神獣使いは魔法の使えない魔法使い!〜異世界召喚された魔法使いはヌンチャクの使い手だった!奴隷少女と格闘派魔法使いの異世界成り上がり物語!〜

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第二章 逃亡編

第36話 鈍感?

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「えっ?どうって、大切な仲間かな。そりゃあ僕が主人になっているけど、対等な立場の仲間だと思っているよ!」

「そういう事じゃ無いの。ルースって鈍感よね。まだ分からないの?私達の希望が何なのか?女に恥をかかせないでよね!」

「えっ?」

「もうばか!あんぽんたん!死ねばよかったのよ」

 ソフィアはアッカンベーをしていた。そんなルースを見ていたミライはため息をついた。

 ルースはというと、もう一度二人の手を掴み取ると、強引に抱き寄せた。

「改めてお礼を言うよ。ありがとう。二人が何を求めているか分かっているつもりだよ。でも今は駄目だ。ハレムに着いたらちゃんと言うつもりだよ。奴隷から開放した後に僕に対して愛想が尽きていなければね」

「奴隷だから駄目なの?愛想が尽きる事なんてないわよ!奴隷が人を好きになったら駄目なの?奴隷の私達に優しくしてくれるルースが好きなの!抱いて欲しいの!貴方の女になりたいの!」

「そうですよ!奴隷の私がまさか聖獣と契約できる日が来るなんて思いも寄らなかったの。こんな奴隷の私に優しく救いの手を差し伸べてくれるルース様を好きになったの。もう人を好きになるなんて無いと思っていたのにルース様の事を好きになったの!」

「だから駄目なんだ。好きだと言われて嬉しいけど、それじゃあ駄目なんだ。例え奴隷で有っても心の底から女として僕に惚れたのなら僕もその想いに応えたい。でも二人のはちょっと優しくしてくれた奴隷の主に捨てられたくないからとしがみついているだけなんだ。どの道ハレムに入るまでは何もできないけど、僕は一人の女としてのソフィアとアルテミスを愛したいのであって、奴隷を抱きたいんじゃないんだ。だからぼくの事を奴隷の主としてじゃなく、一人の男として見れるようになったらちゃんと僕の方から言うから。ね!だから今はこれで我慢してね」

 まずはソフィアにそっと、ほんの一瞬だがキスをした。そしてアルテミスにも。ソフィアは不意打ちだったが、アルテミスは目を閉じて上目遣いで待っていた。

「これが今の僕の精一杯の答えかな。僕も君達の人となりを見て、それでちゃんと向き合えるようになりたいんだ。まだ今の僕の君達に対する気持ちは、二人は綺麗な素敵な女性で、こんな人が恋人だったらな位なんだ」

 二人はハッとなった。心当たりがあるからだ。それと初めてのキスに心ここにあらずだった。

 ミライがルースに告げた。

「思っていたのと違いますが、まずまずですわね。もうこれで彼女達はルース様の事を一人の女として見るようになると思いますわ。しかも心の底から愛するように。もし、判っていなくてそうしているのであれば、すけこましの天賦の才をお持ちなのでしょうね。あの子達を泣かせたら私が許しませんからね!」

「肝に銘じておきますよ。自分でも判っています。これは彼女達のハートをしっかり掴む事になるのだと。僕は必ず彼女達をモノにします。それで満足ですか?」

「あらあらどこまで本気でどこまでが嘘か分からないですが、彼女達の気持ちを受け入れてあげてくださいな。あの子達も乙女なのですからね」

 ルースが回復しきっていなかったので皆の意見が一致し、ルースはリーナの背に乗ってハレム国方面に向かって進み出したのであった。
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