず緩ませるが今はショッピングを楽しんでいる場合ではない。
記憶を辿り花屋と衣料品店の間にある細い路地を駆け抜け中央市場を出ると、何度も角を曲がり迷いながらも日が暮れる前に目的地に到着した。
先ほどまで溢れていた和気藹々とした掛け合いは成りを顰め、居丈高な商人は煙草をふかし、買い物客はどこかよそよそしく顔を隠しながら歩いている。
やたら高そうな反物や得体の知れない素材でできた鎧に値段は無く、また奥まった場所には製造者を示す印の無い銃や刺々しい針が刺さった斧などの武器、いかにも毒々しい色をした毒薬がガラスケースに並んで売られている。
いわゆる闇市だった。
俊は息を切らせながら辺りを見回した。
別に怪しげなものが欲しかったわけではない。
ここに出没するある男に会わなければならないのだ。
プラチナブロンドの髪と目の覚めるような金色の瞳を持つ青年。
クレイグ・サーウルフ。
年は俊より二つ下の二十六歳。
百八十を超える長身と鍛えられた体躯、長い足、少女漫画のヒーローも真っ青の眉目秀麗な美形の上、国で一、二を争うほどの魔力と剣技を兼ね備えている憎たらしいほどの男だ。
目もくらむような盛りすぎスペックから分かるように攻略対象であるが、この国の王子様ではない、少し異質の存在だ。
怪しげな商品を怪しげな人々が買う光景の中、美形はどこにも見えない。
歩き回った方が良いかここで待っていた方が良いか。
右往左往していると俊の気持ち嘲笑するかのように目的の人物の名前と全く似ていない似顔絵が印刷された張り紙が目に入った。
DEAD OR ALIVEの文字が躍るそれは分かりやすくその人物の属性を教えてくれる。
そう、サーウルフ氏は王子様どころかお尋ね者である。
ゲームの攻略対象は十人。
そのうち俊を含め七人が王子様、有能な国お抱えの魔術師兼占い師が一人、若くして蝶国の軍隊を率いる勇猛果敢な将軍が一人、そして残る一人がこのハイスペックお尋ね者と言う盛りだくさんな内容だ。
他がそこまでアンダーグラウンド属性を持ち合わせていないことを考えると、彼一人で『危険でリスキー』を背負わされている気がしないでもない。
ともかく、俊は彼に会わなければならない。
二度目の人生の明るい老後のために――――。
勢い勇んで走り出したまでは良かったが、よくここに出現するらしいという曖昧な情報のみで都合よく見つけられるはずもなかった。
何度も闇市を行ったり来たりしたせいで俊は数多のいぶかし気な目に見とがめられていた。
しかも動きやすい服装とはいえ、絹や肌触りの良い毛織物の服は明らかにここに居る誰よりも上等で、凄まじい場違い感により目立っていた。
もう通りは薄い闇が支配し始め、商人たちが橙色の灯り――この世界では魔光石を動力として使っている――を店先に灯し始めている。
ぶるっと温度からくるものではない寒気を感じ、身を震わせた。
目つきも身なりも悪い図体の大きい男たちが数人、俊を見てヒソヒソ何事かを言い合っている。
懐からチラリと黒光りする銃身のようなものが見えた。
「か、帰ろうかな……」
もともと及び腰ではあったが、声に出して呟くと途端に恐怖に襲われた。
捜索は明日にして今日は美味しいご飯を食べてほかぽかおふろに入ってあったかい布団で眠ろう。
そうしよう。
ここへ辿り着いたとき以上の全力疾走で出口へと急いだところで誰かにぶつかった。
拍子によろめいた俊は逞しい腕にもたれることになった。
「大丈夫?」
俊を支えたのはこの場に全くふさわしくない爽やかな雰囲気の青年だった。
少し長めの金髪に整った目鼻立ち、心配そうにこちらを見る晴天のような碧眼は人の良さを物語っていた。
こんな場所に現れる攻略対象がクレイグ以外にいただろうかと一瞬呆気にとられた。
だが見覚えはない。
すみませんと口にして彼にもたれていた体を離す。
そのまま帰ろうと足を踏み出したところで動きを止めた。
「あの、この人に会いたいんですけど居場所知りませんか?」
俊は全く似ていない似顔絵を指差した。
出直したところで明日収穫が得られる見込みはない。
RPGなどでは町で折良く出会った長老などが欲しい情報を持っている。
攻略対象並みに容姿がすぐれているのならそれなりの役を与えられているだろうし、人相も良く悪人には見えない。
どうせ帰るだけなら話しかけるくらいしてみようと思ったのだ。
「あの、別に懸賞金が欲しいとかではなく、保安隊のスパイとかでもなくて」
保安隊とは俊の世界で言う警察だ。
説得力皆無だと思いながらも彼に仇なす者ではないと付け足す。
ちらりと上を窺うとイケメン好青年は一度大きく瞬いた数秒後、にっこり笑った。
そして身を屈め、内緒話のように俊の耳元で囁いた。
「知ってるよ。ついておいで。でもこっそりね」
真夏の四ツ屋サイダーのCMもかくやというほど爽やかウィンクを受け、よし、と胸中でガッツポーズをして、俊は彼の後を付いていった。
何故か俊の手を引きながら好青年はスタスタと横道へ逸れていく。
店が少なくなり、外灯も乏しくなっていく。
いかにもな雰囲気にこの先に根城があるのか、と気は逸った。
しかし軽快に前を行く男性の足音を聞きながら事が上手く運びすぎな気もしてきた。
RPGのノリで通行人Aに付いてきてしまったが、普通お尋ね者の居場所をそんな簡単に教えて良いものだろうか。
一抹の不安を抱えたままなおも歩くと人通りが極端に少なくなり、両端を高い塀に囲まれた細い路地へ辿り着いた。
そして、ドン、と聞き慣れてしまった音が俊の耳に響いた。俊の背中はいつの間にか路地の石壁に追い込まれていた。
言うまでもなく「ドン」は青年が壁に手をついた音である。
「君がそんな目で僕を見るから僕はおかしくなってしまったんだ……!」
ブルータスお前もか。
イケメンに苦悶の表情で訴えられてもチベットスナキツネ顔になるしかない。
頭痛がしてきた。
取りあえずこの世界でイケメンに分類される男性は皆、ヒロイン――暫定で俊――に心乱され狂わされる設定になっているようだ。
「人違いですから。家に帰って美味しいご飯でも食べてぽかぽかお風呂に入ればすぐ俺の事なんて忘れますし、離して」
俊は噛んで含めるように言った。青年の目がすっと細められた。
「勘違いなんてなんてつれないことを言うね。あんな無頼漢より僕の方がずっと良くしてあげられるよ?」
「いや、えっと……?」
爽やかだった声のトーンが一オクターブほど下がり、機嫌の急降下が知れた。
雲行きが怪しくなってきた。
壁ドンの腕を振りほどこうと掴むが微動だにしない。
青空みたいだった碧眼は暗く濁って闇市にいた荒くれ者と大差がなくなり、壁に押しつけられている肩にひどい痛みが走る。
反射的に辺りを見回すもすっかり日の落ちた細い通りは、二人の側の粗末な外灯以外暗闇ばかりで人気は無い。
「おい、止めろよ」
強気で言い返しつつもさーっと血の気が引いていく。
これ駄目なやつでは?
壁ドン攻撃に辟易していたが今までは相手が王子様だったり本当の好青年だったりしたお陰で、ギャグと思えないこともなかった。
だが今回は違う。
「良いねその顔。ますますそそる」
備え付けられていた外灯がチカチカ瞬きしながら橙の光を放っている。
その下で男はギラついた目を眇め、俊の襟元に手をかけた。
恐怖で息を飲んだ俊に笑いながらもう一方の手で体に触ろうとしてきた時、何か大きな物体が元イケメン好青年の頭上に降ってきた。
ぐえ、だかぐが、だか不格好なうめき声を上げて、男は俊に伸ばされた手ごと地面に伏した。
「人のシマで下衆なことしてんじゃねぇ」
適度に低く甘さのある声が、不機嫌そうに吐き捨てた。
突然の事態に瞑っていた俊の目が開かれる。
「あ……!」
人を指差してはいけません。
目の前に現れ、名も知らぬ男の首根っこを締め上げている人物のせいで幼稚園の先生の教えは吹っ飛んだ。
「クレイグ・サーウルフ!!」
漆黒の外套がマントのように風に翻った。
月光を映しとったかのような薄い金髪に琥珀に光る切れ長の瞳が現れる。
色の濃いズボンにブーツを履き、詰め襟に膝上までのチュニックのようなものを腰元のベルトで留め、そこに剣と銃を携えている。
武器以外今の俊やその他大勢と同じような格好をしている彼はまさしく俊の尋ね人だった。
あの元イケメンは俊を導く用の通行人Aではなく、ヒロインの窮地を助けに出てくる攻略対象を演出するための重要な役割を担っていたのだ。
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