モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

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第1章(高校生入学編)

第41話 魔物部屋での戦闘1

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 中を確認したモーモンが報告してきた。

「報告致します。ゴブリン2、ゴブリンウォーリアー7、ナイト1、計10体になります」

 魔物部屋の中を覗いた結果は先日と同じ構成のようだ。

「指揮はレイラに任せるよ。ゴブリンのうち1体は殺さずに友里愛が1対1で戦えるようにしたい」

「かしこまりましたが、残りは?」

「ナイトは僕がやってみたいから、それ以外は新メンバーの戦いを確認する感じでお願いしたいな。それとこの前と同じでゴブリン2体のみが来たら1体は僕がやるよ!」

「ちょっと何言っているの?ランク3よ!死にたいの?」

「大丈夫だよ。いざとなればモーモンやエリートナイトもいるし、何よりレイラがいるしエリートナイトはランク4だからね!それに僕にはこの父さんの剣がある!ナイトの剣如きじゃ傷ひとつつかないさ!」

 友里愛は斗升のその自信の根拠にクエスチョンマークだった。
 斗枡の持つ剣はそこそこの値段はするとは思うが、とてもではないが業物とは思えなかった。
 借りた剣よりは上等だろうが、精々20万円~30万円程度の物との認識だ。

 それでも借りた剣でもゴブリンなら余裕で行けるが、問題が有るとしたら精神的にゴブリンを斬る事が可能か?だ。
 しかしいずれは通らなければならない道だ。
 覚悟を決めた友里愛は斗升の目をじっと見る。

「女の子に魔物を殺せって酷い事をさせるんだから、ご褒美を期待しても良いわよね!?」

「も、勿論だよ!」

 僕はその気迫と決意に返事をしてしまうが、モーモンが魔物部屋の扉を開けたので中に入る。

 僕らに気が付いたナイトはコブゴブと叫び、ゴブリン2体に行けと命じた。
 やはりゴブリンは木の棒としか思えないような棍棒もどきを手に持ち、ゴブアボブと唸りながら掛け始めた。

 2匹並んでいたが、僕は右の方に石を投げヘイトを稼ぐ。

 もう1匹はへっぴり腰になりながら剣を構える友里愛の方に行った。

「シャー!」

 僕は叫びながら袈裟斬りにし、受け止めようとした棍棒もろとも両断した。
 うん!流石の切れ味だ!
 僕は切れ味にご満悦だったけど剣の切れ味ではなく、バトルスーツの筋力補正にて怪力になっていただけだと知るのはもう少し先。

 友里愛は苦戦し、ナイトはニタニタと見ている。
 棍棒を受け止めるのが精一杯だ。

「ゴベプブごブア」

「もう!しつこいわよ!そんなだと女の子に嫌われるわよ!」

 あっ!上は服(粗末な布)を着ているからメスだよ?と思うも流石に指摘するのは止めておこう。

 カン、カン、カンとゴブリンの攻撃を剣で捌いているけど、友里愛は遊んでいるのかな?
 しかし、剣を落としてしまった。

「うっ!痛いじゃないの!女の子には優しくするものよ!」

 同意はするけど、それを目の前のゴブリンに言ってどうすんだ?
 僕は場違いな事をつい思うが、何故か剣を落としたのか理解できなかった。

 友里愛はナイフを脚から取り出すと投げた。

 見事に目に刺さり、サブウェポンのコンバットナイフを構え、目を押さえるゴブリンの胸に突き刺し決着した。

「ハァハァハァハァ、お、終わったの?」

 僕はドロップとナイフを拾い、ナイフを友里愛に渡した。

「少しヒヤッとしたけど、ゴブリンなら大丈夫そうだね。まだ終わっていないから後ろで見ていて。ゼッチィーニ、友里愛を守って!」

「アタシもご褒美が欲しい位よ!」

 ナイトとゴブリンウォーリアーが掛けてきた。

「軽口はそれくらいにね!残り行くよ!」

 しかし、一瞬目を離している間にウォーリアーとナイトは床に組み伏せられていた。

 組み伏せたのは1匹につき1体の小さなフェンリルのような獣型の魔物だった。

「まさか、ジョーイが召喚したのか?」

 確かこの前ジョーイは眷属を召喚していたが、これは凄い!
 ナイトを含め楽々と組み伏せている事から、少なくとも眷属でもランク4以上ある。

「ご主人様、この子達はジョーイが万が一にと残してくれています。ジョーイ自体はアレクとお宝探しをお楽しみ中だそうです」

「アレクめ!落ち着いたと思ったら中2病じゃないか!。えっとこの子達は何だ?」

「ライカンスロープだそうです」

「ちょっと待ちなさいよ!ライカンスロープって確かランク6よね?何でそんなのを召喚できるカーヴァントがいるのよ!聞いた事無いわよ」

「コホン。主殿、ウォーリアーとナイトを倒すのでは?」

 友里愛が突っ込んで来たが、モーモンが軌道修正してくれた。

「よし、皆さんの腕前を見よう!先ずはセバスチャン!」

「斗升、セボスちゃーんよ」

「そうだった。ウォーリアーと戦ってね!愛姉に腕前を見せて!」

「承知致しました。お嬢様、弟君の要請により腕前を披露致します」

 服はいかにもと言った執事服を愛姉が用意しており、執事服姿で手には杖?を持っている。

「ライカンスロープ殿、ではそこのウォーリアーを解き放ってくだされ!」

 杖で指し示した方のウォーリアーを組み伏せているライカンスロープが退くと、そのウォーリアーは執爺に襲い掛からんと駆け出すも、執爺は持っていた杖の先でウォーリアーの額をちょこんと突いた。

 すると頭が吹き飛び、立ったまま霧散した。

「なっ!何をしたの?」

「友里愛は分からなかった?杖で額をちょこんと突いたようだよ」

「つ、強いのね。じゃあ次はショーナンの腕を見たいわ」

「良いぜ!アタイの腕前をエロい目で見るんだぞ!アタイの相手はお前だ!」

 僕が渡した予備武器のコンバットナイフを手にし、刃を舐めてうへへへと唸っている。

 そして解き放たれたウォーリアーは真っ直ぐ突っ込んで行ったが、ショーナンは直前で最小限の動きで躱すとコンバットナイフで少し斬りつける。

「おらどうしたよ!?それで終わりかあぁ!」

 ウォーリアーは怒りに任せて剣を振るうがショーナンは明らかに相手をいたぶっていた。

 致命傷を与えず小傷を与えて行く。

「ショーナン、駄目よ。敵とはいえ楽にしてあげなさい」

「チェッ!ご主人様の要望じゃあしゃあないね。逝きな」

 コンバットナイフを腹に突き立て、頭に手をやったかと思うと首を一気に捻り、ゴキっと首が折れる音と共に霧散して終わった。
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