-9-灰銀のレイド

空隙その1『一万年前のおとぎばなし』

その世界は笑顔で溢れていました。 
長い戦争は一人の英雄によって集結し、勝った国も負けた国もみんな安心。
これ以上大切な人を失わずに済むと喜んでいました。

ですがある日。
世界の半分が一夜にして死にました。
犯人は英雄でした。
彼はその日から邪神と呼ばれ、事態を重く見た女神が立ち上がります。
それに加え残り半分の人類と邪神の十人の弟子、そして彼と共に戦った四人の英雄と戦いました。
結果は敗北です。
人類は九割に減らされ弟子は三人まで減り、英雄は全員死にました。

女神だけは最後まで戦い、なんとか封印することが出来ました。
ですが残りの一割は脆弱な子供たちでいっぱいです。
そこで残りの三人の弟子たちは師匠の償いとして、彼らを良き道へと導きました。

それを見届けた女神もまた、眠りにつきます。
残った者たちの平和、そして幸福を祈って。