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襲名式典編
しおりを挟む「えいっ♡ えいっ♡ えいっ♡ えいっ♡ 南ぃぃ~~♡♡♡ 俺のちんぽに夢中になったぁ~~?♡♡♡」
「あ゛ぁぁん♡ もぉとっくに夢中だよぉぉ~~♡♡♡♡ 蓮のぜんぶがだぁ~~いすきっ♡♡♡」
「もっとぉ~~!!♡♡♡ もっと言ってぇぇ~~ッッ!!♡♡♡♡」
「大大大大大~~好き~~~ッッ!!♡♡♡♡」
とても怖い夢を見たとかで大号泣して以来、ますます密着セックスが止まらない蓮♡♡♡ 今日も私を覆い隠すように抱き締めながら、器用に腰を波打たせている♡♡♡ 私は蓮に安心して貰いたくて、言葉を尽くす毎日だ♡♡♡
「ああ蓮……泣かないで?♡♡♡ 愛してるよ?♡♡♡ 今日も大好きっ♡♡♡♡」
「俺も大好きだよぉ~~♡♡♡ ねぇ一緒にK大学に行っても良いよね?♡♡♡ 俺のこと迷惑じゃないよね……?」
「そんなワケないよぉ~~!!♡♡♡ こぉんなにらぶらぶなエッチしてるんだよ?♡♡♡ 早くいつもの自信を取り戻して?♡♡♡♡」
「南ぃぃーー~~ッッ!!♡♡♡♡ 南南南南南みなみぃぃーー~~ッッ!!♡♡♡♡ 愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるッッ!!♡♡♡♡ 南だけッッ!!♡♡♡ 南だけをこんなにもこんなにも愛してるんだよぉーー~~ッッ!!♡♡♡♡ 好き好き好き好き好き好きぃぃーー~~~ッッ!!♡♡♡♡」
「あ゛ッッ♡♡ あ゛ッッ♡♡ あ゛ッッ♡♡ あ゛~~ッッ♡♡♡ あ゛ぁんダメェもぉイッちゃうぅぅーー~~ッッ!!♡♡♡♡♡」
絶頂で痙攣する私の身体をきつく抱き締めて、マーキングするかのように額や頬を擦り付ける蓮♡♡♡ こんなにも全身全霊で愛されたら、愛しさが止まるところを知らない♡♡♡
「南ぃぃ~~……ごめんね……俺ばっかり欲しがってごめん……南の優しさに付け込んでごめん……」
「もぉ~~……そんなこと言わないでぇ?♡♡♡ 私は蓮に求められるのが何より嬉しいよ……?♡♡♡」
蓮は依存してごめんね、搾取してごめんねと泣きながら腰を振るけれど、本当に気付いていないのだろうか?こうしてる今も、蓮から溢れ出るエネルギーが私の元気の源になっていることを♡♡♡ だから私は不安定な蓮といくらセックスしても、全く疲れないのだ♡♡♡
セックスが終わった後も、何度もキスを強請ることで心の安定を得ようとする可愛い蓮♡♡♡ 啄むようなキスを繰り返し、涙の滲んだ蓮の目元にもキスをすると、ようやく安心したのか、フニャッと笑ってやがて穏やかな眠りについた。
連休が明けてから二週間ほど経った頃、件のご実家、浅倉家本家から招待状が届いた。椿のお父さんの襲名式に招待されたのだ。曾祖母さんと面識があるからか、相川君とRYO、七海と森川君も招待されていた。
そんなわけで6月の始め、私たちは件の本家がある海沿いの街に旅立ったのだった。
「お姉ちゃんは儀式の準備で忙しいので、代わりに私がご案内しますね♡」
椿の妹の梓ちゃんに、近隣の宿泊施設を案内された。椿によく似た、でも朗らかな女の子だ。
「君も忙しいだろうに、案内してくれてありがとう」
完璧キラキラモードの相川君が梓ちゃんにお礼を言うと、梓ちゃんは顔を真っ赤にして恐縮していた。
「そんな……こちらこそ……憧れの清四郎様のご案内が出来て光栄ですぅ♡♡♡」
梓ちゃんの言葉に内心「清四郎様てw 」とツッコミを入れたけれど、そう言えば相川君は一学年下の後輩にそんな風に呼ばれて崇められていたな……と、どうでもいい過去を思い出した。
「お前、妹に乗り換えた方が良いんじゃない?」
「そんな単純な想いなら今頃もっと楽に生きてるよッッ!!?つーか君だけにはそんなこと言われたくなかったな!!」
蓮にそう言われてムキになる相川君。確かに梓ちゃんを見てると、椿に愛嬌が加わったらこんな感じになるのかな?と思うくらいよく似ている。
「でも梓ちゃん見てドキドキしてたよね?」
「そんなの当然だろ!?椿ちゃんそっくりなんだもんっ!!椿ちゃんが赤面したらこんな感じなのかな?って妄想くらいするだろ!?」
「哀れ……」
「うるせぇ!!!」
服を共有出来るほど背格好も殆ど椿と同じな梓ちゃんで妄想してしまうのは、まぁ仕方ないと思う。中学の時からモテモテだった梓ちゃんだけど、ここだけの話、椿の代替として言い寄る男も少なくなかった。そういう邪な男は悉く椿が返り討ちにしていたけど。
古民家をリノベーションして作られた宿泊施設は、広いお部屋が6部屋と大浴場があった。アメニティもリトリート施設と同じものが使われており、普通に予約したら高いんだろうな……と思いながら施設内を見て回った。今回は女子と男子に部屋が割り振られており、蓮と森川君は不満そうにしていた。とは言え、コネクティングルームになっているから、しようと思えば自由に行き来出来る。
「案内出来なくてごめんな~~?☆ お詫びに良い食材ガメてきたから、腹いっぱい食ってくれ♡♡♡」
準備に追われていた亜耶が夕方に合流し、箱いっぱいの海鮮やお肉を持って来た。施設の中庭でBBQをしていると、フラフラの椿がやって来た。
「今日も二人は潔斎中なんだ……」
焼かれたお肉や海鮮の匂いが漂う中、野菜を串に刺して焼いている椿と亜耶。
「おう……しかも今回は二週間の潔斎だぜぇ?」
「……ご苦労様です……」
申し訳ないと思いつつ、食材が勿体ないと言い訳をして、肉や魚介を美味しくいただいた♡♡♡ 相変わらず相川氏は椿にベッタリだし、RYOは亜耶のそばで甲斐甲斐しく野菜を焼いて食べさせていた。この前と少し違うのは、七海と森川君である。
「七海はもっとゴネるのかと思ってた。同室にしろ~~ってw 」
女子部屋でノンアルのスパークリングワインを飲みながら、七海に探りを入れてみた。
「……あのね……最近、昭二君の婚約アピールが凄くて、ちょっと逃げ回ってるんだ……」
「えっ!?婚約!?」
私は蓮と婚約しているけど、それは口約束の延長みたいなものだ。森川君の言う婚約とは、同じ屋根の下で暮らす私たちの婚約とは訳が違う、遥かに重いものだろう。
「私だって将来結婚するなら昭二君以外に有り得ないよ?でも……今は自分の将来のことで精一杯なのに、病院のこととか、義両親のことまで背負い込めないよ……最近現実が見えて来て、物凄く怖くなっちゃって……」
「七海……」
森川君は、森川総合病院のご子息だそうだ。病院は長男が継ぐらしいのだが、医療業界という狭い世界のこと。派閥だの利権だの、色々なしがらみがあるそうだ。あくまで一般家庭で育った七海にとっては、荷が重い世界なのだろう。
「この前ね、昭二君のご両親と会ったんだよね……物凄く品定めされてる気がして、すごく居心地が悪かったんだ……両親はどこにお勤めかとか、七海さんは家庭に入り昭二を支える覚悟があるのかとか……そんなこと急に言われても分かんないよ……だって私は絵をもっと学びたいし……」
七海は美大を受験する予定だ。これから自分を高めていきたい時に急に家庭に入れなんて、そりゃ誰だって嫌だろう。
「お医者様って、奥さん同士のお付き合いもあるみたいなんだよね……そこでも派閥があるみたいで……どうしよう南!!私そんな世界に飛び込む勇気無いよぉぉ~~!!!」
「七海……そういう不安、森川君に全部言った?」
「うぅ……言えない……だってセックスの勢いとは言え、私の方からお嫁さんになりたいって言っちゃったんだもん……本音を話して嫌われたくないよぉ~~……」
ソファーの上で蹲る七海。好きな人には自分の良い面しか見せたくないのは分かる……分かるけど……
「七海……それこそ『条件付きの愛情』になってない?」
以前亜耶が言っていた『条件付きの愛情』
今の七海は、期待に応えなければ愛されないと思い込んでいる状態だ。
「本当に森川君のことを愛してるのなら、七海のことを大切にしてくれる森川君の愛情を信じて、ありのままの七海の気持ちをぶつけてみなよ……」
「うん……もしそれでフラれたら……慰めてくれる……?」
「もしそんなことでフラれたら、森川君のことめちゃくちゃ軽蔑してやろうよw 七海ほどの良い女フルなんて、見る目無さすぎ~~ってw 」
「そっか……そうだよね!!私はイイオンナ~~!!♡♡♡」
いつもの調子を取り戻した七海は、おつまみのチーズクラッカーをバクバク食べた。その時、コネクティングルームのドアがノックされて、森川君が入って来た。
「七海……少し外で話さないか……?」
「……うん……」
七海は森川君と一緒に外に出て行き、続いて入って来た蓮と夜のまったりタイムの続きをした。
「ノンアルだからって飲み過ぎだよ……」
「だって美味しいんだも~~ん♡♡♡」
ノンアルなのに、スパークリングワインを飲んでいるとムラムラが増してきてしまう♡♡♡ 横に座る蓮の太股に手を置くと、内股を撫で回してみた♡♡♡
「……南のエッチ……♡♡♡」
しばらくキスで誤魔化していたけれど、舌を絡め合っていたらどうしても我慢出来なくなってしまった♡♡♡
「……ここだけの話なんだけど、駐車場の奥にデイベッドを置いてる四阿があるんだ♡♡♡ ねぇ、二人でそこに行かない……?♡♡♡」
「行くぅ~~♡♡♡」
すっかり発情してしまった私たちは、蓮の言う四阿を目指して外に出た♡♡♡
「やぁぁん♡ あんっ、あぁん♡ クリ摘んじゃダメェェ~~~!!♡♡♡」
「ダメだなんて嘘を吐く可愛いおまんこちゃんはどこだぁ~~?♡♡♡ なぁ……本当はイイんだろう?♡♡♡ 本当のことを教えてくれてよ七海……♡♡♡」
「ホントは……ホントはぁ~~……気持ちいいのぉ~~もっとクリ揉み揉みして欲しいのぉ~~♡♡♡」
森川君が七海を背後から抱き締めていて、スカートの中に手を突っ込んでいた……。
「チッ……先を越されたか……」
「取り敢えず仲直り出来たみたいで良かった……」
考えることは同じか……。ムラムラが余計に煽られた私たちは、女子部屋に戻り、布団を被ってこっそり致した♡♡♡ お互い声が漏れないように、深く口付けをし合っていたら、いつもより激しい脈動が起こるほどの深い絶頂を味わった♡♡♡
「南……部屋でシたよね……?」
「さあ~~??てか七海、四阿でシてたよね……?」
「ゔぅぅ~~……知らない……」
お互いバレバレな嘘を吐きつつ、ベッドの中に入った。
「昭二君とね……色々お話し出来たんだ……これからも沢山話すつもり……南も愚痴聞いてくれてありがとね♡♡♡」
「良かった……せっかくカラダも相性の良い恋人だもんね♡♡♡ 大切にしないとね~~♡♡♡」
「別にカラダ目当てじゃないもんっ!!♡♡♡」
ある意味似たもの同士の私たちは、軽口を言い合いながら寝るまでの時間を過ごした。
朝食ボックスをいただき、迎えに来た梓ちゃんと一緒に車で本家に向かった。参列者の席に案内され、順番に座る。驚いたのは私でも知ってるような著名、有名人がチラホラいたことだった。
玉砂利の中庭の両脇に控えているのは、一族の人々やお弟子さんたちらしい。やがて雅楽の音が鳴り響き、巫女装束を着た女性たちの舞が始まった。その中には椿と梓ちゃんもいた。
「やっぱり綺麗だな……♡♡♡」
巫女装束の椿は相川氏の性癖ど真ん中らしく、食い入るように見つめていた。確かにあの衣装を着た椿は、性癖が歪むくらい綺麗だ。
その後派手な衣装を着た踊り手が数人出てきて場を清めていた。
「亜耶だ……♡♡♡ カッコイイ♡♡♡」
扇子を自由自在に操って踊る亜耶を見て、RYOだけではなく観客全員がウットリと見つめていた。
やがて曾祖母様と椿のお父さんと思しき人が足音もなく現れた。椿から若返ったと聞いていたけど、お父さんもまた、二十代前半にしか見えなかった。
曾祖母様が神宝を譲り、それを受け取った椿のお父さんが祝詞を奏上し、代替わりを神様に告げた。
「虹だ……いや、龍だ!!!」
声がする方を振り返ると、虹色の龍が空を駆け抜けて行き、その道筋に虹が浮かび上がった。わーっと歓声が上がり、拍手が鳴り響く。
離島に続き、とんでもないものを見てしまった……。
その後新しい御当主様が短い挨拶をされて、再び雅楽に合わせて舞が始まった。派手な衣装から一瞬で白い着物に変わる早着替えの場面では観客から大きな拍手が湧き上がった。
観客一人一人に神楽鈴を配られ、玉砂利の中心で踊る亜耶の周りを回るように促された。
「そぉ~~れ!!わっしょい!!」
みんなで鈴を鳴らしながら踊り手を囲い、一つになる。そうしていると空は晴れているのに、サァーーッと雨が降った。
時代が変わると言っていた離島の人々を思い出した。きっとこの先の未来は、何があってもだんだんと良くなって行くのだと確信を持てる一日だった。
「さあさあ皆さんどんどん食べて!」
まるでビュッフェのように長テーブルに乗せられた沢山の大皿。いわゆるおばんざいというやつだ。お皿に好きなおかずを乗せて、お座敷に並べられたテーブルや中庭で頂けるそうだ。
「豆腐うっまあぁぁーーーーッッ!!?♡♡♡」
自家製の豆腐を口にした相川君が大興奮していた。
「ああ、それは椿ちゃんが作ったお豆腐やねぇ。このお漬物も椿ちゃんが漬けたものやで」
すかさず漬物を頬張り、涙を流す相川君。
「ぜっったい結婚するッッ!!♡♡♡♡」
……何やら決意を新たにされておられる……。椿の意外な一面を知り、何となく居た堪れなくなった。
「基本メシマズでごめん……」
「え?どうしたの急に……そんなこと今さら言われなくても知ってるよ?」
キョトンとする蓮に、ますます居た堪れなくなった……。私って、普段から食べることしかしてこなかったんだ……。
「お菓子作りはそこそこ上手いじゃん♡♡♡」
バレンタインに渡していた手作りのお菓子をそこそこと微妙な褒め方をされてしまい、帰ったら料理頑張ろうと心に誓ったのだった……。
「せやからお前らは未熟モンやて言うとるやろ」
「うるせぇババア!!もう当主降りたババアに遠慮はしねーぞ!?」
お料理を頂いていたら、神楽を終えた一族御一行様がお越しになった。
「南ちゃんたち久しぶり~~♡♡♡」
里美さんやオーナーに声をかけられ、挨拶をしていると、大柄な西洋人の御老人がやって来た。その瞬間、一族のみなさんの空気が張り詰めたものに変わった。
「コラ椿ぃ~~、俺の女に迷惑かけるんじゃねぇぞ?」
「出たなジジイ!?ババアに嫌われてる癖にノコノコと出て来やがって!!」
「お~~っと!!可愛い曾孫に牙剥かれちゃったよ~~。怖いねぇ~~」
おそらく会話から察するに、椿たちの曾祖父なのだろう。オーナーや里美さんがどことなく混血っぽい理由が判明した。
「つーか部外者は表に出て来ないでくださーーい」
亜耶が冷たく言い放つと、御老人はニヤリと笑った。
「可愛くねぇな~~。昔は可愛い部下だったのによぉ~~♡」
「うるせぇジジイ!!お前のせいでこの国がどれだけ混乱したと思ってるんだ!?」
「仕方ねぇだろ?時代が悪かったってヤツよぉ~~」
睨む亜耶をおちょくる御老人。相当険悪な様子だ。時代が悪かったとは……?もしかして前世の話だろうか?
「客人の前や。二人ともやめぇ」
「桜ちゃんがそう言うなら止めるよ~~♡♡♡」
御当主……先代様が諌めると、途端にデレデレになる御老人……何か誰かを彷彿とさせるな……。
「やっと代替わりしたからなぁ♡♡♡ これからは夫婦の時間を大切にしようね♡♡♡」
御老人は先代様の頬にキスをすると、その場を去って行った。
「椿ちゃんのお豆腐すっごぉぉく美味しかったよぉぉ~~♡♡♡ 今度は僕のためだけにお豆腐作ってぇ~~?♡♡♡」
「……嫌ですけど……」
「んもぉ~~!!イジワルイジワルイジワルッッ♡♡♡」
「清四郎様の原型留めてなくてウケるw 」
梓ちゃんがドン引きしている。どうやら相川君の完璧キラキラモード以外にはときめかないらしい。
「亜耶……?大丈夫……?」
「ん?ああ、空気悪くしてごめんな~~?俺たちあのジジイが大嫌いなんだよね~~」
珍しく気が立っていた亜耶を心配するRYO。
「多分もうバレてると思うけど、あのジジイと俺たち、前世で関わりがあるんだよね……」
何となくそうかな……と思っていたけど、亜耶が認めたことで確定した。
「まぁそういう背景もあって、お見苦しいところを見せてしまって申し訳ない」
「謝らないでよ……亜耶にはずっと笑ってて欲しいな……」
「亮二お前……感動しちゃうだろっ!?」
「ついでに惚れてくれても良いんだよ?♡♡♡」
「あーー……ハイハイw 」
RYOを前ほど嫌がらなくなった亜耶。単純に慣れたのかもしれないし、心境の変化があったのかもしれない。いずれにせよ、あまり茶化さない方がいい微妙な時期だ。
「今日は来てくれてありがと~~♡♡♡ 今夜はどこに泊まるの?近くにオススメの旅館があるんだよ~~♡♡♡ 良かったら予約しておくよ?♡♡♡」
新しい御当主様はフレンドリーな人だ。椿のお父さんとして何度か挨拶はしたことがあったけど、こうして話してみると超癒し系である。両親揃って癒し系なのに、何故椿みたいなバーサーカーが生まれるのか……。
私たちは御当主様の計らいで、近くにある温泉宿に泊まることになった。
「なんでッッ!?なんで僕と一緒は嫌なの!?」
「そうだよ!!この前一緒の部屋で楽しかったでしょ!?」
相川君とRYOが喰らい付くも、椿も亜耶もなかなか強情である。
御当主様の神計らいで、全員分、客室露天風呂付きスイートルームを予約していただいた。私と七海は早く部屋に行きたいけれど、四人が纏まらないとロビーから動けない。バトルが繰り広げられている横で、私と七海はキャッキャしながら浴衣を選んでいた。
ウェルカムドリンクとスイーツを頂きながら、絶賛大揉め中の四人を見た。
「こっちは式典の後でクッタクタなんだよッッ!?」
「知ってるよ!!椿ちゃんのお休みは邪魔しないから!!」
「じゃあ露天風呂に乱入しない、人の前で勃起しない、これが守れるなら折れてやっても良い」
「そんなの無理に決まってるだろ!!?」
「じゃあこの話はお終いだな!!」
「ちょっと待って!?俺たち結構仲良くなったよね??」
「ホントに今日は許して~~!!マジで疲れてんだって!!」
「俺の腕の中で休めば良いじゃんッッ!!」
……何となくだけど、今日に限っては、椿と亜耶は同室になりたがっているきらいがある。そしてその理由は、疲れではないような気がする……。
「ねぇ、相川君たち……今日は折れてあげてくれないかな?」
珍しく私が口を挟んだことで、相川君とRYOは大人しくなった。結局二人が折れたことで、亜耶と椿が同室になった。
「小石川君……くれぐれも椿ちゃんには……」
「イヤァァーーーッッ!!!やめて!!冗談でもやめて!!?ホラ、鳥肌がすっっごいから!!」
男女の仲を疑われると問答無用で鳥肌が立つ二人は、ロビーから一番近くの部屋に入って行った。
「肉やぁぁーーーーーッッ!!!ゔぉぉ~~ん肉やでぇぇ~~~ッッ!!!」
「肉!!刺身!!ついでに酒も持ってこぉぉーーい!!!」
「いや酒はダメだろ……」
毎回恒例の肉祭りに沸く亜耶と椿。勢い余って酒を要求する椿に、蓮が静かにツッコミを入れた。
海鮮が売りの旅館で肉料理を追加注文し、貪り喰らう餓狼たちを他所に、私たちは最高品質の蟹料理をいただきながら和気藹々としていた。
ーーーーーーー
「七海に嫌われたかもしれない……」
男子部屋で蹲る巨漢、森川。どうやら七海ちゃんに婚約を迫り過ぎて距離を置かれてしまったらしい。先日の悪夢ショックから未だに立ち直り切れない俺に、こういうセンシティブなお悩みは勘弁して貰いたい。
「森川の対応のどこが不味いのか、まず理解出来ない……好きになったら結婚だろう!?」
「分かる~~!とにかく外堀埋めたいよね~~!!」
「そうだよな……?それが普通だよな!?」
アカン……同類の俺でも分かる……この面子だけでは森川の悩みは解決出来ない。
「あのさ……七海ちゃんの話は、ちゃんと聞いたのか……?」
「なんだ?俺が強引に婚約を押し進めているとでも言いたいのか!?」
「うん……」
「ぐっ……確かに俺は焦って両親に七海を紹介してしまった」
「は?親に会わせたの!?もしかして婚約者として!?」
「何か不味かったのか……?」
「たまたま遊びに来た彼女紹介したとかそういうノリじゃなくて嫁候補として紹介したってこと!?うっわ!!重過ぎ!!」
俺は自分を棚上げして森川を責めた。七海ちゃんの一友人として、黙っていられなかったのだ。森川の家はあのデッカい病院だと言う。そんな家の嫁候補として紹介されるなんて、女子高生には重荷過ぎるだろ!?
「やっぱり俺が悪かったのか……?でも七海だって俺のお嫁さんになりたいって!!」
「どうせセックス中に盛り上がって言っちまったんだろ?よくある話じゃん」
「クソォォ!!お前らみたいなモテ男と一緒にするなぁぁーーー!!分不相応なくらい可愛い子が彼女になってくれたんだぞ!?いつ他の男に奪われるかとヒヤヒヤしてしまうんだ!!」
「そんなん俺だってずっと不安だわ!!でも南は今の私を信じてって言ってくれたんだ!!七海ちゃんだって今の森川を愛してるんだろ!?まだ起こってない未来ばっかり見てんなよ!?」
「佐久間……お前……」
「ほら、あのドア開ければ女子部屋だ。さっさと七海ちゃんと仲直りしてこい!!」
「そうだな……ありがとう佐久間!!」
森川は七海ちゃんを連れて、外に出掛けた。
「じゃあ俺は南とイチャイチャしてくるから、お前ら邪魔すんなよ?」
「了解だ」
「いってら~~」
自分の好きな子以外には基本的に興味が無い二人にアッサリと見送られ、俺は女子部屋で南とイチャイチャした♡♡♡
途中盛り上がってお外エッチに誘ったら、無事仲直りした様子の七海ちゃんと森川がセックスに発展する途中を覗き見てしまい、仕方なく女子部屋のベットの中で静かに汗だくセックスをするハメになった。一生懸命声を抑える南が可愛くて可愛くて、射精がなかなか止まらなかったのはまぁ仕方ない♡♡♡
まるで上質な歌舞伎でも観たような気分になった襲名式。虹の龍まで見てしまい、大興奮の中式典は終わった。
昼食におばんざいを頂いていると、浴衣姿の一族御一行様がそれこそ歌舞伎役者の風格を漂わせて歩いて来た。そこに曾祖父さんまでやって来て、亜耶たちとバチバチに争っていた。あの曾祖父さん、相川の将来の姿かな……?
「ねぇ、相川君たち……今日は折れてあげてくれないかな?」
珍しく四人の攻防戦に割って入った南。不思議に思って部屋に着いた後、南に聞いてみた。
「んーー……何となくだけど、疲れ以外に二人が同室にならないといけない理由があるような気がしたんだよね~~……部屋もロビーから一番近い部屋を選んだでしょ?もしかして、夜中にこっそり抜け出すためとかじゃないかな?」
カップルでもない二人が何故夜中に部屋から抜け出すのかは分からないけど、何となくそう思ったのだと南は言った。
「じゃあ夜中に見張ってみる?」
「え?」
「ちょっと面白そうじゃん?」
「……そうだね♡」
「じゃあそのためにも、仮眠取ろっか♡♡♡」
「んもぉ♡♡ その前に露天風呂入りたい♡♡♡」
客室露天風呂でしっかりイチャイチャした後、仮眠どころかしっかり盛ってしまった俺たちだった♡♡♡
「肉やぁぁーーーーーッッ!!!ゔぉぉ~~ん肉やでぇぇ~~~ッッ!!!」
「肉!!刺身!!ついでに酒も持ってこぉぉーーい!!!」
「いや酒はダメだろ……」
椿の奴、実は普段からちょいちょい呑んでやがるな……?
肉に飢えた餓狼たちは目の前の肉や生魚にしか興味が無い様子で、俺たちに無関心な相川とRYO、お互い様な森川と七海ちゃんにツッコミを入れられることもなく、事後の南は熱った身体のまま和気藹々と料理を堪能していた♡♡♡
「蓮……外に出よう」
ついさっきまでウトウトしていた筈の南がパッチリと目を覚まし、外に出ようと言い出した。
深夜のロビーで待ち構えていると、なんと相川とRYOもロビーに来た。因みに森川と七海ちゃんは今頃盛り上がっているのだろうと推察する。
「何だお前たち……!?」
「僕たちも一緒に行くよ」
亜耶と椿は狼狽えながら、ロビーで待ち構えていた俺たちを見た。
「いや、お前ら全員今から何するか知らんのだろ!?」
「知らないけど、何か重要なことをするんだろう?迷惑はかけないから、見届けさせてほしい……」
亜耶と椿は顔を見合わせると、ため息をついた。
「勝手にしろ……邪魔したらマジで埋めるからな!?」
椿に凄まれ、一同は緊張した面持ちで二人の後を着いて行った。
「奇しくも全員あの時代を生きてた奴等か……相川は知らんけど」
亜耶が道中、ポツリと呟いた。
「五郎は分かってたんだろうな……だからこの旅館を予約したんだ……」
「俺たちが蒔いた因果の種は、俺たちで刈り取れってことなのかもな……」
二人にしか分からない会話をする亜耶と椿の後を黙って着いて行った。
旅館を出て国道を渡り、私有地の畑を通り抜けると、海へ続く急な階段があった。そこを降りると、洞窟があり、二人は洞窟の中を歩いて行った。
洞窟の中を奥へ奥へと進んで行く。おそらくここは海の下だ。地下に向かっているという恐怖心に耐え、洞窟の奥に辿り着くと、小さな祠があった。
亜耶が九字切りをして、椿と八回拍手をした。その後二人で不思議な響きの祝詞をあげ、さらに八拍手した。そこで俺は意識が遠退き、時間感覚が薄れ、気付いたら洞窟の前にいた。
「迷惑かけないって約束したくせにw 」
どうやら俺は、RYOに肩を借りて外まで出てきたらしい。しゃがみ込む俺に、南が心配そうに寄り添ってくれていた。
驚いたのは俺たちの他に、男が一人増えていたことだ。
「改めまして、皆さんに紹介します。御人神の紬君です。約90年の時を超えて封印から解き放たれました」
「「「「はぁーーーッッ!!?」」」」
「紬です。よろしく」
フツーに挨拶をしてきた紬と名乗る男は、旅館の部屋の中でマジマジと見てみると、白い肌に紅い瞳と、まるで吸血鬼のような出立ちの男だった。
「彼は見ての通り御人神だ。いわゆる鬼とか天狗みたいな、人型の神様だ」
「神様です。よろしく」
神様は俺たちに対して、普通の挨拶をした。俺たちはあまりの出来事に、四人ともポカーンとしてしまった。
「紬は元々ババアの婚約者だったんだ」
「人間じゃないのに!?」
「人間じゃないのにだ。まぁ異類婚譚なんて我々の業界では別に珍しい話じゃないからな。元々ババアと紬が結婚することで、この国に結界を張る予定だったんだ。しかし時の権力者にとってそれは都合の悪い結婚だった。ちょうどその頃とある研究機関のトップだった男がババアのことを欲しがり始めてな。それが今日顔を出したジジイだ。敵国の人間であるジジイと権力者の利害が一致して、結果奴等は呪詛を用いて紬をこんな洞窟の祠の中に閉じ込めたって訳だ。そんでジジイはちゃっかり浅倉家本家の当主を名乗りやがった。それからの我が国は散々だった。結界が弱まり、国力は低下し、一部の軍閥が暴走した。我が一族も外国の血が入ったことで後継ぎがなかなか決まらなかった。孫世代の五郎が当主になったのも、子供世代には荷が重過ぎて見送られたからだ。だがしかし!!時代は変わった!!一部の権力者に支配されていた我が国が大復活を迎える時だ!!」
ノリノリで話す椿の横で、紬と名乗る男は長年封印されていたにも拘らずニコニコしていた。
「紬……あの時は封印しちまってごめんな……?」
亜耶が紬に謝った。意味が分からず、一瞬混乱した。
「そうするしか無かったんだろう?それより久しぶりに桜に会いたいな~~♡♡♡」
数年振りに同級生に会うみたいなテンションで話す紬に、ますます混乱した。
「行く途中で言ってた、あの時代を生きてた奴らってどういうこと?」
RYOの質問に、亜耶と椿が顔を見合わせ、渋い顔をした。
「今から話すことは、前世に関わることだ。聞きたくない奴は手を上げろ」
誰も手を上げず、そのまま話は続けられた。
「じゃあ以降は自己責任でよろしく頼む。まず私はあの頃帝国陸軍の中尉だった。そして亜耶はジジイの研究機関の研究員だった。南には前にも話したけど、南は大陸から連れられて来たシャーマンの末裔で当時の私の婚約者。南を攫った商人の息子が蓮だ。RYOはジジイの研究機関で看護師をしていた。そしてやっと分かったことなんだが……相川は猫だ」
「猫!!?」
相川は絶叫していたけど、俺も地味にショックなんだが……。南を攫ったって……しかも椿が南の婚約者!?なんか前に見たような、親子とか恋人とか、ほのぼの甘々な関係を繰り返していたのかと思い込んでた……攫ったって……
「多分なんだが……前前世で私が助けた猫っぽいんだよな~~……で、猫は修行して猫又になったっぽいんだよな~~……」
「前世の椿が戦死したショックを今世でも引き摺ってる感じがする」
亜耶の補足を聞いて、成る程と思った。道理で椿に異常な執着をしてる訳だ。相川は猫が余程ショックだったのか、口を開けたまま放心していた。
「ちょっと待って!?じゃああのおじいさん、今いくつなの!?だってあの頃?で研究機関のトップだったんでしょ?」
RYOの質問に、二人がニヤリと笑った。
「俺たちも本当の年齢は知らんw 」
「はあ!!?」
「あの頃で既に結構なオッサンだったからな~~。もしかしたら、奴も実は人外だったりしてなw 」
「笑えないんですけど……」
確か曾祖母さんは90以上だった筈……それよりも遥かに年上!?そんなこと有り得る!?あ、でもそれを言ったら紬の存在を全否定することになる……本当に人外なのかも……
「それよりお腹すいたよ~~」
紬が空腹を訴えた。まさか生き血を寄越せとか言うんじゃないだろうな!!?
「今から夜食作ってくれるかな?」
「ポテチで良ければあるぜ?」
ポテチ!?と驚いていたら、袋を開けて美味そうにポテチを食べていた。
「紬は人間と同じものを食うからな」
へぇ……何かざんし~~ん……
一通り話が終わった後、疲れ果てた俺たちは自分の部屋に戻り、泥のように眠った。
「……どちら様……?」
「初めまして、紬です」
キョトンとする七海ちゃんに、頭を下げる御人神、紬。昨晩立ち会っていない七海ちゃんと森川は、初めましてである。紬は朝食ビュッフェを興味深そうに見て回り、見様見真似で食べたい物を取って普通にむしゃむしゃと食べていた。
「この後桜のとこに行くんだろ?」
「ああ、あのジジイがまだ本家にいるかは知らんが、紬を見たら腰抜かすぜ?w 」
椿と亜耶がニヤニヤしていたが、周りの俺たちは何と言って良いのか分からず、何も言わなかった。あまりにも非現実的な事態に、いつもはハッチャケてる相川やRYOがめちゃくちゃ大人しい。特に相川は前世が猫ということにも相当ショックを受けている様子だ。
「桜~~♡♡♡ 会いたかったよ~~♡♡♡」
「紬!!?」
紬の登場に驚いた顔を見せる曾祖母さん。曾祖母さんには何度か会っていたけど、無表情以外の顔は初めて見た。
「綺麗なお嬢さんになったね♡♡♡ あの頃は小さな女の子だったのに~~♡♡♡」
「そらあんた……90年近く経っとるからな……」
紬に抱き締められ、目を白黒させている曾祖母さんは、見た目年齢相応の、若いお嬢さんの反応だった。
「どうしたのぉ?桜ちゃ~~……おっ……お前ぇぇーーー~~ッッ!!?何でここにいるんだよぉぉーーーッッ!!?」
奥の部屋から出てきた曾祖父さんが紬の顔を見るなり叫び出した。
「お前のかつての部下たちに出して貰ったんだよ」
「はっ!?はぁ!!?亜耶お前……お前らあぁぁーーーッッ!!?よくも……よくもぉぉーーーッッ!!?」
「ジジイの形相ウケるw 」
「ざまぁw 」
曾祖父さんが怒り狂ってる間にも、紬と曾祖母さんは思い出話に花を咲かしていた。
「桜ぁぁーーーッッ!!?お前ちょっと……こっちに来いッッ!!!」
「嫌や。儂は紬とお喋りするんよ」
「桜お前……お前さぁ~~…………捨てないで……捨てないでよ桜ちゃあぁぁ~~~んっ!!!」
ギャハギャハと笑う亜耶と椿の横で、膝をつく曾祖父さん。亜耶たちは陰謀めいた話をしていたけど、このジジイは、単純に曾祖母さんに惚れ抜いた男だったのではないだろうか?そのせいで国が傾いたとしたら、シャレにならん片想いだった訳だが……。
曾祖母さんこと桜ちゃんは、まるで初恋のお兄さんに再会したかのようなテンションではしゃいでおり、紬はニコニコと桜ちゃんに向き合っていた。
「お前たちにも申し訳ないことをした……腹いせで運命の相手教えてもうて……」
「やっぱりな!!高◯山の阿闍梨と結託して、ジジイに仕込まれた子供や子孫に嫌がらせしてたんだな!?」
「まぁ半分はそうやな。踏み躙られた乙女の純情の恨みはそうそう消えへんねん。もう半分はな、やっぱりお前たちが未熟やからやで」
「あ~~……色々見えてきた今なら、まぁ分からんでもないですよ……」
紬が出てきた瞬間変性意識に入ったことで、今まで見えなかったものが色々と見えてきたのだと二人は言っていた。色々の中に、相川が猫だったことも含まれる。
「すっっごい体験しちゃったねぇ~~……」
「ホント……俺たちってちっぽけな存在だったんだね……」
「まぁ、どうせちっぽけな存在なら、楽しく幸せに生きようよ♡♡♡」
「うんっ♡♡♡」
駅に着いてからも、ずっとイチャイチャしている俺たちと、それに無関心な周りの奴ら。なかなか居心地の良い空気感だ。
「来週も会えるだろうか?」
「ごめんね、来週は美大のオープンキャンパスなの」
「ぐっ……そうか……」
「森川君も、勉強頑張ってね♡♡♡」
「もちろんだ♡♡♡」
何とか擦り合わせが上手くいった森川と七海ちゃん。やはり二人の今後の関係は、森川の執着心が課題である……と、自分を棚上げして言ってみる。
「ねぇ亜耶~~……俺ってどんな看護師だったの?マジで女だった?何で看護師になったの?」
「ぐっ……俺も詳しく知らねーよ……あんま関わり無かったし……」
自分の前世をやたらと聞きたがるRYOにお茶を濁す亜耶。多分だけど、敢えて言ってないことが沢山ありそうだ。
「椿ちゃん……椿ちゃんに擦り寄りたくて堪らなくなるのは、僕が猫だったから??」
「ふふっ……さあなw 」
猫だと知ってショックを受ける相川と、猫だと知って前より当たりが柔らかくなった椿。確か以前に猫派だと言っていたような……。
高校がこっちの相川以外は、みんな新幹線に乗って帰る。そう言えば前回の旅行では行きも帰りも空港をわざわざこっちに合わせてたな……恐るべし相川の執念……。
「ほな、みんな元気でな」
「元気でね~~♡♡♡」
当主の肩の荷が降りたからなのか、それとも初恋のお兄さんに会えたからなのか、以前より雰囲気が柔らかくなった曾祖母さんと、初めて見る景色に興味津々な紬。
「ババアもな。寝込んでるジジイにも宜しく言っといてくれ」
「あんなもんほっといたらええねん」
曾祖母さんの塩対応に苦笑いする亜耶と椿。この先ジジババがどうなるかは知らないけど、みんなが納得出来る結末になると良いな……。
「椿ちゃんッッ……僕また会いに行くからね!?」
「ぶはっ!勝手にしろw 」
そう言って笑う椿からは、もう拒絶の意思は読み取れなかった。
結界を解いたことで、みんなの関係が少しずつ変わった、不思議な三日間だった。
……やっぱり南を攫ったってところが引っ掛かる、細かいことが気になる俺であった……
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