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第1章 王都編

第64話 奴隷達

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 マリニアが俺の体をベタベタと触って来た。

「心配掛けたな。魔力譲渡をやり過ぎただけだし、もう痛くはないから」

 続いて子供達が・・・ジャンピング!

「パパァ!大丈夫か?」

「もう大丈夫だよ。元気モリモリになったから。朝食は食べたのか?」

 首を横に振るのでまずは朝食となった。

 ツマイラが指示をし、メイド達が忙しく準備をしている。

 人数とテーブルの数が合わないので、取り敢えず俺達が先に食べて奴隷達が後から食べる事になった。

 食後居間に集まるようにして、その間に問題点等を皆と話していた。
 また、ソシアについてもだ。

 いくつか大事な話がある。
 その前に何故ヤーナがここにいる?

「ランスタッドさん?私専属契約をしたのよ。だからここで住むのよ」

「聞いていないぞ?」

「専属契約を結ぶと言うのは、実質的な婚約ですよ」

 スニシスが告げた。

 頭が回らない・・・

「聞いているかどうか分からないが、ソシアはパーティーメンバーとして冒険者をする。また、彼女は大聖女だ。それと、ソシアと付き合う事になったのだが・・・」

「大丈夫ですわ。A級に上がった方なら問題ないわ。ソシアさん、宜しくね!」

 俺はヤーナの反応に戸惑った。

「ソシアが欠損修復した子供達はどうしている?」

「今食事中ですね」

「ランスタッドは2人と付き合うの?」

「成り行きもあるが、そうなったようだな・・・」

 マリニアが複雑な表情をしていた。

 そうしていると、ツマイラがやってきた。

「ランスタッド様、皆そろそろ来ますが、クルシュ様よりの伝言です。犯罪奴隷だけは開放しないようにと。任期を全うしないとまずいとの事」

「ツマイラさん。色々ありがとうございます」

 少しすると全員集まったので、今後の事を含め話をする。
 やはりあの老執事が執事長をしており、メイドの1人がメイド長だった。

 全員と話をしてから決めなきゃだが、老執事に確認した。

 犯罪奴隷は戦闘奴隷の4人だった。
 残りの期間は5年だと。

「えーっと皆さんなんて呼ばれていたんですか?取り敢えず執事長さんは?」

「いえ。名前で呼ばれている者は性奴隷の一部のみで、私は執事長、他はメイド長や、おいそこのメイド等と呼び、後は侮蔑混じりでございました。御主人様の人となりから善良な方とお見受け致します故、直接聞かないで頂けると有り難いです」

「察しが付くよ。本名が分かっていたら本名で呼ぶのはどうかな?知らなかったり新たに名が欲しいのならば、自ら考えたが名前を名乗るか、俺達が考えるか各自決めて欲しい。後で面談をするから。だから申し訳ないが今は執事長とかメイドさんとかで呼ばざるを得ない」

 皆頷く。

「奴隷になった経緯等を聞こうと思う。犯罪奴隷だけは解放するとまずいらしいから、任期を全うしてもらうが、基本的には皆を奴隷から開放して自由にしたい。勿論俺の所の使用人として雇うつもりだし、希望するなら故郷なりに帰ると良い。それらも希望を聞く。それと性奴隷として買われた方々についてはメイドや執事が出来るならそれらをやるも良いし、冒険者になりたければなればよい。だが、性的な奉仕をする以外の生き方が分からなければ、使用人としてやれるように執事やメイドを出来る者から教えて貰うようにしようと思う。ただ、執事長さんと、メイド長さんはここを去るにしても、少なくとも1ヶ月は私の元で働いて欲しい。それと子供達は私が親代わりになり育てたい。勿論親元に帰りたいならそうするが、行く所が無ければ私が親の代わりをする」

 因みに奴隷の内訳はこうだ。
 執事2人、メイド4人。性奴隷兼用のメイドが2人、性奴隷5人、男の性奴隷2人、戦闘奴隷4人、違法奴隷が3人。

「どうしてでございますか?そこまでして頂く義理は無いでしょう?」

「私は孤児院育ちでね。仲良くやる仲間に恵まれず、この1ヶ月で初めて本物の仲間に、信頼して命を託すに値する仲間に出会えて、本気で笑う事が出来るようになったんだ。俺には全部は無理だけど、せめて関わった者には自由で且つ楽しく生きて欲しいんだ」

「少なくとも私は御主人様から解雇されるまでお仕えさせて頂く所存でございます」

「私もお仕えさせて下さい!」

 メイド長が続く。
 メイド長は20代後半の美人さんだ。多分この人も夜の奉仕をさせられたり、強姦されていたのだろう。

「性急に決めなくても良いからね。それとさっきと言ったけど、性的に奉仕をするのは私にも誰かにもする必要はない。行き方が分からなければ、話し合って別の生きる道を考えよう。それに対してもちゃんと手を差し伸べる」

 俺はまず子供達の首輪を破壊したのだが・・・
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