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第1章 王都編

第97話 鑑定してみた

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 クラシス姉が叫んだ。

「こ、これスキル珠よ!」

 驚きから叫んでいる様子を見、皆がトレジャーボックスの中を見に行く。

 万能者には鑑定がある。
 問題のスキル珠の1つを見ると・・・・俺は取り出しマリニアに渡した。

「このダンジョンのダンジョンマスターになるんだ」

「だ、駄目だよ!ボクなんかじゃ」

「あー、確かダンジョンマスターになれるのって探索者か勇者だったな」

「そうですね。この中じゃ使えるのはマリニアだけですね」

「他は何だ?」

 俺達はトレジャーボックスからお宝を出して並べて行く。

 トレジャーボックスの中を空にすると扉が現れたが、誰も気が付かない。

「多分人数分あるから、装備は1人1つね!多分各々が必要とする物だと思う」

「じゃあ、まず先輩のから行きますよ!名前は・・・シルドドン・・・うおっ!オートシールドバッシュ、攻撃を受けると半分の威力で反射攻撃をするようです。名前等微妙ですが、オリハルコン製ですよこれ!それと念じれば消したり出したり出来ます。この武器限定ですが収納魔法の1種かと」

「ちょっとデザインが子供臭くないか?」

「かっ、格好良いわ!素敵よ」

「そ、そうか!よし!気に入ったぜ!」

「ハイハイ。次行きますからね。フライングスピアー。オリハルコンの槍で、これ・・・文字通り飛べますよ!それと、投げても念じれば次の瞬間手元にあるのと、相手に当たると一定の割合でノックバックします。これも出し入れ自由です」

「ねえランスタッド君、これどうやって飛ぶの?」

「跨るんじゃないんですか??」

「あのねえ、こんなのに跨がったらお股が裂けちゃうわよ?処女の子なら処女膜裂けちゃうんじゃないの??」

「俺に聞かないでくださいよ。後で試してください。次行きますよ。っと弓だな。レインボウと言ってこれも出し入れ自由で、うおっ!矢はいらないぞ!しかも1度に3本放てるのと、射程は1キロだ。弦を引くと矢が生成されるようだが、鏃は当たると爆発したり、燃やしたりも出来るし、殺傷力が無いのを生成できる。どんな矢が欲しいか念じるだけでな。スキルがあって、光の矢を降らせるホーリシャワーと言う。ホーリーシャワーじゃないんだな。これもオリハルコンだぞ」

「か、軽いわ!す、凄いです!」

「ねぇねぇ!ボクのは??」

「扇子だな。大概の魔法と物理攻撃をブロックし、切れ味鋭いナイフのようにスパッと切れそうだな。それとスキルがあり、各骨がナイフになり、頭上に展開してターゲットへ飛ばす事が可能だ。これもオリハルコンだな」

「ねえ、名前は?」

「聞きたいか?」

「うん!」

「センスーだ・・・」

「・・・」

「よし、次は杖だな。ホリーロッドだ。ホリーじゃないのはもうツッコんだら負けか?光属性の攻撃魔法が使えるぞ!魔石のセットが必要だが、後でボスの魔石かトレジャーボックスにあったのをセットするか。事前に魔力をチャージしておけば念じるだけで行けるな。それと回復魔法を使うのに詠唱も呪文も不要になり、念じれば即魔法を使えるし、必要魔力が半減するな」

「大切に使いますわ!」

「俺のは・・・剣だな。違うな。刀か。俺自身の成長と共に成長する刀か。刀身のみだから柄を作らなきゃな。鞘もか。全ての武器はオリハルコンで、出し入れ自由だな。それとスキル珠だ。って時間がなくなった。武器は皆持ってくれ。残りは後で配るよ。点滅しだしたから早く出ていけと言っているかもな。マリニア、ダンジョンマスターのスキル珠を吸収し、そこに鎮座しているダンジョンコアに触れてみろ」

 マリニアは俺から受け取ったダンジョンマスターのコアを胸に当てたが、すうっと消えていった。
 一瞬光ると、マリニアが良し!と唸った。

「一旦リセットするから、全員外に出ると思うよ!じゃあ行くよ!」

 俺はちょっと待てと声を掛けたが遅かったようで、マリニアがコアに触れると視界が変わったのであった。
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