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ゴブリンVS.獣人
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訓練室は一辺が三十メートルの何もない空間だった。
今この部屋にいるのは審判であるレイと志願者のゼルとジャオだけである。
「準備はいいな」
「いつでも」
「おう!」
「では、試合開始!」
その合図とともにレイは後ろに飛び二人から距離を取った。
「先手は譲ってやる。どこからでもかかってこい」
「気に入らねぇな、その余裕。魔法も使わねぇとか言って俺を舐めてんのか?」
「当然だ。力の差は歴然。お前に勝てる見込みなどない」
「そうかよ。俺には負けた時の言い訳を作ってるだけにしか見えねぇが?」
「なんだと?」
今まで平然としていたジャオが初めて怒りを露わにした。
「そこまで言うなら完膚なきまでに叩き潰してやる。死んでも文句は言うなよ!」
ジャオはドンっと床がへこむほどの脚力で踏み込んだ後、一瞬でゼルとの間合いを詰め、その鋭い爪を腕ごと振り下ろす。
「死ね」
ジャオの攻撃は確実にゼルを捉えていた。
……はずだった。
「なに!? きえ……!」
振り下ろした腕は空を切り、さっきまでいた場所からゼルの姿が消えていた。
「こっちだ」
「っ!」
背後から声が聞こえ、振り向こうとするジャオ。
「おせぇ」
ゼルの蹴りがジャオを襲う。
「っく!」
だが、ジャオは咄嗟に左腕でゼルの蹴りを受け止めた。
「おお、やっぱりビーストだな。反応が早い」
「こっんの!」
ジャオは左腕を大きく振り、ゼルの足を弾き飛ばした。
「よっ」
けれど、ゼルはなんてことないように空中で一回転してから綺麗に着地した。
「(なんだ! 今何が起きた!?)」
ジャオは混乱していた。
「(俺のスピードについてこられるだけじゃない。俺の目で追えない速度で躱したのか? いいや、それはあり得ない。ゴブリンの身体能力でそんなことは不可能だ。考えうる可能性としては私と奴の身長差を利用して死角をぬって背後を取ったとみるべきだろう。それともう一つ不可解な点が……)」
彼は頭を回転させながら自分の左腕を見る。
「(さっき奴の蹴りを受けたとき、左腕が一瞬だけ痺れた。ゴブリンとは思えない蹴りの重さだった。一体奴は何をした? 何か種があるはずだ。それを見極める!)」
ジャオは石で出来た床に指を食い込ませ、それを掴んで持ち上げる。
「うわ、マジかよ。地面をえぐりやがった」
そして、彼は地面からえぐり取った石の塊を軽く砕いて小さな礫とした。
「こいつならどうだ!」
ジャオは小さくした石の礫をゼルに向かって投げつける。
小さいと言ってもビーストの腕力で投げられたそれは当たれば確実に皮膚を貫通する。それはまるで降り注ぐ弾丸のようであった。
そんな状況だというのにゼルは恐れるどころか笑っていた。
「当たったら痛そうだ。だから、全部避けねぇとな」
そう言うと、ゼルは木刀を構えて……いや、構えず肩の力を抜き、足元はおぼつかなく体がふらふらしていた。
「なにを……?」
ゼルの行動を訝しんだジャオだったが、攻撃の手は止めず、次々地面から弾になる石をえぐり取り、ゼルに投げつける。
「天導流唯式二ノ型……」
ただふらふらしているだけのゼル。そんな彼にジャオの放った石の礫が当たろうとしたその時。
「なん、だと……?」
ゼルに当たりそうになった礫はギリギリで軌道が逸れていく。
「“白袖の舞”」
何もせず軌道が逸れたわけではない。当たりそうになった瞬間、ゼルは木刀でその軌道をずらしていた。
もちろん、たった一本の木刀だけでは防ぎきれない。
だから、ゼルは体を揺らしながら、礫が当たらない隙間をかいくぐっていく。
それはまるで踊っているかのように。
「なぜだ! なぜ当たらない!」
ジャオは当たらないと分かっていながらも石の礫の攻撃を止めなかった。
「(木刀で俺の投げた石をまともに受ければまず間違いなく木刀はへし折れる。だが、八の木刀は何故か折れない。一体何をして……)」
