7 / 43
初任務
しおりを挟む
レミリアさんから衝撃の事実を聞き、私とヘイヴィアは二人そろってゼルの方を見た。
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、ゴブリンがどうやったらビーストに勝てんだよ!」
ヘイヴィアの言うことに私は全力で首を縦に振った。
ゴブリンは魔法が使えない。それだけでも相当なハンデを背負っているのに、身体能力が最強クラスのビースト相手にどう立ち回ったら勝てるのだろうか。
仮にそんなことが可能だとしたら、この世界の常識が覆ってしまう。
「どう勝ったか。アタシが口で説明するより、実際にその戦いぶりを見ればわかるだろう。これから一緒に仕事をしていくんだ。そんな機会は山ほどあるだろうよ」
えっと、ちょっと待ってよ。もし、もしだよ? 本当にゼルがビーストに勝ったとしたら……。私ってゴブリン以下ってこと!?
いや、流石にプライドをかなぐり捨てた私でもそれはちょっと心にくるものがあると言うかなんと言うか。
「へっ!」
と、当の本人はドヤ顔を決めて、鼻で笑っていた。
どうしよう。ものすごく殴りたくてしょうがない。
「ま、色々と思うところがあるだろうが、それは一旦置いておいて、アンタたちに初日の任務を言い渡す」
「ちょっと待ってください。え、任務って。私たちまだここに来たばかりで何の説明も受けてないんですけど」
「説明? そんなもん、現場で学べ」
うわ、メチャクチャブラックだ! やっぱり第七師団は想像通りやばいところだった!
「お、いきなり任務か。おっしゃテンション上がってきた」
「ふ、初任務か。ここで功績をあげて一気に勇者へ近づくぜ」
と、不安でいっぱいの私とは正反対にバカ二人はやる気満々のようだ。
これが同期ってマジですか? このノリがこの先も続くんだとしたら、私のメンタル持たないよ? はぁ~病む。
「よしよし、やる気は十分だな。つっても今からアンタたちに任せる任務は大したもんじゃない。ただのパトロールだ」
「パトロール?」
「そう。第七師団管轄の地区の見回りをしてもらう」
見回り? それなら簡単そうかも。だって、騎士団の管轄内なんて犯罪率が極端に低いから、犯罪者に出くわす可能性はないに等しい。
パトロールって言うよりは色んな街を観光する感覚に近いかもしれない。
よかったー! いきなりヤバげな任務ふられなくて。
と、私は一安心したのだが……。
「「…………はぁ」」
明らかに不満げな表情を浮かべてるのが若干二名。
「んじゃ、三人で行ってこい」
「え? レミリアさんは一緒についてきてくれないんですか?」
「何言ってんだ。行くわけないだろ。せっかく新人が来て、仕事押し付けられたのにアタシが行ったんじゃさぼれないじゃん」
うわ! この人最低だ!
「でも、もし、何かあった時はどうすればいいんですか?」
「そりゃ、お前たちがどうにかしろ」
やっぱりこの人無茶苦茶だ!
こうなったら、問題ごとに出くわさないことを祈ろう。
「ってことで、よろしく」
そう言って、レミリアさんは二階へ上がっていってしまった。
本当に手伝う気はないらしい。
「あれ? でも、パトロールするって言ってもどこに行けばいいの?」
レミリアさんは第七師団の管轄の場所と言っていたが、私たちはその詳しい場所や見回りルートを教えてもらっていない。
「適当でいいだろ」
「いいのそれで? 初任務だよ?」
「いいだろ」
「めんどいしそれでいいよもう」
うわー、この二人マジでやる気無くしてるよ。さっきのテンションどこ行ったの?
って言っても私もそこまで意識高い系じゃないから、それでもいいんだけど。
だって、巡回ルート教えない先輩が悪いしね! うん、ワタシワルクナイ。
「じゃあ、箒に乗って近場の街に……ってそうだ。ゼル、飛べないよね?」
魔力を持っている者なら誰でも箒に乗って空を飛ぶことが出来る。この国では主要な移動手段として箒が用いられる。
しかし、魔力のないゼルは箒に乗って飛ぶことが出来ない。
「あーそうだな。じゃ、後ろに乗せてくれ」
「はぁ~これだからゴブリンは。足手まといじゃねぇか」
「うっせ、お前には言ってねぇよ。地味顔」
「は? 誰が地味顔だ!」
「お前だよ。グラサンかけてる奴は自分のキャラの薄さを誤魔化すためにグラサン利用してるって決まってんだよ」
「んだよその偏見は! これは目が日光に弱いからかけてんだよ! キャラ設定の為じゃねぇ!」
「どうだかな。グラサン取ったらどうせモブキャラと見分けがつかねぇだろ」
「モブっつたら、てめぇの方がお似合いじゃねぇか。雑魚キャラが」
「あ? やんのか?」
「てめぇこそ!」
えー、なんでまた喧嘩始めるのこの二人は……。もういい加減にしてほしいよ……。
「はいはい、分かったから。ゼルは私の後ろに乗っていいから」
とりあえず、ここで揉められても面倒なので、私が間に入ってなだめる。
本当は二人乗りだと魔力をいつもより多く消費してしまうため、やりたくはないんだけど、ここは私が折れたほうが良さそう。
はぁ~、こんなんでこの先上手くやっていけるのだろうか。
そんな不安を抱えながら、私は初任務へと繰り出すのだった。
「おぉ~! すげえ! たけー!」
「ちょっと、大人しくしてて。落ちちゃう」
私の後ろに乗っているゼルは箒で空に飛ぶのが初めてだからか、やたらと興奮していて、箒をめちゃめちゃに揺らしてくる。
箒の扱いに慣れてはいるが、二人乗りは初めてなので、ちょっといつもより制御が難しい。
その為、あまり余計なことをされると真っ逆さまに落ちてしまう。
この高さから落ちたら、まぁ無事では済まないだろう。
「わりぃわりぃ。で、これ今どこ向かってんだ?」
「私に聞かれても分かんないよ。前を飛んでいるのはヘイヴィアなんだから」
ということで、ヘイヴィアにどこへ向かっているのか聞いてみたが……。
「え? 知らんけど。適当に飛んでる」
わお。マジですか? 本当に行先決めずに飛んでるよ。さっき言ってた適当に見回るってそういうことだったの?
「とりあえず、近くの街に向かった方がいいんじゃない? このまま飛んでてもしょうがないでしょ?」
「あーそうだな。で、近くの街ってどこにあるんだ?」
「はい?」
今この人なんて言いました?
「いやーこの辺土地勘なくて全然わからんわ」
じゃあ、なんで前を飛んでるの!?
と、ツッコみたい気持ちをグッとこらえる。
「土地勘ないって言っても、学校の授業とかで地図は見てるでしょ?」
カリスト帝国は広大な土地を有する国であるため、その全ての場所を把握することは難しい。
だが、私たちがさっきまでいた第七師団支部があるオフィーリアと言う街はそれなりに栄えていて、義務教育でも覚えさせる街の一つである。
だから、その周辺にある街は完全に把握していなかったとしても何となくは見覚えがあるはず。
「学校? いや、俺はこの国の人間じゃないから、知らねぇー」
「へ? ヘイヴィアって外国から来たの?」
「ああ、そうだ」
衝撃的事実発覚!
「だ、だとしても、自分が配属される支部の周辺地図くらいは事前に把握しておくものじゃないの?」
「えーそうなの? でも、地図とかごちゃごちゃしてて嫌いだ」
好き嫌いの問題じゃないんだけど……。
「あ、ちなみに俺も分かんねぇー」
なんかゼルが言ってるけど、うん、最初から期待してなかったから、大丈夫でーす。
とにかく、今この場でこの辺の地形を把握しているのは私だけなのは分かった。
えっと、今は支部を出て、北西の方向に約一時間真っすぐ進んできたから、この近辺だと候補は三つくらいかな?
う~んどこ行ったらいいんだろう。正直、この二人に聞いても何一つ参考にならないと思うから、私の判断で決めるしかないんだけど。
ま、候補の中で一番栄えてるあそこでいいかな。
「それじゃあ、ここから南に……え?」
私は嫌な感じがして、そこで言葉を止めた。
「なんだ? どうした?」
「なんかあったのか?」
私が不自然に言葉に詰まったからか、二人が心配そうに私の方を見る。
「二人とも今の感じなかった?」
「感じた? 何を?」
「ん? もしかして、雨か? でも、天気はいいぞ?」
ダメだ。この二人全く気付いてない。
と言うか、若干一名は魔力を持っていないからしょうがないか。
「今、北の方から強い魔法が使われた気配を感じたの」
「ああ、魔力感知か」
魔力感知。
それは魔力を持っている者ならば、誰しもが有している感覚の一つである。
今のように魔法が使われた時にその場所が分かったり、極めれば魔力で個人を特定出来るようになる。
「俺、それ苦手だから、何も感じなかったけど、魔法って日常生活でも結構使われるだろ? それじゃないのか?」
「うんん、この感じは多分、攻撃魔法だと思う」
「「…………」」
それを聞いて、二人は真剣な顔つきになった。
「それ、どこだ? 距離とかまで分かるか?」
「詳しい距離は分からないけど、私が感知出来る範囲から考えるとそんなに遠くないと思う。多分だけど、ここから北にあるアルケ村だと思うけど……」
正直、自信はない。だから、どうしても言葉が尻すぼみになってしまう。
なのに……。
「よし、急ごう」
「マナ、そこまで案内してくれ」
二人は私の言葉を一切疑わなかった。
「え、でも、気のせいかもしれないし……」
「それならそれで別にいい」
「ああ、そうだ。どうせ、行く宛てなんか決まってないんだ。行かないで後悔するくらいなら行って後悔した方がいい」
「うん、分かった。案内するから、ついてきて」
最悪の事態を考えて、私たちは全速力でアルケ村へと向かうのだった。
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、ゴブリンがどうやったらビーストに勝てんだよ!」
ヘイヴィアの言うことに私は全力で首を縦に振った。
ゴブリンは魔法が使えない。それだけでも相当なハンデを背負っているのに、身体能力が最強クラスのビースト相手にどう立ち回ったら勝てるのだろうか。
仮にそんなことが可能だとしたら、この世界の常識が覆ってしまう。
「どう勝ったか。アタシが口で説明するより、実際にその戦いぶりを見ればわかるだろう。これから一緒に仕事をしていくんだ。そんな機会は山ほどあるだろうよ」
えっと、ちょっと待ってよ。もし、もしだよ? 本当にゼルがビーストに勝ったとしたら……。私ってゴブリン以下ってこと!?
いや、流石にプライドをかなぐり捨てた私でもそれはちょっと心にくるものがあると言うかなんと言うか。
「へっ!」
と、当の本人はドヤ顔を決めて、鼻で笑っていた。
どうしよう。ものすごく殴りたくてしょうがない。
「ま、色々と思うところがあるだろうが、それは一旦置いておいて、アンタたちに初日の任務を言い渡す」
「ちょっと待ってください。え、任務って。私たちまだここに来たばかりで何の説明も受けてないんですけど」
「説明? そんなもん、現場で学べ」
うわ、メチャクチャブラックだ! やっぱり第七師団は想像通りやばいところだった!
「お、いきなり任務か。おっしゃテンション上がってきた」
「ふ、初任務か。ここで功績をあげて一気に勇者へ近づくぜ」
と、不安でいっぱいの私とは正反対にバカ二人はやる気満々のようだ。
これが同期ってマジですか? このノリがこの先も続くんだとしたら、私のメンタル持たないよ? はぁ~病む。
「よしよし、やる気は十分だな。つっても今からアンタたちに任せる任務は大したもんじゃない。ただのパトロールだ」
「パトロール?」
「そう。第七師団管轄の地区の見回りをしてもらう」
見回り? それなら簡単そうかも。だって、騎士団の管轄内なんて犯罪率が極端に低いから、犯罪者に出くわす可能性はないに等しい。
パトロールって言うよりは色んな街を観光する感覚に近いかもしれない。
よかったー! いきなりヤバげな任務ふられなくて。
と、私は一安心したのだが……。
「「…………はぁ」」
明らかに不満げな表情を浮かべてるのが若干二名。
「んじゃ、三人で行ってこい」
「え? レミリアさんは一緒についてきてくれないんですか?」
「何言ってんだ。行くわけないだろ。せっかく新人が来て、仕事押し付けられたのにアタシが行ったんじゃさぼれないじゃん」
うわ! この人最低だ!
「でも、もし、何かあった時はどうすればいいんですか?」
「そりゃ、お前たちがどうにかしろ」
やっぱりこの人無茶苦茶だ!
こうなったら、問題ごとに出くわさないことを祈ろう。
「ってことで、よろしく」
そう言って、レミリアさんは二階へ上がっていってしまった。
本当に手伝う気はないらしい。
「あれ? でも、パトロールするって言ってもどこに行けばいいの?」
レミリアさんは第七師団の管轄の場所と言っていたが、私たちはその詳しい場所や見回りルートを教えてもらっていない。
「適当でいいだろ」
「いいのそれで? 初任務だよ?」
「いいだろ」
「めんどいしそれでいいよもう」
うわー、この二人マジでやる気無くしてるよ。さっきのテンションどこ行ったの?
って言っても私もそこまで意識高い系じゃないから、それでもいいんだけど。
だって、巡回ルート教えない先輩が悪いしね! うん、ワタシワルクナイ。
「じゃあ、箒に乗って近場の街に……ってそうだ。ゼル、飛べないよね?」
魔力を持っている者なら誰でも箒に乗って空を飛ぶことが出来る。この国では主要な移動手段として箒が用いられる。
しかし、魔力のないゼルは箒に乗って飛ぶことが出来ない。
「あーそうだな。じゃ、後ろに乗せてくれ」
「はぁ~これだからゴブリンは。足手まといじゃねぇか」
「うっせ、お前には言ってねぇよ。地味顔」
「は? 誰が地味顔だ!」
「お前だよ。グラサンかけてる奴は自分のキャラの薄さを誤魔化すためにグラサン利用してるって決まってんだよ」
「んだよその偏見は! これは目が日光に弱いからかけてんだよ! キャラ設定の為じゃねぇ!」
「どうだかな。グラサン取ったらどうせモブキャラと見分けがつかねぇだろ」
「モブっつたら、てめぇの方がお似合いじゃねぇか。雑魚キャラが」
「あ? やんのか?」
「てめぇこそ!」
えー、なんでまた喧嘩始めるのこの二人は……。もういい加減にしてほしいよ……。
「はいはい、分かったから。ゼルは私の後ろに乗っていいから」
とりあえず、ここで揉められても面倒なので、私が間に入ってなだめる。
本当は二人乗りだと魔力をいつもより多く消費してしまうため、やりたくはないんだけど、ここは私が折れたほうが良さそう。
はぁ~、こんなんでこの先上手くやっていけるのだろうか。
そんな不安を抱えながら、私は初任務へと繰り出すのだった。
「おぉ~! すげえ! たけー!」
「ちょっと、大人しくしてて。落ちちゃう」
私の後ろに乗っているゼルは箒で空に飛ぶのが初めてだからか、やたらと興奮していて、箒をめちゃめちゃに揺らしてくる。
箒の扱いに慣れてはいるが、二人乗りは初めてなので、ちょっといつもより制御が難しい。
その為、あまり余計なことをされると真っ逆さまに落ちてしまう。
この高さから落ちたら、まぁ無事では済まないだろう。
「わりぃわりぃ。で、これ今どこ向かってんだ?」
「私に聞かれても分かんないよ。前を飛んでいるのはヘイヴィアなんだから」
ということで、ヘイヴィアにどこへ向かっているのか聞いてみたが……。
「え? 知らんけど。適当に飛んでる」
わお。マジですか? 本当に行先決めずに飛んでるよ。さっき言ってた適当に見回るってそういうことだったの?
「とりあえず、近くの街に向かった方がいいんじゃない? このまま飛んでてもしょうがないでしょ?」
「あーそうだな。で、近くの街ってどこにあるんだ?」
「はい?」
今この人なんて言いました?
「いやーこの辺土地勘なくて全然わからんわ」
じゃあ、なんで前を飛んでるの!?
と、ツッコみたい気持ちをグッとこらえる。
「土地勘ないって言っても、学校の授業とかで地図は見てるでしょ?」
カリスト帝国は広大な土地を有する国であるため、その全ての場所を把握することは難しい。
だが、私たちがさっきまでいた第七師団支部があるオフィーリアと言う街はそれなりに栄えていて、義務教育でも覚えさせる街の一つである。
だから、その周辺にある街は完全に把握していなかったとしても何となくは見覚えがあるはず。
「学校? いや、俺はこの国の人間じゃないから、知らねぇー」
「へ? ヘイヴィアって外国から来たの?」
「ああ、そうだ」
衝撃的事実発覚!
「だ、だとしても、自分が配属される支部の周辺地図くらいは事前に把握しておくものじゃないの?」
「えーそうなの? でも、地図とかごちゃごちゃしてて嫌いだ」
好き嫌いの問題じゃないんだけど……。
「あ、ちなみに俺も分かんねぇー」
なんかゼルが言ってるけど、うん、最初から期待してなかったから、大丈夫でーす。
とにかく、今この場でこの辺の地形を把握しているのは私だけなのは分かった。
えっと、今は支部を出て、北西の方向に約一時間真っすぐ進んできたから、この近辺だと候補は三つくらいかな?
う~んどこ行ったらいいんだろう。正直、この二人に聞いても何一つ参考にならないと思うから、私の判断で決めるしかないんだけど。
ま、候補の中で一番栄えてるあそこでいいかな。
「それじゃあ、ここから南に……え?」
私は嫌な感じがして、そこで言葉を止めた。
「なんだ? どうした?」
「なんかあったのか?」
私が不自然に言葉に詰まったからか、二人が心配そうに私の方を見る。
「二人とも今の感じなかった?」
「感じた? 何を?」
「ん? もしかして、雨か? でも、天気はいいぞ?」
ダメだ。この二人全く気付いてない。
と言うか、若干一名は魔力を持っていないからしょうがないか。
「今、北の方から強い魔法が使われた気配を感じたの」
「ああ、魔力感知か」
魔力感知。
それは魔力を持っている者ならば、誰しもが有している感覚の一つである。
今のように魔法が使われた時にその場所が分かったり、極めれば魔力で個人を特定出来るようになる。
「俺、それ苦手だから、何も感じなかったけど、魔法って日常生活でも結構使われるだろ? それじゃないのか?」
「うんん、この感じは多分、攻撃魔法だと思う」
「「…………」」
それを聞いて、二人は真剣な顔つきになった。
「それ、どこだ? 距離とかまで分かるか?」
「詳しい距離は分からないけど、私が感知出来る範囲から考えるとそんなに遠くないと思う。多分だけど、ここから北にあるアルケ村だと思うけど……」
正直、自信はない。だから、どうしても言葉が尻すぼみになってしまう。
なのに……。
「よし、急ごう」
「マナ、そこまで案内してくれ」
二人は私の言葉を一切疑わなかった。
「え、でも、気のせいかもしれないし……」
「それならそれで別にいい」
「ああ、そうだ。どうせ、行く宛てなんか決まってないんだ。行かないで後悔するくらいなら行って後悔した方がいい」
「うん、分かった。案内するから、ついてきて」
最悪の事態を考えて、私たちは全速力でアルケ村へと向かうのだった。
0
あなたにおすすめの小説
ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~
とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。
先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。
龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。
魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。
バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
なぜ、最強の勇者は無一文で山に消えたのか? ──世界に忘れられ、ひび割れた心のまま始めたダークスローライフ。 そして、虹の種は静かに育ち始め
イニシ原
ファンタジー
ダークスローライフで癒しに耐えろ。
孤独になった勇者。
人と出会わないことで進む時間がスローになるのがダークスローライフ。
ベストな組み合わせだった。
たまに来る行商人が、唯一の接点だった。
言葉は少なく、距離はここちよかった。
でも、ある日、虹の種で作ったお茶を飲んだ。
それが、すべての始まりだった。
若者が来た。
食料を抱えて、笑顔で扉を叩く。
断っても、また来る。
石を渡せば帰るが、次はもっと持ってくる。
優しさは、静けさを壊す。
逃げても、追いつかれる。
それでも、ほんの少しだけ、
誰かと生きたいと思ってしまう。
これは、癒しに耐える者の物語。
***
登場人物の紹介
■ アセル
元勇者。年齢は40に近いが、見た目は16歳。森の奥でひとり暮らしている。
■ アーサー
初老の男性。アセルが唯一接点を持つ人物。たまに森を訪れる。
■ トリス
若者。20代前半。アーサー行方不明後、食料を抱えて森の家を訪れる。
異世界に無一文投下!?鑑定士ナギの至福拠点作り
花垣 雷
ファンタジー
「何もないなら、創ればいい。等価交換(ルール)は俺が書き換える!」
一文無しで異世界へ放り出された日本人・ナギ。
彼が持つ唯一の武器は、万物を解析し組み替える【鑑定】と【等価交換】のスキルだった。
ナギは行き倒れ寸前で出会った、最強の女騎士エリスと出会う。現代知識とチート能力を駆使して愛する家族と仲間たちのために「至福の居場所」を築き上げる、異世界拠点ファンタジーストーリー!
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる