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第二章 逃亡編
第17話 街へ
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そこから先も時折魔物と遭遇していたが、その都度速攻で叩き潰している状態であった。
たまたま恵まれたとしか言いようがないのだが、弱い魔物としか出くわさなく、今の彼らでも対処できていた。
奴隷の3人は現在魔法が使えない。
正確には魔法使用を禁止されている為できなかったのだ。
奴隷になった時に魔法使用を禁止されており、ルースもトニーもそれを知らない。もしも知ってさえいれば封印を解除する事が可能だったが、3人がそうされていると知らなかった為解除していなかった。主人が奴隷に告げれば簡単に出来るのだが。
魔法を使えない魔法使いは何の役にも立たないお荷物でしかなかった。
おまけに奴隷として売られるまでの間に教育を受けていたが、その間の扱いもあまり良くなく、結果として体も弱かった。体力が少ない影響から息が切れるのが早く、30分進むと10分ほど休憩せざるを得ない状況になっていた。
そのため遅々として進まないような状況である。幸い森を進む事によって進みたい方向に対してショートカットしている状態であった。
丁度お昼ぐらいだろうか、何度か休憩した後奴隷の3人は肩で息をしている状態だったのだが、森を抜け街道に出た。
そこから15分程歩いただろうか、大きくはないがこの世界での典型的な大きさの町が見えてきた。
ルース達が抜けてきた森は、本来危険生物が多く生息する危険な地域だ。
行けば死が待っているとして、近隣の町の者たちは決して近寄らない森であった。その為王都から今ルース達が辿り着いた町に行こうと思うと、この森を丸一日掛けて大きく迂回しなければ来る事ができない。
ルース達が獣道を歩き森の中をショートカットしてきた為、半日でこの町に辿り着いたのだ。
この町も高い壁で覆われており、正面入り口と思われるところに門があり、入出を管理する門番がいるのが見えた。
町に入るのはそんなに難しい事ではなかった。数組が町に入る為に並んでおり、数分で順番が来たが、ルース達は目立っていた。
奴隷を、それも美人ばかりだからかなりの高級奴隷と分かる奴隷を3人も連れている。しかも主人はかなり若いし、髪が漆黒だからだ。どこぞのボンボンなのだろうと、関わらない方が良いと、周りの者は一瞥するに留まった。奴隷に対してもそうだが、下手に値踏みするように見てしまうと、なにを人の奴隷を見ているんだと難癖を付けられるかもだから、やはり一瞥だけしかしなかった。
門番は奴隷を見るも一瞥だけし、奴隷の主に対しオーブに手をかざせと言った。ソフィアはルースに理由を教えた。犯罪者のチェックだと。
オーブに手をかざすと言っても奴隷はしない。主人のみだ。奴隷は主の後ろをついて歩く。ルースとトニーの二人がチェックを受け、問題無しとして町へ入る許可が出た。
町に入る時にする事は犯罪者のチェックだけである。貴族などであれば通行証を見せてそれで終わるが、一般人はオーブに手を翳す事だけはやらなければならない。
この町から国境迄は馬車で2、3日掛かると言う。さてどうするか?となったが、なるべくなら王都から距離を置きたかった。勇者を取り逃がしたと気がつかれているのだろうと、追手を差し向けて来るであろうと危機感があった。城では何とか逃げ切ったが、寝込みを襲われればひとたまりもない。ましてやお荷物、もとい、奴隷の少女達を守りながら逃げられるとは限らない。ルースは自分の事で精一杯なのだが、この少女達を見捨てたりする事は出来ない。関わってしまったし、可愛そうだと情が湧いたのだ。奴隷から開放すると約束をした。約束を果たす義理はないのだが、一度した約束は絶対なのだ。意固地になるような性分だった。それに二人の事を保護しないとと、自ら求めて奴隷の主人になった訳ではないが、主人となってしまっているので責任感が働いている。
町に入って町並みをざっくりと見た。平屋建てもしくは2階建ての建物が殆どであり、所々3階建てが有る程度だ。また作りは基本的に木造だった。
中にはレンガ作りのものもあったが、やはり映画で見た事のあるような中性のヨーロッパだったり、イタリアやパリ辺りを彷彿とさせるような建物が多く見られた。
2階が住居で1階が店舗というようなパターンが多い。通りにはお店が多くあった。入り口から近いためであろう。
そして去り際に門番に旅の途中で魔物に襲われ馬車を喪った事。代わりの馬車が欲しいがどこに行けば買えるのかを聞き、教えて貰った所で馬車を買おうとなった。
アルテミスが心配そうに聞いてきた。
「お金がそれなりに掛かると思われますが大丈夫なのでしょうか?」
ルースはドヤ顔で答えた。
「ふふふ。お金は収納の中にたっぷり入っているから大丈夫だと思うよ!亡くなった聖哉さんの支度金もドサクサに紛れて持っているしさ。3人の支度金を合わせて金貨1500枚有るから、事お金に関しては困らないと思うけど、足りるよね?」
