16 / 111
第二章 逃亡編
第15話 魔石
しおりを挟む
「何って、どこからどう見ても魔石ですよ?」
「宝石か石の種類か名前なの?」
「えっ!?わ、私の事をからかっておいでですか?」
「いや、至って真面目に聞いているよ。何か不思議な感じがする石だね。僕は初めて見るよ。トニーは知っている?」
「いや、僕も初めて見たよ。確かに不思議な力を感じるね。これは一体なんなんだい?」
「トニー様?ひょっとしてトニー様達の世界には魔物がいないのですか?」
「魔物ってゲームや小説での空想の物だよね。勿論見た事がないよ。そう言えばあの獣の死体はどこに行ったんだろう?誰か知らない?」
「そのですね、魔物と言うのは・・・」
ミライがこの二人は知らないんだと理解し、説明を始めた。
この世界には魔法が有り、魔力を消費する事により魔法を使える。一部の者は魔法を使う力を持っており、自力で魔法を使える。特殊なアイテムを使えば魔法適正がなくても魔法を使う事ができる。いくつかの属性があり、その属性の魔法が使える。
その魔力が集まり、コアとなる魔石を形成し、ある程度の大きさになると肉体を形成し、魔物となる。先程の魔物が一番多く見られ、弱い部類に入る。
死ぬと魔石を残し霧散する。稀にアイテムをドロップする。
魔石を燃料代わりにして日常生活に必要な魔道具を使う。ランプだったり、お湯を沸かしたり。
勿論攻撃手段にも使われる。杖に魔石をセットし、その魔力を使い、封じ込められた魔法を使う。
一番多いのは、咄嗟に魔力を放出する魔力弾だという。
杖を振るうと魔力弾がターゲットに向かって飛んでいく。
何より杖が安価なのだ。
魔法を放つのに少なくとも補助道具の杖は必須なのだ。補助道具なしに魔法を発動するより、補助道具である杖を使う方が威力が倍位になる。
またその上、杖に関しては副産物として魔力弾を放つ事ができるようになり、もちろん詠唱がいらない為素早く攻撃ができるので、一瞬の出来事であれば魔法使いは魔法ではなく魔力弾を使わざるを得ない。こちらは安価な杖ではあっても放つ事が可能だ。意匠を凝らした装飾がされた物、彫刻がされた物はもちろん高い。
その為杖のデザインを見ればある程度だが、その魔法使いのランクや強さが推測される。もちろん付加価値がついている物は高い。
杖の事は一般常識であるが、残念ながらルースは知らなかった。もちろんトニーもだ。
しかも奴隷の三人もまさかそんな当たり前の事を知らないとは考えられず、説明しなかった。常識レベルの事であればそういう事が多くなるのだ。
車に乗る時はシートベルトを締めるし、幼児を車に乗せる時はチャイルドシートに乗せるのと同じである。それをしない者がいたら、えっ?となるのと同じレベルだ。
会話をして違和感があった時に始めて知らない事なのだなと気がつく、そういう感じだ。
奴隷が主人に手を上げられないというと、ルースは設定を変えられないのか?と聞いた。
一応あるが、普通はしないが、悪意や殺意、つまり怪我をさせる意図さえ無ければ平手打ちや肘鉄、足踏み位は出来るが、それをすると多少の痛みを主人に与える事ができる。しかし報復が恐ろしくて出来ないと。
ルースは伝えた。
「えっと、もしも僕が君達に不埒な事をしたら遠慮なく殴ってね。例えばこうやってお尻を撫でたりしたら」
ドサクサに紛れて二人の尻を撫でた。きゃっと短い悲鳴を上げ、わなわなと手を震わせていた。
「ほら、僕は君たちのお尻を触ったよ。エッチ!と言って平手打ちする時だよ。さあやって」
二人が躊躇していた。
「じゃあ、命令する事になるけど、どうする?」
すると一瞬こわばり、失礼しますと二人はペチット撫でるように頬を軽く叩いた。
二人は恐る恐るルースを見た。
「うーん、もっと力を入れなよ。ストレスが溜まってるだろ?僕は奴隷が何をできるのかちゃんと知らないと行けないんだ。本気で殴って。大丈夫、痛みはヒールを使えばすぐに消えるから」
そう言うと、二人は言われた通りにエッチ!といいながらルースを殴った。と言うか、本気のストレートが炸裂し、ガチーンといい音がした。
すかさず二人の手を取りヒールを掛けた。まずは二人の手の痛みを取ったのだ。
「えっ?何をしているのですか?ルース様の頬の痛みを先に取るべきです!何故私達が先なのですか?」
「おんにゃのきょの痛みをとりゅのがさきだじょ」
口の中を切ってしまったのと、頬が腫れてまともに喋れなかった。
二人は少し笑った。ルースがあまりにも変な顔になり、ゴニョゴニョだったからだ。
ルースは首を振り自分の頬に手を当てヒールを使った。
ルースは二人の前に土下座をした。
「ごめんなさい。その、お尻を触ってしまった」
慌てて二人はルースが謝るのを止めさせるべく、起こして止めたのであった。
「宝石か石の種類か名前なの?」
「えっ!?わ、私の事をからかっておいでですか?」
「いや、至って真面目に聞いているよ。何か不思議な感じがする石だね。僕は初めて見るよ。トニーは知っている?」
「いや、僕も初めて見たよ。確かに不思議な力を感じるね。これは一体なんなんだい?」
「トニー様?ひょっとしてトニー様達の世界には魔物がいないのですか?」
「魔物ってゲームや小説での空想の物だよね。勿論見た事がないよ。そう言えばあの獣の死体はどこに行ったんだろう?誰か知らない?」
「そのですね、魔物と言うのは・・・」
ミライがこの二人は知らないんだと理解し、説明を始めた。
この世界には魔法が有り、魔力を消費する事により魔法を使える。一部の者は魔法を使う力を持っており、自力で魔法を使える。特殊なアイテムを使えば魔法適正がなくても魔法を使う事ができる。いくつかの属性があり、その属性の魔法が使える。
その魔力が集まり、コアとなる魔石を形成し、ある程度の大きさになると肉体を形成し、魔物となる。先程の魔物が一番多く見られ、弱い部類に入る。
死ぬと魔石を残し霧散する。稀にアイテムをドロップする。
魔石を燃料代わりにして日常生活に必要な魔道具を使う。ランプだったり、お湯を沸かしたり。
勿論攻撃手段にも使われる。杖に魔石をセットし、その魔力を使い、封じ込められた魔法を使う。
一番多いのは、咄嗟に魔力を放出する魔力弾だという。
杖を振るうと魔力弾がターゲットに向かって飛んでいく。
何より杖が安価なのだ。
魔法を放つのに少なくとも補助道具の杖は必須なのだ。補助道具なしに魔法を発動するより、補助道具である杖を使う方が威力が倍位になる。
またその上、杖に関しては副産物として魔力弾を放つ事ができるようになり、もちろん詠唱がいらない為素早く攻撃ができるので、一瞬の出来事であれば魔法使いは魔法ではなく魔力弾を使わざるを得ない。こちらは安価な杖ではあっても放つ事が可能だ。意匠を凝らした装飾がされた物、彫刻がされた物はもちろん高い。
その為杖のデザインを見ればある程度だが、その魔法使いのランクや強さが推測される。もちろん付加価値がついている物は高い。
杖の事は一般常識であるが、残念ながらルースは知らなかった。もちろんトニーもだ。
しかも奴隷の三人もまさかそんな当たり前の事を知らないとは考えられず、説明しなかった。常識レベルの事であればそういう事が多くなるのだ。
車に乗る時はシートベルトを締めるし、幼児を車に乗せる時はチャイルドシートに乗せるのと同じである。それをしない者がいたら、えっ?となるのと同じレベルだ。
会話をして違和感があった時に始めて知らない事なのだなと気がつく、そういう感じだ。
奴隷が主人に手を上げられないというと、ルースは設定を変えられないのか?と聞いた。
一応あるが、普通はしないが、悪意や殺意、つまり怪我をさせる意図さえ無ければ平手打ちや肘鉄、足踏み位は出来るが、それをすると多少の痛みを主人に与える事ができる。しかし報復が恐ろしくて出来ないと。
ルースは伝えた。
「えっと、もしも僕が君達に不埒な事をしたら遠慮なく殴ってね。例えばこうやってお尻を撫でたりしたら」
ドサクサに紛れて二人の尻を撫でた。きゃっと短い悲鳴を上げ、わなわなと手を震わせていた。
「ほら、僕は君たちのお尻を触ったよ。エッチ!と言って平手打ちする時だよ。さあやって」
二人が躊躇していた。
「じゃあ、命令する事になるけど、どうする?」
すると一瞬こわばり、失礼しますと二人はペチット撫でるように頬を軽く叩いた。
二人は恐る恐るルースを見た。
「うーん、もっと力を入れなよ。ストレスが溜まってるだろ?僕は奴隷が何をできるのかちゃんと知らないと行けないんだ。本気で殴って。大丈夫、痛みはヒールを使えばすぐに消えるから」
そう言うと、二人は言われた通りにエッチ!といいながらルースを殴った。と言うか、本気のストレートが炸裂し、ガチーンといい音がした。
すかさず二人の手を取りヒールを掛けた。まずは二人の手の痛みを取ったのだ。
「えっ?何をしているのですか?ルース様の頬の痛みを先に取るべきです!何故私達が先なのですか?」
「おんにゃのきょの痛みをとりゅのがさきだじょ」
口の中を切ってしまったのと、頬が腫れてまともに喋れなかった。
二人は少し笑った。ルースがあまりにも変な顔になり、ゴニョゴニョだったからだ。
ルースは首を振り自分の頬に手を当てヒールを使った。
ルースは二人の前に土下座をした。
「ごめんなさい。その、お尻を触ってしまった」
慌てて二人はルースが謝るのを止めさせるべく、起こして止めたのであった。
1
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる