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第二章 逃亡編
第26話 国境へ
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夜明けすぐから活動していたので、そろそろ出発となった時はまだ普通の人々がそろそろ起き出す、そういう時間帯だった。
この日の御者はトニーとミライの二人でスタートした。
ルースはというと二人に挟まれ、特にソフィアに怒られていた。
「ルース様、お疲れ様です。見張りの時に一体何をなさっていたのですか?リーナとルーナと仲良くなり、仲間になったのはいいですが、私達は一体何個の魔石を拾ったと思うのですか?」
「20個位かな?」
「はあ??30個あったんですよ!30個ですよ!。いくらあの子が強いとはいえ、それでも2対30ですよ!。下手をしたら死んでいるのですよ!分かっているんですか?もっと自分の事を大事にしてください。ルース様は私達の事を大事に扱ってくれますが、私達の事はどうでもいいので、まずは自分の事を大事にしてください。このままだといつか死にますよ!確かに大事にして頂けるのは嬉しくは有りますが本末転倒ですよ!」
「その、言い訳のしようがない。その、今までヌンチャクを振っても自己鍛錬にしか使えなかったんだ。そんな中こうやって人以外と戦い、命をやり取りする、そんな緊張感がその、たまらなかったんだ。バカだと思うかも分からないけど、武闘家としてその、無性に興奮したんだ。夢中で戦ったんだ。特にリーナと戦った時は楽しかったよ。ほとんど掠りしかしなくて、ミスをすれば逆にこちらがやられる!そんな緊張感がたまらなかったんだ。分かっている、分かっているよ。自分を制御できていなかったんだ。そのう、ソフィア、心配してくれてありがとう」
「分かってくれたのならばそれで良いです。ルース様の服がボロボロになっていて心配だったんですよ!ルース様が大怪我をしたら私泣いちゃいますよ!」
リーナはソフィアを見て戸惑っていたようだが、ソフィアが優しく頬を撫でるとお礼と言わんばかりに頬ずりをして嬉しそうに嘶いていた。
リーナは付かず離れずで、馬車の前に行ったかと思うと時折茂みに入って行き、倒した魔物の魔石をルースの所に持ってきており、褒めると嬉しそうにしていた。また、魔物の気配を感じると魔物を退治しに行く感じだ。ルーナは時折馬車から離れ駆けていたりアルテミスの膝の上にちょこんと座っていたりと元気一杯だ。
ルースはアルテミスに聞いた
「聖獣との契約というものについて教えて欲しいんだ。それとリーナにとって僕は何なんだろうか?」
「はい。あの子が契約したとして、ルース様の立場は変わらないです。契約者と聖獣様との間は同等の立場なのです。友達、そうですね親友、そう言ってもいい存在です。契約をすると念話で簡単な話が出来るの。それと契約者が触れている時に魔法を発動すると威力が倍になるの。」
「か、会話ができるのか!」
「それと今のリーナにとってのルース様の存在は、そうですね、簡単に言うと崇める存在、そう群れのボスですね。聖獣様は二つの契約ができると聞いていますが、私がしようとしている契約はよくある契約です。それは対等の者と認めた場合に契約し、お互いを助け合っていきます。ですがルース様の場合はどちらかと言うと主従契約です。己よりも強いと認めた者に降る事があり、何十年に一度位で発生すると聞いています。もう降っているのではないでしょうか?えっと、あのう、この子達は普通の聖獣様とは違います。特別な個体になると思われるので、群から追い出されたのだと思います。順調に育てば基本的に群れのリーダーとなる、そういう存在になるのだと思います。親からは殺されるような事がありませんが、群れのリーダーや、群の中の強い個体から恐れられ、下手をすれば殺される事もあるのだと聞いています。なのでこの子の親が逃したのでしょう。リーナは最近一気に大きくなり、その存在に群れの誰かが気が付いたのでしょう。そして2頭は群れから逃げ出し、ルーナを守りつつ今まで生きてきたのだと思います」
聖獣について教えてもらっていると、前方に小さな町が見えてきた。
どうするか少し迷ったが、食料調達と現在地がどこなのかを確認する為に町に立ち寄る事にした。食料を調達するのにやはり宿屋に行き、今作れる物を包んでもらった。ミライとトニーは門番のところで色々な話を聞いていた。長居は無用なので食料を調達次第、町を出発する事にした。
アルテミスとソフィアは町から少し離れたところに置いてきた。そう、リーナ達と一緒にだ。リーナ達を連れていると聖獣だと分かり、色々と面倒な事になる可能性があるとアルテミスが言っており、安全が確保されるまではリスクを回避する必要が有るからだ。
30分程で弁当を作って貰い、トニー達と合流して町を出て、アルテミス達と合流した。ソフィアとアルテミスはリーナを交え何やら楽しげに話し込んでいた。ルーナはまだ幼くリーナの背に乗り昼寝をしていた。
ルースの顔を見るなり二人はぱっと明るくなった。
「ルース様おかえり!」
そんな感じで喋り方もだいぶ進歩した。お帰りなさいませではなく、おかえりと言ってくれたのだ。ルースは一言ただいまというだけだ。特に何かあったかというような事を聞く事もなかった。何かあれば話してくるし、彼女達が楽しそうに話していたという事は、おのずと何もなかった事を意味する。
全員揃ったのでまた進み出したが、町で聞いた話だと、馬車で後2時間程行くと国境が見えてくるだろうという事だった。
