義母の連れ子と結婚したい♡ 追いかけて追いかけて、やっと捕まえた義姉と俺のイチャラブ日記♡

東山 庭子

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司と天音の結婚式編

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「あ、司君から招待状来てる♡♡♡」

新学期が始まり、葵大はミントブルーのランドセルを背負って毎日元気に地元の小学校に通っている。そんな4月の半ばに届いた招待状は、司君と天音君の結婚式のものだった♡♡♡


「ジューンブライドか~~。二人ともロマンチックだったんだね♪」
「そうだね~~♡♡ まあ、今は季節とか天気とか気にせず色んなお式出来るからね~~♡♡♡」
「てゆーか明らかに亜耶と椿の晴れパワーアテにしてるよねw 」

夜、リビングで招待状を見ながら晩酌をする蓮。私は出席にまるを付け、返信用の封筒に入れた。



「ええっ!?♡♡ 妊娠ですか?♡♡♡」
「うん……だからね、今後はマタニティコースをお願い出来る?」
「はい!お任せください!!♡♡♡」

リピーターの中野さんこと森川望美さんが恥ずかしそうにそう言った。水島君と結婚していた頃は物凄く顔色が悪かったけど、今はとても元気そうだし、幸せそうだ♡♡♡ 

望美さんの施術が終わる頃、スクールバスが家の前の道路に止まった。

「あら、葵大君、今帰りなの?♡」
「うん!こんにちわ~~♡」

望美さんに挨拶した葵大は母屋に入って行き、ママにおやつを強請っていた。

「もうランドセル背負う歳になったんだ♡♡ 子供の成長は早いわね~~♡♡♡」
「ホントですよ~~♡♡ 望美さんも、子育てに追われてたら1年なんてあっという間ですよ~~♡♡♡」
「まずは出産に向けて、色々準備しないと♪」

嬉しそうな望美さんを見送りながら、元気に生まれてきますように……と願った。



GWは葵大と私の誕生日ウィークだ♡♡♡ そんな訳で我が家で盛大に葵大のお祝いをして、三日後に国宝のお城がある街に向かった。


「エビカツサンドうまぁ~~♡♡♡」
「ハムエッグトーストも美味い~~♡♡♡」
「みっくすじゅーすうまいね~~♡」
「くりーむそーだすき~~♡」

新幹線に乗って午前中に主要駅に着き、ここに来たらモーニングでしょ!!ということで、地下街の喫茶店でモーニングと名物のサンドイッチをいただいた。


「空走る自動車のレンタル料金安くない!?」
「ホントだ!!相場の半額くらい?」

駅口にある某大手自動車メーカーのレンタカーショップに行くと、空を走れる自動車の料金設定が異常に安値で表示されていた。現在こちらのメーカーではコンパクトカータイプ、ファミリーカータイプ、SUVタイプの三種類が展開されている。蓮が相川君から貸し与えられ、現在家で使用しているのはファミリーカータイプだ。一昔前と違って殆どランニングコストがかからないから、相川君も社員の好きに使わせてくれている。

「県内に弊社の工場があるので、販促ということもあってお値打ちにレンタルさせていただいております」
「なるほど~~……」

スタッフさんはにこやかにそう言うと、空を走る車の普及により、大渋滞の緩和や市内の交通事故件数が激減していることなどを説明してくれた。そんな訳で、私たちはコンパクトカータイプの車を借りることになった。


目的地までの道中は基本陸路を走り、渋滞や細い道路を回避する時だけ空を走った。


「先生~~!!お久しぶりです~~♡♡♡」
「よぉ来たなも~~♡♡♡」

待ち合わせのカフェで待っていたのは、子供たちが生まれる前にお世話になった鍼灸の先生だ。

「この子たちが葵大と海碧か~~♡♡♡ 可愛い子やね~~♡♡♡」
「こんにちわ!♡」
「こんにちわ~~♡」

先生は子供たちの頭を撫で、私たちを連れて古民家カフェの中に入っていった。


「てんとだ~~!♡」
「まきがあるよ~~♡」

ジ◯リに出てきそうな古民家カフェは、先生の顧客さんが経営しているお店だそうだ。可愛らしい庭に面した縁側の席に腰掛け、キッシュやカレーのランチをいただきながら、仕事の相談をしたり、離島の鍼灸院での話をしたりしていた。

「お子さんたちにお勧めの裏山があるよ♡♡♡」
「え~~!いってみたい!♡」
「うみも~~!♡」

親切な店主さんに連れられ、子供たちは外に飛び出していった。子供が退屈しないようにとの配慮に感謝しつつ、運ばれてきた洋梨のデザートをいただいた。

「それはそうと、あんたら神様に呼ばれたんやね」
「神様に……あっ!」
「あの島に行ったんでしょお?」

全てお見通しと言った顔でそう言われ、私と蓮は思わず顔を見合わせた。

「あの辺の島は沈んだ大陸の端っこやに」

海碧と同じことを口にする先生。先生はかつて大洋の中心に存在した大陸のこと、そこで暮らしていた当時の人々の話をしてくれた。所々で亜耶から聞いた話に通じるところがあり、やっぱり明るみに出た歴史は真実だったんだなぁ~~…とぼんやり思った。

「じゃあ元々祭壇だったんですか?」
「変な形の岩が不自然な並び方してたのって、そういう……」
「N県の神社もそうやけど、つまりピラミッドなんやわ」

先生も何度か行ったことがあるそうで、長年大陸から海流に乗って漂着していた大量の投棄物に心を痛めていたそうだ。近年あの大国が崩壊したのも、いわゆる因果応報なのだと先生は語った。


「うらやま楽しかった~~♡」
「てんぼうだいがあったんだよ~~♡」

戻って来た子供たちが嬉しそうに話し、先生は孫を見るような目でうんうんと聞いていた。



ランチの後は車で10分程の距離にある溜池に向かった。

「こんにちわ~~!♡」
「きたよ~~♡」

車を降りると、何故か子供たちは実家に帰ってきたような挨拶をしていた。着いたのは山沿いの住宅地に佇む溜池。一見ただの溜池に見えるけど、池の中に神社が鎮座している。先生の後を着いて本殿に行くと、不思議な言語で独り言を言っている人と遭遇した。どうやら結構ガチめのパワースポットらしい。もう一箇所の神社にもお参りした後、先生は側にあるお寺の住職に挨拶していた。

「おやおや、小さな龍を連れてるねw 」

住職は子供たちを見てそう言った。

「君たちと一緒に成長していく龍だ。大切に育ててあげようね♡♡♡」
「「は~~い!♡」」

住職の言葉に元気良く返事をする子供たち。どうやら、それぞれに龍がついているらしい。住職は「いつか龍が麒麟や鳳凰になれるよう、御霊を磨こうね」と子供たちに優しく諭してくれた。


「じいちゃんばいば~~い!♡」
「ばいば~~い!♡」
「じいちゃん?」
「おっきいじいちゃんのりゅうがいるんだよ♡」
「……そっか~~……」

車に乗る前に、空に向かって手を振る子供たち。一方、葵大の言っていることがイマイチ分からない私と蓮。そんな私たちを、先生は笑いを堪えながら見ていた。

「せんせいも、ばいばい♡」
「またね~~♡」

先生にお礼を言って別れ、車で10分ほど走った場所にある国宝のお城に向かった。



「おしろ~~!♡」
「おみせいっぱ~~い!♡」

色々なお店が入っている城下町を歩き、丘の上のお城に向かった。鳥居を潜り、まずは神社にお参りをした。

「はしまるいねぇ」
「太鼓橋だね~~」

長い階段を登り、神社に参拝してさらに石段や坂道を登っていった。

「ひとあるいてるよ~~!」

葵大が天守閣を指差してそう言った。最上階では大きな扉が開放され、建物の外側を観光客が歩いていた。見た感じ防護ネットとか無さそうだけど、大丈夫かな……

地下の入り口からお城に入り、急な階段を上っていった。建物は当時のままを残している様子でなかなか見応えがあった。甲冑などの展示物もあり、なかなか物々しい雰囲気も醸し出していた。


「ひゃぁ~~……怖い~~……」
「絶景だね~~♡♡♡」
「すごいね~~!♡」
「わ~~い♡」

最上階の外に出て、狭いのに柵が低い通路を歩く羽目になったけど、見渡す景色は今まで見たお城の中でもトップクラスの絶景だった♡♡♡ 市内の街並みや側を流れる大きな川、新緑の山々の景色が美しく、いつまでも見ていたいくらい美しい景色だった。


「歴代城主たちの遺影が……」
「肖像画でしょ?w 写真になると、一気に近代感増すよね……」

一旦屋内に入り、壁にかけられた肖像画を眺め、長い歴史をかいつまんで見た気分になりながら再び急な階段を降りた。


行きに通った神社とは別に、縁結びの神様として有名な稲荷神社がある。

「ハートの絵馬がいっぱい♡♡♡」
「俺たちも買おう♡♡♡」

あちこちに点在しているハートを探しながら歩き、神社でお参りした後はみんなで書いた絵馬を奉納した。


「五平餅美味しいね~~♡♡♡」
「肉寿司うまぁ~~♡♡♡」
「このくしかつ、きれいなつぶつぶついてるね~~♡」
「ばうむくーへんしゅき~~♡」

お城から降りてきた私たちは、食べ歩きをしながら城下町を散策した。賑やかな城下町の入り口から、交差点を過ぎると一気に廃墟街になるという、二段構えの古い街並みはなんとも味わい深い。

「こういう古い鉄筋コンクリートの建物って……味わい深いよね……」
「夜は来たくないエリアだけどね……」

観光地の光と闇を垣間見た気分になりながら車に乗り、庭園に隣接したホテルに向かった。



「お城ビューだね~~♡♡♡」
「おしろ~~♡」
「わ~~い♡」

エントランスから中に入ると、ガラス張りの広いロビーがあった。水盤テラスの奥には国宝のお城が聳え立ち、内装や家具はビビットな色合いの物を置いている。工芸品がインテリアのように並べられたショップやバーもあり、全体的にモダンな空間だ。私たちはお城を眺めながら、ウェルカムドリンクをいただいた。


「お部屋からもお城ビューだね~~♡♡♡」
「かわもみえるね~~♡」

ツインベッドルームのベッドボードにはお城の絵画が描かれていて、和柄のデイベッドが置かれたバルコニーからは庭園やお城、川や対岸の景色も良く見えた。インテリア一つ一つのデザイン性が高く、遊び心のあるお部屋になっていた。

「急須可愛い~~♡♡♡」
「ドリンクやスナックも充実してるね♡♡♡」
「ねぇここにあるちょこたべていい~~?」
「うみもたべる~~♡」

テーブルに置かれたウェルカムスイーツを頬張る子供たち。私はハーブティーを淹れ、お部屋でまったりティータイムをした。


「ここも国宝なんだ~~」
「茶道とかよく分からないけど、綺麗な庭園だね~~……」
「こけはえてるねぇ……」
「おはなさいてるねぇ~~♡」

隣接する庭園を、宿泊者は無料で見学することが出来る。みんなで散歩がてら庭園を散策し、日が暮れる前にホテルに戻った。



「お城ライトアップされてるね~~♡♡♡」
「神秘的だね~~♡♡♡」

夕食はライトアップされた庭園を眺めながら、私たちはコース料理を、子供たちはキッズコースをいただいた。スパークリングワインで乾杯し、地元素材を使ったお料理に舌鼓を打った。

「ヒラメふわっふわ♡♡♡」
「ローストポークうっまぁ~~♡♡♡」
「ちきんおいしぃ~~♡」
「てんむしゅだ~~♡」

美味しい料理にお酒も進み、お腹いっぱいになった後はライトアップされた敷地内を散策した。



「温泉最高~~……♡♡♡」
「きのいいにおいするね~~♡」
 
天然温泉の大浴場もモダンな作りになっていて、お洒落な空間だった。


「夜景綺麗だね~~……♡♡♡」
「かわにひかりがはんしゃしてるねぇ~~」

大浴場から戻り、部屋からライトアップされたお城や庭、対岸の夜景を眺めた。子供たちが眠った後は、バーでウイスキーをいただいた。

「南ももうすぐ誕生日だね……♡♡♡」
「そうだね~~、もう28ですよ~~w 」
「今年は結婚10周年かぁ~~♡♡♡ 夏は派手にお祝いしようね~~♡♡♡」
「派手にってw 」

かつて義弟だった男の子は恋人になり、夫になった。いつの間にか仲が悪かった時間より遥かに長い時間を愛し合ってたんだな~~……♡♡♡

「あの頃よりも、ずっと好きだよ南……♡♡♡」
「私も……愛してるよ……♡♡♡」
「嬉しくて泣きそう!!♡♡♡♡」

アラサーになっても、こうして愛を伝え合える喜びに満たされながら、幸せな夜を過ごした♡♡♡



「朝から贅沢だね~~♡♡♡」
「オムレツうっま♡♡♡」
「こーひーぎゅうにゅうおいし~~♡」
「どーなつすき~~♡」

翌朝は選べる和洋食とビュッフェの朝食をいただき、種類豊富な料理をいただいた。

朝風呂に入り、ゆっくりしてからチェックアウトをした私たちは、近くの遊園地に向かった。


「あんまり人いないね~~」
「この辺他にもテーマパークいっぱいあるしね。みんなジ◯リパークに行ってるんじゃない?」

連休中にも拘らず、園内はそこまで混んでいなかった。遊園地内には色々な乗り物があり、小さな子供でも乗れる乗り物も沢山あった。

「めりーごーらんどがにかいだてだ!♡」
「まわるぶらんこのりたい!♡」

ハイテンションの子供たちとジェットコースターやゴーカート、乗り物の他に屋内ゲームもあり、子供が十二分に楽しめる遊園地だった。


「めっちゃギシギシいってない……?」
「年季入ってるんだろうね……」
「ながめいい~~!♡」
「すごいね~~♡」

やたらと軋み音がする観覧車に乗って山と川、街の景色を楽しみ、その後もアトラクションを楽しんだ。


「おさるさんかわいい~~♡」
「いろんなさるいるねぇ~~♡」

遊園地の隣には猿縛りの動物園がある。猿ってこんなに種類いたんだ!と驚きながら園内を見て回った。因みに家の近くでも猿などの野生生物を時々見かける。

遊園地や動物園で丸一日遊んだ後は陸路で小一時間程走った場所にある宿場町に来た。



「ろふとだ~~!♡ ぼくうえでねる~~!♡」
「うみも~~!♡」

自宅でも離れのロフトが大好きな子供たちは、客室のロフトベッドに大興奮だ。旧道沿いにある和モダンなホテルのロフト付きツインルーム。2台のロフトベッドは柵で覆われてるからまぁいっか……と思い、子供たちをロフトベッドに寝かせることにした。

こちらのホテルは朝食のみなので、来る途中気になったお城のような外観のカフェレストランに向かった。


「はんばーぐおいしぃ~~!♡」
「おむらいしゅおいしぃね~~♡」
「メキシカンスパゲティって、なかなか見ないメニューだねw 」
「この雰囲気最高に好き♡♡♡」

やたらとゴージャスな雰囲気の昭和レトロな店内で、昔ながらの洋食をいただいた。


ホテルに戻り、大浴場でお風呂に入った後はお夜食のだし茶漬けをいただいた。ロフトではしゃぐ子供たちを寝かせた後は、地ビールで乾杯した。



「トマト豆腐意外と美味しい♡♡♡」
「鶏ちゃん美味い~~♡♡♡」
「ぎゅうどんおいしぃ~~♡」
「とろろ~~♡」

地元の名物満載の朝食ビュッフェをいただき、チェックアウトした後は車で15分程の場所にある、山間の宿場町に向かった。



「おっきいすいしゃ~~!♡」
「みずきれいね~~♡」

この辺りには県を挟んで有名な宿場町が二ヶ所あり、私たちが来たのは近い方の宿場町だ。トレッキングしながら二つの宿場町を行き来する観光客も多く、ザックを背負った人たちとも沢山すれ違った。

「栗ふくうまぁ~~い♡♡♡」
「五平餅うまぁ~~♡♡♡」
「おかきおいしぃ~~♡」
「うみにもちょうだい~~♡」

カップに入ったおかきを分け合って食べる子供たちを微笑ましく思いながら、石畳の坂道を歩いた。


「とうそん……きねんかん……?」

看板のふりがなを読み上げる葵大。有名な作家の記念館や本陣の資料館を見学し、当時の人々の生活に想いを馳せた。


「恵◯山がよく見えるね~~♡♡♡」
「眺め良いね~~♡♡♡」

展望台で鮮やかな緑の山々を眺め、景色を堪能した後は来た道を戻って蕎麦屋でランチをした。

「山かけ蕎麦うまぁ~~い♡♡♡」
「肉もり蕎麦美味い~~♡♡♡」
「おそば~~♡」
「ごへいもちすき~~♡」

ランチの後はお店を見て回りながら坂道を下り、車で30分程の距離にある渓谷を目指した。



駐車場からバスに乗り換え、中央アルプスを眺めながら橋を渡ると、そこから景色が一変した。

「水が綺麗過ぎる~~!!♡♡♡」
「川ってこんなに綺麗なんだ……♡♡♡」

バスは渓谷沿いを走り、10分ほどで有名なスポットに到着した。

「みずつめた~~い!♡」
「きれい~~♡」

子供たちは足だけ水に浸かり、水遊びを楽しんでいた。清流の流れる景色や音に癒され、水遊びをした後は遊歩道を歩いた。

「あそこにおじいちゃんたちがいる!」

橋を渡っている時、下の岩場を指差して葵大がそう言った。

「え?どこ?」
「おお!お前たちの顔は見覚えあるぞい♡♡♡」

何も見えなかった筈の岩場に突然現れたのは、どこか見覚えのある老人だった。老人はひゅっと橋の上まで飛んで来て、居合わせたご婦人がたいそう驚いていた。

「おっと失礼w ここに住んどる古い友人と喋っとったんじゃ♡♡♡」
「そっ……そうなんですね……」
「おじいちゃんこんにちわ!♡」
「こんにちわ~~♡」

川沿いの道を何故か一緒に歩くおじいちゃん。話を聞いているうちに、椿や亜耶たちが持っていた石を通じてお話ししたことがあるおじいちゃんだと思い出した。

「おお、そうかそうか♡♡ 万詩郎たちともお友達なのか~~♡♡♡」
「うん!なかよしだよ~~♡」
「なかよしなの~~♡」

おじいちゃんは子供たちと手を繋いで歩き、川魚が泳ぐスポットを教えてくれた。



「あの……おじいちゃん……」
「なんじゃ?」
「いえ……なんでもないです……」

当たり前のように子供たちと後部座席に座るおじいちゃんに戸惑いつつ、山道の上空を走った。やがて亜耶たちの村に到着し、村人の何人かが出迎えてくれた。因みにおじいちゃんが車を降りた瞬間、亜耶が爆笑していた。

「なんでジジイまで来てるんだよw 」
「なんじゃい!!ワシが来たらあかんのかい!?」
「どうせ無理やりついてきたんでしょ?」
「うるさい小僧がッッ!!」

RYOに呆れた顔をされると、おじいちゃんは顔を真っ赤にして怒っていた。日も暮れてきた為ゲストハウス用にリノベーションされた古民家に案内され、本棚のある土間を通って畳敷きのリビングスペースに荷物を下ろした。



「ほぉ~~、囲炉裏を作ったのか♡♡ 内装もなかなか洒落た雰囲気じゃ♡♡♡」

囲炉裏を中心にリビングスペース、ブックラウンジ、ダイニングキッチンやバーカウンターがあり、点在する椅子やテーブルでは村人とゲストが地域猫を可愛がりながら談笑していた。このゲストハウスの建築に携わった蓮は、作り手の目線で色々見て回っていた。


「しっくいのおへやだ~~♡」
「かわいいねぇ~~♡」

漆喰壁の和室には小さなウォールシェルフがいくつかあり、一輪挿しや小物が置かれていた。相川君の会社と村人が共同で作り上げたゲストハウスには個室が2室とドミトリーがあり、ゲストの他に村の子供たちや地域猫が自由に出入りしていた。


「モテる男の秘訣10選……?」
「あ、それ幸広が勝手に置いた本なんだ~~w 」
「言うなよコラァ!!?」

本棚から手に取った本を見たRYOが笑いながらそう言うと、どこから来たのか、水島君がキレ散らかしながら飛び込んできた。

「あっ、南ちゃん久しぶり~~♡♡♡」
「南に色目使うなこの童貞!!」
「童貞じゃありません~~!!」
「素人童貞!!」
「だから由美子はプロじゃねーーって!!」

子供の前で際どい発言をするなという思いを込めて蓮を睨むと、蓮は申し訳なさそうに手を合わせていた。



「ヘイお待ち!!キーマカレーだ!!」
「ありがとう水島君~~♡♡♡」
「「いただきま~~す♡」」

意外にも料理が得意な水島君がカウンターにキーマカレーとサラダ、小鉢が乗ったトレーを出してくれて、亜耶、RYOとおじいちゃん、私たち家族で夕食をいただいた。水島君は現在村で暮らしつつ、調理師免許取得を目指して近くの専門学校に通っているそうだ。

「こうして見てると、フツーに良い旦那さんになりそうなんだけどねぇ……」
「手厳しいなぁ南ちゃんは~~w 」
「笑い事じゃね~だろ、アホか……」
「イケメンは黙ってろ!!」
「望美さんは良いお母さんになるだろうけど……」
「え……?なんて……?」
「望美さん、妊娠したんだって♡♡♡」
「そっか……そっかぁ……ヨカッタネ……」

言葉とは裏腹に、あからさまにしょんぼりする水島君。ちょっと可哀想かな……と思っていたら、蓮とRYOが「自業自得だ」とぶった斬っていた。

亜耶とおじいちゃんは囲炉裏で酒盛りをしていて、子供たちは食事を終えると地域猫に夢中になっていた。私は食事を終えた後、ブックラウンジで読書をしながらハーブティーをいただいた。



共用のバスルームもあるけど、ゲストの殆どは近くの温泉地にある日帰り入浴出来る施設で入浴するそうだ。私たちも日帰りの温浴施設に向かい、お肌がツルツルになる温泉を堪能した。



「星が綺麗だね~~……♡♡♡」
「きれーい♡」
「すぅ~~……」

ゲストハウスの庭で星空を眺めていたら、いつの間にか海碧はスヤスヤと眠ってしまった。子供たちが眠った後はバーカウンターに並んだ地酒をいただき、亜耶とおじいちゃんのワールドワイドな話を聞きながら味わい深いお酒を楽しんだ。



「ヘイお待ち!!おやき定食だ!!」
「ありがとう水島君♡♡♡」

朝食はおやき三種と味噌汁、サラダとヨーグルトが乗ったトレーを出され、リンゴジュースと共にいただいた。

「おやきのおかわりが欲しかったら言ってね♡♡♡」
「野沢菜おかわり」
「オメーの分はねーよッッ!!」
「なんだとオラァ!?」

蓮と水島君は朝っぱらから喧嘩していて、その横では子供たちが美味しそうにおやきを頬張っていた。

おじいちゃんのことは亜耶が棲家の川に送ると言っていたのでお任せすることにして、私たちはみんなと別れて高速に乗り、主要都市に戻った。



「これが名店のひつまぶし……!!♡♡♡」
「ご飯の中にも鰻が……!!♡♡♡」
「うなぎおいし~~♡」
「おいしぃねぇ~~♡」

お昼は百貨店の中にある某有名店のひつまぶしをいただいた。子供たちは大きめのひつまぶしを分け合って食べていたけど、あっという間にペロリと平らげた。肝焼きや骨煎餅も美味しくいただき、食後は公園大通りを散策した。


「ここも動く歩道があるんだ~~♡♡♡」

南北に広がる公園大通りには、透明なボックスを応用したムービングウォークがあった。現在都市部を中心に近距離の移動が楽に出来る動く歩道が設置されていて、歩道への乗り降りは透明なエレベーターを使う仕組みのものが主流である。歩道を使っている人を地上から見ることは出来ないけど、所々にあるエレベーターに独特のマークを使っているから「ここにムービングウォークがあるんだな」と一目で分かるのだ。因みに動く歩道のマップは地図アプリで確認することが出来る。

エレベーターに乗ると百貨店の三階くらいの高さまで上がり、そこから見ると色付けされているラインを確認することが出来た。手摺りもあるし、スケルトンなことを除けば乗り心地は普通の動く歩道と殆ど一緒である。殆ど物質的なコストをかけずに小さい子供やお年寄りが移動出来るのは助かるなぁ~~と思いながら、次のエレベーターまでの道を移動した。



「すごい立派なホテルだね~~……」
「だって南の誕生日だからね~~♡♡♡」
「ママのたんじょうび~~♡」
「おめでと~~♡」
「みんなありがとう~~♡♡♡」

訪れたのは公園大通り沿いにある外資系ラグジュアリーホテル。24階のロビーには立派なビオトープがあり、窓からは市街地の街並みを一望することが出来た。


「わぁ~~!!♡♡ 素敵なお部屋♡♡♡」
「すご~~い!♡」
「すごいね~~!♡」

ルームナンバーが掛け軸になっているお部屋に入ると、まず高層階の絶景が目に飛び込んできた。ハリウッドツインベッドの奥には障子風のベッドボードがあり、窓のそばにはテーブルセット、ベッドの横には大きなソファーが置いてあった。室内の家具や装飾品はこの地域の工芸品を使用しており、和モダンで温かみのある空間に仕上がっていた。ベッドボードの裏側はパウダールームになっていて、その反対側にバスルームがあった。暫く部屋でゆっくりした後は、下のフロアにあるショップを巡り、カフェで休憩した。


日が暮れる少し前にホテルに戻り、24階の中華レストランでディナーをいただいた。

「改めて……南、お誕生日おめでとう♡♡♡」
「ママおめでと~~♡」
「おめでと~~♡」
「ありがとう~~♡♡♡」

紹興酒のハイボールで乾杯し、暮れゆく都会の景色を眺めながら美味しい中華料理をいただいた。

「車海老新鮮~~!!♡♡♡」
「フカヒレうまぁ~~♡♡♡」
「ぺきんだっくおいしぃ~~♡」
「はまぐりすき~~♡」

美味しいお料理をいただき、いつの間にか夜景になっていた窓の外を眺めながらデザートをいただいていたら、蓮から赤とピンクの花がちりばめられたフラワーボックスと小箱を、子供たちから封筒を渡された。

「うわぁ~~!可愛い♡♡♡ 葵大と海碧は何をくれるのかな~~?♡♡♡」

封筒を開けると「ママおめでとう」「いつもありがとう」と書かれたイラスト入りの手紙が入っていた。

「え~~……ありがとう……」
「ママないてるの~~?」
「うれじぐでないでるんだよ~~……」

感激のあまり泣いてしまうと、葵大と海碧は顔を見合わせて笑っていた。

「南、これは俺から……♡♡♡」

差し出された小箱を開けると、中にはエメラルドが色とりどりのカラーストーンで彩られたピアスが入っていた。

「え~~?こんな高価なもの……」
「南の誕生石だから、良いものを選んだんだ~~♡♡♡」
「ありがとう蓮……♡♡♡」

早速ピアスを着けてみせると、蓮は「似合うよ♡」と言ってくれて、子供たちは「ママきれい~~♡」と言ってくれた♡♡♡



「綺麗にライトアップされてるね~~♡♡♡」
「デートスポットって感じ♡♡♡」
「あそこでこんさーとやってるねぇ♡」
「やねにおみずながれてる~~♡」

ホテルから徒歩数分の場所にある観光名所でライトアップされた建物や夜景を眺めながら歩いた。屋上から見える電波塔からは、心温まるメッセージが映し出され、ほっこりしながら眺めた。



「これ、本当にありがとうね……♡♡♡」
「やっぱり似合うね♡♡♡ SYOさんに見せて貰った時、絶対南に似合うって思ったんだ~~♡♡♡」
「でも……高かったでしょ?」
「南の価値に相応しいものなんだから、全然高くないよ♡♡♡」

子供たちが寝た後に訪れたバーでスパークリングワインをいただきながら、ピアスを着けた私の耳たぶを触る蓮。何年経っても蓮が私を見るときの瞳は甘々だ♡♡♡

私たちはピアノの生演奏を聴きながら宝石のような夜景を眺め、寄り添いあってお酒を楽しんだ。



年が明けて暫くしてから地味に妊活を始めた私たち。妊活と言っても避妊をしなくなっただけなんだけど、3人目ともなるとなかなかである。まぁお互いセックスを楽しみながら、もし出来てたら嬉しいよね~~くらいの感覚で日々の暮らしに取り入れている♡♡♡

「あ…っ♡ あっ♡ …んっっ…♡」
「あ゛~~……イクっ!!♡♡♡♡♡」

私を抱き締めながら膣内射精をする蓮♡♡♡ 私たちは煌めく夜景を背景に、深く深く絡み合ったのだった……♡♡♡



「お洒落なビュフェだ~~♡♡♡」
「てらすでたべようよ~~♡」

テラス席もあるダイニングの朝食ビュッフェでは、鰻ごはんやエッグベネディクトなどのメニューをいただいた。



ホテルをチェックアウトした後、私たちは神話が息づく神宮に向かった。

「とりいおきっきいね~~!♡」
「おっきぃ~~!♡」

広い参道を歩き、歴史のビッグネームたちが祀られる神社を順にお参りした。そう言えば以前亜耶が、この地方には裏神話なるものが存在するとか言ってたな……

「にわとりいるね~~♡」
「鶏は神様の遣いなんだって~~♡♡♡」
「そうなの~~?」
「鶏に出会ったら幸せになれるらしいよ♡♡♡」
「わ~~い!♡」

神鶏を見つけて指を指す子供たち。一生懸命土を掘る鶏の側を通り、敷地内のうどん屋でランチをした。

「きしめんおいしぃ~~♡」
「てんぷらおっきぃね~~♡」
「揚げまんじゅううまぁ~~♡♡♡」
「カレーうどんも美味い~~♡♡♡」

緑豊かな御神域で美味しいご当地うどんをいただき、食後は神宮を後にして科学館に向かった。



「たつまきだ~~!」
「きょうりゅう~~!」

広い館内には様々な展示物やラボ、体験ゲームなどがあり、どこも見応え抜群だった。そして何より、ここの目玉はプラネタリウムである。開演後厳つい投射機が飛び出てきて、夢の時間がスタートした。ドームを見上げるだけで宇宙に飛び出たような感覚になり、うっとりしていたらあっという間に時間が来てしまった。

「すごかったね~~……」
「流石世界一……」
「またみたいね~~!♡」
「おもしろかった~~!♡」

その後も夕方まで可能な限り広大な館内を見学し、科学の面白さに触れたのだった。


「ケーキでっかw 」
「これが噂のミルクレープw 」
「おいしぃ~~♡」
「くりーむぱいおいし~~♡」

駅に戻り、どデカいケーキで有名なカフェに入った。紅茶をいただきながらでっかいケーキを分け合って食べた後は、デパ地下で銘菓をいくつか購入した。


「てんむすおいしいねぇ~~♡」
「みそかつもちょうだい~~♡」

帰りの新幹線の中で駅弁をいただき、駅まで迎えに来てくれたパパの運転で家まで帰った。



「あら、素敵なエメラルドねぇ~~♡♡♡」
「蓮から誕生日プレゼントに貰ったんだ~~♡♡♡」

帰宅した日の夜、ママがカエルの形をした饅頭を食べながらそう言った。

荷解きをした後着けていたピアスを外し、子供たちから貰った手紙と共に、ジュエリーボックスに仕舞った。オパールの指輪や琉球ガラスのピアス、南十字モチーフのネックレスやカラーストーンが並んだブレス……ボックスの中には蓮からのプレゼントでいっぱいだ♡♡♡ 一つ一つを取り出して磨き、思い出と共に大切に仕舞ったのだった♡♡♡





ーーーーーーー


「佐久間課長って、奥さんだけとシてて飽きないんですか?」

GWが明けて子供たちが小学校やフリースクールに通い始めた頃、部下の野呂から突然そう言われた。

「はぁ……?まさかお前も、モラハラ不倫男なのか……?」
「あああ違いますぅぅ~~!!まだ何もしてないですぅぅ~~!!」
「まだ……?」

中野さん(現森川さん)の顛末を知っている野呂は、俺がひと睨みすると首をブンブンと振っていた。

「だってぇぇ~~!!俺最近、なんか嫁とする気になれなくて……でも嫁は子供作る気あるのか~~とか恐ろしい顔で迫ってくるし……で、課長のとこはどうなのかな~~って……」

またこの手の話題か……その心理が分からん俺にそんなこと聞くな!

「どうって……妻とのセックスは生活様式だろ?シて当たり前みたいな感覚だな」
「ええ~~?……佐久間課長は奥さん美人だから……でも美人は三日で飽きるとも言いますよね……?」
「あり得ん!!俺は一生南とシたい!!」
「課長って変態だったんですね……」
「なんだと!!?」
「ヒィィ!!すみませんっっ!!でも課長みたいな意見はどちらかと言うとマイノリティだと思いますよ!?」
「だったらマジョリティが本当に好きな人と結婚してないだけだな!!」
「あ~~!!ずっとみて見ぬふりしてきたことを!!心の柔らかい所を激しく傷付けられたっす!!パワハラっすよ!!」
「アホか!!しょーもないこと言ってないでさっさと車出せ!!」

涙目でアホなことを抜かす野呂を蹴り飛ばし、社用車に乗って海辺の商業施設に向かった。



「でも俺思うんっすよ……この先もあんまりする気になれない奥さんとしか出来ないんだ~~って……別に今すぐ不倫したいとかじゃないんすけど、世の中から不倫が無くならないのもなんか納得なんすよね~~……」
「悍ましいな……言っとくけど、俺は亜耶みたいにクズ相手でも寄り添ってやれる器は無いからな?野呂がそっち側に行っちまったら敵に回るからな?」
「そんなぁ~~……俺のことが可愛く無いんすか~~?」
「野郎なんか可愛くねーーよ!!お前は見て見ぬふりをしてきたとかいうお前自身と向き合えアホ!!」
「あ゛~~無理!!見たくない見たくないッッ!!」
「そういえば奥さんとはどうやって知り合ったんだ?」
「マッチングアプリですけど!?それが何か!?」
「へぇ~~……いい人と出会えて良かったな」
「はぁ!?嫌味っすか!?」
「なんでやねん」

帰りの車の中で、延々と要領を得ない愚痴を漏らす野呂。一体何が不満なのかと思いながら、ふと南との夜事情を思い返した。

「…俺は誰よりも大好きな人と偶々体の相性も最高だったな……」
「はぁ~~??なんすかそれ!?自慢っすか!?やっぱイケメンは敵っす!!」
「なに水島みたいなこと言ってんだよ!?お前は他人と比較する前に自分の人生に集中しろ!!」
「そういう正論みたいな意見なんて要らないんすよ!!今の俺に必要なのは愚痴を言い合える仲間なんす!!……誰もが社長や課長みたいに一途に真っ直ぐ奥さんを愛せるわけじゃないんすからね……」
「あっそ……ならお仲間を探すんだな」

南と結婚出来てなければきっと俺は一生独身だった。だから妥協で結婚するという概念が分からない俺は、野呂の愚痴にツッコむのをやめた。


「おかえり蓮~~♡♡♡」
「ん~~今日も可愛いッッ!!♡♡♡」

施術で疲れてる筈なのに笑顔で出迎えてくれる南♡♡♡ 欲しくて欲しくて堪らなかった人なんだ。飽きるとかありえねぇ!!♡♡♡ 俺は南を抱きしめると、風呂上がりの匂いを目一杯吸い込んだ♡♡♡



「分かるぞ野呂君ッッ!!君のコンプレックスも!自己肯定感の低さもッッ!!その空虚さを刺激やステイタスで埋めようとするその浅はかさもッッ!!超分かるぞ野呂君~~!!」
「ちょっと課長~~!!俺が愚痴りたいのはこの人じゃないんすけど~~!?」

水島と馬が合うのではと思って亜耶の村に野呂を連れて行くと、同調に見せかけた刃に切り付けられた野呂から不満の声が上がった。

「はははw まあ野呂君は、道を踏み外したらこうなるという反面教師から何を学ぶか、だよねw 」
「社長~~!!俺こんなに愚かじゃないんすけど~~?」
「なんだとこのクソガキがぁぁ!!?」

いきなり梯子を外されてブチギレる水島。因みに偶々居合わせた相川は社長の仮面を完璧に被ってニコニコしている。相川のクレイジーな部分を知らない社員は、愛妻家の貴公子社長だと認識しており、「社長って理想の旦那様ですよね~~♡」と言われる度に吹き出しそうになるのだ。

「上手く生きてる気分になってる奴ほど、足元掬われ得るんだぜ……」
「ハイハイ、せいぜい気を付けますよ!そんで若いうちから枯れた生活送りますよ!」

頑なに自分と向き合うことを否定する野呂にため息をつき、仕事の話を再開した。



「流石晴れ男と晴れ女w 」
「晴れたねぇ~~♡♡♡」

梅雨真っ只中にも拘らず青空が広がる高原に辿り着き、駅からタクシーで5分の距離にある森に囲まれた結婚式場に到着した。


「剛君!?大きくなったね~~!!」
「お久しぶりです♪」

南が感嘆の声をあげ、振り返ると随分と背が伸び、精悍な顔つきになった剛君がいた。俺たちが大学生だった頃にフリースクールに通っていた剛君も今や大学生だ。ロビーには剛君の他にもフリースクールの卒業生や教職員、今の会社の同僚らしき人たちもいた。

「久しぶり~~♡♡♡」
「里美さん!お久しぶりです~~♡♡♡」

天音君が所属している弁護士事務所の所長、里美さんも旦那さんと来ていた。

いつものメンバーも集まり、親族や招待客は三方がガラス張りになったチャペルに集合した。まずはグレーのタキシードを着た司君が入場し、アイボリーのタキシードを着た天音君がお父さんと一緒に入ってきた。やがて二人が向かい合うと、パイプオルガンの音が静かになった。

神父さんに向かって誓いの言葉を口にする二人からは一点の曇りも見えなくて、誓いのキスを見届けた時はついこちらも涙ぐんでしまった。ふと最前列を見ると、天音君のお母さんが静かに号泣していた。デリケートな身体の事情を抱える天音君。そんな彼を育ててきたお母さんだからこそ流せる涙もあるのだろう。



「つかさくんとあまねくん、かっこよかったね♡」
「かっこよかった~~♡」

タキシード姿の二人をかっこいいと褒める子供たち。式が終わった後はガゼボが建つ庭園に案内され、写真撮影をした後はドリンクやフィンガーフードが提供された。

「あおい~~♡♡ しゅーくりーむたべた?おいしいよ~~♡」
「ほんと?ぼくもたべよ~~♡」

瑞稀ちゃんに勧められたシュークリームを美味しそうに頬張る葵大。葵大も海碧も、久しぶりにお友達に会えて嬉しそうだ。

「見て見てw 煌士郎君と暢乃香ちゃんが寝てるベビーカー、風船みたいに揺れてるw 」
「本当だw 可愛いね♡♡♡」

布が張られた日陰で、最新のベビーカーに揺られる乳飲み子たち。最早カーではなく風船のような外観のベビーカーは、持ち手を引っ張るだけでお母さんの意思通りに動かせるという優れ物である。


パーティー会場に移動すると、それぞれのテーブルに二人直筆のメッセージカードが置かれていた。子供の席には切り絵になったカードが置かれていて、子供たちはそれぞれのカードを見せ合って喜んでいた。

司君の上司が乾杯の挨拶をして、剛君、天音君の友人がスピーチをした後、スクリーンに二人の幼少期からの画像や映像が流れ始めた。

「こうして見ると、高校の頃の二人って幼いよね」
「俺たちも側から見たらそう見えるのかもね~~」

初めて司君と出会ったのが彼が中学生の頃だから、随分長いお付き合いだ。自分たちは何も変わってないつもりだったけど、こうして見返すと、みんな子供だったんだな。

その後は椿の伴奏で亜耶と里美さんがウェディングソングをデュエットして、プロの歌唱力を見せつけていた。その後パーティーソングに切り替わり、司君、天音君やゲストたちも巻き込んでダンスタイムが始まった。子供たちもつられてぴょんぴょん飛び跳ね、楽しそうに踊っていた。

ケーキカットとファーストバイトで出てきたのはどデカいチョコレートボールで、二人がチョコボールをカットすると、中からカラフルなお菓子が溢れた。それを見た子供たちは歓声を上げ、その後運ばれてきたラムネやマシュマロを目を輝かせて頬張っていた。子供好きな二人らしい演出だな~~と思いながらシャンパンを飲んでいると、クライマックスの手紙イベントが始まった。天音君が読み上げる手紙で初めて、椿と別れた後一年女子の間で司君争奪戦が始まったこと、どうやってアプローチしたら良いのか分からなくてお母さんに相談したところ「アンタはただでさえ部が悪いんだから、とにかく押して押して押しまくれ」とアドバイスされていたことを知り、流石の司君も苦笑いしていた。

『初めて上條君を見た時、僕には手が届かない王子様だと思いました。だから最初は見てるだけで良かった……だけど、諦めないことの大切さを教えてくれた人たちがいたから、僕も思い切ってアタックすることが出来ました。特に相川さん、ありがとうございます!!♡♡♡ 貴方のおかげで、上條君……司をゲット出来ました~~♡♡♡』
「僕関係なくない!?」

明け透けな天音君の挨拶に、会場のあちこちで笑いが起こった。相川云々は巡り巡って、という意味だろうけど。こうして振り返ってみると、これが最善の形に見えてくるから不思議だ。



「はい、どうぞ♡♡♡」
「今日はありがとうね~~♡♡♡」
「わぁ~~い♡」

引き出物の一つとして、子供たち一人一人に金魚の飴細工を渡す二人。この後二人は両家と夕食会をしてこちらで一泊し、明日から10日程クルーズ旅行に行くそうだ。

俺たちは二人に挨拶をして式場を後にすると、相川が予約した会員制ヴィラがある別荘地エリアに向かった。


「よぉ~~♪ 俺もちょうど着いたとこだぜぇ~~♡♡♡」
「何で来てるんですかアンタぁぁ~~!!?」

ヴィラの前で待ち構えていた長髪のイケメンは、本家にいた牡丹という地域猫らしい。本日は相川が全四棟の会員制ヴィラを貸し切り、俺たち家族、相川家、森川家、夏川家、西田家、亜耶とRYO、及川さんご夫妻、牡丹で一泊することになった。


「クソガキどもに囲まれて飲む酒は美味いねぇ~~♡♡♡」
「クソガキ言うなよ!?」

お子さんのいない里美さんは、子供たちがキャッキャと庭を走り回っている様子を眺めながらデッキで地ビールを煽っていた。ヒロトさんがギターを弾き始めると、里美さんが歌い、亜耶と椿がコーラスをしていた。その様子を眺めながら、亜耶と椿が(歌に関しては)学生時代からずっと前に出てこなかった理由が何となく理解出来た。おそらくディーヴァ様に忖度する癖がついているのだろう。

「あおいはこんやわたしとねるのよ♡」
「えっ?ひめかは……?」
「おねえちゃんはだめっっ!」
「じゃあぼくはうみちゃんとねる♡」
「うみちゃんはだめっっ!」
「しゅうじくん、だめばっかだね……」

小さな恋のメロディその他諸々が目の前で繰り広げられている……こうやって、色恋や執着を覚えていくんだな……と、強制的に自身の過去を振り返る羽目になりながら、相川や亜耶、RYOとゲストハウスの話をしていた。

「どうした森川?」
「あ、いや……その……何でもないんだ……」

今日一日、どこか上の空な森川。医者だし、人に言えない悩みや疲れもあるのだろうが……

「悩みとかあったらちゃんと言えよ?」
「ああ……ありがとう……」

その時、俺は森川のどこか思い詰めた様子を見て只事ではない予感がしたものの、それ以上踏み込むことはしなかった。

後日医療業界を揺るがす一大スキャンダルが明るみに出ることなど、この時の俺は知る由もないのであった。



「すてーきおいしいね~~♡」
「おいし~~♡」
「はい、あおい♡ あ~~ん♡」
「あ~~…むっ…おいしいね~~♡」
「うみちゃん、あ~~んしてあげる♡」
「だめっ!あ~~んはぼくがする!」
「おにいのあほ~~」
「しおんのば~~か!」

子供たちの人間関係がどんどんカオスになっていく……1番年長さんの茉莉花ちゃんとしっかり者の媛梨ちゃんはお行儀良くしているけど、二人が下の子たちの面倒を見始めると、バブみ強めの万詩郎君と修次君が甘えに行く。つーかそんな二人に気に入られてる海碧の将来が心配なんだが……

「まあ、いつか笑い話になるよね、きっと……」

南が子供たちを見つめながら乾いた笑いを漏らした。まさか俺の因果が子供たちに……なんてこと、ないよな……?

レストラン棟に集まり、炭火料理をいただきながら、俺たちは微妙な気持ちで子供たちを見守った……


「見て……北雪◯吟醸……」
「うおおお!!?上級国民様バンザ~~イ!!」

椿が持って来たのは一本数十万の高級酒だった。こんな高級酒が置いてある辺りも、上級国民様御用達感満載である。高級酒で酒盛りしていると、だんだん里美さんの様子がおかしくなっていった。


「聞いてるかぁ~~?コイツはなぁ~~……クズなんだよっっ!!」

自身の旦那さんの肩をバシバシ叩いて管を巻く里美さん。因みに子供たちは少し前に牡丹と梓ちゃんたちが近くの温浴施設に連れて行った。

「はいはい、分かったから、水飲め水、な?」
「うるしゃあ~~!!コイツはなぁ~~……」

酔うと退行するらしい里美さんは、現在小六かそこらを彷徨っているっぽい。及川さんに生理用品取り上げられて馬鹿にされたという話を涙ながらに話していた。

「股から血ィ流す女はきたねぇってよ~~……」
「ごめんね里美……愛してる……」
「うるしゃあ~~い!!もう寝るッッ!!」

里美さんは徐に立ち上がると、一番近いヴィラに走って行った。つーかそこ、俺たちと森川家のヴィラなんだけど……。

「及川さん……よく結婚まで漕ぎ着けましたね……」
「及川さんのそういうクレイジーさ、めっちゃ好きっすw 」
「ヒロト君に好かれても嬉しくない」
「バッサリ~~w 」

ヒロトさんと西田君は、無表情な及川さんに何故か懐いている。万詩郎君にも好かれているらしいし、実は男にもモテるタイプなのかもしれない。及川さんは里美さんを追いかけてヴィラに行き、俺と森川は部屋をどうしようかと顔を見合わせた。


結局俺たちが亜耶、RYOと同じヴィラに移動して、子供たちはそれぞれ一緒に寝たい子と同じヴィラで眠った。

「南はさ……ふとした時に昔の俺のこと思い出してさ……不快になったり、腹が立ったり……する……?」
「え?しないよ?」
「そっ……そっか♡♡♡ 南大好きっ♡♡♡ …ねぇ……エッt」
「俺たちが同じ部屋だって忘れないでよね!?」

寛大な南に感激してエッチのおねだりをしようとしたら、同室のRYOに釘を刺されてしまった……

「まぁ確かに生理きたねぇはアウトだよな~~……」
「でも小学生の頃の話でしょ?ついいじめちゃう男心も分かるけど……」
「RYOは好きな子いじめちゃう系男子だったの?」
「……別に好きではなかったな……」
「サイテー……」
「まぁまぁ☆ 人の過去を責めなさんなw 」

