異世界で出会った王子様は狼(物理)でした。

ヤマ

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16.切なさの定義は人それぞれ

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 次の日、いつも通りに東塔への廊下を目立たないよう歩いていると見知らぬ老人に声をかけられた。

「こんな早朝から何処へ行かれるのですか?」

 長身の彼が身につけているのは、白くて足下まで隠れる神父のカソックのようなものので、襟部分に金で蝶の刺繍が入っている。
 綺麗に整えられた髪は見事な程のシルバーグレイで、深い眼差しの目元には皺が刻まれていた。
 背筋は上から紐で吊られているみたいに真っ直ぐ伸び、威圧感と言って差し支えないほどの貫禄があった。

「早く目が覚めて暇なので図書閲覧室へ行きま……行くんだ。ところで貴方は?」

 一番訊かれたくない質問だが、備えは万全だ。
 年長者にため口をきくのはどうも慣れないが、彼の身なりから判ずるに王族ではないので奇異に映らないよう取り繕う。

 これほど厳格と知的という言葉が似合う男性には会ったことがない。
 兵士ではない。
 給仕係にも見えない。
 嫌な予感がする。

「申し遅れました。私はシュバイツアー・カルカロフと申します。閣下より、俊王子の教育係を仰せつかりました」

 彼はキビキビとした所作で膝をつき、蝶の刺繍に手を添えながら頭を垂れるとそう言った。

 やっぱり!

 俊は心中で頭を抱えた。
 以前の教育係は生い先短い身の上、孫の側に居たいと先日引退してしまったのだ。
 貴重な残りの人生を穀潰しの面倒で浪費していられるか! と言うことである。
 そのせいで俊の護身術については遅々として進んでいない。

 それはそれとして、最後の仕事がこんなモブの世話で本当に申し訳ない。
 長生きしてください。

「閲覧室を活用されるのはとても良うございます。しかし、何故そんな大荷物で?」

 平民服が入った袋を指摘される。目敏い。

「えっと、頭を使うとお腹が空くしお菓子を入れてるんだ」

 事実、膨らみの三分の一ほどは研究したいからとカールに調達を頼まれた王室御用達の飴やクッキーが入っている。
 嘘ではないが、28歳の言い訳としては微妙だったか。じっと俊を見据える灰がかった碧眼に目が泳いでしまう。
 全てを見透かすような視線は酸いも甘いもかみ分けた年長者特有のものだ。

「左様でございますか」

 静かな恩赦だったがやはり視線は逸らされない。

「王子たるもの、李下に冠を正さず、という言葉を覚えておいてください」
「へ、あ、はい」

 言われた意味が分からないと白状できるはずもなく、とりあえず何度も頷いた。
 シュバイツアーは視線をすっと和らげ、微笑むと教科書のようなお辞儀をして俊の前を辞した。
 迷いのない足取りでカーペットの上を颯爽と歩き去っていく。
 その背中が角を曲がり見えなくなるとどっと肩から力が抜けた。

 やり手爺。
 
 第一印象はそれだ。
 末子にまであんな歴戦の猛者をぶつけてくるとは。
 先日俊が告げ口をした第二十王子の市井でも揉め事のせいか。
 放任主義は改めるべきと側近にでも言われたのだろう。

「今までより自由度が減りそうだな」

 折角皆に馴染んできたのに。
 俊は若干動きの落ちた足取りで東塔への廊下を進んだ。

 いつもの場所へ行くと、昨日乗ってきたのと同じ馬車は置いてあるものの、迎えの団員は誰も居なかった。
 一瞬団長の機嫌を損ねたせいで解雇かと震えたが、迎えの馬車がある時点でそれはないと思い直した。ちゃんと窓もある。
 恐る恐る馬車に近づくと扉がひとりでに開いた。
 今でも魔術の発現には慣れない。驚き固まっていると、目の前にひらひらと小さな紙片が落ちてきた。

『正式な団員になったので朝の迎え兼見張りは今日から無しだ。馬車はお前が乗って合図をすれば勝手に目的地に着く。何かあれば側面に埋め込まれている魔光石を壊せ。俺か誰かが行くようにする。お前の呪いのこともあるから気にせず呼ぶと良い。昨夜伝え忘れていて悪かった。クレイグ』

 読みやすいが右上がりの癖がある字が綴られた羊皮紙をしばらく俊は見つめていた。
 煩わしいと思われても仕方がないのに逆に謝られてしまった。
 それにこの手紙がここにあると言うことは、昨夜あの後、手配をしてくれたのだ。
 胸が苦しい。

 早くクレイグに会って謝らなければ。
 謝ったところで俊の最終目標は変えることが出来ないし、自己満足に過ぎないと分かっているがそれでも早く会いたいと早足で馬車に乗り込んだ。


 いざとなると尻込みしてしまう。俊は軽く深呼吸してからアジトの扉を開けた。

「おはよう。正規団員昇格おめでとさん」

 笑顔で挨拶を返してきたのはソファで寛いでいるディアンだった。
 少し拍子抜けしつつ、素直に有り難うと笑顔で答えた。彼以外誰もいないのを目で確認しつつ自身の机に荷物を置いた。

「クレイグならおらんぞ」
「え? あ、そう……」
「きょろきょろと書斎の方ばかり見てたらそりゃバレる」

 何故バレた?? と表情で訊いていたらしく、苦笑が返された。

「クレイグはしばらく遠くへ行ってる」

 新しく手に入れた手配書に目を通しながらディアンは続けた。そうだった。影が落ちた彼の顔を思い出す。

「魔力の補充だっけ?」

「そんなようなもんだ。あいつは魔力が強いが一定の条件が課されている。条件をクリアするための期間なんだ。条件については俺は知らんぞ」

 ディアンは何百回とした問答のようにそつなく教えてくれた。
 突っ込まれそうな内容についても先手を打っている。

 本人とディアン以外は誰もこの件について詳細を知らない。皆が皆、クレイグかディアンに聞いたと言う。

 ヒロインとくっつける目的に鑑みれば真実を知っておいた方が有利だろうが、秘密に土足で踏み込むような真似はしたくなかった。

「ああそうそう、ギンからこれを渡すよう言われてたんだった」

 ディアンが俊の机にごとりと布袋に入った何かを置いた。やけに重たそうな音とその形で何かは予想が付いた。
 ひく、と頬を引きつらせた俊にディアンは豪快に笑った。

「安心せい、火の玉はクレイグが止めさせた。その代わりもっと良いもんがついとる」

 ディアンはそれだけ告げてもとのソファに戻っていった。
 俊が袋から取り出したそろばんは、脱臼しそうな重量は相変わらずだったが綺麗に修繕されており、不審な点は見られなかった。
 側面には以前は無かった金に光る魔光石がはめ込まれている。
 ブレスレットより小さいが、それが誰の力を化体したものかは一目瞭然だ。

「いざとなったら、そこいらの剣より威力があるぞそのそろばん」

 言葉を無くした俊にディアンは笑みを向けた。
 慌てて表情を取り繕い、机に向かう。

 心頭滅却し帳簿を開いた途端、隣にギンが飛び乗ってきた。
 そして腹が立つほど上手なウィンクをしながら言った。

「カジノ行こうぜ!」

 俊はしばししょっぱい顔で彼を冷静に見つめてしまった。

「お断りします」
「なんで! 敬語やめて!」
「今から仕事なんだよ。お前も働け」

 冷淡に返すもそれで堪えるようなギンではない。
 そんな殊勝な性格なら計算機に黙って鉛など仕込まない。

 そもそもカジノへ行くことを決定事項のように話さないで欲しい。
 だが俊の抵抗など愛の力の前では無力だった。

 いかにカジノで働く女の子が色っぽいか、どうギンの運命の伴侶なのか、小一時間聞かされ、ついにヒバリだの天使だのと称えだしたので「仕事が終わってからな……」と胡乱な目で合意する羽目になった。
 トラウマを抉られる。

「馬車は夕刻までだ。それ以降になるならちゃんと安全な場所まで送ってやるんだぞ」

 俊の呪いのことを聞いたのだろう。ディアンがそう言うと、やけに軽いノリでギンは親指を立てた。
 不安だ。

 昨日の捕物のお陰で帳簿は真っ黒だった。ホクホクしつつも唯一取り逃がした魔術師が気がかりだった。

「アイツらがクレイグの術を破れるほどの手練を雇えるとは思えないんだがな」

 ディアンが首を傾げ、ギンや他の団員も同意した。



 日が沈む頃、俊は遠い目のままギンに引きずられて石畳の道を歩いていた。
 中央市場から南に逸れた大通りに並ぶ歓楽街の一番奥にカジノはある。
 二番街内部と言うことでそこまで爛れた雰囲気はしない。

 ギンも普段の軟派っぷりからは想像ができないが剣術の腕は王宮騎士団にスカウトされるレベルだし、クレイグのブレスレットもある。
 俊はそれほど緊張せず、だが一応ギンから離れないよう気をつけてついて行った。

「そういやエバンは? 最近あまり見かけないな」
「花屋に最近迷惑な客が良く来るらしい。用心棒として通ってる」

 少し前に知ったのだが、エバンの花屋通いもその理由も団員には筒抜けだった。
 エバンだけが隠しているつもりであり、団員達は最年少の恋路を温かく見守っている。

 二人のなれそめはエバンが泣いている迷子を見つけて途方に暮れているところへ、人攫いだと思ったカロリアが箒とちり取りを持って殴りかかってきてからだそうだ。
 何故かギンが詳細に教えてくれた。
 
 だが買った花束からいつも一本、店主であるカロリアに渡していることは俊だけの秘密にしている。
 本人から聞いたのではなく、渡されたおつりと、彼が持つ花の数とその値段から計算して気がついてしまった。

「いやーエバンも隅に置けないよな。カロリアは優しいし、美人だし笑顔がまた良い、そして胸がでかい!」
「ギンお前……」

 興奮気味に力説するギンを半目で見つめると、彼は慌てて首を横に振った。

「いくら俺でも仲間の想い人にちょっかいかけたりしないからな! いやどうせ花を買うならおっさんのところよりカロリアのところに行くし世間話もするけど……そんな目で見るんじゃありません!」

 本能的に信用できないと冷ややかな視線を送り続けてしまう。ギンは肩を竦めつつ珍しく神妙な顔つきで溜め息を吐いた。

「あいつには幸せになって欲しいが、こればっかはな……」

 いつもの軽薄さは抜け落ちて美形が際立つ。
 その顔で女性に迫ればナンパ全敗記録も止まるだろうに。
 調子に乗りそうだから言わないけれど。

「俺世情に疎いんだけど、やっぱり未亡人とってのは難しいのか?」
「血筋や家柄がものを言う貴族なら跡取り問題とかで再婚も普通だが、平民だとあんまり祝福はされないな。貞女二夫にまみえずって思想がまだ残ってるから尻が軽いと思われないためにしない女の方が多い」

 なんとなく予想していたがいざ言葉にされると眉を顰めてしまう。時代遅れだよと呟いた俊にギンも同意した。

「カロリアはもう色恋沙汰と自分は無縁と思ってるだろうし、エバンに告白されて心が動いたとしても、そう言う風潮だから初婚で良い女がいるって身を引きそうだ。エバンはあれで結構もてるからな」

 切ない……。
 俊は胸が締め付けられる思いで呟いた。ギンも頷く。

「フェルマーの最終定理なみに切ない」
「何て?」

 ギンが被せ気味に突っ込んできた。

「研究してた書物の端っこにメモ書きされてた定理だけど、誰も真偽を証明できなくて三百五十年ずっと証明されるのを待ってたんだ。ワイルズに証明されるまでずっと。めっちゃ切ないだろ?」
「ちょっと何言ってるか分からないです」

 いつの間にか遠い場所に離れたギンに慌てて口を噤む。
 熱っぽく語りすぎて心身ともに距離を取られてしまった。

 前の世界ではこういう話は封印していたのに、こちらの世界に来てから何だか自由になりすぎている。
 もごもご言い訳をしようとしているとギンが苦笑いしながら戻ってきた。

「お前のその謎思考面白くて結構好きだぜ。数字の処理能力が高いのに鼻にかけるわけでもなく単に好きなんだろうなってのが伝わってくる。他の団員もクレイグもそこが気に入ってるんだ」
「は?」

 最後の一文が理解できずギンを見上げる。
 だが既に俊の興味が無くなったのか綺麗な女性に投げキスを飛ばしているところだったので腕を引っ張った。

「クレイグが気に入ってるって……何かの間違いじゃないか?」

 確かに良くしてくれているが、リーダーとしての責任感や、仕事を評価してくれているからで個人的な感情とは別だろう。俊がそう言うとギンは不可解そうに首を傾げた。

「いや、俺にだけ態度が硬いと言うか、よく難しい顔してるし、気に入られているとは思えないかなって」

 ギンはいよいよきょとんとしてしまった。
 初日に言われたことは伏せたが、彼と仲の良いギンに告げ口したみたいになってしまったか。
 だが俊の心配とは裏腹に、俊の手首辺りに視線を落としていたギンの口がにんまりと弧を描いた。

 なるほどな、と何やら一人で納得したように何度も頷いている。

「好きの反意語は無関心とはよく言ったもんだぜ」

 大量の疑問符を浮かべて首を傾げるがどうやらギンは俊に説明するつもりはないらしい。カジノへ到着したのもあり、話はそこで終わってしまった。

 煙草の煙が充満した薄暗い狭い賭博場を想像していたが、随分と煌びやかな三階建ての建物だった。
 平民の家が全て平屋であることを考えるとこれはかなり贅沢だ。
 圧倒されつつ吹き抜けのエントランスを抜け、メインの広間に入ると俊が知っている海外のカジノと似た空間が広がっていた。

 結婚式場ほどの内部は、高い天井を支えるための豪華な柱が所々立っているだけで奥まで見渡せた。
 壁紙と絨毯は洒落た模様で統一されて、細かい装飾が施された魔光石のシャンデリアが至る所に吊され眩いほどだった。

 そこまで混んではいないが一定の間隔を開けて配置されたゲーム用の卓はほぼ満席で、その前で一人二人制服を着た人物が四角形や六角形のサイコロや見慣れぬカードをさばいている。
 酒を飲みながらゲームの様子を見ている人などもいて賑やかだった。

「よし! まずはこっちだ!」

 治安が良さそうで良かったと胸をなで下ろしていた俊をギンは奥へと引きずっていった。
 換金所と書かれたカウンターの向こうにいた美しい女性がにこりと微笑む。胸元が強調されているものの上品なワンピースを着た彼女の右目の下にはほくろがあり、妖艶さを倍増させていた。

 ドギマギしながら笑みを返す俊の隣のギンは鼻の下が伸びまくっている。なるほど彼女か。

 そろばんの謝礼を渡していたとは言えギンはなかなかの大金を木製のチップに変えてしまった。
 俊は取りあえず三万ガイだけにしておいた。
 ギンには愛想が良く世間話などもしていたのに俊の紙幣の少なさを見た途端、女性はテキパキと最小限の仕事を終えて数枚のチップをすげなく放り出した。
 なるほど正しい対応だ。

 感心しつつ、またギンに引っ張られよく分からない卓に座らせられた。
 ルールも何も分からないまま卓に座り、数度負け、一回勝ち、そしてまた違う卓に座らせられ、と言うのを繰り返していると手持ちはあっという間に五百ガイになった。

「帰りにエバンに飴でも買って帰るか?」

 飲食が許可されているカフェのようなスペースに休憩がてら座っていると、駄菓子しか買えない金額をギンが茶化してくる。
 そう言う彼も結構な額を持って行かれていると思うのだが、麦酒片手に次で倍にしてやるなどと息巻いているので、「まだ」すったわけではないらしい。
 ギャンブルにはまる人間の動向がよく分かる。
 まあギンもなかなか稼いでいるので破産なんてことにはならないだろうが。

「俺は勝負強さも筋力も捨てたからこそ五桁の暗算ができるんだよ」

 悔し紛れに反論しつつ、ギンの言うとおりエバンにお土産でも買うかとチップを懐にしまった。冷たいカクテルのようなものを一口飲んでから、気になっていたエバンとカロリアへと話題を戻した。

「未亡人との交際も結婚も禁止されてるわけじゃないんだろ? エバンが頑張ってカロリアさんを落とせばさ」
「一般論なら確かにそうだ。カロリアの事を考えて俺たちにも秘密にしてるんだろうが、あいつ自身は外聞なんて気にしないしな。けど彼女は一筋縄じゃいかない」

 俊が首を傾げるとギンが周りを見渡し、声を低める。

「あの器量だからな。一番街のダガリーって侯爵家の三男坊が目を付けてるんだ。玉の輿と言えばそうなんだが、如何せん評判が悪い。嫌がらせもあいつの手下の仕業じゃ無いかって噂だ。最近じゃカロリアの店に卸す業者を取り込んで花の値段をつり上げてるって。お陰で花屋の経営は悪化してるらしい」
「それって……」

 眉根を寄せた俊にギンは頷いた。

「カロリアがなびかないから、花屋の資金援助とひきかえに結婚を強要するつもりなんだろう」
「なんだそれ酷い!」

 思わず大きな声を出してしまった。アルコールのせいでいつもより気が大きくなってしまっているようだ。
 隣の数人がチラリとこちらを見たので慌てて口を閉じる。だがむかむかは収まらない。

「良くここにも来てる。あ、ほら噂をすれば」

 ギンが指差した俊の背後を振り返る。いかにもお貴族様というような派手で裾の長い衣装を着た四十代後半の太った男が卓の中央の席に座るところだった。
 髪も顎ひげも黒く濃く整髪料のようなものでのっぺりと光っていて、大きな腹回りを活かしてふんぞり返りながら大きな目はずる賢そうにぎょろぎょろと動いている。
 時折鼻を鳴らしながらダイス片付ける顔色の悪いディーラーに笑いかけているが、親密になれているわけではないらしく引きつった笑みを返されている。
 例えるなら出来の悪い詐欺師である。

「いかにもって感じだよな」
「モブのくせにキャラが立ち過ぎじゃない?」

 こちとらゲーム上では王子様で一応攻略対象だというのに何の特徴も無いんだぞ。いや詐欺師になりたいわけではないが。

 多分に私情を挟みつつ、チラチラとゲームを開始した卓を見ているとある違和感に気がついた。
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