合流してからはルースとソフィアの御者で馬車を進めていた。アルテミスは本人の希望でリーナの背に乗っていた。そういう時はルーナはソフィアに可愛がられていた。
おそらくあと1時間ぐらいで国境だろうかという辺りで異変があったのであった。
この日の御者はトニーとミライの二人でスタートした。
ルースはというと二人に挟まれ、特にソフィアに怒られていた。
「ルース様、お疲れ様です。見張りの時に一体何をなさっていたのですか?リーナとルーナと仲良くなり、仲間になったのはいいですが、私達は一体何個の魔石を拾ったと思うのですか?」
「20個位かな?」
「はあ??30個あったんですよ!30個ですよ!。いくらあの子が強いとはいえ、それでも2対30ですよ!。下手をしたら死んでいるのですよ!分かっているんですか?もっと自分の事を大事にしてください。ルース様は私達の事を大事に扱ってくれますが、私達の事はどうでもいいので、まずは自分の事を大事にしてください。このままだといつか死にますよ!確かに大事にして頂けるのは嬉しくは有りますが本末転倒ですよ!」
「その、言い訳のしようがない。その、今までヌンチャクを振っても自己鍛錬にしか使えなかったんだ。そんな中こうやって人以外と戦い、命をやり取りする、そんな緊張感がその、たまらなかったんだ。バカだと思うかも分からないけど、武闘家としてその、無性に興奮したんだ。夢中で戦ったんだ。特にリーナと戦った時は楽しかったよ。ほとんど掠りしかしなくて、ミスをすれば逆にこちらがやられる!そんな緊張感がたまらなかったんだ。分かっている、分かっているよ。自分を制御できていなかったんだ。そのう、ソフィア、心配してくれてありがとう」
「分かってくれたのならばそれで良いです。ルース様の服がボロボロになっていて心配だったんですよ!ルース様が大怪我をしたら私泣いちゃいますよ!」
リーナはソフィアを見て戸惑っていたようだが、ソフィアが優しく頬を撫でるとお礼と言わんばかりに頬ずりをして嬉しそうに嘶いていた。
リーナは付かず離れずで、馬車の前に行ったかと思うと時折茂みに入って行き、倒した魔物の魔石をルースの所に持ってきており、褒めると嬉しそうにしていた。また、魔物の気配を感じると魔物を退治しに行く感じだ。ルーナは時折馬車から離れ駆けていたりアルテミスの膝の上にちょこんと座っていたりと元気一杯だ。
ルースはアルテミスに聞いた
「聖獣との契約というものについて教えて欲しいんだ。それとリーナにとって僕は何なんだろうか?」
「はい。あの子が契約したとして、ルース様の立場は変わらないです。契約者と聖獣様との間は同等の立場なのです。友達、そうですね親友、そう言ってもいい存在です。契約をすると念話で簡単な話が出来るの。それと契約者が触れている時に魔法を発動すると威力が倍になるの。」
「か、会話ができるのか!」
「それと今のリーナにとってのルース様の存在は、そうですね、簡単に言うと崇める存在、そう群れのボスですね。聖獣様は二つの契約ができると聞いていますが、私がしようとしている契約はよくある契約です。それは対等の者と認めた場合に契約し、お互いを助け合っていきます。ですがルース様の場合はどちらかと言うと主従契約です。己よりも強いと認めた者に降る事があり、何十年に一度位で発生すると聞いています。もう降っているのではないでしょうか?えっと、あのう、この子達は普通の聖獣様とは違います。特別な個体になると思われるので、群から追い出されたのだと思います。順調に育てば基本的に群れのリーダーとなる、そういう存在になるのだと思います。親からは殺されるような事がありませんが、群れのリーダーや、群の中の強い個体から恐れられ、下手をすれば殺される事もあるのだと聞いています。なのでこの子の親が逃したのでしょう。リーナは最近一気に大きくなり、その存在に群れの誰かが気が付いたのでしょう。そして2頭は群れから逃げ出し、ルーナを守りつつ今まで生きてきたのだと思います」
聖獣について教えてもらっていると、前方に小さな町が見えてきた。
どうするか少し迷ったが、食料調達と現在地がどこなのかを確認する為に町に立ち寄る事にした。食料を調達するのにやはり宿屋に行き、今作れる物を包んでもらった。ミライとトニーは門番のところで色々な話を聞いていた。長居は無用なので食料を調達次第、町を出発する事にした。
アルテミスとソフィアは町から少し離れたところに置いてきた。そう、リーナ達と一緒にだ。リーナ達を連れていると聖獣だと分かり、色々と面倒な事になる可能性があるとアルテミスが言っており、安全が確保されるまではリスクを回避する必要が有るからだ。
30分程で弁当を作って貰い、トニー達と合流して町を出て、アルテミス達と合流した。ソフィアとアルテミスはリーナを交え何やら楽しげに話し込んでいた。ルーナはまだ幼くリーナの背に乗り昼寝をしていた。
ルースの顔を見るなり二人はぱっと明るくなった。
「ルース様おかえり!」
そんな感じで喋り方もだいぶ進歩した。お帰りなさいませではなく、おかえりと言ってくれたのだ。ルースは一言ただいまというだけだ。特に何かあったかというような事を聞く事もなかった。何かあれば話してくるし、彼女達が楽しそうに話していたという事は、おのずと何もなかった事を意味する。
全員揃ったのでまた進み出したが、町で聞いた話だと、馬車で後2時間程行くと国境が見えてくるだろうという事だった。
合流してからはルースとソフィアの御者で馬車を進めていた。アルテミスは本人の希望でリーナの背に乗っていた。そういう時はルーナはソフィアに可愛がられていた。
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