ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜

KeyBow

文字の大きさ
17 / 147

第17話 モンスターパーティー

しおりを挟む
 嘘だろ!何体いるんだよ!
 1体が顕現するのに必要な幅と高さが30cmとして、ぐるっと1周36体。
 それが縦にもびっしり見える・・・マジかよ。

 概算で360体・・・終った・・・
 さっきまでは1度に出てくるのが3体で、散発的に現れるから何とかなっていたけど、見渡す限りワーウルフで埋め尽くされている。

 1体1体が大した事がなくとも、数の暴力で来られたらひとたまりもないぞ。

 こんな所で意味もなく死にたくないから足掻くけど・・・
 ぐぅ、壁からどんどん出やがる・・・
 あっ!出尽くした。
 ウハハハハ!こりゃいいや!ワーウルフで埋め尽くされたな!
 四面楚歌ってやつだっけ?
 ここで俺の隠れた力が解放され・・?る訳ないよな。
 噛まれたら痛いだろうな・・・嫌だなぁ・・・

 俺は剣を床に突き立て、頬を叩き気合を入れる。
 噛まれてもヒールがある。
 魔力もフラガラッハで攻撃すれば使った分位は回収出来るだろう!
 痛みはもう経験した。
 あの時は今まで経験した事のない痛みに狼狽えたけど、気絶したりする程ではなかった。

 耐えてやる!
 あの時ルシアスさんが一言ごめんねと言った事が気になって仕方がない。
 直接聞きたい。

 ワオオオオオオオオン!

 1体が吠えると一斉に掛けて来たのでダブルを発動した。

「スラッシュ!スラッシュ!ファイヤーボール!ファイヤーボール!」

 剣の間合いに入られる僅かな間にスラッシュとファイヤーボールを2回発動し、ダブルが働き各々4回ワーウルフ目掛けて飛んでいく。

「ウオオオオオオ!」

 俺はフラガラッハを横に薙ぎ払い、ひたすらスラッシュと発した。
 右手にフラガラッハ、左手は魔法とスキルに。 
 ファイヤーボールは燃えながらも突っ込んでくるからもう使えない。

 左肩を噛まれたが、ドロップの肩当てが防ぎ切る。
 右脚を噛まれた。
 痛みで意識が飛びそうになるが、フラガラッハで斬る。

 スラッシュ!スラッシュ!と適当な方向に放つが、今のところどこに放っても当たる。
 全方向的だ!
 1度場所を変えるのにダッシュを使い、コーナーに向かった。
 流石に全方向から来られるとどうにもならない。
 勝機があるとしたら1度に相手する敵を少なくする事だろう。

 狭い道なら数より質だ。
 少数なら大した事がない。
 だが、こちとら生身の人間だ。
 背後から襲われたらあちこち噛まれたり最悪喉を食いちぎられそれで終わる。

 御免被りたい。

 1度スラッシュが出なくなった。
 つまり、魔力が尽きた。
 それでもフラガラッハにより魔力を回復するから、スラッシュを使い続けた。

 ゼエ、ゼエ、ハア、ハア!

 肩で息をし、服はボロボロで傷は塞がっているが、全身血塗れだ。

 脇腹を噛まれ、フラガラッハを振る。
 そして左手でヒールを発動し、またフラガラッハを振りスラッシュを唱える。
 それの繰り返しだ。

 しかし、段々床が見えてきて、やがて辺り1面魔石が転がっており、今は1回り大きいワーウルフと対峙している。
 こいつだったな・・・最初に吠えたのは。

 力を振り絞り、ダッシュで接近してフラガラッハを深々と突き立てた。
 どうやら決着したようだが、他の個体とは違い2秒程のエフェクトの後、魔石とマントを残し消えていった。

 そいつの落とした魔石は1回り大きい。
 その魔石とマントはストレージに入れ、俺は座り込み息を整える。
 最後の方は殆どフラガラッハで攻撃していたから、魔力は殆ど回復したと思われる。

 だがしかし、如何せん息は乱れ、血塗れの酷い有様なので、自分が生きているのが不思議だった。

「俺は・・・生きている?よな。あれを倒しきったのか・・・ふう」

 しかしだ、ここはモンスター部屋だったのか?
 それとも本来は宝箱にはお宝のみがあり、1階層の時と同じでイレギュラーなのか?

 俺はほんの少しの間だけ横になり、扉が開くのを待つ事にした。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

処理中です...