漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

KeyBow

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第1章 王都編

第56話 ギフトについて

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 ソシアは俺の腕にしがみついて離れようとしない。
 離すと捨てられて娼館送りになると思い込んでいるのだ。
 わざとやっているはずだが、俺の腕を胸にグリグリと押し付けてくる。
 胸の感触は素晴らしいが、彼女が本来これから、いや、もうされたであろう彼女の尊厳を無視して蹂躙され、この美しい女性が汚されていたのかと思うと救えて良かったなと思うと。

 やはりこの子の体を好きに出来るのは魅力的だが、奴隷としてそれをされないと命取りになるからの求めに対して手を出せる精神は持ち合わせていない。

「ヤーナ。ソシアと仲良くなってくれないか?17歳と同い年しだから気が合うかなってな」

 ヤーナは頷いた。

「ランスタッドさん。流石にギルドマスターには報告をしなければならないですが、良いですか?」

「まあ、あの人なら驚かないだろうな。もう俺の秘密を知っていても不思議じゃないさ」

「そう言えばランスタッドさんはどのようなギフトをお持ちなのですか?」

「万能者とフューチャーだ」

「えっ?ダブルですか?」

「万能者は知っているな?王都にも数人はいるだろ?フューチャーはよく分からないが、仲間の成長補正と、付随スキルに先読みがある。これがあるから近接戦闘で俺に勝てる奴はまずいないだろう。それと結界師になった」

「フューチャーって聞かないですが、ランスタッドさんは何者なのですか?」

「まあ、Sランクパーティを追放され、2週間位前にマリニアと出うまでは酒に溺れていたしょうもない男だよ。得意属性が結界だったのは意外だったな。ヤーナは何を持っているんだ?」

「私ですか?真言ですよ」

「うおっ!?凄いのを持っているな」

「へへへ。でも嘘が分かるから嫌な事も多いですよ」

「そんなもんか。ソシアは何を持っているんだ?」

「知らないですよ」

「まさか収穫祭の時に神殿に行っていないのか?」

「収穫祭とか神殿って何なのでしょうか?知らないですよ?」

「えっ?」

 俺とヤーナは唸った。

「知らないのか・・・ギルドで何のギフト持ちか確かめられないか?」

「いえ。無いですよ。ランスタッドさんが鑑定で見てあげるのが一番ですよ」

「でもなぁ。あれは1番最後に見えるし、全てを見る事になるからプライバシーを踏みにじるから遣りたくないんだよな」

「私は構いませんよ。御主人様になら全てを知られても大丈夫ですわ。寧ろ見て欲しいのです」

「取り敢えずギルドに入ってからにしませんか?ちょっと注目を・・・それと私のも全て見て頂いても構いませんよ」

 俺は乾いた笑いをするしかなかった。

 ギルドに入り専属契約を済ませてからギルドマスターにソシアの事を話しをするが、念の為先にソシアの能力について鑑定を使って調べる事にしたのであった。
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