「えっ?そんなにお持ちだったのですね。多分馬車は金貨100枚くらいからあると思います」
お金は余裕だな!となり、馬車を扱っている商店に向かって行くのであった。
たまたま恵まれたとしか言いようがないのだが、弱い魔物としか出くわさなく、今の彼らでも対処できていた。
奴隷の3人は現在魔法が使えない。
正確には魔法使用を禁止されている為できなかったのだ。
奴隷になった時に魔法使用を禁止されており、ルースもトニーもそれを知らない。もしも知ってさえいれば封印を解除する事が可能だったが、3人がそうされていると知らなかった為解除していなかった。主人が奴隷に告げれば簡単に出来るのだが。
魔法を使えない魔法使いは何の役にも立たないお荷物でしかなかった。
おまけに奴隷として売られるまでの間に教育を受けていたが、その間の扱いもあまり良くなく、結果として体も弱かった。体力が少ない影響から息が切れるのが早く、30分進むと10分ほど休憩せざるを得ない状況になっていた。
そのため遅々として進まないような状況である。幸い森を進む事によって進みたい方向に対してショートカットしている状態であった。
丁度お昼ぐらいだろうか、何度か休憩した後奴隷の3人は肩で息をしている状態だったのだが、森を抜け街道に出た。
そこから15分程歩いただろうか、大きくはないがこの世界での典型的な大きさの町が見えてきた。
ルース達が抜けてきた森は、本来危険生物が多く生息する危険な地域だ。
行けば死が待っているとして、近隣の町の者たちは決して近寄らない森であった。その為王都から今ルース達が辿り着いた町に行こうと思うと、この森を丸一日掛けて大きく迂回しなければ来る事ができない。
ルース達が獣道を歩き森の中をショートカットしてきた為、半日でこの町に辿り着いたのだ。
この町も高い壁で覆われており、正面入り口と思われるところに門があり、入出を管理する門番がいるのが見えた。
町に入るのはそんなに難しい事ではなかった。数組が町に入る為に並んでおり、数分で順番が来たが、ルース達は目立っていた。
奴隷を、それも美人ばかりだからかなりの高級奴隷と分かる奴隷を3人も連れている。しかも主人はかなり若いし、髪が漆黒だからだ。どこぞのボンボンなのだろうと、関わらない方が良いと、周りの者は一瞥するに留まった。奴隷に対してもそうだが、下手に値踏みするように見てしまうと、なにを人の奴隷を見ているんだと難癖を付けられるかもだから、やはり一瞥だけしかしなかった。
門番は奴隷を見るも一瞥だけし、奴隷の主に対しオーブに手をかざせと言った。ソフィアはルースに理由を教えた。犯罪者のチェックだと。
オーブに手をかざすと言っても奴隷はしない。主人のみだ。奴隷は主の後ろをついて歩く。ルースとトニーの二人がチェックを受け、問題無しとして町へ入る許可が出た。
町に入る時にする事は犯罪者のチェックだけである。貴族などであれば通行証を見せてそれで終わるが、一般人はオーブに手を翳す事だけはやらなければならない。
この町から国境迄は馬車で2、3日掛かると言う。さてどうするか?となったが、なるべくなら王都から距離を置きたかった。勇者を取り逃がしたと気がつかれているのだろうと、追手を差し向けて来るであろうと危機感があった。城では何とか逃げ切ったが、寝込みを襲われればひとたまりもない。ましてやお荷物、もとい、奴隷の少女達を守りながら逃げられるとは限らない。ルースは自分の事で精一杯なのだが、この少女達を見捨てたりする事は出来ない。関わってしまったし、可愛そうだと情が湧いたのだ。奴隷から開放すると約束をした。約束を果たす義理はないのだが、一度した約束は絶対なのだ。意固地になるような性分だった。それに二人の事を保護しないとと、自ら求めて奴隷の主人になった訳ではないが、主人となってしまっているので責任感が働いている。
町に入って町並みをざっくりと見た。平屋建てもしくは2階建ての建物が殆どであり、所々3階建てが有る程度だ。また作りは基本的に木造だった。
中にはレンガ作りのものもあったが、やはり映画で見た事のあるような中性のヨーロッパだったり、イタリアやパリ辺りを彷彿とさせるような建物が多く見られた。
2階が住居で1階が店舗というようなパターンが多い。通りにはお店が多くあった。入り口から近いためであろう。
そして去り際に門番に旅の途中で魔物に襲われ馬車を喪った事。代わりの馬車が欲しいがどこに行けば買えるのかを聞き、教えて貰った所で馬車を買おうとなった。
アルテミスが心配そうに聞いてきた。
「お金がそれなりに掛かると思われますが大丈夫なのでしょうか?」
ルースはドヤ顔で答えた。
「ふふふ。お金は収納の中にたっぷり入っているから大丈夫だと思うよ!亡くなった聖哉さんの支度金もドサクサに紛れて持っているしさ。3人の支度金を合わせて金貨1500枚有るから、事お金に関しては困らないと思うけど、足りるよね?」
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