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第1章 王都編

第116話 次から次へと

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 またもや俺は熟睡中に起こされた。 

「ランスタッド様、お休みのところ申し訳ありませんが至急門の方へお越しください」

「何があった?」

「はっ!魔王軍幹部を名乗る者が現れ、現在応戦中でございます」

 俺はベッドから起き上がるとブーツを履き一気に駆けて行った。

 防壁の上に一気に飛び上がり、敵を探した。

 マリニアを中心に1体、先輩とクラシス姉がもう1体を相手に互角の戦いをしていたが・・・
 ドサッ!

 そいつらの首がモゲた様に見えただろう。

 結界を2箇所に発生させたのだ。
 ソシアだけは戦闘に加わっていないが、決着がつくとすぐに治療が出来る所にいた。

 だが、誰も攻撃を食らっておらず、息を整えていた。

 マリニアはスニシス、シルレット、ダンカン、ハーニャを率いて戦っていた。

「わるい。横取りしちゃったか?」

「ううん。ランスタッドの手を煩わせる事なくやりたかったけど、時間稼ぎが精一杯だったよ」

「で、コイツラ何?」

「七人衆らしいよ。ザボットはどこだとか騒いでいたよ」

「しまったな。つい殺っちまった・・・」

「多分他も来るよ。そんな事を口走っていたから」

「そうか。俺はどれくらい休んでいた?」

「40分位かな」

 ため息を付きつつ死体を収納してから防壁の上に登った。

 今度は防壁の上に椅子を持ってきてそこでうたた寝をする。
 兵士が俺を護衛しつつ、俺は体を休める事にしたが、先の2体はザボットより体格が良い。

 で、20分程するとまた別の奴が現れた。
 2メートルを超える巨体で浅黒い如何にも脳筋といった見た目で、頭には小さな角がある。

「おいおいおいおい!ザボット達は何遊んでんだよ!七人衆の名折れだな。ギルガルド、バラモンド、出て来いよ!」

 俺は欠伸をしつつ、そいつの前に出た。

「お前も七人衆か?」

「何だてめえ?」

「お探しの者はこれか?」

 俺は生首を出すとそいつに投げた。

「ば、馬鹿な!バラモンドが殺られたのか!?」

 もう2首を投げた。

「1人ならともかく、3人もだと!貴様が殺ったのか!許せんぞ!これでも喰らえ!」

 斬馬刀のような大剣を身構えて一気に振るったが、勿論俺には届かない。

 振り始めた腕は肩の先で切断された。
 ドサッ!
 そいつは地面に落ちている己の獲物を見て驚き、右腕がない事にぽかーんとしていた。

 ついでにもう片方の腕も切り落とした。

「な、な、な、な、俺に何をした!?何故俺様の腕が取れた?」

「言う訳が無いだろ。お前達はここに何をしに来た?ちゃんと話せば命までは取らないぞ」

「舐めやがって!言う訳がないだろう!あの方が来られればお前なんぞひとたまりもない!」

 こいつ馬鹿だ。
 多分少なくとも四天王の1人が来るのだろう。
 俺は呆れつつ尋問を始めるのだった。
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