横並びのベッドの中から、南の女の子視点とRYOの男の子視点の論争が始まり、「好きな子いじめる男はこっぴどく振られて当然」という南の意見と「男の繊細な心を汲み取ってくれ」というRYOの意見が平行線のまま夜が更けていった。個人的にはRYOが劣勢だと思いながら、どんなに睨んでも南が振り向いてくれなかった過去をふと思い出して、男という生き物の身勝手さに居た堪れない気持ちになったのだった……



「めだまやき~~♡」
「べーこんすき~~♡」
「ぱんおいしぃ~~♡」

朝食は近くにある商業施設に食べに行った。テラスを散策し、ベーカリーでモーニングプレートをいただいた後はヴィラを出て、車で20分程の場所にある遊園地に向かった。



「里美さん……無理して着いてこなくて良かったのに……」
「え?私がいたらいけないの……?」
「いえ、とんでもございません……」

子供が喜ぶ施設なんてつまらないだろうという気遣いが裏目に出てしまったらしく、里美さんに睨まれてしまった……

アスレチックやアトラクションがある遊園地は、子供心をくすぐるメルヘンな建物がいっぱいあった。子供たちは乳飲み子以外みんな夢中になって遊び、ジェットコースターやゴーカート、その他アトラクションや屋内ゲーム、アスレチックを楽しんでいた。


「浅◯山綺麗に見えてるね~~♡♡♡」
「自然いっぱいの景色も最高だね~~♡♡♡」
「あ、まりかちゃんたちてふってる!♡」
「ゆずきく~~ん♡」

前のゴンドラに乗る茉莉花ちゃんたちに手を振り返しつつ、観覧車からの景色を楽しんだ。


「瑠美子さんは子供たちといるからそんなに違和感無いんだけど……里美の違和感すごいぜ?w 」
「うっさいわ!!こんな可愛い遊園地に男夫婦がいる方が違和感すごいわ!!」
「確かにwww 」

亜耶のツッコミに言い返す里美さん。瑠美子さん同様、里美さんもゴージャスというか、まぁつまり子供向けの遊園地にいる感じじゃない。無表情で子供たちと一緒に乗り物に乗る及川さんもなかなかの違和感だ。因みに牡丹は気まぐれに猫になったり人間になったりするのに、意外にも一番子供たちと馴染んでいる。やはり猫は強し……ってことか?



「あんたたちは結婚式しないの?」
「え?……する……?」
「……しよっか……♡♡♡」

昼食時に里美さんから聞かれたことで、結婚式を意識し始める男夫婦。

「いい歳こいて甘酢っぺぇ~~なぁ~~」
「自分で話振っといてお前w 」
「なんだ?更年期か?」
「うるせぇ椿w 更年期を笑うものは更年期に泣くぞ?」

半ば呪いのような言葉を椿に投げ付け、車のトレーに乗ったお子様ランチを頬張る子供たちを眺めながらため息をついていた。

「子供欲しいのか?今から頑張ればワンチャン閉経前に……」
「お前〆るぞ!?いや……子供は可愛いけど、他人の子だから可愛く見えるんだよね~~……」
「拗らせアラフォーBBA……」
「聞こえてんぞぉ梓ァァ!!?」

親族同士の遠慮のないやり取りを聞きつつ、南はこんな風に拗らせてなくて良かったなぁ~~としみじみ思っt
「おいお前!!お前今失礼なこと考えたな!?」
「……まさか!!」

霊感一族最強と言われるだけあって、こういうとこ鋭くてビビる……そういう能力があるから「負けなし弁護士」と言われるのだろうけど。

「及川さんは子供欲しいとかないの?」
「私はほとんど種無しニックなので」

一瞬何人か吹き出しそうになったけど堪えていた。いや、こんなデリケートなこと不意打ちでギャグっぽく言うなよ……

「無くはないんだよ?ただ限りなく無しに近いと言うか……」
「フォローしてくれてありがとう。愛してるよ♡♡♡」

里美さんもフォローなのかよく分からないフォローをしていて、どう返したらいいのかますます分からなくなった。

「たねなしって、ぶどうのこと~~?」
「……そうそうw ぶどうのこと~~w 」

葵大の質問に適当な返事をする南。殆ど種無しなのに里美さんに執着しまくって結婚に漕ぎ着けた及川さんが、歴戦の勇者に見えた瞬間だった。



「みんなばいば~~い!♡」
「ばいばい♡」

夕方まで遊園地で目一杯遊んだ子供たち。新幹線で帰るグループに別れを告げて車に乗り、空を走って帰った。



「あら、可愛い飴ちゃんねぇ~~♡♡♡」
「つかさくんとあまねくんにもらったんだよ♡」
「もらった~~♡」

貰った飴細工を母さんに自慢する子供たち。飴をくれた二人は今頃海の上だろうか、とクルーズ旅行中の彼らに思いを馳せたのであった。



「かちょ~~!!最悪っす!!嫁……不倫してたんですよぉぉ~~~!!!」

翌日出社すると、泣き腫らした顔をした野呂に抱き付かれた。また波乱が続くのか……とうんざりした気持ちになりながら、野呂を連れて会議室に入ったのであった……






ーーーーーーー


「いってきま~~す♡♡♡」
「行ってきます」

クルーズターミナルで両親たちに見送られ、僕と天音はクルーズ船に乗船した。今日から新婚旅行として、国内クルーズ旅行に出かけるのだ。乗船してすぐにシアタールームに案内され、船内施設や日程の説明をされた。全室スイートルーム仕様のラグジュアリークルーズ船は程良い規模感と客数で、ゆったりとした旅を楽しめそうだ。説明の後は専属のバトラーさんから、ベランダスイートという最もスタンダードな客室に案内された。

「船の中なのにめっちゃ広いね~~♡♡♡」
「バルコニーからの眺めも良さそう♡♡♡」

クイーンベッドの奥にはリビングエリアがあり、反対側にはドレッサー、ミニバーがあった。テーブルの上にはウェルカムシャンパンが置かれていて、冷蔵庫のドリンクも充実している。旅行中殆どの飲食がインクルーシブだから、このドリンクも気兼ねなくいただくことが出来るのだ。シャワールームの奥には広いバスタブもあり、流石スイートルームだと感心しながらルームツアーをした。

避難訓練をした後、船は夕方出航した。大きな船が港を離れる様子をベランダから眺め、西に向かって動き出した船からの景色を眺めた。


「スパークリングワイン美味しい~~♡♡流石ソムリエセレクト♡♡♡」
「雲丹うまっっ♡♡♡」

初日のディナーは和食レストランにした僕たち。コース形式で提供された創作料理を楽しみ、有名店の美食を堪能した。



「ターンダウンされてるね~~♡♡♡」

食後は客室に戻り、清掃された部屋のベッドにダイブすると、天音は幼い子供を見るような呆れた顔をしていた。

「天音もおいでよ♡♡♡」
「もうっ!お風呂に入ってから!」

お母さんみたいなことを言う天音に苦笑いしつつ、一緒にお風呂に入った。



「ああ……♡ ああぁぁ……♡ 待って!?イッちゃうッッ!!♡♡♡♡」
「ん…いいよ……イクイクしちゃいな?♡♡♡」
「んもぉバカぁぁ~~!!♡♡♡♡ あぁ~~んもぉダメぇぇ~~ん!!♡♡♡♡♡」

僕の腕の中でビクビク痙攣する天音♡♡♡ こんなにも性欲旺盛な子と付き合ったことが無かった僕は、最初は少し戸惑う気持ちもあったけど、実は自分が結構な絶倫だったと知れる良いきっかけにはなった。

「司ぁぁ~~……いっぱいおねだりしてごめんねぇ~~♡♡♡」
「良いよ……天音は昔からずっとエッチな子だもんね♡♡♡」
「うん……赤ちゃん出来なくて……ごめんね……」
「気にするなって言ってるだろ?それに、僕は媛梨ちゃんの予言を信じてるからw 」

お迎え出来ると笑ってくれた媛梨ちゃん。だからその日が来るまで、焦らずマイペースに生きていこう。そんな思いを込めて天音を抱き締め、腰を揺らした♡♡♡



「お野菜新鮮だね~~♡♡♡」

朝食はスムージーとサラダをいただいた。今日は八咫烏で有名な神社を参拝するのだ。

間もなく到着した港には歓迎の音楽が鳴り、お土産や観光案内のテントが立っていた。観光バス、タクシーが並んでいて、僕たちはバスに乗って世界遺産の神社に向かった。


「朱色がすごいね~~!!♡♡♡」
「あちこちに八咫烏が……」

境内は鳥居や橋、社殿などが朱色に塗られていて、圧巻の光景だった。ガイドさんが神社の歴史や参拝方法などの説明をしてくれて、亜耶君がよくしていた考察と照らし合わせながら案内を聞いた。


ここに来たらマグロを食べろと蓮君に言われていたことを思い出し、バスを降りた僕たちは港の寿司店でマグロ丼とお造り、めはり寿司の定食をいただいた。

「めっちゃもっちり~~♡♡♡」
「過去一美味い!!♡♡♡」

蓮君が勧めるだけあるなぁ~~と思いながら絶品の生マグロをいただいた。最高のランチの後は街を散策し、市場で購入した海鮮を実家に送った。

バスに乗って次に向かったのは本宮だ。椿から本当のパワースポットはこっちだと言われていた跡地に向かい、田圃道を大きな鳥居に向かって歩いた。

蘇りの地と言われる地で参拝し、次に本殿に向かった。

「……なんか……体軽くない……?」
「そう?僕は別に……」

参拝を終えた天音が、帰りのバスの中でそう呟き、ずっと首を傾げていた。


船に乗り、出航した後はちょうど空いていたサウナに入ることにした。

「窓の外が海だ~~♡♡♡」
「そりゃ船の上だからねw 」

サウナで一汗かいた後は、イタリアンレストランでディナーをいただいた。スタッフさんたちは外国人ばかりだから船内は英語が飛び交っているけど、僕も天音も語学は問題無い。にこやかにサーブしてくれるスタッフさんにお礼を言って、レストランを後にした。



「あ゛ッッ♡ なんか……あ゛ッッ♡ どうしよう今日すっごくびんか…ん゛ん゛んんぅぅーー~~ッッ!!♡♡♡♡♡」
「ははっ……イクの早過ぎじゃない?♡♡♡」
「だってッッ……あ゛っっ……んんんぅぅ~~~~ッッ!!♡♡♡♡♡」

冗談抜きでひと突きごとに絶頂する天音♡♡♡ いつになく淫らな天音に、僕も釣られて大いに盛り上がってしまったのだった♡♡♡



早朝には次の目的地に到着した。オムレツやベーコン、ワッフルといった定番の朝食をビュッフェでいただき、霊場が多い地に降り立った。


「眺め良いね~~♡♡♡」
「思ったよりよく見渡せるね~~♡♡♡」

梅雨だけあって空は厚い雲に覆われているけど、市内の景色は思ったよりよく見えた。ロープウェイに乗って山頂公園に辿り着いた僕たちは、公園内を散策し、神社に参拝したり大きな万華鏡を見たりした。


山を降り、ロープウェイ乗り場の向かいにある博物館に移動した。

「迫力満点だね~~……」

壁に貼られた写真を眺めながら、ため息をつく天音。博物館では有名な盆踊りの歴史を見学したり、実際に踊ってみたり、太鼓を叩いたり……と、なかなか充実した時間を過ごした。


「豆天玉うまぁ~~!!♡♡♡」
「意外過ぎてウケるww 」

徒歩10分程の場所にあるお好み焼き店に入り、金時豆が入ったお好み焼きをいただいた。合わんだろ……と思っていたのに、これが笑ってしまうくらい美味かった。


「シロクマでっかいね~~!!♡♡♡」
「結構大型の動物がいるんだな~~……」

タクシーで空を5分程走り、遊園地に隣接した動物園を訪れた。ライオンやシマウマ、オオカミやホッキョクグマなどの大型動物や、レッサーパンダやコツメカワウソなどの可愛い系の動物も沢山いた。


出航の少し前に船に戻り、早めの夕食を楽しんだ後は、エンターテイメントショウを観覧した。歌謡ショウを楽しみながら、やっぱりプロは上手いけど、椿と亜耶も負けてないんだけどな……と思った。

椿と亜耶にウエディングソングをお願いしたら、天音が勤める事務所の所長である里美さんがメインで歌ってくれることになった。元プロに歌ってもらえるのは嬉しいんだけど、出来れば二人にデュエットして欲しかった。南さんと蓮君の即席結婚式の時に二人が歌っていたミュージカルソングがずっと心に残っていたから、いつか僕たちの結婚式でも歌って欲しいと思っていたのだ。
……だからと言って、ディーヴァな里美さんに面と向かってノーセンキューなんてとても言えないんだけど……

「元カノさんの方が上手かったねw 」
「その言い方いつまで続けるの?w 」
「あははw 」

付き合いたての頃は椿のことを元カノさんと呼んでいた天音。久しぶりの呼称に苦笑いしつつ、ラウンジに移動してピアノの生演奏を聴き、ワインとチーズを味わった。



「ん゛…ッッ♡ ん゛…ッッ♡ ん゛…ッッ♡ あ゛っっ…♡ あ゛っっ…♡ あ゛っっ…♡」

今夜は僕の上に乗っかって、まったり腰を振る天音♡♡♡ 脈動する膣壁が、天音が甘イキしていることを教えてくれてる♡♡♡ 何度かブルブル震える天音が愛しくて、思わず起き上がって抱き締め、下から突き上げまくった♡♡♡



目が覚めたら船は湾に来ていた。今日は海峡大橋を潜り、終日内海をクルーズする航海日だそうだ。ビュッフェの朝食をいただいた後はオブザベーションライブラリーに移動し、海峡の景色をゆっくり眺めた。

デッキに移動した僕たちはプールやジャグジーを楽しみ、お腹が空いたらハンバーガーやピザを食べて過ごした。船尾の方のデッキには喫煙室やシガーバー、テーブルセットが並ぶ休憩エリアやゲームスペースがあった。船内にはハイブランドのブティックもあり、流石相川さんお勧めのクルーズ船だな……と思いながら見て回った。


「この辺りも、いつかゆっくり旅行したいね~~……」
「良いね~~♡♡♡」

昨日に引き続き梅雨空ではあるけど、ポコポコと海に浮かぶ島々を眺めながらの航海は最高だ。それにしても、季節関係なく晴れさせる能力を持つ超晴れ男と晴れ女の威力凄いな……二人のおかげで見事な青空の下で結婚式を行うことが出来た。いつだったか椿が「私より亜耶の方が強烈。奴は晴天率100%で私が95%」とか言ってたけど、人から見たら椿も怪物級の晴れ女である。

「……また元カノさんのこと考えてたでしょ……」
「元カノってゆーか、椿と亜耶のことを考えてたけど。あの二人って超晴れ男晴れ女でしょ?」
「……やましい気持ちは無いんだよね……?」
「あはははw 可愛いなぁ~~♡♡♡ そんなに疑うなら、今からエッチしちゃう?♡♡♡」
「ヤダァ~~……そんな風に言われたら……濡れちゃう……♡♡♡」

素直に興奮を伝えてくれる天音に思わず生唾を飲み込み、陽のあるうちから部屋で致してしまったのだった♡♡♡


「ねぇ……本当にやましい気持ちは無いんだよねぇ……?」
「そうだな……今はもう同性の友達みたいな感覚だけど、あの時自分から別れを告げたことは今でも後悔してるかも……」
「うっ……裏切り者ッッ!!」
「違うってw だから、次に好きになった人は絶対に離さないって決めたの!w 」
「上條くぅぅ~~ん♡♡♡」
「天音も上條だろ?w 」
「そうだったぁ~~~♡♡♡」

チョロ可愛い僕の奥さんが再び濡れてしまったため、夜までしっかり盛り上がってしまった♡♡♡



「ステーキ柔らかぁ~~♡♡♡」
「魚もしっとりしてて美味い♡♡♡」

シグネチャーレストランで夕食をいただき、夜はジムで汗を流した後ジェットバスに浸かりながら真っ暗な海を眺めた。



「開催出来るって♡♡♡」
「マジ!?やった♡♡♡」

タブレットを見ると、雨天中止のアクティビティが決行のマークに変わっていた。船は隣国の港に向かっている最中で、つまり大海原のど真ん中である。ということは、星空が綺麗に見えるのだ♡♡♡

デッキから透明なボックスに乗って星空観察をするツアーが、昨今のクルーズ旅行に於ける目玉の一つなのだ。参加者は最上階のデッキに広げられたビーチチェアに寝そべっていると、そのまま空中に浮き始めた。法律で定められたギリギリの高さまで上昇し、届きそうな星空を眺めながら星や星座の説明を聞き、素晴らしい夜を過ごした。



「おお~~!!大都会だ~~♡♡♡」
「本当だ~~♡♡♡」

船が外国船籍の為、法律上隣国の港に寄港しなければならないそうだ。ツアーのバスに乗り、タワーに登って景色を一望したり、市場のレストランで昼食をいただいたりした。

「本場のキムチとチゲだ~~♡♡♡」
「すき焼きうまぁ~~♡♡♡」

市場では本場のホットクやクルンジを食べ歩きして、名所と言われるカラフルな街並みを見学した。

「夜景もどことなくカラフルだね~~♡♡♡」
「お国柄なのかな?」

船は夜に出航し、再び国内を目指した。



「本格和食美味しい~~♡♡♡」
「だし巻きうまぁ~~♡♡♡」

今朝は和食レストランの朝食をいただいた。納豆や自家製豆腐などのホッとするメニューをいただき、船を降りてツアー船に乗り、廃墟となった要塞島に向かった。


「すごい……今にも崩れそう……」
「もう何十年も前の建物だもんね……」

工場やアパートの遺構を見学し、盛者必衰を感じながら島の一部を歩いた。

「アレは学校だったんだって」
「あそこは赤煉瓦なんだね」

かつて多くの人々がここで暮らし、過酷な労働をしていた島の廃墟には、学校や病院、公衆浴場や宗教施設など、人々の営みの痕跡が多く残っていた。やがて上陸可能時間が過ぎ、島を出て船で周遊した後は港に戻って解散となった。



「あ゛ッッつッッ!!」
「あははw 角煮まんうま~~♡♡♡」

中華街で食べ歩きし、小籠包や角煮まん、胡麻団子やミルクセーキをいただいた。


「からすみちゃんぽんおいし~~……ってなんで司はちゃんぽん食べてないの?」
「とびこ炒飯食べたかったんだもんw 天音のちゃんぽん一口ちょうだい?♡♡♡」
「もぉ~~……」

なんやかんや言いながら、僕にあ~~んするのが好きな天音はちゃんぽんも食べさせてくれた♡♡♡ 



「レトロ可愛い~~♡♡♡」
「趣あるね~~♡♡♡」

人口島の風情な街並みを散策し、旧邸宅を見学したり、ジオラマを見学したり、博物館を見学したりと、アカデミックな時間を過ごした。天音は可愛い物が大好きだから、唐紙を使った和洋館を見てはしゃいでいた。


船は早めに出航して、離島を眺めながらのクルーズとなった。夜はロブスターとシーフードカレーをいただき、食後はライブラリーで天音とチェスや囲碁を楽しんだ。

「ほぉ~~……お兄ちゃんたち、なかなかやるねぇ~~」

背後から声をかけてきたお爺さんと次に対戦し、ボロ負けしてゲームを終えた……

「お爺さんは奥さんと船に乗られてるんですか?」
「いや、娘夫婦と来てるんだよ。婆さんに先立たれて気落ちしてる私を励ましたかったんだろうねぇ……」

寂しそうにそう言うお爺さんを見ていたら、ギュッと胸が締め付けられた。

「君たちは友達なのかい?」
「いえ、夫婦です」

僕がそう言うと、お爺さんは一瞬目を見開き、やがて可笑しそうに笑った。

「そうかそうか……人生は短い。互いへの愛と感謝は伝えられる時に伝えておきなさい……」
「はい、お約束します」
「僕も、愛を伝えます♡♡♡」

人生の大先輩の言葉は重い。天音の手をギュッと握ると、天音もまた強く握り返してくれた。


お爺さんと別れ、部屋に戻るとカステラが用意されていた。夜食にルイボスティーと共にいただき、夜はセックスが終わった後も抱き合って眠った……♡♡♡





ーーーーーーー


司の腕の中で目が覚める幸せに満たされ、今朝もスッキリ目が覚めた♡♡♡ 改めてマリッジリングを填めた指を眺めてニヤニヤしていたら、いつの間にか司が僕を覗き込んでいた♡♡♡

「おはよう司……♡♡♡」
「おはよう天音……今日も可愛いね♡♡♡」
「きゅぅ~~ん……♡♡♡」

僕はお世辞にもイケメンとは言えないタイプだけど、司はいつも僕のことを可愛いって言ってくれる♡♡♡ そんな風に言われると、嬉しくてすぐ濡れちゃうんだけど……♡♡♡



「火山島だ~~!!♡♡♡」
「絶景だね~~♡♡♡」

ベランダに出ると、大きな湾の向こうに聳えるか朝食はカフェでフルーツサンドやスムージーをいただき、タクシーで山上の公園に向かった。


「猫ちゃんだ~~♡♡♡」

山にいた地域猫に着いて五分程歩き、展望台から市内と火山島を眺めた。
展望台のすぐ近くには温泉ホテルがあり、日帰り入浴も出来る。僕たちはホテルに向かい、ホテル内のショッピングアーケードを通って温泉のある階に上がった。


「ちゃんとタオル巻きなよ?」
「分かってるって~~♡♡♡」

ずっとカントボーイであることがコンプレックスだった僕は、人と温泉に入ったことが無かった。ある時「もういいかな?」と思える出来事があって、以来司と一緒だったり、気の置けない仲間となら温泉に入ることが出来るようになったのだ。

「温泉気持ちいい~~♡♡♡」
「絶景だね~~♡♡♡」

火山島や市内の街並みを一望出来る展望露天風呂に浸かり、船旅の疲れを癒した。



「しろくまおいし~~♡♡♡」
「さつま揚げうま~~♡♡♡」

商店街で食べ歩きをし、ランチは豚とろラーメンをいただいた。

「チャーシューとろっとろ♡♡♡」
「味玉うまぁ~~♡♡♡」

食後は商店街で購入したお土産を実家に送り、港に戻って水族館に行った。


「ジンベエザメおっきぃね~~♡♡♡」
「カツオ美味そう……♡♡♡」
「まぁ言いたいことは分かるけどw 」

フリースクールに勤めていた頃は、子供たちとしょっちゅう釣りに行っていた司。そんな彼にとっては、水族館の生き物の大半は食材に見えるのだろう。

少し前、思い立ったように転職して会社員になった司。計画的な人生設計しか出来ない僕にとっては、司のそういう自由さが少し羨ましい。そういう所が元カノさんにそっくりで、時々不安になってしまうんだけど……


船に戻り火山を見ると噴火していて、モクモク煙が立っていた。

「おお~~……大自然の神秘……!!」
「すごいね~~……」

見れてラッキーなんて無神経なことは言えないけど、貴重な体験をした日だった。



「「「かんぱ~~い♡♡♡」」」

夕食は昨日船内で仲良くなったお爺ちゃんとジャズクラブでいただいた。

「ロブスターおいし~~♡♡♡」
「牛ロースうまぁ~~♡♡♡」
「これはタコの唐揚げかな?」

お爺ちゃんは昔漁師をしていたらしく「この魚にはこの料理が合う」という話をしてくれた。個性的で繊細な料理と美味しいお酒をいただきながら、ジャズコンサートを楽しんだ。



「海綺麗~~!!♡♡♡」
「晴れて良かったね~~♡♡♡」

今日はどうしても晴れて欲しかったから、良い天気で本当に良かった。船を降りた僕たちはバスで空を30分ほど走り、ボートに乗り換えて絶景のシュノーケリングスポットに移動した。シュノーケルの装備をして、インストラクターさんに従って海に入ると、色鮮やかな珊瑚の海とカラフルな魚たちが視界いっぱいに広がった。感動しながら司を見たら、司は何故かコ◯ネチのポーズをしていた。こういうとこ、ホント子供なんだから……

まるで人魚になった気分で絶景の海景色を眺めていたら、いつの間にか海ガメがすぐ側まで来ていた。泳ぐ所全部が宝石みたいで、二時間ずっと夢中になって泳いでいた。


「最高だったね~~♡♡♡」
「うん♡♡ 全力で泳いじゃった♡♡♡」

ボートが港に着いた後は海の駅で海鮮丼をいただいた。

「マグロうまぁ~~い♡♡♡」
「イカ透き通ってる♡♡♡」

新鮮な海鮮丼に驚きながらいただき、再びバスに乗って観光名所のビーチに来た。


「本当にハートだ♡♡♡」
「新婚旅行らしい観光スポットだね♡♡♡」

砂浜に突如岩場にハート型にくり抜かれたような形のものがあり、恋愛のパワースポットになっているそうだ。潮位によっては見えないらしく、見れてラッキーだったな~~と思いながら写真を撮った。


「ヤギさん可愛い~~♡♡♡」
「目が怖いけどねw 」

ビーチの側にある牧場でヤギミルクのソフトクリームとマンゴースムージーを分け合っていただき、再びバスに乗って元いた港に戻った。暫く街を散策してから船に戻り、見事なサンセットを眺めながらの航海を楽しんだ。


今夜はプールサイドのレストランでピザを焼いて貰った。

「生地もっちもち~~♡♡♡」
「焼きたてうまぁ~~♡♡♡」

美味しいピザをスパークリングワインと共にいただき、夜の海景色を楽しんだ。

翌日は終日航海の為、ジムやサウナで汗を流したり、デッキに出て海を眺めたりして過ごした。



バトラーさんが持ってきてくれたルームサービスの朝食をいただき、碇泊した船からテンダーボートに乗り換えて神宮参拝のバスに乗り込んだ。

「懐かしいな~~♡♡♡」
「色々思い出すよねw 」

司を追いかけて、初めて旅行したのもここだったな♡♡♡ あの時もみんなでバスに乗って、お参りして……初めて一緒の部屋に泊まったな……♡♡♡ あれから何度か二人で来てるけど、いつ来ても空気がピンと張り詰めていて気持ちが良い。外宮参拝した後は内宮に移動し、厳かな空気の中本殿に参拝した。


「ここはいつ来ても行列出来てるね~~」
「美味いもんな~~♡♡♡」

肉屋のコロッケはいつ来ても行列だ。僕たちは飲食店や土産屋が連なる通りで食べ歩きをし、焼きうどんや牛串、鮑をいただきながら、清らかな川沿いを散策した。里美さんに頼まれていた銘菓のお土産を実家と職場にそれぞれ送り、銘菓のかき氷をいただいた後は神宮を後にし、ボートに乗って船に戻った。部屋に戻ると、バトラーさんがスーツケースを磨いて用意してくれていた。



「ステーキうまぁ~~い♡♡♡」
「サーモンうま~~♡♡♡」

夜はプールサイドのグリルレストランで夕食をいただいた。顔馴染みのクルーたちとももうすぐお別れか……と寂しく思いながらステーキを切り分けた。



「あ゛っっ……ん゛んん~~~ッッ♡♡♡♡」
「天音のイキ顔可愛い♡♡♡」

最後の夜も熱い交わりをする僕たち♡♡♡ なかなか子供を作ってあげられないのは申し訳ないけど、不妊でも飄々としている及川さんがいるおかげか、はたまた媛梨ちゃんの言葉が支えになっているのか、そこまで思い詰めなくて済んでいる。

「あ゛ぁっっ…♡ あ゛ぁ~~っっ…♡ あ゛あぁぁまたイクぅぅ~~~~ッッ!!♡♡♡♡♡」
「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ っっあ゛ぁ~~イクッッ!!♡♡♡♡♡」

司の子種が膣奥を満たす感覚に酔いしれながら、いつか司に我が子を抱かせてあげたいと強く思ったのだった♡♡♡



翌朝はベーグルサンドの朝食をいただき、残り少ない船の旅を惜しんだ。暫くすると見慣れた港の景色が目の前に広がり、現実に戻ってきた感じがした。僕たちはクルーの皆さんにお礼を言って船を降り、夢のような船旅は終わりを告げた。

「明日からまた里美さんにこき使われる毎日か~~……」
「僕も明日から社畜生活に戻るよw 」

社畜と言いながら、毎日楽しそうに仕事に行く司。憂鬱な会社員生活も、司にとっては面白い毎日らしい。我がパートナーは人生を楽しむ天才だな……そんな彼だからこそ、自分の負い目もコンプレックスも、全てがどうでも良くなるんだけど。

僕たちは港からタクシーに乗り、二人の愛の巣に帰ったのだった♡♡♡


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