106 / 119
第1章 王都編
第106話 オルシーナ姫
しおりを挟む
国王は王女が戻ると俺達に報奨を与え始めた。
俺以外のメンバーへは男爵の地位を授けると告げた。
あっ!マリニアは伯爵だとか。
まあ予測の範囲内だ。
で、俺だ・・・
「・・・であり、パーティーを率いた我が国が誇るSランク冒険者たるランスタッド卿へはこうしゃくの地位を授ける」
どよめきと感嘆が聞こえる。
侯爵ってうげー
「そして我が国が誇る星姫たるこのオルシーナを夫人の1人として授けると共に王位継承権第1位に任命する」
今聞き捨てならない事を言いおったぞ!これは流石にいかん。貴族の地位はともかくだ。
「陛下!なりません!侯爵の地位と責務はありがたく頂きますが、政略結婚として王女様を娶る事は王女様のご意思に反しての非人道的な事です。どうかもう1度お考えを直されますようお願い申し上げます」
「欲がない御仁だな。これは私の要望ではなく、オルシーナの至っての頼みなのだ。オルシーナ、話して差し上げなさい」
先程のメイド姿とは違い、後光が光っていると思う位に綺麗だ。
「ランスタッド様、お慕い申し上げております。今、私がこうやって立っていられるのも全てランスタッド様のお陰です」
「あのう、俺じゃなくて私はオルシーナ様とお会いした記憶はと言うか、口ぶりから私が命を助けたかのようですが、オルシーナ様の様なお美しい方で有れば絶対に忘れないのですが?」
「ランスタッド君、5年前、君達がスタンピードに対処した町を覚えているかい?」
「勿論覚えています」
「君達のリーダーが逃げ出したのに君と他の3人が殿を勤め、当時王太子だった私達家族を守ってくれ、オルシーナを守るのに君は重症を負うも騎士団に私達を引き渡してくれたのだよ。当時11歳だったから覚えがないのじゃないかな」
「あの時の女の子か!言われてみれば何となく面影があるな」
「ランスタッド様は騎士達に私を託すと再び魔物を倒しに行かれましたけど、私がお嫁さんにしてくださいと言った時の事を覚えていませんか?」
「はっきりと覚えていないけど、何か条件を言った気がする」
「立派なレディーになるんだ。誰もが認める、そうだな二つ名が付くほどの素敵な女性になったら攫いに行くよ。俺もその時は君に相応しい漢になるよと仰られましたのよ。ですから私、女を磨いて来ました。攫ってください!」
思い出した・・・・子供の戯言と思い淑女になれ的な事を言ったな。
当時かなりお転婆だったと記憶している。
偶々通り掛かった町の近くで助けた時に、何かと俺に突っ掛かって来た生意気なツンデレ少女の相手を押し付けられたっけな。
このままだと不名誉な二つ名がつく未来しか見えなかったから、見兼ねてお淑やかになるように言ったんだった。
あの後サンタナがこの人達を見捨てて逃げた事に恥ずかしくて、助けた事を名乗らなかった。
ただ、俺の名は聞こえていたから当時も女の子に呼び捨てにされていたな。
俺は今謁見の間で、しかも大勢の者が見ている壇上で、国王と話しているのを忘れ、オロオロしているのであった。
俺以外のメンバーへは男爵の地位を授けると告げた。
あっ!マリニアは伯爵だとか。
まあ予測の範囲内だ。
で、俺だ・・・
「・・・であり、パーティーを率いた我が国が誇るSランク冒険者たるランスタッド卿へはこうしゃくの地位を授ける」
どよめきと感嘆が聞こえる。
侯爵ってうげー
「そして我が国が誇る星姫たるこのオルシーナを夫人の1人として授けると共に王位継承権第1位に任命する」
今聞き捨てならない事を言いおったぞ!これは流石にいかん。貴族の地位はともかくだ。
「陛下!なりません!侯爵の地位と責務はありがたく頂きますが、政略結婚として王女様を娶る事は王女様のご意思に反しての非人道的な事です。どうかもう1度お考えを直されますようお願い申し上げます」
「欲がない御仁だな。これは私の要望ではなく、オルシーナの至っての頼みなのだ。オルシーナ、話して差し上げなさい」
先程のメイド姿とは違い、後光が光っていると思う位に綺麗だ。
「ランスタッド様、お慕い申し上げております。今、私がこうやって立っていられるのも全てランスタッド様のお陰です」
「あのう、俺じゃなくて私はオルシーナ様とお会いした記憶はと言うか、口ぶりから私が命を助けたかのようですが、オルシーナ様の様なお美しい方で有れば絶対に忘れないのですが?」
「ランスタッド君、5年前、君達がスタンピードに対処した町を覚えているかい?」
「勿論覚えています」
「君達のリーダーが逃げ出したのに君と他の3人が殿を勤め、当時王太子だった私達家族を守ってくれ、オルシーナを守るのに君は重症を負うも騎士団に私達を引き渡してくれたのだよ。当時11歳だったから覚えがないのじゃないかな」
「あの時の女の子か!言われてみれば何となく面影があるな」
「ランスタッド様は騎士達に私を託すと再び魔物を倒しに行かれましたけど、私がお嫁さんにしてくださいと言った時の事を覚えていませんか?」
「はっきりと覚えていないけど、何か条件を言った気がする」
「立派なレディーになるんだ。誰もが認める、そうだな二つ名が付くほどの素敵な女性になったら攫いに行くよ。俺もその時は君に相応しい漢になるよと仰られましたのよ。ですから私、女を磨いて来ました。攫ってください!」
思い出した・・・・子供の戯言と思い淑女になれ的な事を言ったな。
当時かなりお転婆だったと記憶している。
偶々通り掛かった町の近くで助けた時に、何かと俺に突っ掛かって来た生意気なツンデレ少女の相手を押し付けられたっけな。
このままだと不名誉な二つ名がつく未来しか見えなかったから、見兼ねてお淑やかになるように言ったんだった。
あの後サンタナがこの人達を見捨てて逃げた事に恥ずかしくて、助けた事を名乗らなかった。
ただ、俺の名は聞こえていたから当時も女の子に呼び捨てにされていたな。
俺は今謁見の間で、しかも大勢の者が見ている壇上で、国王と話しているのを忘れ、オロオロしているのであった。
1
あなたにおすすめの小説
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる