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本編
第3話 より深みへ
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物欲。それは、僕が手に入れた「広大な世界」の、避けられない対価だった。
デジタルデータだけでは満たされない、「所有する」という確かな手触りへの渇望だ。
画面の中に閉じ込められた二次元の彼女たちは、僕の手のひらに触れることはない。
あの高揚感を、もっと「現実」で感じたい。
その衝動が、僕を突き動かした。
Key作品の系譜を追ううち、僕の関心は「感動」だけでなく、「作家性」へと向かっていた。
みつみ美里、七尾奈留、鈴平ひろ、☆画野郎。
最高の作家たちが描く、繊細で、時に力強いキャラクターたち。
その情熱の源泉である「同人誌」を、この手で手に入れたい。
WinMXで手に入れたデジタルデータは、あくまで情報だったが、本物の紙媒体になった時、そこに込められた作家の魂は、もっと強く僕に語りかけてくるに違いない。
同人誌は、作家の息遣いが直接伝わる、まさに「血の通った作品」なのだ。
そして、僕の物欲は、とある場所へ誘導する。
週末の午後、僕は意を決して、電車で隣町の繁華街へと向かう。
目指すは、オタクの聖地。「虎の穴」、「メロンブックス」、そして「アニメイト」だった。
初めて足を踏み入れた時の、あの熱気。
びっしりと並んだ棚、カゴいっぱいに商品を選ぶ同志たち。
その空間の全てが、僕の知らない「ディープなオタクの世界」そのものだった。
そこで僕は、物欲の波に呑まれていく。
Keyの最新作『CLANNAD』、そして奈須きのこの『Fate/stay night』を買い求めた。
前者はKey作品としての集大成を予感させ、後者は、それまでのギャルゲーとは一線を画す、重厚な伝奇とバトル展開に、僕のオタク魂を揺さぶった。
さらに、同人ゲームである『月姫』、そしてその対戦格闘ゲーム版『メルティブラッド』まで手を伸ばした。
WinMXの向こう側にあった「熱狂」は、今、僕の部屋に積み上がったパッケージとして、具体的な存在となっていた。
音楽の世界も同様だった。
KOTOKOの鋭いボーカルに魅せられた僕は、その源流である音楽制作集団「I’ve(アイヴ)」へと関心を広げていった。
MELL、川田まみ、島みやえい子。
それぞれの歌い手が持つ個性と、I’veが生み出す叙情的でハイテンポなサウンドは、僕のMDとHDDを次々と埋め尽くした。
部屋は、あっという間に変貌した。
壁にはアニメのポスターが貼られ、『新世紀エヴァンゲリオン』『機動戦士ガンダムSEED』『スパイラル』などのDVDボックスが棚を占拠する。
同人誌、新作ゲーム、フィギュア、グッズ。ブラウン管モニタの青白い光が、それら「僕の好き」の全てを照らしていた。
「あぁ、これが、僕の部屋だ」
まるで、繭の中にいるような安心感。
現実のしがらみから解き放たれ、ただひたすらに「好き」に浸れる、僕だけの聖域。
僕はもう、単なるアニメ好きの高校生ではない。ゲーム、同人、I've……文化の深淵を知る、ディープな住人になっていた。
しかし、その所有欲は、さらに一歩踏み込んだ。
幾度もプレイしたい『CLANNAD』や『Fate』、そして高価で希少な同人誌。
これらを触って、パッケージを開けて、ディスクを入れ替えるたびに、「傷つけてしまうかもしれない」という恐怖が僕を襲った。
この大切な聖遺物を、絶対に汚したくない、完璧な状態で未来に残したい――。
そんな思いがふと湧いてきた。
僕の物欲は、ゲームや映像の世界だけに留まらなかった。
『まぶらほ』という活字の魅力に気づいて以来、その世界は急速に拡張していた。
週末、虎の穴やメロンブックスの賑わう店内で、僕の目はコミックや同人誌だけでなく、鮮やかなイラストの表紙に包まれた活字の本――ライトノベルを捉えるようになっていた。
そのラインナップは、僕のオタク魂を再び揺さぶった。
軍事と学園コメディを融合させた『フルメタル・パニック!』の洗練された物語。
青春の切なさとSFが交錯する名作『イリヤの空、UFOの夏』。
そして、後に一大ブームを巻き起こす、シャナという少女の躍動感あふれるバトルファンタジー『灼眼のシャナ』。
活字なのに、物語の背景には常に魅力的なキャラクターと、それを描くイラストレーターたちの存在があった。
僕は、これらのライトノベルを読み進めるうちに、ギャルゲーのイラストレーターたちが、ライトノベルでも活躍しているという事実に気づいた。
例えば、『灼眼のシャナ』のいとうのいぢ先生のように。
「ギャルゲー」と「ライトノベル」は、異なるメディアでありながら、その根幹で「キャラクターの魅力」と「イラストレーターの熱量」という共通の文脈で強く結びついていたのだ。
この発見は、僕の知識体系に新たな光をもたらした。
当然、ライトノベルへの物欲も爆発した。
一度読み終わった後も、この大切な一冊を二度と汚したくない。
特にイラストが描かれたページを曲げたくない。その保存願望は、奇妙な行動へと僕を駆り立てた。
僕は、近所の文房具店や、オタクショップのレジ横で、大量のビニールカバーを買い始めた。
サイズごとに分類された透明なカバーを家に持ち帰り、買ったばかりのライトノベルに、一冊一冊丁寧に装着していく。
それは、本を読む行為と同じくらい、神聖で時間を要する作業だった。
まるで、大切なフィギュアをガラスケースにしまうように、僕の部屋の本棚のライトノベルは、全てが透明な膜で覆われていった。
活字をカバーで守り終えた僕の視線は、次に、
さらにデリケートな存在――ゲームディスクとDVDボックスへと向けられた。
高価な『CLANNAD』のゲームディスク、プレミア価格の同人ゲーム、そして傷つけたくないDVD。
「これらを触らずに使う方法はないのか?」
結論は一つだった。「バックアップ」だ。
僕は、ついにPCショップでDVD-RWドライブを購入した。
当時はまだ高価だったこの装置は、僕のPC知識への探求の始まりとなった。
だが、バックアップの道は険しかった。
CD-Rへのコピーはまだしも、容量の大きなDVDをコピーしようとした時、僕は最初の大きな壁にぶつかった。
「DVDの二層化(デュアルレイヤー)」という罠だ。
市販のDVDはほとんど二層。
しかし、当時一般的に手に入るメディアは一層のものばかり。
二層のデータを一層に収めるための「圧縮技術」と、それを可能にするための「ライティングソフト」の知識が必要だった。
「どうすれば、画質を落とさずに、このデータを収められるんだ?」
インターネット、そしてWinMXの同志たちとの情報交換。
僕は、バックアップという背徳的な行為を通じて、ファイルシステム、圧縮コーデック、そしてPCハードウェアの限界という、これまで触れてこなかった技術の深淵へと足を踏み入れていくことになった。
しかし僕の熱狂的な「アーカイブ欲」は、やがて、その熱源そのものに危機をもたらし始めた。
物欲が満たされ、部屋に「聖域」が築かれていくのと時を同じくして、WinMXの世界に、不穏な空気が流れ込み始めたのだ。
「警察がマークしているらしい」「今日は危ないから落ちておけ」――。
そんな噂が、掲示板やチャットで囁かれるようになった。
かつて、僕に無限のコンテンツと繋がりを与えてくれた「回線の向こう側」が、一転して背徳的な緊張感に包まれる。
誰かと共有しているという高揚感は、いつしか「誰かに見られているかもしれない」という底冷えのする不安へと変わっていった。
そんな閉塞感の中で、僕らの間で水面下で広がり始めたのが、P2Pの次世代コミュニティ、「うたたね」だった。
それは、WinMXのような無差別な公開サーバーではない。
特定の知り合いを通じてのみ招待される、非公開の「鍵付きのサーバー」だ。
そこには、僕が熱中する文化を深く理解し、マナーと信頼を重んじる、選別された者たちだけが集まっていた。
新しいサーバーでは、コミュニケーションの質が格段に上がった。
無言のファイル交換だけでなく、本当に気の合う数人の仲間と、新作ゲームの考察や、I’veの楽曲への熱い思いをぶつけ合った。
排他的な空間だったからこそ、そこで築かれた繋がりは、より濃密で揺るぎないものとなった。
僕らは、ただの趣味を共有する仲間から、「知恵と技術を共有する同志」へと進化していったのだ。
その共同体での僕の目下の課題は「完全なバックアップの実現」だった。
僕は、同志たちとの情報交換を通じて、これまでブラックボックスだったPCの内部知識を知り始める。
僕が夢中になっていた頃、2003年、CPUの世界では、Pentium 4がクロック周波数3GHzを越え、パソコンの性能は飛躍的に向上していた。
メモリも一気に大容量化し、1GBが目前の時代に突入していた。処理速度が上がるほど、エンコードや圧縮作業は効率的になる。
そして、映像美の源泉であるGPUの存在を知った。
当時、ハイエンドのゲームを動かすためには、NVIDIAのGeForceシリーズやATIのRADEONシリーズが不可欠だった。
これらが担うグラフィック処理の進化こそが、ゲームの画質を劇的に向上させていたのだ。
さらに、僕の目的の核となるCD-RWドライブにも、読み取り精度や書き込み速度に大きな性能差があることを知る。
バックアップの道のりは想像以上に複雑だった。
市販のゲームCDには、データを完全にコピーさせないための「コピーガード」という罠が仕組まれており、特別な知識とツールが必要だった。
そして、DVDの二層化の問題は依然として巨大な壁として立ちはだかっていた。
既製品のパソコンでは、最高の性能を求めることができない。
既製のドライブやチップセットでは、コピーガードの壁を破り、二層DVDを完璧に圧縮・書き込むという「究極のアーカイブ」は達成できない。
その時、僕の頭の中に、一つの確信が生まれた。
「全てを自分の意図通りに制御するしかない」
コンテンツを完璧に守るため、僕は、パソコンという箱を、根本から理解し、作り変えることを決意した。
僕のオタクとしての次の目標は、デジタルと物理の壁を打ち破る、
「自作PC」という名の、新たな聖域の構築だった――。
デジタルデータだけでは満たされない、「所有する」という確かな手触りへの渇望だ。
画面の中に閉じ込められた二次元の彼女たちは、僕の手のひらに触れることはない。
あの高揚感を、もっと「現実」で感じたい。
その衝動が、僕を突き動かした。
Key作品の系譜を追ううち、僕の関心は「感動」だけでなく、「作家性」へと向かっていた。
みつみ美里、七尾奈留、鈴平ひろ、☆画野郎。
最高の作家たちが描く、繊細で、時に力強いキャラクターたち。
その情熱の源泉である「同人誌」を、この手で手に入れたい。
WinMXで手に入れたデジタルデータは、あくまで情報だったが、本物の紙媒体になった時、そこに込められた作家の魂は、もっと強く僕に語りかけてくるに違いない。
同人誌は、作家の息遣いが直接伝わる、まさに「血の通った作品」なのだ。
そして、僕の物欲は、とある場所へ誘導する。
週末の午後、僕は意を決して、電車で隣町の繁華街へと向かう。
目指すは、オタクの聖地。「虎の穴」、「メロンブックス」、そして「アニメイト」だった。
初めて足を踏み入れた時の、あの熱気。
びっしりと並んだ棚、カゴいっぱいに商品を選ぶ同志たち。
その空間の全てが、僕の知らない「ディープなオタクの世界」そのものだった。
そこで僕は、物欲の波に呑まれていく。
Keyの最新作『CLANNAD』、そして奈須きのこの『Fate/stay night』を買い求めた。
前者はKey作品としての集大成を予感させ、後者は、それまでのギャルゲーとは一線を画す、重厚な伝奇とバトル展開に、僕のオタク魂を揺さぶった。
さらに、同人ゲームである『月姫』、そしてその対戦格闘ゲーム版『メルティブラッド』まで手を伸ばした。
WinMXの向こう側にあった「熱狂」は、今、僕の部屋に積み上がったパッケージとして、具体的な存在となっていた。
音楽の世界も同様だった。
KOTOKOの鋭いボーカルに魅せられた僕は、その源流である音楽制作集団「I’ve(アイヴ)」へと関心を広げていった。
MELL、川田まみ、島みやえい子。
それぞれの歌い手が持つ個性と、I’veが生み出す叙情的でハイテンポなサウンドは、僕のMDとHDDを次々と埋め尽くした。
部屋は、あっという間に変貌した。
壁にはアニメのポスターが貼られ、『新世紀エヴァンゲリオン』『機動戦士ガンダムSEED』『スパイラル』などのDVDボックスが棚を占拠する。
同人誌、新作ゲーム、フィギュア、グッズ。ブラウン管モニタの青白い光が、それら「僕の好き」の全てを照らしていた。
「あぁ、これが、僕の部屋だ」
まるで、繭の中にいるような安心感。
現実のしがらみから解き放たれ、ただひたすらに「好き」に浸れる、僕だけの聖域。
僕はもう、単なるアニメ好きの高校生ではない。ゲーム、同人、I've……文化の深淵を知る、ディープな住人になっていた。
しかし、その所有欲は、さらに一歩踏み込んだ。
幾度もプレイしたい『CLANNAD』や『Fate』、そして高価で希少な同人誌。
これらを触って、パッケージを開けて、ディスクを入れ替えるたびに、「傷つけてしまうかもしれない」という恐怖が僕を襲った。
この大切な聖遺物を、絶対に汚したくない、完璧な状態で未来に残したい――。
そんな思いがふと湧いてきた。
僕の物欲は、ゲームや映像の世界だけに留まらなかった。
『まぶらほ』という活字の魅力に気づいて以来、その世界は急速に拡張していた。
週末、虎の穴やメロンブックスの賑わう店内で、僕の目はコミックや同人誌だけでなく、鮮やかなイラストの表紙に包まれた活字の本――ライトノベルを捉えるようになっていた。
そのラインナップは、僕のオタク魂を再び揺さぶった。
軍事と学園コメディを融合させた『フルメタル・パニック!』の洗練された物語。
青春の切なさとSFが交錯する名作『イリヤの空、UFOの夏』。
そして、後に一大ブームを巻き起こす、シャナという少女の躍動感あふれるバトルファンタジー『灼眼のシャナ』。
活字なのに、物語の背景には常に魅力的なキャラクターと、それを描くイラストレーターたちの存在があった。
僕は、これらのライトノベルを読み進めるうちに、ギャルゲーのイラストレーターたちが、ライトノベルでも活躍しているという事実に気づいた。
例えば、『灼眼のシャナ』のいとうのいぢ先生のように。
「ギャルゲー」と「ライトノベル」は、異なるメディアでありながら、その根幹で「キャラクターの魅力」と「イラストレーターの熱量」という共通の文脈で強く結びついていたのだ。
この発見は、僕の知識体系に新たな光をもたらした。
当然、ライトノベルへの物欲も爆発した。
一度読み終わった後も、この大切な一冊を二度と汚したくない。
特にイラストが描かれたページを曲げたくない。その保存願望は、奇妙な行動へと僕を駆り立てた。
僕は、近所の文房具店や、オタクショップのレジ横で、大量のビニールカバーを買い始めた。
サイズごとに分類された透明なカバーを家に持ち帰り、買ったばかりのライトノベルに、一冊一冊丁寧に装着していく。
それは、本を読む行為と同じくらい、神聖で時間を要する作業だった。
まるで、大切なフィギュアをガラスケースにしまうように、僕の部屋の本棚のライトノベルは、全てが透明な膜で覆われていった。
活字をカバーで守り終えた僕の視線は、次に、
さらにデリケートな存在――ゲームディスクとDVDボックスへと向けられた。
高価な『CLANNAD』のゲームディスク、プレミア価格の同人ゲーム、そして傷つけたくないDVD。
「これらを触らずに使う方法はないのか?」
結論は一つだった。「バックアップ」だ。
僕は、ついにPCショップでDVD-RWドライブを購入した。
当時はまだ高価だったこの装置は、僕のPC知識への探求の始まりとなった。
だが、バックアップの道は険しかった。
CD-Rへのコピーはまだしも、容量の大きなDVDをコピーしようとした時、僕は最初の大きな壁にぶつかった。
「DVDの二層化(デュアルレイヤー)」という罠だ。
市販のDVDはほとんど二層。
しかし、当時一般的に手に入るメディアは一層のものばかり。
二層のデータを一層に収めるための「圧縮技術」と、それを可能にするための「ライティングソフト」の知識が必要だった。
「どうすれば、画質を落とさずに、このデータを収められるんだ?」
インターネット、そしてWinMXの同志たちとの情報交換。
僕は、バックアップという背徳的な行為を通じて、ファイルシステム、圧縮コーデック、そしてPCハードウェアの限界という、これまで触れてこなかった技術の深淵へと足を踏み入れていくことになった。
しかし僕の熱狂的な「アーカイブ欲」は、やがて、その熱源そのものに危機をもたらし始めた。
物欲が満たされ、部屋に「聖域」が築かれていくのと時を同じくして、WinMXの世界に、不穏な空気が流れ込み始めたのだ。
「警察がマークしているらしい」「今日は危ないから落ちておけ」――。
そんな噂が、掲示板やチャットで囁かれるようになった。
かつて、僕に無限のコンテンツと繋がりを与えてくれた「回線の向こう側」が、一転して背徳的な緊張感に包まれる。
誰かと共有しているという高揚感は、いつしか「誰かに見られているかもしれない」という底冷えのする不安へと変わっていった。
そんな閉塞感の中で、僕らの間で水面下で広がり始めたのが、P2Pの次世代コミュニティ、「うたたね」だった。
それは、WinMXのような無差別な公開サーバーではない。
特定の知り合いを通じてのみ招待される、非公開の「鍵付きのサーバー」だ。
そこには、僕が熱中する文化を深く理解し、マナーと信頼を重んじる、選別された者たちだけが集まっていた。
新しいサーバーでは、コミュニケーションの質が格段に上がった。
無言のファイル交換だけでなく、本当に気の合う数人の仲間と、新作ゲームの考察や、I’veの楽曲への熱い思いをぶつけ合った。
排他的な空間だったからこそ、そこで築かれた繋がりは、より濃密で揺るぎないものとなった。
僕らは、ただの趣味を共有する仲間から、「知恵と技術を共有する同志」へと進化していったのだ。
その共同体での僕の目下の課題は「完全なバックアップの実現」だった。
僕は、同志たちとの情報交換を通じて、これまでブラックボックスだったPCの内部知識を知り始める。
僕が夢中になっていた頃、2003年、CPUの世界では、Pentium 4がクロック周波数3GHzを越え、パソコンの性能は飛躍的に向上していた。
メモリも一気に大容量化し、1GBが目前の時代に突入していた。処理速度が上がるほど、エンコードや圧縮作業は効率的になる。
そして、映像美の源泉であるGPUの存在を知った。
当時、ハイエンドのゲームを動かすためには、NVIDIAのGeForceシリーズやATIのRADEONシリーズが不可欠だった。
これらが担うグラフィック処理の進化こそが、ゲームの画質を劇的に向上させていたのだ。
さらに、僕の目的の核となるCD-RWドライブにも、読み取り精度や書き込み速度に大きな性能差があることを知る。
バックアップの道のりは想像以上に複雑だった。
市販のゲームCDには、データを完全にコピーさせないための「コピーガード」という罠が仕組まれており、特別な知識とツールが必要だった。
そして、DVDの二層化の問題は依然として巨大な壁として立ちはだかっていた。
既製品のパソコンでは、最高の性能を求めることができない。
既製のドライブやチップセットでは、コピーガードの壁を破り、二層DVDを完璧に圧縮・書き込むという「究極のアーカイブ」は達成できない。
その時、僕の頭の中に、一つの確信が生まれた。
「全てを自分の意図通りに制御するしかない」
コンテンツを完璧に守るため、僕は、パソコンという箱を、根本から理解し、作り変えることを決意した。
僕のオタクとしての次の目標は、デジタルと物理の壁を打ち破る、
「自作PC」という名の、新たな聖域の構築だった――。
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