ざまぁから始まるモブの成り上がり!〜現実とゲームは違うのだよ!〜

KeyBow

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第1章

第30話 レイラ揉める

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 彼女は時折呪術により行動や思考に干渉をされているのだろうが、基本はレイラはレイラだ。

 だからこう言った。

「レイラが剣姫になったら娶ってやるよ。その時に初夜を迎えようね!だからそれまではお互いに我慢だよ」

 ぱっと明るくなる。

「言質取ったんだからね!私頑張る!絶対よ!」

 これで当面迫ってこないだろう。呪術も抑えられるが、確信から決定になった。呪術が発動されていると。

 あまり時間がなさそうだ。呪術による精神侵食が激しくなってきている。
 考える事が多く、朝食がどんなだったか覚えていない。

 折角知り合えた女性だ。どうせならきちんと恋愛をしたい。

 それはさておき、今は依頼を受ける為にギルドに来ている。そうそう、レイラは早速女騎士にジョブチェンジした。俺は相変わらずモブだが。

 彼女にはレベル20から30推奨の依頼を見繕って貰う。ジェネラルはレベル35が推奨だったからだ。

 その範囲の依頼が2つあった。
 俺は小便がしたいので、レイラにトイレへ行っている間に依頼の内容を把握してねと伝えてから、トイレに行っていた。だが、戻ってくるとロビーでレイラが揉めているのが見えた。

「なぁネェちゃん、俺らの仲間になれよ!俺達はレベル20だぜ!」

 そう言った奴に肩を掴まれた。

「無礼な!何を勝手に触っているのだ!」

「おう、おう!威勢が良いねぇちゃんだな!俺達の所に来いよ!それなりに稼いでいるから、いい生活をさせてやんぜ!」

 誰かがお尻を触った。俺はあのお尻は俺のもんだ!と叫ぶのを堪え、駆け出した。

「無礼者!」

 そつ言い放つとレイラが剣を抜いた。

 いいねぇとか、おーこわーとか余裕だった。

 これは不味いと俺は唸り、光魔法の発動とキャンセルをして、それで発生した魔法陣の上を駆けていき、更に魔法陣を足場にしてジャンプした。そいつらとレイラの間に割って入る形で、奴らの頭上を飛び越えて着地した。

 ゲームの知識にあるちょっとした裏技だ。光魔法のみ魔法陣を足場に出来るのだ。

「何だてめぇ?何処から涌いてきやがった?」

「おう、おう!ニイチャン、こちとらレベル20の重戦士だぜ!このねぇちゃんを口説いてんだから邪魔すんな!テメエはレベルいくつだ?ああん?」

「10だが何だ?」

「聞いたかよ?10だってよ?ギャハハハハハ!」

「レイラ!剣を仕舞え。行くぞ」

「何だこら!後から来といて掻っ攫おうってか?ああん?」

「俺の妻だ。妻を連れて行くのに、何でお前等の許可がいるんだ。レイラもこんな三下は無視しとけよ」

「ご、ごめんなさい。ついカッとなって」

「ああ?うそこけや!じゃあ証明しやがれ!」

「何をしたら認めるんだ?」 

「じゃあ俺らの目の前でキスしやがれ!」

「レイラ、人前だが大丈夫か?嫌なら止めておくぞ」

「私は構わないぞ」

「奴らはレイラから俺にキスしないと納得しないぞ」

 レイラは顔を真っ赤にしながらトニーにキスをした。

「何だよ。まじかよ。しらけたな。ほらみんな行くぞ!」

 周りから奴らがいなくなった。

 だが、レイラはオロオロしていた。

 トニーは建物の裏手にレイラの手を引っ張って連れて行った。

「レイラ、済まない。あの場はああしないと死人が出ていただろう」

「嬉しいの。ああいった感じだったけど、妻だと言ってくれて。それに私のファーストキスなの。王族のキスの重みは知っているよね?だからもう本当の妻にしてよ!今晩初夜よ!それで良いよね?」

「それは駄目だ。言ったろ?剣姫になったらって。そのな、俺もキスは初めてだから」

 やばいな。呪術が思っていたよりも効いているようだな。
 レイラはクネクネしていた。

「で、どんな依頼があった?」

「あ、ああ。その、迷惑を掛けてしまい」

 俺はキスで続きを言わせなかった。

「俺の方こそ早く助けられなくて悪かった。それに悪いのは彼奴等であってレイラじゃないから気にすんな」

「う、うん。い、依頼だったわね。1つ目がミノタウロスの討伐で金貨60枚、推奨レベル30ね。もう一つはオークの集落の調査殲滅で金額25枚、推奨レベル25ね」

「どちらが近そう?」

「ミノタウロスが片道4時間、オークが2時間ね」

「レイラ的にはどちらがよさそう?」

「ミノタウロスは私達にはまだ早いかしら?そうねぇ近いのもあるし、オークの方かしら?」

「同じ意見だ。よし!オーク狩りに行こうか!」

 オークの方に決め、依頼の札を取って受付に向かうのだった。
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