神獣使いは魔法の使えない魔法使い!〜異世界召喚された魔法使いはヌンチャクの使い手だった!奴隷少女と格闘派魔法使いの異世界成り上がり物語!〜

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第二章 逃亡編

第14話  魔物と初遭遇

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 休憩していた所の痕跡を消し、森を進み出した。追跡をされるのが怖いからだ。

 10分程で早速魔物が現れた。女性陣の中で多少とも剣を使えるのはアルテミスで、彼女は短剣を身構え、トニーを守ろうとした。トニーは弓での遠距離型であり、接近されて攻撃をされるとひとたまりもない。

 弓を使う以上、気配を殺しても発射位置に何かいるとがむしゃらに攻撃されたら当たる。魔力をかなり使うし、城を出る時にかなり使っていて、魔力が枯渇気味だったかもとなり、多用できない可能性がある。その為、 多少の戦闘ではピンチになるまでインビジブルは使わない事にし、いざという時に困らないようにする為、トニーの魔力を温存する事になった。

 獣型の魔物が数匹前方にいた。木々が邪魔になる狭い所での戦いになった。いきなり魔物が現れ、アルテミスの頭に向けて飛び掛かって来た。三郎は咄嗟に左腕でアルテミスの頭を庇った。そして腕を噛まれたのだが、そいつはヌンチャクで始末した。怪我を治す暇が無かった。ルースが手負いと分かると次から次に襲ってきた。幸い木々が邪魔で一斉には来れなかった。各個撃破していく。痛む左腕は我慢し、右腕だけでヌンチャクを振るった。くの字になったり、頭部を吹き飛ばしたりと次々と倒していた。2頭同時に襲ってきた時は一方はトニーが始末したりして戦闘は2分も掛からずに終わった。

 ソフィアやミライも使った事が無かったが、それでも短剣を握りしめていた。一頭が来たようで、ソフィアがやはり腕を噛まれ、その隙にアルテミスが倒していた。痛いようとソフィアが泣いていて、ミライが必死に止血していた。アルテミスは警戒をしていたのでソフィアの介抱が出来なかった。

 全て倒したと確信したルースは皆の様子を見た。するとソフィアが腕から血を流して痛いと泣いていたのが分かり、三郎は慌てて駆け付けてソフィアにヒールを使った。

「ソフィアさん大丈夫ですか?」

 そう言って体をペタペタ触りだした。

「あっ、ありがとうございます。その、腕を怪我しただけですから、もう大丈夫です。って、ル、ルース様!怪我をなさっているじゃないですか!私なんかどうでも良いので、ご自分にヒールをお使いください」

 恥ずかしかったが、ルースが自分の怪我を後回しにして奴隷の自分の治療を先にし、本気で心配してくれている事に驚きと戸惑い、そして感謝をした。それに怪我をしているルースを見て心の底から心配した自分に戸惑っていた。

「良かった。皆無事かい?」

「ルース様!他の事は良いですから、ご自分を治して下さい!それともルース様のヒールは御自分には使えないのですか?だ、大丈夫ですか?い、痛くないのですか?」

 ソフィアがかなり慌てていた。そして取り乱したアルテミスが三郎に食って掛かった。

「ルース様はバカなのですか?どうして私を庇ったのですか?このような事をされるご主人様がいるなんて聞いた事が無いですよ!ソフィアにしてもそうです。治療して下さったのは有難いのですが、何故ご自分の治療を先になさらないのですか?ルース様は奴隷の主なのですよ!」

 二人に叱られながらトニーを見ると頷いていたが、スキルを発動してくれていたのでヒールを使った。

 ふうと一息ついてから、ソフィアの腕を取った。

 えっ?と戸惑っていたが、逆らわず黙って耐えていた。

「よし、傷はないね。そのね、君達は女で、僕は男だ。それが理由だよ。女の子が痛みで苦しんでるんだから、奴隷とかそんなんは関係ないさ」

「意味が分かりません?駄目です!奴隷の事を優先するなんてあり得ません。あっ!奴隷が生意気な事を言いました。申し訳ありません」

「アルテミスさん、ソフィアさん。僕とルースは違う世界から来たんですよ。だから常識が違うんです。男女平等であり、人により違いますが、レディーファーストという文化があるんです。女性を優先し、女性に優しくするんですよ。そういう事が美徳とされ、特にルースはその思いが強いのだと思いますよ。だから気にしないでやって下さい」

「そ、そうなのですか。分かりました。ですがルース様、少なくとも人前では私達よりご自分の事を優先して下さい。そうしないと周りから浮いてしまい、貴族から目をつけられてしまいます。あのう、本当にありがとうございます」

 ミライも驚いていたが、トニーに慣れて下さいと言われ、黙って様子を見ていた。

 その後三郎は直ぐにその場を離れようとしたが、3人が何やら探し物をし、拾っていた。ふと思うと不思議と何故か先程殺した獣型の死体がない。血の臭いも殆ど無かった。3人は周りから宝石?ガラス?石のような物を集めてきて、トニーとルースに渡してきた。

「こ、これは?」

「魔石ですよ?」

「何それ?」

「その、魔石を見て何それと言われましても・・・」

 アルテミスは首を傾げ、戸惑っていたのであった。
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