漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

KeyBow

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序章 私刑人誕生編

第7話 私刑

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 俺は黒い服に着替え、以前魔物を倒した時に得たマスクを手に取ると出発した。
 そのマスクはジェネラルのドロップ品だ。
 獲物は両側に刃があるツーブレードという奴だ。
 とはいえ、片方は斬る為の刃がない。
 短い突起があるような形状で、返す剣で突き刺す感じだ。
 刃渡りは15cmほどしかなく、刺さって抜けなくなる事もない。

 刃がある側は刃渡り30cmと剣というには短いが、コンバットナイフより長い。
 ただ、短いが取り回しはすこぶる良い。
 俺のサブウェポンだ。

 ショートソードの1種として使う。また、突起部分は短いので気を付けないとだが、分厚いというか四角なので強度が高い。
 武器を受けたりしても壊れないタフさがある。いや、逆に武器破壊を狙える。いわゆるソードブレーカーというやつだ。

 先日マスクをゲットした時に一緒にゲットした剣だ。
 中途半端なので予備武器としか思えなかったが、狭い裏路地等でその力を発揮するはずだ。
 ナイフ相手には無双できる。

 今日は新たに仲間になったマリニアと同部屋となり、奴が寝たので俺は起こさないよにそっと着替えてから出掛ける。

 まずは情報屋に向う。
 小汚い酒場の隣にある一見するとただの住居だ。
 裏口から入ると、30歳手前の小柄な奴が現れた。

「くくく。こんな時間に珍しいですな。何を知りたいのです?」

「昨夜ギルドの受け付け嬢が自殺したのは知っているな?」

「旦那を襲った奴ですぜ!」

「話しが早い。どこに行けば遭遇できる?」

「どうするので?」

「分かっているだろう?婚約者から依頼を受けた。だから場所を言え」

「くくく。黒マスクは旦那でしたか。今日は・・・」

 俺は場所を聞くと頷いた。

「幾らだ?」

「いりやしません。奴らはやり過ぎましたからな。酔っ払いからカツアゲする位にしておけば良いものを」

 俺は情報屋を出るとマスクを被る。
 これで素性はわかるまい。
 全身を黒にし、夜の闇を進む。

 程なくして女を襲っている3人組を発見した。
 まだ絡んでいて追い回しているだけだが服は半ば開けており、犯されるのは時間の問題だろう。

 俺は女の胸元を掴んでいる奴の腕を掴むと捻った。

「何だてめぇ!イテテテ!離しやがれ!こんな事しておいて、死にてぇのか!?ああん?」

 俺は乱暴に突き飛ばすと、襲われていた女の腰に片手を回して身柄を確保した。
 取り敢えず掠り傷があるので治療するが、動けそうだった。

「死にたくなければ黙ってこのまま走って逃げろ!俺の事は探すな」  

 その女は泣きながら走っていった。

 そいつらは怒りに任せてナイフを抜いて身構えた。

「貴様らに問う。昨夜若い女を犯したのはお前達か?」

「ああん?あの若い初物か?美味しく頂いたぜ!私は来週結婚式とか言ってやがったな!初夜権の行使だぜ!へへへ!」

「ピイピイと良い鳴き声だったぜ!」

「久し振りの上玉だったな!ふははははは」

 3人とも下卑た感想を述べた。

「拷問して犯人を特定する手間が省けた。お前らが涜してよい相手ではなかった。死んで詫びろ!」

 俺は襲ってくる奴らの攻撃をサッと躱し、剣の刃がない側で殴りつけていき、殴ったり蹴ったりし気絶させていく。

 そして俺は縛り上げた。
 そいつらを起こすもギャースかと騒いでいた。
 しかし、魔法を使っておりこの路地から外に音や声は漏れない。

 俺は3人を木箱に乘せていたが、首に巻いたロープを引いて立たせた。

 それをお互いに持たせた。

「それを離すと仲間が死ぬ。見ての通りその紐を離すと仲間の首が吊るされる。誰か1人でも離すと首を吊られてそいつもロープを離す事になり、最後は3人共吊るされる。それとこれはもう要らんだろう」

 俺はベルトを斬り、ズボンを降ろして下半身を露出させる。
 この国の方では死ぬ時に欠損している部位があると、死後の世界でもその部位が無いとして恐れる。

 俺は手袋をし、そいつ等のイチモツを摘むとナイフで切り取る。それを3人にした。
 絶叫が木霊するが、死にたくないからかロープは離さない。

「日が昇ったら誰かが助けてくれるだろう。それまで頑張れ!」 

 俺は切り取ったイチモツを口に突っ込むとすぐ近くで見ている。3人は咽て吐き出した。

「後生だ!助けてくれ!あの女は殺したりしてねえから命だけは助けてくれ!た、頼む!治療してくれ!」

「あの人はなあ、お前達に汚された後・・・自殺したんだ。お前達が殺したのと同じだよ。あの人と同じように首を吊って死ね!」

 更に命乞いをするが、俺はそいつらの陰部に塩を投げ付けた。

 再び叫び声を上げるも、勿論箱から降りる事は出来ない。ロープの長さが足りないから、降りると首が吊られてしまうから必死だ。

 数分もすると、1人がフラフラになり残りの2人が必死に頑張れと励ます。
 脚がカクガクとなり、限界が近い事を示していた。
 死にたくないと見苦しく命乞いをする。

「己のした事を悔いて死ね!」
 
 そしてついに1人が倒れるとロープを離す。すると重りが降りてもう1人が吊るされた。
 そいつはロープを離し、首のロープを何とかしようと藻掻く。

 勿論最後の1人も吊るされ、3人共苦しさから藻掻き、やがて息をしなくなった。

 俺は死んでいるのを確認すると己の痕跡を消し、その場を引き上げようとしたが、そいつらの足元に1枚のスカーフが落ちていた。

 昨夜襲った受付嬢が身に着けていたスカーフで見覚えがあった。
戦利品としてか、勲章代わりなのか、はたまたコレクションか?何はともあれ、持っていた物からもこいつらが犯人で確定だ。

 俺はそいつらの額から出たカードの名前が赤色なのを確認し、スカーフとカードを回収してその場を離れた。

 この世界はステータスが表示されるカードが念じれば手のひらに浮かび上がり、念じれば消える。
 出していると他の者も見えるので注意が必要だ。
 また、死ぬと額からカードが出て、犯罪者のカードは討伐証明となり、ギルドや騎士団等に提出すると懸賞金が出る。
 また、死んでいない者のカードは体から切り離す事が出来ない。
正確には体から離すと1時間程で霧散して体に戻る。

 その後俺はギルドの建物に行くと裏口のドアノブにスカーフを括り付け、その場に3人のカードを置いていった。

 その後人目を避け宿に戻ったが、これが俺の初となる私刑だった。
だがしかし、満足感、忌避感等何も感じず、ただ仇は討ったぞと呟くだけだった。
 マリニアを起こさないようにそっと着替えると布団に入ったが、程なくして眠りに落ちたのであった。
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