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27.又従兄弟の可能性もある
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ばっ! とはじかれた様に顔を上げると頭がもげそうになり慌てて押さえた。
格子状の目から見えた安倍は、肩を震わせ笑っている。
「ふ……っ、こんな使い古された手に引っかかるなんて」
くく、と噛み殺しきれない笑いを漏らしながら安倍が手を伸ばし、俺の手を握った。
裏返しのままのカードを握っている猫の手を。
その暖かさで俺は現状を一気に理解した。
「ひ、ヒトチガイデスっ!!」
慌てて立ち上がり、オーガンジーのカーテンを閉める。
そのまま奥へ引っ込もうとしたが、掴まれた腕のせいで動けない。
「そんな甲高い声出しても無駄です。初日も噎せてたじゃないですか」
「い、い、い、いつから?」
バレた。
バレてた。
なんで。
どうして。
パニックになっている俺とは対照的に、ひとしきり笑い終えた安倍が静かに答える。
「初回に顔立ちと声が似てるなとは思ったんです。でも確信したのはこれのお陰です」
オーガンジーの薄いカーテン越し、黒い学ランの胸ポケットから取り出されたのは、一本のペンだった。
占ったとおり、いびつな猫が描いてある。
「猫のペンがなに?」
俺の答えを聞いて、安倍は笑みを深めた。
「これを『猫』だって分かるのは俺と、先輩だけなんです」
「え?」
俺は今一度カーテン越しにペンを見つめた。
何の変哲もない既製品のペンに、落書きされている動物。
俺にはこれが猫にしか見えない。
いや確かに猫にしちゃ顔が長いけど。
少し狐っぽいけど。
いや犬にも見える。
いやラクダにも?
「小さいころ、俺、魔女と一緒に遊んだんですよ」
思いがけない告白に目を丸くする。
昨日垣間見た、安倍の過去の映像がよぎる。
「弓道の練習が嫌で家の蔵の裏に隠れてた時に、迷い込んできた子でした。一つ上だからと年上ぶって覚えた魔法をいろいろ披露してくれて、練習を励ましてくれた」
安倍は言葉にたがわず、幸せな思い出に浸るような声で語った。
こくりと喉を鳴らしてしまう。
不鮮明な視界のせいだと思っていたが、映像の中の子供は茶色の髪をしていた。
「で、でもそれが俺だって確証は……姉ちゃんか他県にいる従妹の清美ちゃんか、はとこの玲子ちゃんの可能性も」
「誰ですかそれ」
次世代の佐藤家をしょって立つ面々の名前を言うも、笑われてしまう。
だが俺には全く身に覚えがない。
「これは俺が、この顔のせいか動物に嫌われるって相談した時にくれたんです。動物に好かれる魔法をかけた『俺お手製の猫のペン』を持ってれば猫がわんさか寄ってくるって。でもこれを猫だと認識した人は今まで一人もいません」
「何気に俺の画力ディスられてない?」
しかもそんな良い声で。
俺にはこのペンに書かれている動物は猫にしか見えない。
確かに言われてみれば俺の前衛的な絵柄に少し似ている気もする。
まだまだ未熟だが。
いやでも。
格子状の目から見えた安倍は、肩を震わせ笑っている。
「ふ……っ、こんな使い古された手に引っかかるなんて」
くく、と噛み殺しきれない笑いを漏らしながら安倍が手を伸ばし、俺の手を握った。
裏返しのままのカードを握っている猫の手を。
その暖かさで俺は現状を一気に理解した。
「ひ、ヒトチガイデスっ!!」
慌てて立ち上がり、オーガンジーのカーテンを閉める。
そのまま奥へ引っ込もうとしたが、掴まれた腕のせいで動けない。
「そんな甲高い声出しても無駄です。初日も噎せてたじゃないですか」
「い、い、い、いつから?」
バレた。
バレてた。
なんで。
どうして。
パニックになっている俺とは対照的に、ひとしきり笑い終えた安倍が静かに答える。
「初回に顔立ちと声が似てるなとは思ったんです。でも確信したのはこれのお陰です」
オーガンジーの薄いカーテン越し、黒い学ランの胸ポケットから取り出されたのは、一本のペンだった。
占ったとおり、いびつな猫が描いてある。
「猫のペンがなに?」
俺の答えを聞いて、安倍は笑みを深めた。
「これを『猫』だって分かるのは俺と、先輩だけなんです」
「え?」
俺は今一度カーテン越しにペンを見つめた。
何の変哲もない既製品のペンに、落書きされている動物。
俺にはこれが猫にしか見えない。
いや確かに猫にしちゃ顔が長いけど。
少し狐っぽいけど。
いや犬にも見える。
いやラクダにも?
「小さいころ、俺、魔女と一緒に遊んだんですよ」
思いがけない告白に目を丸くする。
昨日垣間見た、安倍の過去の映像がよぎる。
「弓道の練習が嫌で家の蔵の裏に隠れてた時に、迷い込んできた子でした。一つ上だからと年上ぶって覚えた魔法をいろいろ披露してくれて、練習を励ましてくれた」
安倍は言葉にたがわず、幸せな思い出に浸るような声で語った。
こくりと喉を鳴らしてしまう。
不鮮明な視界のせいだと思っていたが、映像の中の子供は茶色の髪をしていた。
「で、でもそれが俺だって確証は……姉ちゃんか他県にいる従妹の清美ちゃんか、はとこの玲子ちゃんの可能性も」
「誰ですかそれ」
次世代の佐藤家をしょって立つ面々の名前を言うも、笑われてしまう。
だが俺には全く身に覚えがない。
「これは俺が、この顔のせいか動物に嫌われるって相談した時にくれたんです。動物に好かれる魔法をかけた『俺お手製の猫のペン』を持ってれば猫がわんさか寄ってくるって。でもこれを猫だと認識した人は今まで一人もいません」
「何気に俺の画力ディスられてない?」
しかもそんな良い声で。
俺にはこのペンに書かれている動物は猫にしか見えない。
確かに言われてみれば俺の前衛的な絵柄に少し似ている気もする。
まだまだ未熟だが。
いやでも。
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