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第1章

第26話 案内

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 道中馬を休ませていた時にイリアとミリアが入れ替わるが、何気に俺もお尻が痛い。イリアもお尻を擦っていたな。
 一応クッションを引いているが、ダイレクトに尻に振動が伝わるから痛いのだ。先の乗り捨てた馬車は、クッションがしっかり効いていてあまり痛くは無かった。どうやら指揮官用のを奪ったらしく、他のとは違い高級な馬車だったらしく快適だったが、この馬車はそうもいかないらしい。

 俺の隣はミリアとミザリアだが、2人はじっと耐えている。

 そうしていると依頼を出した町に着いた。ちょうど昼食の時間帯なので、今行くのは失礼となるからと、昼食を食べてから向かう事になった。
 ゼツエイとミザリア以外はひたすらお尻を擦っていたな。って俺もだが。

「かかかかか!慣れぬと乗り合い馬車は痛かろう。それで馬車にするのを賛成したんじゃ。これからちょこちょこ旅などで馬車に乗るでな。慣れておくんじゃぞ」

 そんな事を言われていた。余りにもお尻が痛いので、何を食べたかについて覚えていない程だった。ランチだったのしか記憶にない。
 ミザリアさんが言うには、恐らくミリアとイリアは特に厳しいからと、色々理由を付けて俺の膝に座らせたという。なる程と思った。確かに逃避行の時も後半はダウンしていたしな。俺の膝上で道中の半分を過ごした所為か、俺やフランカ程痛そうにはしていなかった。ヒールを使えば治りそうだが、今はゼツエイが禁止した。戦闘の直前まで止めるようにと言われたんだ。馬車に慣れるのに必要な痛みなのだと・・・

 昼食後領主の館に行くも、生憎接客中だった。代わりに執事の1人が説明してくれた。そしてオークの出没情報がある所まで案内してくれた。初老のひょろっとした印象の薄い老紳士だった。
 大した距離じゃないと言い、町の外れから10分位の距離に来ると突然告げてきた。

「1番多い目撃例はこの辺りでございます。後は宜しくお願い致します。それではご武運を。失礼します」

 そして帰っていった。
 さて困った。皆目見当がつかないうえに、俺はオロオロしていた。

「ミザリアどっちじゃ?」

「あちらに気配を感じますね。友安様どのようになされますか?」

「うーん皆さん因みに俺って今日が初陣って知っているよね?面と向かった時の戦力はともかく、今は役に立たないよ。警戒しつつ気配のする方に向かいましょうとしか言えないかな」

「ええ、そんな感じで大丈夫ですわ。では友安様、先頭は?」

「ああそうか、隊列か。ゼツエイさんとフランカで前衛。俺が中衛でミザリアとミリアが後衛、イリアが2人の護衛。で、護衛は前衛と時折入れ替えて負担を少なくする。フランカって攻撃魔法は行けるんだよね?中衛は俺と時折入れ替わり、ゼツエイさんとイリアが入れ替わって行く。こんな感じでどうだろう!?」

「そうじゃのう。パーティーを組んでの初戦闘はまあそんなもんじゃな。良かろう」

 そうして隊列を組んで進んで行くが、30分程進んでも追い付かない。どうやら向こうも移動中らしい。そうしていると前方より何者かが接近して来るのが分かり、ゼツエイが接近を告げ、戦闘準備をするのであった。

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