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序章 私刑人誕生編
第23話 子供を拾った!
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この子達3人について、さてどうしたものか?と悩む。
この年齢の子供を奴隷にするのは違法だ。
しかも何故こんなところにいるのかよく分からないぞ!
リザードマンの死体を収納し、マリニアのところに戻るも3人はまだ気絶しているままだ。
「周りを見てきたが、もういないな。この子らをそのままにする訳にも行かないから町まで連れて行こうと思う。時間が経つと別の魔物が来かねないから急がないとだ」
「子供とはいえ3人ですよ?馬車もなくどうやるんですか?」
俺はロープを出した。
「1番大きい子を背負うから縛ってくれ」
マリニアはきょとんとしながらも俺の指示に従った。
3人の中で1番大きい子を背負い、マリニアが縛る。
両手を塞いでしまうが俺は小さな子を2人抱っこした。
「これで何とか進む事が出来るな。マリニア、見ての通りだ。俺とこの子供達の命を預ける。流石に数で来られたらこの子供達を地面に放り出してでも戦うが、2、3匹程度なら頼むぞ!」
「う、うん。ボク頑張るよ!」
マリニアに命を預ける形になるが、これが俺の考えの及ぶ範囲で今出来る最善だと思う。
俺は己に身体強化のバフを掛け、小走りに街道を目指す。
街道に出れば魔物と遭遇するリスクが減る。
勿論脇道から出てきた所を偶々ばったりというのは避けられない。
そして街道にもうすぐという所で、道の脇に屯するオークの群れ約15体と運悪く鉢合わせした。
流石にまずい。
俺1人いや、マリニアとだけだったらこの場で斬り伏せるまでだが、子供を3人背負ったりしながらでは守り切れる自信がない。
取り敢えず咄嗟にアイスショットを放つ。
俺の使える中級魔法の中で最速で放てるのがこれだ。
「数が多い。このまま子供等を守りながら戦うのは厳しいから取り敢えず逃げるぞ!」
マリニアも顔を青ざめていた。
2体を悶絶させるのが精一杯で、身体強化魔法を掛けまくり何とか距離を保ち走っている。
しかし、3人を担いでいる俺ではなく、マリニアの息が上がってきた。
やるしかないか・・・
俺は戦う覚悟を決めた。
「マリニア、一旦結界を張るから息を整えたり子供等を頼む。俺が何とか倒すよ。全力で俺のところに来い!」
マリニアはゼエゼエと息が辛そうで返事をする余裕がない。
しかし最後の力を振り絞り俺に追い付いた。
俺の場合、ギフトのお陰で得意属性は詠唱も不要だが、「結界発動!」とマリニアの為に発した。
俺を中心に直径5m程の結界が発動し、先頭の1体を巻き込んだようだ。
片脚を失い悶絶しているオークが1体、結界の内側にいた。
マリニアが直ぐに仕留めてくれたが、倒した後に倒れ込んで息を整える。
そう、結界の外にいるオークが結界に群がりビシバシと叩いているのが分かり、安堵したようだ。
「マリニア、5分で息を整えてくれ。それで結界を解除しないと俺が魔力切れを起こしてしまう」
マリニアは頷く。
そして、悪い事は重なるものだ。
背負っている女の子が目覚めたのだ。
「えっ!な、な何これ!いやああああ!」
「こ、こら暴れるな!俺達は君達を保護したんだ。悪いが今はオークの群れに追われている。結界魔法で凌いでいるんだ。今降ろすから落ち着くんだ!良いね!?」
「えっ?あっはい!私・・・生きているの?」
その子は周りを見たが、特にマリニアを見てホッとしたようだ。
頼むからこれ以上問題は無しにしてくれよ!
俺は顎でしゃくり、寝かせた子供達がいるのを知らせた。
「悪いが俺達が君達を見付けた時には既に君の他はこの2人しか生きていなく、何とか担いで逃げてきたんだ」
「そうですか・・・この子供達しか生き残れなかったのね」
「君達の事は今を生き延びたら話を聞く。気休めだろうが武器を渡すから、死にたくなかったらオークが来たら滅茶苦茶で構わないから振り回せ!」
「わ、分かりました」
マリニアは息が整ったらしい。
「ランスタッド、ボクは何をすれば?」
「俺は結界を解除すると、魔法を使えるまで2、3秒程掛かるから魔法での攻撃が間に合わない。だから剣で行く。お前はライオットを発動しろ。詠唱が終わったタイミングで結界を解除するから即時にぶっ放せ!その後はこの子らを守れ!」
「分かったよ。じゃあ詠唱を始めるね」
そうして蒼白になって震えている女の子を庇うようにオークに向きあい、マリニアの詠唱が終わるのを待つのであった。
この年齢の子供を奴隷にするのは違法だ。
しかも何故こんなところにいるのかよく分からないぞ!
リザードマンの死体を収納し、マリニアのところに戻るも3人はまだ気絶しているままだ。
「周りを見てきたが、もういないな。この子らをそのままにする訳にも行かないから町まで連れて行こうと思う。時間が経つと別の魔物が来かねないから急がないとだ」
「子供とはいえ3人ですよ?馬車もなくどうやるんですか?」
俺はロープを出した。
「1番大きい子を背負うから縛ってくれ」
マリニアはきょとんとしながらも俺の指示に従った。
3人の中で1番大きい子を背負い、マリニアが縛る。
両手を塞いでしまうが俺は小さな子を2人抱っこした。
「これで何とか進む事が出来るな。マリニア、見ての通りだ。俺とこの子供達の命を預ける。流石に数で来られたらこの子供達を地面に放り出してでも戦うが、2、3匹程度なら頼むぞ!」
「う、うん。ボク頑張るよ!」
マリニアに命を預ける形になるが、これが俺の考えの及ぶ範囲で今出来る最善だと思う。
俺は己に身体強化のバフを掛け、小走りに街道を目指す。
街道に出れば魔物と遭遇するリスクが減る。
勿論脇道から出てきた所を偶々ばったりというのは避けられない。
そして街道にもうすぐという所で、道の脇に屯するオークの群れ約15体と運悪く鉢合わせした。
流石にまずい。
俺1人いや、マリニアとだけだったらこの場で斬り伏せるまでだが、子供を3人背負ったりしながらでは守り切れる自信がない。
取り敢えず咄嗟にアイスショットを放つ。
俺の使える中級魔法の中で最速で放てるのがこれだ。
「数が多い。このまま子供等を守りながら戦うのは厳しいから取り敢えず逃げるぞ!」
マリニアも顔を青ざめていた。
2体を悶絶させるのが精一杯で、身体強化魔法を掛けまくり何とか距離を保ち走っている。
しかし、3人を担いでいる俺ではなく、マリニアの息が上がってきた。
やるしかないか・・・
俺は戦う覚悟を決めた。
「マリニア、一旦結界を張るから息を整えたり子供等を頼む。俺が何とか倒すよ。全力で俺のところに来い!」
マリニアはゼエゼエと息が辛そうで返事をする余裕がない。
しかし最後の力を振り絞り俺に追い付いた。
俺の場合、ギフトのお陰で得意属性は詠唱も不要だが、「結界発動!」とマリニアの為に発した。
俺を中心に直径5m程の結界が発動し、先頭の1体を巻き込んだようだ。
片脚を失い悶絶しているオークが1体、結界の内側にいた。
マリニアが直ぐに仕留めてくれたが、倒した後に倒れ込んで息を整える。
そう、結界の外にいるオークが結界に群がりビシバシと叩いているのが分かり、安堵したようだ。
「マリニア、5分で息を整えてくれ。それで結界を解除しないと俺が魔力切れを起こしてしまう」
マリニアは頷く。
そして、悪い事は重なるものだ。
背負っている女の子が目覚めたのだ。
「えっ!な、な何これ!いやああああ!」
「こ、こら暴れるな!俺達は君達を保護したんだ。悪いが今はオークの群れに追われている。結界魔法で凌いでいるんだ。今降ろすから落ち着くんだ!良いね!?」
「えっ?あっはい!私・・・生きているの?」
その子は周りを見たが、特にマリニアを見てホッとしたようだ。
頼むからこれ以上問題は無しにしてくれよ!
俺は顎でしゃくり、寝かせた子供達がいるのを知らせた。
「悪いが俺達が君達を見付けた時には既に君の他はこの2人しか生きていなく、何とか担いで逃げてきたんだ」
「そうですか・・・この子供達しか生き残れなかったのね」
「君達の事は今を生き延びたら話を聞く。気休めだろうが武器を渡すから、死にたくなかったらオークが来たら滅茶苦茶で構わないから振り回せ!」
「わ、分かりました」
マリニアは息が整ったらしい。
「ランスタッド、ボクは何をすれば?」
「俺は結界を解除すると、魔法を使えるまで2、3秒程掛かるから魔法での攻撃が間に合わない。だから剣で行く。お前はライオットを発動しろ。詠唱が終わったタイミングで結界を解除するから即時にぶっ放せ!その後はこの子らを守れ!」
「分かったよ。じゃあ詠唱を始めるね」
そうして蒼白になって震えている女の子を庇うようにオークに向きあい、マリニアの詠唱が終わるのを待つのであった。
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