ジャオが考えているこの間もゼルは攻撃をかわし続け、一歩一歩近づいてきている。
「っ! そうか!」
ゼルの技の種が分かったジャオは攻撃の手を止めた。
「お前、俺の攻撃をまともに受けず、受け流しているな? 木刀で弾き飛ばさずに擦るようにして礫の軌道を少しだけずらすことによって木刀がへし折れないようにしている。そうだろ?」
「ああ、そうだ。“白袖の舞”はそういう技だ」
「白袖の舞……お前はさっき言っていたな。天導流と。それがお前の不思議な力の正体か?」
「天導流はゴブリンである俺でもお前たちみたいなのと戦うことが出来る武術だ。俺はこれを十年かけて会得した。勇者になる為に」
「勇者だと? 何を言っている。ゴブリンであるお前がなれるわけがないだろ。そもそも騎士団にすら入れない」
「お前こそ何言ってんだ? お前に勝てば騎士団には入れんだろ?」
「それが不可能だから言っている」
「いいぜ、じゃあ、お前に勝って証明してやる」
今度はゼルから攻撃を仕掛ける。
一足でジャオの懐に入り、顔に切っ先を向けて放つ。
「っ!」
ジャオは首を曲げて、その突きを躱す。
「その速度も天導流か?」
「ああ、天導流無式“月影”っていうんだ」
「ったく、厄介だなぁ!!」
ジャオは大きく口を開けてゼルに咬みつこうとする。
「よっと」
ゼルはジャオの右腕を足場代わりにして上に飛び回避する。
「そいつぁ判断ミスだぜ! 空中じゃ身動きとれねぇだろ!」
ジャオはゼルが落ちてくるタイミングに合わせて両手の爪で攻撃を仕掛ける。
「そうでもないさ。天導流無式……」
もらった。そうジャオが確信した瞬間。
「“無月”」
「なっ、に……」
ゼルは空中を蹴って方向転換し、ジャオの背後を取る。
「空中を蹴って……」
予想外の出来事にジャオの思考は停止してしまった。
当然、その隙を逃すゼルではない。
「天導流唯式一ノ型……」
ジャオの背中目掛けて、ゼルは木刀を真一文字に振りぬいた。
「“神薙”」
「がはっ!」
ゼルの攻撃をまともに食らったジャオはそのまま訓練室の壁まで吹き飛び、そして、そのまま動かなかった。
「悪いな。俺の目標は入団じゃねぇ。その先にあんだよ。だから、こんなとこでつまずいてなんかいられねぇよ」
今この部屋にいるのは審判であるレイと志願者のゼルとジャオだけである。
「準備はいいな」
「いつでも」
「おう!」
「では、試合開始!」
その合図とともにレイは後ろに飛び二人から距離を取った。
「先手は譲ってやる。どこからでもかかってこい」
「気に入らねぇな、その余裕。魔法も使わねぇとか言って俺を舐めてんのか?」
「当然だ。力の差は歴然。お前に勝てる見込みなどない」
「そうかよ。俺には負けた時の言い訳を作ってるだけにしか見えねぇが?」
「なんだと?」
今まで平然としていたジャオが初めて怒りを露わにした。
「そこまで言うなら完膚なきまでに叩き潰してやる。死んでも文句は言うなよ!」
ジャオはドンっと床がへこむほどの脚力で踏み込んだ後、一瞬でゼルとの間合いを詰め、その鋭い爪を腕ごと振り下ろす。
「死ね」
ジャオの攻撃は確実にゼルを捉えていた。
……はずだった。
「なに!? きえ……!」
振り下ろした腕は空を切り、さっきまでいた場所からゼルの姿が消えていた。
「こっちだ」
「っ!」
背後から声が聞こえ、振り向こうとするジャオ。
「おせぇ」
ゼルの蹴りがジャオを襲う。
「っく!」
だが、ジャオは咄嗟に左腕でゼルの蹴りを受け止めた。
「おお、やっぱりビーストだな。反応が早い」
「こっんの!」
ジャオは左腕を大きく振り、ゼルの足を弾き飛ばした。
「よっ」
けれど、ゼルはなんてことないように空中で一回転してから綺麗に着地した。
「(なんだ! 今何が起きた!?)」
ジャオは混乱していた。
「(俺のスピードについてこられるだけじゃない。俺の目で追えない速度で躱したのか? いいや、それはあり得ない。ゴブリンの身体能力でそんなことは不可能だ。考えうる可能性としては私と奴の身長差を利用して死角をぬって背後を取ったとみるべきだろう。それともう一つ不可解な点が……)」
彼は頭を回転させながら自分の左腕を見る。
「(さっき奴の蹴りを受けたとき、左腕が一瞬だけ痺れた。ゴブリンとは思えない蹴りの重さだった。一体奴は何をした? 何か種があるはずだ。それを見極める!)」
ジャオは石で出来た床に指を食い込ませ、それを掴んで持ち上げる。
「うわ、マジかよ。地面をえぐりやがった」
そして、彼は地面からえぐり取った石の塊を軽く砕いて小さな礫とした。
「こいつならどうだ!」
ジャオは小さくした石の礫をゼルに向かって投げつける。
小さいと言ってもビーストの腕力で投げられたそれは当たれば確実に皮膚を貫通する。それはまるで降り注ぐ弾丸のようであった。
そんな状況だというのにゼルは恐れるどころか笑っていた。
「当たったら痛そうだ。だから、全部避けねぇとな」
そう言うと、ゼルは木刀を構えて……いや、構えず肩の力を抜き、足元はおぼつかなく体がふらふらしていた。
「なにを……?」
ゼルの行動を訝しんだジャオだったが、攻撃の手は止めず、次々地面から弾になる石をえぐり取り、ゼルに投げつける。
「天導流唯式二ノ型……」
ただふらふらしているだけのゼル。そんな彼にジャオの放った石の礫が当たろうとしたその時。
「なん、だと……?」
ゼルに当たりそうになった礫はギリギリで軌道が逸れていく。
「“白袖の舞”」
何もせず軌道が逸れたわけではない。当たりそうになった瞬間、ゼルは木刀でその軌道をずらしていた。
もちろん、たった一本の木刀だけでは防ぎきれない。
だから、ゼルは体を揺らしながら、礫が当たらない隙間をかいくぐっていく。
それはまるで踊っているかのように。
「なぜだ! なぜ当たらない!」
ジャオは当たらないと分かっていながらも石の礫の攻撃を止めなかった。
「(木刀で俺の投げた石をまともに受ければまず間違いなく木刀はへし折れる。だが、八の木刀は何故か折れない。一体何をして……)」
ジャオが考えているこの間もゼルは攻撃をかわし続け、一歩一歩近づいてきている。
「っ! そうか!」
ゼルの技の種が分かったジャオは攻撃の手を止めた。
「お前、俺の攻撃をまともに受けず、受け流しているな? 木刀で弾き飛ばさずに擦るようにして礫の軌道を少しだけずらすことによって木刀がへし折れないようにしている。そうだろ?」
「ああ、そうだ。“白袖の舞”はそういう技だ」
「白袖の舞……お前はさっき言っていたな。天導流と。それがお前の不思議な力の正体か?」
「天導流はゴブリンである俺でもお前たちみたいなのと戦うことが出来る武術だ。俺はこれを十年かけて会得した。勇者になる為に」
「勇者だと? 何を言っている。ゴブリンであるお前がなれるわけがないだろ。そもそも騎士団にすら入れない」
「お前こそ何言ってんだ? お前に勝てば騎士団には入れんだろ?」
「それが不可能だから言っている」
「いいぜ、じゃあ、お前に勝って証明してやる」
今度はゼルから攻撃を仕掛ける。
一足でジャオの懐に入り、顔に切っ先を向けて放つ。
「っ!」
ジャオは首を曲げて、その突きを躱す。
「その速度も天導流か?」
「ああ、天導流無式“月影”っていうんだ」
「ったく、厄介だなぁ!!」
ジャオは大きく口を開けてゼルに咬みつこうとする。
「よっと」
ゼルはジャオの右腕を足場代わりにして上に飛び回避する。
「そいつぁ判断ミスだぜ! 空中じゃ身動きとれねぇだろ!」
ジャオはゼルが落ちてくるタイミングに合わせて両手の爪で攻撃を仕掛ける。
「そうでもないさ。天導流無式……」
もらった。そうジャオが確信した瞬間。
「“無月”」
「なっ、に……」
ゼルは空中を蹴って方向転換し、ジャオの背後を取る。
「空中を蹴って……」
予想外の出来事にジャオの思考は停止してしまった。
当然、その隙を逃すゼルではない。
「天導流唯式一ノ型……」
ジャオの背中目掛けて、ゼルは木刀を真一文字に振りぬいた。
「“神薙”」
「がはっ!」
ゼルの攻撃をまともに食らったジャオはそのまま訓練室の壁まで吹き飛び、そして、そのまま動かなかった。
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